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2021年1月の記事

2021年1月31日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録13

 ・2020年11月、KT-1100Dの故障品が届きました・
 ・表示部に「1888」と表示されるだけの不動品です。
 ・さて、直せるか?

Kt1100d03_20210131134101

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02_20210131134001Kt1100d10_20210131134001

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとても奇麗、ボディは艶があって端子はピカピカです。
 ・でも、、電源を投入すると表示部に「1888」が表示されるだけ。
 ・電源ボタン以外の操作は一切受け付けない状態です。
 ・これはマイコン周辺の電源回路に問題がありそう?

Kt1100d20_20210131134101

■修理記録-------------------------------------------------------------

 ・マイコンIC TC9147BP 42ピンVDD電圧 = 1.02V。
 ・本来は5V前後のはず。この電圧ではマイコンは動作しない。
 ・完全に0vではなく 1.02v とはちょっと中途半端な感じ?
 ・電圧異常の原因を探って電源回路まで調査。
 ・+5Vを生成する IC14(78M05)三端子レギュレーターから1.02Vしか出ていない。
 ・当初はこの電源部の故障を疑ってIC14他いくつか部品交換、、しかし効果なし。
 ・これは+5V系統上のどこかの電解コンデンサー劣化か原因か?
 ・回路図が無いので基板プリント面写真に部品と配線を記入。
 ・+5V系統上の電解コンデンサーを1個づつチェックしたところ、
 ・見つけたのは POWER MUTE回路の C139(100uF/10v)。
 ・電解コンデンサーが 0.3Ω の抵抗と化していました。
 ・これを新品に交換したところ、、当り!!
 ・マイコンIC TC9147BP 42ピンVDD電圧 = 5.1V
 ・周波数表示が出現し、各ボタンで操作できるようになりました。

Kt1100d25_20210131133901Kt1100d26_20210131133801Kt1100d27_20210131133801Kt1100d29_20210131133801Kt1100d28_20210131133801
Kt1100d31_20210131134101

■動作確認(再)------------------------------------------------------

 ・表示部が正常になったので再度動作確認。
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM放送を受信チェック。
 ・上り方向、下り方向ともAUTO選局で名古屋地区のFM局を受信OK。
 ・RF DISTANCE/DIRECT切換OK、WIDE/NARROW切換OK。
 ・STEREOランプ点灯。
 ・適当なループアンテナを繋いでAMの受信チェック。
 ・名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・FM/AMとも動作は正常です。

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

Kt1100d11_20210131134101

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・小さな部品1個の劣化によって「1888」動作不能です。
 ・でも部品交換と再調整によって良い音で受信できるようになりました。
 ・外観も綺麗なので復活できて良かったです。

Kt1100d04_20210131134101

2021年1月24日 (日)

PIONEER F-50T

 ・2020年11月、初めて見る機種 F-50T が届きました。
 ・タイマー機能内蔵のエアチェック対応チューナーです。
 ・以下、作業記録です。

F50t09

■製品情報-----------------------------------------------------------

Pioneer_f50t01

 ・手持ちの古いカタログに情報がありました。F-120Dと同世代です。
 ・PIONEER アンプ&チューナーカタログ 1985年3月版
 ・Hifi engine Pioneer F-50T AM/FM Stereo Tuner (1985)

F50t02F50t18

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字:1984
 ・外観は経年の汚れ、多少の擦り傷。フロントパネルはほぼ無傷。
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM局で受信チェック。
 ・オート選局機能が無い → マニュアル選局で操作。
 ・MUTING機能も無い → 放送局周波数の±0.2MHzの範囲で受信
 ・本来の周波数ではノイズ感が大きい、-0.1MHzの方がまし。
 ・STEREOランプ点灯
 ・ループアンテナを接続して名古屋地区のAM局を受信
 ・時刻設定、タイマー設定は操作できました
 ・ただタイマー機能は指定時刻になってもON/OFF動作しません
 ・リレー本体またはリレー回路が壊れているようです。
 ・時計表示、周波数表示がちょっと薄いです。

F50t03F50t04F50t05F50t06F50t07
F50t12F50t13F50t14F50t15F50t16

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・大きめのタイマー基板と小さなチューナー基板の構成
 ・FM部は3連バリキャップの小さなフロントエンドユニット
 ・IF BAND切換機能なし、MUTING機能なし、オート選局なし
 ・同調から復調まで小さなIC(M51533AL) 1個だけで処理
 ・AM部はLA1247による受信回路
 ・メモリー保持用に単三電池4本が底面に入っていました
 ・懐かしいナショナル製の赤い電池です
 ・幸いにも液漏れなどのダメージは無かったです

F50t20F50t21F50t22F50t23F50t24
F50t25F50t26F50t27F50t28F50t29
F50t30F50t31F50t32F50t33F50t34
F50t35F50t36F50t37F50t38F50t39
F50t40F50t41F50t42F50t43F50t44
F50t45F50t47F50t51F50t52F50t53

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧確認】
 ・アンテナ入力なし
 ・フロントエンドユニットTP(VT) → 電圧計セット
 ・76.1MHz → L03調整 → 1.6V ※規定値不明
 ・89.9MHz → 8.0V ※確認のみ
【フロントエンド調整】
 ・IC01横のダイオード → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L01,L02調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC01調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → IFT調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz受信 → T01調整 → 波形最大、高調波歪最小
【VCO、セパレーション調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz(ST)→ VR01調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM 受信調整】
 ・729kHz(NHK第一)受信 → LA01,LA02調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TCA01,TCA02調整 → Sメーター最大

F50t00

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・チューナー回路に故障個所は無かったです
 ・FM同調点調整によって正しい周波数で受信できるようになりました
 ・受信感度を最大にアップしました。でもオーディオクラスとは言い難い、、

F50t11

2021年1月17日 (日)

SONY ST-J55

 ・2020年11月、研究材料のST-J55が届きました。
 ・発売当時に購入されたワンオーナー品とのこと。
 ・長期間保管後に電源投入したら動作不調だったそうです。
 ・さて、直せるか?

Stj5503

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-J55 ¥49,000(1979年頃)
 ・Hifi engine SONY ST-J55 AM/FM Stereo Tuner (1979-81)

Stj5502Stj5514

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字:1980
 ・外観は ST-J75 に似ている感じ。
 ・外観は経年の汚れ、多少の擦り傷。フロントパネルはほぼ無傷。
 ・電源オン、周波数表示点灯。
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM局で受信チェック。
 ・オート選局上り方向ではFM局を受信できない。
 ・オート選局下り方向は-0.1MHzの周波数で受信OK。
 ・ただしSTEREO受信不可、モノラルのみ。
 ・これはFM同調点が大幅にズレている感じ。
 ・一方のAMは、背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信できない。
 ・AMの局間ノイズも出ない。

Stj5504Stj5505Stj5506Stj5507Stj5509
Stj5512Stj5515Stj5516Stj5517Stj5518

■内部情報------------------------------------------------------------

 ・Alps製フロントエンド。トリマコンデンサとコイルが見える。
 ・IC101:LA1231N クアドラチュア検波
 ・IC301:KB4437 PLL-MPX (=PIONEER PA1001A)
 ・IC201:LA1240 AM Tuner
 ・RT101:Sメーター調整
 ・RT301:パイロットキャンセル
 ・RT302:VCO調整
 ・RT303:セパレーション調整
 ・RT401:REC CAL調整

Stj5520Stj5521Stj5522Stj5523Stj5524
Stj5525Stj5526Stj5527Stj5528Stj5529
Stj5530Stj5531Stj5532Stj5533Stj5534
Stj5535Stj5536Stj5537Stj5538Stj5539

■調整記録------------------------------------------------------------

Stj5543

【VT電圧確認】
 ・アンテナ入力なし
 ・フロントエンドユニット一番手前のTP(B2) → 電圧計セット
 ・76MHz → L4調整 → 3.0V ※実測2.8V
 ・90MHz → CT104調整 → 20.0V ※実測19.4V
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2間 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT101(赤)調整 → 電圧0V±10mV ※実測-2.5V
【フロントエンド調整】
 ・IC101:LA1231-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → IFT調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP1~TP2間 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT101(赤)調整 → 電圧0V±10mV ※再調整
 ・83MHz受信 → IFT101(緑)調整 → 高調波歪最小
【Sメータレベル調整】
 ・83MHz 60dB受信 → RT101調整 → Sメーター全点灯位置
【VCO調整】
 ・TP4 → 周波数カウンタセット
 ・83MHz 無変調 → RT302調整 → 76kHz ※実測値76.7kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz(ST)→ RT301調整 → 19kHz漏れ信号最小 ※左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz(ST)→ RT303調整 → 反対ch漏れ信号最小
【CAL TONE調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・音声出力レベル測定
 ・CAL TONEオン → RT401調整 → 音声出力レベル-6dB ※実測416Hz
【AM VT電圧調整】
 ・フロントエンドユニット一番手前のTP(B2) → 電圧計セット
 ・ 522kHz → T201調整 → 1.3V ※実測1.02V
 ・1602kHz → CT202調整 → 25V ※実測24.2V
【AM 受信調整】
 ・729kHz(NHK第一)受信 → バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → CT201調整 → Sメーター最大
 ・909kHz(NHK第二)受信 → IFT201,202,203,204調整 → Sメーター最大

Stj5500

■AMバーアンテナ不調--------------------------------------------------

 ・背面のAMバーアンテナを動かすと受信出来たり出来なかったりします。
 ・特に上下方向に移動すると顕著に現象が現れます。
 ・バーアンテナ内部の配線が接触不良のようです。

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・不調原因はFM同調点の大幅なズレでした。
 ・再調整の結果、FMは良い音で受信できるようになりました。
 ・特にセパレーション値は両chとも60dB以上を示します。
 ・AMはちょっと難ありですがFMライフは満喫できます。

Stj5510

2021年1月10日 (日)

TRIO KT-1000 修理調整記録2

 ・2020年11月、KT-1000の故障品が届きました。
 ・KT-1000を見るのは久しぶり、、
 ・以下、作業記録です。


Kt100003_20210110115201

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1000 ¥69,800(1980年頃)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1000 FM/AM TUNER ¥69,800円
 ・Hifi engine KENWOOD KT-1000 AM/FM Stereo Tuner (1980-82)

Kt100002_20210110115101Kt100009

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・全体に経年の汚れ。
 ・フロントパネルのガラス板が選局ツマミ付近で割れている。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数窓の照明点灯。メーター照明も点灯。
 ・名古屋地区のFM放送で受信テスト。
 ・82.5MHzのNHK-FMが80.5MHz付近で受信できる。
 ・目盛り90MHz付近で東海ラジオのFM補完放送(92.9MHz)が受信できる。
 ・約2MHz程度の周波数ズレ。
 ・ズレた目盛り位置でSERVO LOCKランプとSTEREOランプが点灯。
 ・RF切換、IFバンド切換でインジケーター点灯。
 ・固定/可変端子ともOK。
 ・REC CALトーンが聞こえない。
 ・付属の純正AMループアンテナでAM受信を確認。
 ・高い周波数CBCラジオ(1053kHz)、東海ラジオ(1332kHz)の受信感度が弱いかも?

Kt100001_20210110114001Kt100004_20210110114001Kt100005_20210110114001Kt100006_20210110114001Kt100007_20210110114001
Kt100008_20210110114001Kt100010Kt100011Kt100012Kt100013_20210110114001

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM5連、AM3連フロントエンド
 ・TR4011:Pulse Count Detector
 ・TR7020:Quadrature Detector & IF Down Convert
 ・HA11223W×2:PLL FM Stereo Demodulator with Pilot Cancel
 ・LA1245:AM Electronic Tuner
 ・ハンダ面を見ると多数の部品が空中配線で追加されています。
 ・これは初期型ですね。

Kt100020Kt100040Kt100021Kt100022Kt100023
Kt100024Kt100025Kt100026Kt100027Kt100028
Kt100029Kt100030_20210110114601Kt100031_20210110114601Kt100032_20210110114601Kt100033_20210110114601
Kt100034_20210110114601Kt100035Kt100036Kt100037Kt100038

■修理記録:約2MHzの周波数ズレ---------------------------------------

 ・フロントエンドOSCトリマ(TC5)を回しても全く変化なし。
 ・完全に容量抜けしています。
 ・対策としてバリコンユニット上に10pFトリマを外付けしました。
 ・約2MHzの周波数ズレをは後述のOSC調整で修正できました。

Kt100040_20210110114801Kt100041Kt100042_20210110114801Kt100043_20210110114801Kt100040

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC5調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5調整不可のため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → 別基板VR1調整 → Sメーター振れ具合調整
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR11,L17調整 → 19kHz漏れ信号最小
【VCO調整】
 ・R153後足 → 周波数カウンター接続
 ・83MHz → VR10調整 → 19kHz±10Hz
【SCA調整】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST+DARC信号 → VR8調整 → Lch:DRAC信号によるノイズを最小
 ・83MHz ST+DARC信号 → VR9調整 → Rch:DRAC信号によるノイズを最小
【SUB信号調整】
 ・83MHz,SUB信号 → L16調整 → Lch出力レベル最大
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR6調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST 60dB → VR7調整 → 漏れ信号最小
【オートブレンド調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST 30dB → 別基板VR2調整 → 漏れ信号中位
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※404Hz
 ※当初基準音が確認できなかったのはVR2の接触不良だったようです
 ※VR2を大きく回したところ基準音が出現しました。
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L12調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMTC3調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L11,L13調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → AMTC1,2調整 → シグナルメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR3 Sメーター振れ具合調整
 ・VR12 Tメーター中点調整

 ※当初の動作確認ではREC CALトーンが聞こえなかったのですが、
 ※上記【REC CAL調整】でVR2を回したら音が出るようになりました。
 ※VR2の接触不良だったようです。

■SCA調整について-----------------------------------------------------

 ・KT-1000にはSCA調整用の VR8、VR9 が実装されています。
 ・これを調整することでNHK-FMのVICSノイズを低減できます。
 ・NHK-FMを聴いてノイズを感じるときはここを調整します。
 ・測定器がなくても聴感で分かります。

■修理記録:突然バリバリノイズ発生-----------------------------------

 ・作業を終えリスニング環境に置いて動作確認を始めました。
 ・当初は良い音で受信できていたのですが、、、
 ・3時間ほど経過した頃、突然激しいバリバリノイズ発生、爆音です。
 ・でもTメーターとSメーターの振れ具合は正常、SERVO LOCKランプも点灯。
 ・STEREOランプが明滅している状態。
 ・このときマルチパスH端子から出てくる音も同じ状態。
【原因調査と修理】
 ・IC8(TR4011)-7pin → 酷い雑音な音が聞こえる
 ・IC8(TR4011)-1pin → 1.96MHzが観測できない
 ・パルスカウント検波が機能していない → L6の故障か?
 ・保管しているKT-1000の基板から同じL6を移植。
 ・雑音が消えて再び良い音で受信できるようになりました。

Kt100050_20210110114801Kt100051Kt100052Kt100054Kt100056

【L6修理法】代わりのL6がない場合
  ・L6の内蔵コンデンサー除去
  ・温度補償型18pFを外付け

■試聴----------------------------------------------------------------

Kt100062Kt100063Kt100067Kt100070Kt100072

 ・L6交換後、再々調整によって良い音で受信できるようになりました。
 ・最後に割れていたフロントパネルのガラス板をジャンク機から移植。
 ・このKT-1000やKT-900、KT-990のフロントデザインは好みです。

Kt100004_20210110115201

2021年1月 3日 (日)

KENWOOD L-01T 修理調整記録8

-------------------------------------------------------------------
 謹賀新年 2021年が良い年になりますように!
--------------------------------------------------------------------

 ・2020年11月、L-01Tの修理調整作業を承りました。
 ・以下、作業報告です。

L01t03_20210103131701

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T FM Stereo Tuner (1980-82)

L01t02_20210103131701L01t10

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディに残ったガムテープ痕が痛々しい、、
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・オレンジ色照明点灯、球切れなし。いつ見ても惚れ惚れする美しさ。
 ・各種インジケーターランプも点灯。
 ・名古屋地区のFM放送局を受信チェック。
 ・僅かな周波数ズレがあるもののFM放送受信OK。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切換、NORMAL/DIRECT切換OK、MUTING動作OK。
 ・気になる点は、、
 ・MUTINGオフ時、83MHzより低い周波数域で指針移動に伴う激しい「ガリ音」発生。
 ・ガリ音に伴ってSメーターが左右に激しく振れる。
 ・Tメーターが中点より右側に振れない。
 ・Lchの音が時々途切れる。Rchは問題なし。
 ・両chとも時々「チリチリッ」とノイズが発生する。
 ・チリチリノイズはマルチパスH端子からも聞こえる。

■修理履歴------------------------------------------------------------

 ・KENWOODサービスによる修理履歴シールが底板に3枚貼ってありました。
 ・1999年01月18日 電源???(判読不能)
 ・1999年05月21日 ナローSCAフィルター改造
 ・2004年02月17日 756??(判読不能)

 ※ナローSCAフィルター改造って?
 ※これはひょっとすると、KENWOODサービスによるVICS対策が施された個体かも!
 ※俄然ヤル気が湧いてきました!!

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると基板上にはびっしりと埃が堆積している。
 ・まずはエアーで飛ばしながら基板の清掃。
 ・フロントパネルの照明電球がいつくか修理済み。
 ・電源基板で劣化した電解コンデンサーがいくつか気になる。
 ・AF回路 C111,C112(220uF/10v)がOSコンに交換済み。
 ・AF回路 Q27(2SC1384)がグラグラ状態 → ハンダ面にクラック確認
 ・ハンダ面に空中配線(ダイオード+600kΩ抵抗)の追加部品を発見!
 ・この追加部品がSCAフィルタ改造か?

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■修理記録:バリコン軸清掃--------------------------------------------

 ・指針を移動するときに発生するガリガリノイズの対策です。
 ・原因は回転するバリコン軸と軸受け部の接触不良です。
 ・接触部の固化した古いグリスを爪楊枝で丹念に除去し、導通グリスを薄く塗布。
 ・76MHz~90MHz区間を何度も往復させて新しいグリスを馴染ませる。
 ・この作業によって83MHz以下のガリガリノイズが解消しました。

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■修理記録:電源基板電解コンデンサー交換-------------------------------

 ・電源基板で劣化が気になった電解コンデンサー2個交換。
 ・C1,C2(10uF/25v) → 10uF/50v 交換


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■修理記録:AF回路ハンダクラック修正-----------------------------------

 ・AF回路 Q27(2SC1384)がグラグラ状態 → ハンダ面にクラック確認。
 ・接触不良を起こしており、これがLchの音が時々途切れる原因です。
 ・ハンダを盛り直して修正。
 ・ついでにRch側も同様に処置。

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■修理記録:チリチリノイズ---------------------------------------------

 ・LA1231N-6pinクアドラチュア検波の音を直接聞くとノイズなし。
 ・このチリチリノイズは聞き覚えあり。修理調整記録3 と同じです。
https://bluess.cocolog-nifty.com/labo/2016/05/kenwood-l-01t-3.html
 ・このときの原因は FL1(L79-0099-05:LPF 3.5MHz)でした。
 ・L-01TではFL1+FL2の組み合わせによってBPFを形成しています。
 ・FL1(L79-0099-05:LPF 3.5MHz)+FL2(L79-0100-05 :HPF 0.9MHz)
 ・一方 KT1000やKT-1100では FL1(L79-0120-05:BPF)1個でBPFになっています。
 ・[L79-0099-05:LPF3.5MHz]+[L79-0100-05:HPF0.9MHz]=[L79-0120-05:BPF]
 ・つまりL-01TのFL1+FL2は(L79-0120-05:BPF)で代替可能ということ。
 ・ジャンク箱で同型部品を探したところ KT-900の基板に同型フィルターを発見。
  ・KT900 FL1(L79-0120-05)
 ・FL1(L79-0099-05) → (L79-0120-05)交換。サイズ、端子位置もピッタリ同じです。
 ・これによってFL2は不要になるはずです。
 ・ただFL2を残したままでも問題なさそうなのでこのままにしておきます。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FMフロントエンド】
 ・OSC調整83MHz → OSC coil
 ・トラッキング調整76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6
 ・トラッキング調整90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
 ・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6調整 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → VR2調整 → MUTING作動
【WIDE GAIN調整】
 ・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR3調整
【第2IF調整】
 ・83MHz受信 → L8調整 → TP=1.96MHz ※実測1.65MHz
【VCO調整】
 ・83MHz無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・83MHz ST受信 → VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・83MHzST受信 → フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
 ※今回はノータッチ
 ※詳細は後述
【ノイズアンプ調整】
 ・離調状態 → VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【SUB調整】
 ・83MHz L-R信号受信 → VR8調整 → Lch最大
 ・同上  → VR9調整 → RchレベルをLchと同じに揃える
【セパレーション調整】
 ・83MHzST受信 → Wide VR10→Rch、VR11→Lch ※実測値:概ね60dB前後
 ・83MHzST受信 → Narrow VR1(X13-2690基板) ※実測値:概ね50dB前後

L01t00

■研究:ナローSCAフィルター改造---------------------------------------

 ・今回のL-01TはKENWOODサービスによるVICSノイズ対策が施されていました。
 ・本体底板の修理記録シール「1999年05月21日 ナローSCAフィルター改造」
 ・基板ハンダ面に空中配線で追加された部品
 ・[D12:アノード] → 600kΩ抵抗 → ダイオード → [D36:カソード]
 ・この改造による変更点は、、
  ・NARROWスイッチに連動してD36カソード側に+1.6vがかかる
  ・その結果、IC9-1pin電圧が + → - に変化する
  ・SCAフィルター回路のスイッチオン → VICSノイズ解消
 ・実際の動作は、
  ・IF BAND=WIDE時 → 盛大なVICSノイズ発生
  ・IF BAND=NARROW時→ VICSノイズ解消する!
 ・D36カソード電圧を最大にする発想は間違ってなかったようです。
 ・それにしてもこんな強引な方法があったのか、ちょっと驚き、、
 ・後継機 KT-1000では基板上でSCAキャンセル調整が出来るようになっています。

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【参考:SCA調整】未改造L-01Tでの調整法
 ・MEGURO DARC ENCODER MSG-2170でFM多重信号を生成
  ※L&R=80%、Pilot=10%、DARC=10%
 ・L10,L11調整 → D36カソード側DC電圧最大へ
 ・VR5調整 → IC9-1pin電圧測定 → +電圧が-電圧に変わる位置※
  ※+7.5V→安定して-6.6Vを示す位置
 ・IC9-1pin電圧が+→-に変わることでSCAフィルター回路のスイッチオン

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・今回は初めてVICS対策が施されたL-01Tを見ることができました。
 ・追加部品の配置やその効果まで確認出来て収穫大です。
 ・NHK-FMでVICSノイズが気になる場合は NARROWに切り換えてお聞きください。
 ・セパレーション値は多少悪化しますがVICSノイズは解消します。

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