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2020年10月11日 (日)

LUXMAN WL500

 ・2020年9月、LUXMAN WL500の修理調整をお受けしました。
 ・Sメーターが振れず受信できないそうです。
 ・以下、作業記録です。

Wl50011

■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 LUXMAN WL-500 ¥69,500 (1971年12月発売)

Wl50001Wl50017

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・外観は LUXMAN T-300V によく似ている。
 ・ウッドボディに艶があってとても美しい!
 ・さて、アンテナを電源を接続してPOWER ON。
 ・周波数窓とメーター、FM/AMのインジケーター電球すべて点灯。
 ・MUTING オンの状態では名古屋地区のFM放送受信不可。
 ・MUTING オフにすると受信可能。
 ・ただしSTEREOランプ点灯しない。
 ・Tメーターは中点を示すがSメーターは全く振れない。
 ・AM受信時はアンテナを接続しなくてもSメーターは大きく振れる。
 ・周波数指針はFM/AMでそれぞれ照明色が切り換る。
 ・FM Sメーター回路の故障、各部調整ズレが予想される。

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■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・内部構成、基板の配置など T-300V によく似た感じ
 ・FM4連、AM3連バリコン搭載のAlps社製フロントエンド
 ・TOKO製10.7MHzブロックフィルター
 ・IFアンプ Q202,203:NJ703N、Q204:TA7061P
 ・レシオ検波
 ・予想通り本体内部にAMバーアンテナ
 ・マルチパスH/V端子装備
 ・背面パネルにアッテネーター(IN/OUT)スイッチ
 ・MPX回路はIC化される以前のスイッチング方式
 ・これはFM多重放送によるノイズ問題がありそうな予感、、

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■修理記録-----------------------------------------------------------

 ・当初は経年劣化によるFM受信感度の低下を疑いました。
 ・ところがよく見ると背面アッテネータースイッチがINの状態でした。
 ・これをOUTに変更したところSメーターが大きく振れ音が出るようになりました。
 ・とりあえず故障個所は無さそうです。

■調整記録-----------------------------------------------------------

 ・サービスマニュアルは未入手ですが、回路図から調整手順を組み立てました。

Wl50042

【電圧調整】
 ・基板上TP12V(写真参照)→ 電圧計セット
 ・VR203調整 → 電圧12V
【検波調整】
 ・電波を受信しない状態 → T203調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IF調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・83MHz受信 → T201,T202調整 → Sメーター最大
 ・T204横TP → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T204調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・83MHz受信 → 指針83MHz周辺でSメータ最大点を探す
 ・T203 上部コア調整 → Tメータ中点(微調整)
 ・T203 下部コア調整 → 高調波歪み最小
 ・左右に少し離調して、Tメーターの左右振れ幅が対象を確認
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → VR201調整 → ミューティング作動点
【Sメーター調整】
 ・83MHz 80dB受信 → VR202調整 → Sメーター振れ具合
【38kHz調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz SUB信号受信 → T302,T303,T304調整 → Lchレベル最大
【AF調整】
 ・83MHz ST信号受信 → VR301調整 → 左右chレベルを同一に揃える
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → VR302調整 → 反対chへの漏れ信号を最小
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → T405,T401,T402,T403,T404調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCAM1,TCAM2,TCAM3調整 → Sメーター最大
 ・VR401調整 → Sメーター振れ具合調整

■FM多重放送によるノイズ問題-----------------------------------------

 ・基板を見た時から嫌な予感はしていましたが、、
 ・やはりNHK-FM受信時にFM多重放送の影響によるノイズが発生しました。
 ・可聴域全体に「ザー」というノイズが乗っている感じです。
 ・音楽のメゾピアノ以下やトーク部分ではっきり分かります。
 ・NHK以外の民放FM局ではノイズは発生しません。
 ・T-300Vで確認した状況と同じです。

Luxman_wl500_96khz2

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・NHK-FMでは不快なノイズがありますが民放FM局はクリアに聞こえます。
 ・この状態でお返しします。
 ・いずれ時間ができたら、つまりリタイアしたら、実はもうすぐですが、、
 ・FM多重ノイズ問題の対策に取り組んでみます。

Wl50010

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コメント

ご無沙汰です。

>いずれ時間ができたら、つまりリタイアしたら、実はもうすぐですが、、

そうなんですか...私は4月からリタイアと言うか無職・失業保険受給中です。
コロナの影響もあり、再雇用先から派遣切り・雇い止めになりました。

コロナが収束しない状況なので、無理して再就職せず、来年夏からは完全にリタイア・年金受給者となる予定です。(特別支給年金の対象なので)
今は毎日が日曜日なんですが、体力維持のウォーキング優先(2時間/日程度)で、意外にAUDIOメンテは全く出来ていません...(^^;

JT様
お久しぶりです。

今年の誕生日でついに63歳定年です。
その後は来年3月までフルタイムの常勤、その後2年は非常勤で今の仕事を続ける予定です。

コロナの影響で最近は週2日の在宅勤務です。家にいる時間が増えて趣味に費やせる時間も増えるかと思ったら、これが意外にそうでもなくて、、相変わらずのスローペースです。

すみません、TA7061PとT203の間にあるトリマコンデンサーのCT201の役割は何か判りますでしょうか。うちのWL500が不調で、これを叩いてみたところ大きな反応があり、また回してみたところ音声が変になりました。こちらの記事では調整項目に含まれていないので、どういったものか興味があります。よろしくお願いいたします。

当時の記録ノートを確認すると「CT201を回すと高調波歪が変j化する」とメモがありました。
検波調整で高調波歪を最小にする役割だと思います。
ほぼ同型のWL-550のサービスマニュアルによると容量は10pFのようです。

たぶん調整記録に記載し忘れたようです。
基板写真に部品番号を書き込んだ写真も掲載し忘れていることにも気付きました。
いい加減な記録で恥ずかしい限りです。

ありがとうございます。
部品番号ですが、WL500はロットによっては基板にシルク印刷で示されているものがあります。うちにその仕様のものもあるのでCT201と判りました。面白いことに部品番号の他に容量や抵抗値、トランジスタの型番まで印刷されています。ただ、機能については何も示されていません。
今回調べているものはその部品番号の印刷が無いロットで、ICのパッケージも金属ではなく樹脂製といった違いが見られます。

すみません、WL500のFMの受信がおかしいのですが、モノラルでしか聞こえず音量が少し小さい、ミューティングをオンにすると音が出ない、シグナルメーターが全く動かない、チューニングメーターは僅かに動く、10.7メガヘルツを直接Q201の前のA端子に入れても症状が変わらない、T204を回しても変化が無い…などの状態ですが、原因候補は何が考えられるでしょうか。よろしくお願いいたします。

すぐに思い浮かぶのは、
背面パネルのアンテナ端子付近にあるアッテネータースイッチです。

■ATTENUATOR:IN/OUT

このスイッチがINになっていませんか?

ご回答ありがとうございます。
アッテネータは試しました。INにすると全く聞こえなくなり、OUTにすると聞こえますが上記の症状です。あと試しに既存フィルタをセラミックフィルタでバイパスしてみましたが変わらないようです。今はICを疑っているところですが、どう確認したものかと悩んでいます。

10.7MHz信号を生成注入できる設備装置をお持ちなら、故障個所を切り分けるため注入場所を変えながら反応を確かめては如何でしょうか?

Q20の1前後、Q202の前後、Q203の前後にそれぞれ10.7MHzを注入して反応に違いがあれば故障個所を特定できると思います。

 ご回答ありがとうございます。
 この間にTA7061Pを交換したところ、音量が回復しました。ただシグナルメーターはまだ動きません。またチューニングメーターも中点をうまく示せない状態でした。そのため各部品を点検したところ、L201が断線している可能性があるため交換しようとしたところ、端子が抜けてしまいました。もともと抜けていた可能性もありますが、うっかりしていました。回路図にコイルの数値が無いため困ったのですが、側面に1039とありました。同様の表記のコイルは手持ちに無いため、たまたまあった33mHを仮に使いました。この状態でステレオになったのですが、ちょっとノイズが多く歪っぽい感じです。またT204は動き出したようですが、反応が鈍い気がします。メーターも両方がまだ駄目のようです。AMでは問題無いので回路に故障箇所がまだ複数あるものと思います。
 これからご教示いただいた方法での確認を行いたいと思います。

 それから上の方で質問が出ていたCT201ですが、うちのロットの基板だとT203の下部に穴が無くてコアが回せません。そのためCT201で調整するのではないかと想像しました。ただかなり敏感で調整しにくいため、T203の下部に穴が開けられたロットがあるのではないかと想像しています。

L201ですが1mHでした。

WL500ですが、各部の測定をしてようやく原因が判ってきました。特に影響の大きかったものはC213(2.2pF)の容量抜けでした。容量が小さすぎて特定が大変でした。
他にも電解コンデンサが軒並み劣化しているとか、Q203(NJ703N)の出力が想定より小さいとか、TA7061Pの故障の疑いとか、T204の内蔵コンデンサの容量抜けもあり、これらは交換しました。一箇所ではなかったため、なかなか大変な作業になりました。今のところ症状はほぼ無くなっていると思います。T204の内蔵コンデンサについては、まだ追い込みが不十分ですが180pF前後かなと思っています。

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