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2020年4月の記事

2020年4月26日 (日)

ONKYO T-429

 ・2020年3月初旬、ヤフオクでジャンク品を入手しました。
 ・ちょっと調べてみたい事があったので、、

T42912

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-429 ¥69,800(1981年頃)
 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-429R ¥69,800 (1982年頃)
 ・ONKYO アンプ/チューナーカタログ 1981年9月版

T42902T42915

 ・T-429とT-429Rの違いは何でしょう?
 ・外観は同じ、ボディサイズも同じ。でも重量がかなり違う(429:7kg、429R:5.6kg)
 ・消費電力も微妙に異なる(429:28W、429R:27W)
 ・両機のスペックを詳細に比較すると微妙な差があります。

■回路研究:カタログより抜粋------------------------------------------

【FM帰還方式の原理】
 検波出力信号の一部を、FMサーボ回路を通して局発へフィードバック(帰還)し、局発に内蔵した超低歪率回路で局発信号を変調。変調された局発信号はミキサーで入力信号とミックスされ、IF信号が取り出されます。FMサーボ帰還量は6dBに調整されているため、このIFスペクトラム信号対は1/2に圧縮されます。従ってFM帰還方式では、
1. IF回路の帯域幅を2倍に広げたのと同じ効果があり、IF信号帯はIF回路の最も位相特性の良い部分だけ、つまりフラットな道の中央だけを通ることができます。この結果、IF回路のダイナミックレンジが拡大し、オーバー変調時の大入力に伴う広いIF信号帯に対しても優れた低歪率を維持できます。
2. オーディオアンプで低歪率のセオリーとなっているNFB(ネガティブ・フィードバック)効果を持つため、IF・検波器でのリニアリティが大幅に改善され、歪がグンと低くなります。
3. ステレオ分離用の信望もクリアーに伝送されますから、MPXでの位相のズレを抑え、セパレーションを格段に向上させました。
4. IFの広帯域化によって、完璧同調を求めたサーボロック方式の効果がさらに高まり、クオーツロックに匹敵する同調精度を得ました。
5. 受信条件の違いに応じてクオリティの最高水準を選べるIF帯域2段切換(低歪率WIDE、高選択度NARROW)を装備していますが、FM帰還(SERVO)はWIDE時のみ動作させています。
【フロントエンド】
 多局化時代を迎えたFMチューナーの受信性能は、RF相互変調に代表される妨害排除性能が問題となります。混信や妨害のない良好な状態で電波を鋭くキャッチするために、受信性能を決めるフロントエンドをダイレクト入力トリプルチューンの周波数直線型7連バリコンと、広いダイナミックレンジ・デュアルゲートMOS-FET×2のダブルバランス型ミキサーで構成。局発の出力を3端子MOS-FETによるチューンド・バッファを通してミキサーに注入します。この結果、±2.5MHzで105dB(direct)という素晴らしい相互変調妨害比はもちろん、混変調妨害をはじめ、各種妨害の排除に大きな成果を上げました。しかもアンテナ入力段をBOOSTER OUT/INの2段階切換としており、受信条件に応じて最適の感度を選べます。
【BOOSTER OUT(direct)/BOOSTER IN】
 BOOSTER OUT(direct)は強電界地域で圧倒的な性能を発揮するポジションです。入力トリプルチューンの後、RF(高周波増幅)を通さず、直接ミキサーに入ります。ダイナミックレンジを充分確保することにより、相互変調等の妨害を強力に排除し、安定でクリアーな受信が楽しめます。このときの感度は1.75uV(75Ω)です。
 BOOSTER INは弱電界地域向けポジションで、トリプルチューンの前にMOS-FETによるRF2段増幅(入力シングル同調)が入ります。0.9uV(75Ω)という高感度で働きますから、遠距離の微弱な電波も十分に受信できます。このときの相互変調妨害比は100dB(±2.5MHz)で良好な各種妨害排除性能を示しています。
【高速C-MOSスイッチングMPX】
 コンポジット信号をL・Rに分離するスイッチング信号が遅い場合、その立上り、立下りの部分で信号に影響を与えます。本機では、スイッチング阻止に高速応答のC-MOSアナログ素子を使用。またL・R分離後のサブキャリア成分のカットは、アクティブフィルターとパイロットキャンセラーを採用し、LCローパスフィルターの磁気歪によって生じる音質劣化を防止。Wスーパーサーボ方式による完全DC構成ハイスル―レート・オペアンプと相まって、PLL・MPXデコーダ全体として、歪率0.02%、セパレーション70dBという優れた性能を実現し、歪感のないクリアーな中高音を得ています。
【チューナー初のWスーパーサーボアンプ】
 インテグラのアンプ技術で定評のあるダブル・スーパーサーボアンプをMPX以降の全回路に搭載しました。この方式は、チューナー出力のプラス側とマイナス側の両端子から、出力に発生する有害なノイズや歪成分だけをMPX入力にフィードバックし、これをキャンセルするもので、同時にチューナー内部のアースラインの僅かなインピーダンスに起因する歪の発生おもシャットアウト。パワフルで歯切れの良い超低域再生はもちろん、楽器の分解能やリズム感・ハーモニーを鮮やかに捉え、チューナーの音楽性を飛躍的に高めました。

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルは経年の汚れがあるものの、目立つキズはない。
 ・プッシュボタンのサビがちょっと残念。
 ・ボディ左下後部に潰れたような傷跡。
 ・左後部を落下させたような感じです。でもこの程度なら力技で修正できそう。
 ・さて同軸アンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯、3つのメーター照明点灯、指針照明点灯。
 ・IF切換、RF切換インジケーター点灯、それぞれ機能しているようです。
 ・3個のインジケーター(STEREO、TINED、LOCKED)それぞれ点灯。
 ・MUTING切換OK、AIR CHECK信号(REC CALトーン)OK。
 ・選局ツマミに手を近づけと(触れなくても)タッチセンサーが反応する。
 ・選局ツマミから手を離すとTメーターが中点に引き込まれる。
 ・このときのTメーター中点がセンターからややズレている。
 ・選局ツマミに手を触れた状態でTメーター中点とSメーター最大点が少しズレる。
 ・指針の周波数ズレはほとんど無し。
 ・選局ツマミの回転フィーリングが頼りないほど軽い。
 ・背面端子 SERVO SENSOR L/R の使い方が不明。マルチパスH/Vとは異なるみたい。

T42901T42903T42904T42905T42906
T42907T42908T42909T42910T42911
T42914T42916T42917T42918T42919

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・7連バリコン搭載フロントエンド。3SK73×2
 ・BOOSTER OUT RF増幅を迂回
 ・IF BAND切換 WIDE/NARROW
 ・WIDE選択時のみFM SERVO(FM帰還)が作動する
 ・Q105/HA1137W:クアドラチュア検波 → Tメーター、Sメーター駆動
 ・L106周辺にレシオ検波回路 → これが「広帯域ウルトラリニア検波器」か?
 ・「検波出力信号の一部を、FMサーボ回路を通して局発へフィードバック(帰還)」
  ・Q105/HA1137W IF-OUT(8pin) → L106 → Q511/TC4066BP → Q501/NJM4560D → R019 → OSC回路
 ・IF BAND選択と SERVO ON/OFF に応じて回路が切り換わります。
  ・NARROW → HA1137Wによるクアドラチュア検波
  ・WIDE  → 広帯域ウルトラリニア検波(レシオ検波)
  ・WIDE+SERVO → 広帯域ウルトラリニア検波(レシオ検波)+ FM帰還
 ・Q208/HA11223W:PLL-MPX IC
 ・HA11223W の復調信号出力は使われていない。
  ・「高速C-MOSスイッチングMPX」
  ・Q210/uPD4011BC,Q211/TC4066BP
 ・背面端子 SERVO SENSOR の使い方がよく分からない?
  ・SERVO SENSOR L → S1 → Q215-5pin → GND
  ・SERVO SENSOR R → S2 → Q214-3pin → GND
  ・GND
  ・取扱説明書をお持ちの方、お教えください。お願いします。

T42920T42921T42922T42923T42924
T42925T42926T42927T42928T42929
T42930T42931T42932T42933T42934
T42935T42936T42937T42938T42939
T42941T42942T42943T42944T42945

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・R101左足に10.7MHz注入 → L103調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・76.0MHz → L007調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz → TC007調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・BOOSTER → IN
 ・IF BAND → NARROW
 ・76.0MHz → L001,002,003,004,005,008調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz → TC001,002,003,004,005,006調整 → Sメーター最大
 ・83.0MHz → L006調整 → Sメーター最大
【NARROW:クアドラチュア検波調整】
 ・IF BAND → NARROW
 ・FM SERVO → OFF
 ・83.0MHz → 周波数目盛り83MHz付近のSメーター最大位置で受信
 ・83.0MHz → L103調整 → Tメーター中点
 ・83.0MHz → L104調整 → 高周波歪最小
【WIDE:レシオ検波調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・FM SERVO → OFF
 ・83.0MHz → L101調整 → 高調波歪最小
 ・83.0MHz → L106(左右コア)調整 → 高調波歪最小
【WIDE:FM SERVO調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・FM SERVO → ON
 ・83.0MHz → R109調整 → 高調波歪最小
【AFC(Tメーター中点)調整】
 ・TP SENSOR → GND ※タッチセンサー強制OFF → 解除
 ・83.0MHz受信 → R146調整 → 引き込まれたTメーター指針を中点に
【Sメーター調整】※注)
 ・TP SM → 電圧計セット
 ・83MHz L107調整 → 電圧最大
 ※注)Sメーター指針はほとんど振れません。
 ※TP SM の電圧値で判断
【VCO調整】
 ・TP201 → 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz 無変調 → R246調整 → 76.0kHz
【パイロットキャンセル】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz,ST → L201,R274調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランスに注意
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz,ST → R212 → Lch漏れ信号最小
 ・83.0MHz,ST → R213 → Rch漏れ信号最小
【変調度調整】
 ・83.0MHz,ST → R275 → DIVIATIONメーター 100%
【REC CAL】
 ・83.0MHz,ST → 固定出力レベル記録
 ・AIR CHECK → ON → -6dB ※463Hz

T429

 ・FM SERVO オン時、高調波歪はWaveSpectra上でほとんど見えなくなります。
 ・カタログ上の効用は確かにあるようです。

T42900

■FM文字多重放送(DARC)によるノイズ問題------------------------------

 ・実はこれが T-429を入手した目的です。
 ・「T-429/429RでNHK-FMを受信するとVICSノイズが発生する。」
 ・横浜のM氏より情報をいただきました。
 ・FM文字多重放送( DARC = Data Radio Channel )の影響によるノイズ問題です。
 ・どうやら KT-9900、L-01T、T-300V 以外にも該当機があるらしい!
 ・FM多重放送に関する情報はこちら→
  ・KENWOOD L-01T
  ・TRIO KT-9900
  ・LUXMAN T-300V
 ・上記調整作業後にNHK-FMを受信してみました。
 ・何と、聞き覚えのある「セミの鳴き声」ノイズが聞こえます。
 ・FM多重信号発生器 MEGURO DARC ENCODER MSG-2170からFM多重信号を送信
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・結果は、、確かにあの「セミの鳴き声」に似たノイズが発生しました。
 ・NHK-FM以外は問題ないのですが、肝心のNHK-FMでは大問題です。

T42933_202

■高速C-MOSスイッチングMPX回路----------------------------------------

 ・T-429のカタログを読むと「高速C-MOSスイッチングMPX回路搭載」とあります。
 ・そして「高速スイッチング素子」としてTC4066BPの写真が掲載されています。
 ・また「高速スイッチング波形」として方形波のスペクトラム画像が掲載されています。
 ・この辺りの仕組みはTRIO/KENWOODの「サンプリングホールドMPX」とほぼ同じでしょうか?
 ・確認すると Q208/HA11223W はスイッチング信号抽出のために使われている。
 ・実際のスイッチングは後続の Q210/uPD4011BC と Q211/TC4066BP が担っている。
 ・このスイッチングの過程でFM多重信号(VICS信号)が影響すると想像します。

■SCAフィルター実験---------------------------------------------------

 ・検波信号(コンポジット信号)に含まれるFM多重信号をカットできないか?
 ・MPX回路に入る前に LCフィルター を無理やり挿入してみました。
 ・使ったのはTRIO KT-770 に載っていた赤白黄のL-15(L79-0162-05-371)
 ・たぶんコンポジット信号の68kHz以上をカットするフィルターだと思います。

T42952T42953T42954T42955T42956

 ・別基板にフィルターを載せて配線を引き回す。
 ・この状態でFM多重信号発生器から信号送信。
 ・フィルターのオリジナル状態では多重信号ノイズが発生しました。
 ・赤白黄のコアを試行錯誤で調整してみたところ、
 ・赤色コアを右方向一杯に回したところで不快なノイズはキレイに消えました。
 ・この方法は使える!! と思ったら、、
 ・実際にNHK-FMを受信すると残念ながらノイズ感が消えません。
 ・多重信号ノイズの仕組みが違うか? フィルター設定が違うのか?
 ・とても興味深い研究テーマになりました。今後も実験を続けてみます。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・照明に映える周波数窓とメーター、インジケーターが美しい。
 ・ウットリ感満載でずっと眺めていられます。
 ・NHK-FMの雑音を何とかしたい、、、

T42913

2020年4月12日 (日)

PIONEER TX-80

 ・2019年12月末、また一台、昭和の香り漂うオールドチューナーを入手しました。
 ・埃まみれの超ジャンク品でしたが、丁寧に整備した記録です。

Tx8003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer TX-80 ¥42,800(1971年頃)
 ・HifiEngine Pioneer TX-800 AM/FM Stereo Tuner (1971-72)

Tx8002Tx8019

 ・70年代初頭のPIONEER製チューナー系譜
  ・1969年 TX- 90 (\49,800)、TX- 70(\39,800)、TX- 50(\24,000)
  ・1971年 TX-100 (\60,000)、TX- 80(\42,800)、TX- 60(\33,800)
  ・1973年 TX-910 (\75,000)、TX-810 (\53,000)、TX-710 (\43,000)

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・全体にヤニ汚れ、でもフロントやボディに目立つキズはない。
 ・残念な点は背面AMバーアンテナの台座が破損していること。
 ・電源オン、二つのメーター照明点灯。指針の照明が点灯しない。
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない。
 ・-0.2MHzほどの周波数ズレで名古屋地区のFM放送を受信。
 ・STEREOインジケーターが常時点灯、AM受信に切り換えても常時点灯。
 ・MUTINGが作動しない。
 ・AM放送は破損したバーアンテナで受信OK。
 ・両chとも可変出力端子から「バリバリ」という酷い雑音が聞こえる。
 ・FM/AMとも同じ雑音が聞こえる。
 ・一方、固定出力端子はFM/AMとも雑音なし。

Tx8004Tx8005Tx8006Tx8007Tx8009
Tx8011Tx8012Tx8013Tx8016Tx8017

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・シリーズ上位機 TX-100と比較すると随分簡略化されている印象です。
 ・Alps社製FM4連AM3連のフロントエンド
 ・セラミックフィルター → レシオ検波 → ディスクリートMPX
 【基板番号】
  ・W11-044 FM FRONTEND
  ・AWE-002 FM AM UNIT
  ・AWK-002 AF UNIT
  ・W16-034 POWER UNIT
 【電源電圧】
  ・B1 + 6.5v
  ・B2 +27.5v
  ・B3 +11.8v

Tx8020Tx8021Tx8022Tx8023Tx8024
Tx8025Tx8026Tx8027Tx8028Tx8029
Tx8030Tx8031Tx8032Tx8033Tx8034
Tx8035Tx8036Tx8037Tx8038Tx8039

■修理記録:指針電球交換------------------------------------------------

 ・指針基部に埋め込まれた照明電球(Position Lamp:8v/50mA)。
 ・ジャンク部品箱に同型電球がありました。
 ・指針電球の交換は神経を使う作業です。
 ・フロントパネルは分解清掃して輝きを取り戻しました。

Tx8050Tx8051Tx8052Tx8053Tx8055

■修理記録:STEREOランプ常時点灯----------------------------------------

 ・輸出機の回路図でSTEREOインジケーター周辺をチェック。
 ・電圧変化を確認すると怪しいのはQ19(2SC968)か?
 ・Q19(2SC968) → 2SC968新品交換
 ・これでSTEREOインジケーターの点灯消灯が正常になりました。

Tx8060Tx8061Tx8062Tx8063Tx8064

■修理記録:MUTING不調-------------------------------------------------

 ・輸出機の回路図でMUTING回路周辺をチェック。
 ・Q16(2SK30) → 2SK246 交換
 ・C55,57(3.3uF/16v) → 3.3uF/50v 交換
 ・故障していたのはQ16(2SK30)でした。
 ・ミューティング動作が正常になりました。

Tx8070Tx8071Tx8072Tx8073Tx8074

■修理記録:可変出力の雑音---------------------------------------------

 ・FM/AMとも同じ症状なので故障個所はAF基板のどこか。
 ・固定出力端子(RE OUT)、可変出力端子(OUTPUT)
 ・AF基板入力端子   [1番 → Lch]、[13番 → Rch] ○雑音なし
 ・AF基板RECOUT端子 [6番 → Lch]、[ 8番 → Rch] ○雑音なし
 ・AF基板OUTPUT端子 [2番 → Lch]、[12番 → Rch] ×雑音あり
 ・Q5,Q6(2SC871) → 2SC1815 交換
 ・Q7,Q8(2SC870) → 2SC1815 交換
 ・壊れていたのはQ7(2SC870)でした。

Tx8081Tx8082Tx8083Tx8084Tx8085

■調整記録-------------------------------------------------------------

【OSC調整】
 ・76MHz受信 → TCo
 ・90MHz受信 → Lo
【RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2
【レシオ検波調整】
 ・無信号 → T2上段コア調整 → Tメーター中央へ
 ・83MHz受信 → T2下段コア調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz受信 → フロントエンドIFT調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター振れ最大
【ミューティング調整】
 ・83MHz,20dB受信 →VR1調整 → MUTING作動位置へ
【19kHzコイル調整】
 ・83MHzSUB信号 → T6調整 → Lch最大レベル
【セパレーション調整】
 ・VR2調整 → 反対ch漏れ最小
【AM調整】
 ・OSC調整 T4,AM3
 ・RF調整 バーアンテナ,T3,AM1,AM2
【AM Sメーター調整】
 ・T5調整 → Sメーター振れ最大


Tx8000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・約50年前、つまり半世紀前の製品ですね。
 ・入手時とは見違えるほどキレイな個体に仕上がりました。
 ・ノスタルジックな雰囲気がイイ感じです。
 ・高音質とは言えませんが、BGM用途なら充分使えます。


Tx8010

2020年4月 5日 (日)

SONY ST-S555ESX 修理調整記録4

 ・2020年2月、具合が悪いという555ESXが届きました。
 ・FM放送の音が歪んでいるそうです。
 ・以下、作業記録です。

555esx03_20200405131501

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S555ESX ¥74,000(1986年発売)
 ・オーディオ懐古録 SONY ST-S555ESX FM STEREO/FM AM TUNER ¥74,000(1986)
 ・Hifi Engine SONY ST-S800ES AM/FM Stereo Tuner (1988)

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は目立つキズも無くとても状態が良い。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示部は文字痩せ、文字欠けなく輝度も十分です。
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局をすべて受信しました。
 ・周波数ズレなし。STEREOランプも点灯する。
 ・WIDE/NARROW切換、MUTING切換、REC CALトーンなど動作OK。
 ・FM受信の一連の動作は正常ですが、出てくる音声がかなり歪んでいる感じ。
 ・AMは手持ちの適当なループアンテナで名古屋地区のAM放送局を確認。
 ・AMもオート選局で正常に受信できました。
 ・AMは出てくる音は正常です。歪などの違和感なし。
 ・問題はFM受信時の音声です。MPX回路が怪しそう。

555esxbefore2

■修理記録:電源回路--------------------------------------------------

 ・まず気になったのが電源回路の大型電解コンデンサー C907:2200uF/35v
 ・今にも破裂しそうなほど頭頂部が膨らんでいます。
【電圧チェック(規定値)】
  ・IC902(NJM7815) +22.6v(+22.5v)→ +15.3v(+15.5v)
  ・IC903(NJM79M15) -21.2v(-21.5v)→ -15.2v(-15.5v)
  ・IC318(NJM78L08) +10.2v(+10.0v)→ + 6.3v(+ 8.2v)
  ・IC319(NJM79L08) -10.3v(-10.6v)→ + 0.6v(- 8.2v)
 ・MPX回路に供給する±8vがおかしい。特に-8vが出ていない。

555esx50_20200405131201555esx71555esx52555esx53_20200405131201555esx72

 ・調べたところ、IC319(NJM79L08)の前にあるL303(33mH)の両端抵抗が無限大。
 ・つまり内部断線しているようなのでこれを手持ちの代替部品に交換。
 ・続いて破裂しそうな大型電解コンデンサー C907(2200uF/35v)を交換。
 ・部品取り用に保管している333ESAから大型電解コンデンサー(2200uF/63v)を移植。
 ・これで電圧異常が解消しました。

555esx60_20200405131301555esx61_20200405131301555esx62_20200405131301555esx65555esx66

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・まずはサービスマニュアルに従って各部調整作業を行いました。
【FM同調点調整】
 ・IC206:LA1235 7~10pin間 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG83.0MHz 変調OFF 80dB → IFT208調整 → 電圧0V±20mV ※実測+380mV
【VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン電圧計セット
 ・90.0MHz → L105調整 → 21.0V±0.2V ※実測20.8V
 ・76.0MHz → 8.0V±1.0V 確認のみ ※実測7.9V
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・SSG76.0MHz → L101,L102,L103,L104調整 → 電圧最大
 ・SSG90.0MHz → CT101,CT102,CT103,CT104調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING=OFF
 ・音声出力端子をWaveSpectraで確認
 ・TP202 電圧計セット
 ・TP201を短絡 ※IF回路をパス
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT207調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測+128mV
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → CT201 調整 → 高調波歪最小
 ・SSG83.0MHz 80dB送信 → IFT205調整 → 高調波歪最小
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC206:LA1235 13pin電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・RT201、RT202 時計回り一杯に回す
 ・SSG83.0MHz出力20dBモノラル信号送信
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
  ・IFT202調整 → 電圧最大
 ・RT201、RT202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG83.0MHz出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
 ・SSG83.0MHz出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING = ON
 ・IF BAND = WIDE
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT204調整 → MUTING作動
 ・IF BAND = NARROW
  ・SSG83.0MHz 出力25dB → RT203調整 → MUTING作動
【Sメーター調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・SSG83.0MHz無変調80dB → RT206調整 → エレメント全点灯位置
【VCO調整1】
 ・TP302 周波数カウンタ接続
 ・SSG83.0MHz無変調 → RT301調整 → 76kHz±100Hz
【VCO調整2】
 ・IC302 9ピン電圧計セット
 ・SSG83.0MHz パイロット信号のみ → RT305調整 → 0V±0.5V ※調整難しい
【パイロットキャンセル】
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT302、L301 19kHz信号漏れ最小 
 ・左右chのバランス確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT303 R→L ※調整後実測61.8dB
 ・SSG83.0MHzステレオ変調 → RT304 L→R ※調整後実測60.2dB
【AM VT電圧調整】
 ・IC804 10ピン(代用 JW41)電圧計セット
 ・1602kHz → OSCトリマ調整 → 22.0V±2.0V ※実測22.6V
 ・ 531kHz → OSCコア調整 → 1.8V±0.1V 確認のみ ※実測5.2V
【AM RF調整】
 ・SSG 603kHz → RFコア調整 → Sメーター最大
 ・SSG1395kHz → RFトリマ調整 → Sメーター最大
 ・SSG 999kHz → IFT401調整 → Sメーター最大
【CAL TONE】
 Peak Levelに対して -6dB 392Hzの波形が出ていました。

555esxafter

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・不具合原因はMPX回路に正常な電圧が供給されていなかったことでした。
 ・各部再調整によって良好な性能を取り戻したと思います。

555esx04_20200405131501

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