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2021年1月31日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録13

 ・2020年11月、KT-1100Dの故障品が届きました・
 ・表示部に「1888」と表示されるだけの不動品です。
 ・さて、直せるか?

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとても奇麗、ボディは艶があって端子はピカピカです。
 ・でも、、電源を投入すると表示部に「1888」が表示されるだけ。
 ・電源ボタン以外の操作は一切受け付けない状態です。
 ・これはマイコン周辺の電源回路に問題がありそう?

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■修理記録-------------------------------------------------------------

 ・マイコンIC TC9147BP 42ピンVDD電圧 = 1.02V。
 ・本来は5V前後のはず。この電圧ではマイコンは動作しない。
 ・完全に0vではなく 1.02v とはちょっと中途半端な感じ?
 ・電圧異常の原因を探って電源回路まで調査。
 ・+5Vを生成する IC14(78M05)三端子レギュレーターから1.02Vしか出ていない。
 ・当初はこの電源部の故障を疑ってIC14他いくつか部品交換、、しかし効果なし。
 ・これは+5V系統上のどこかの電解コンデンサー劣化か原因か?
 ・回路図が無いので基板プリント面写真に部品と配線を記入。
 ・+5V系統上の電解コンデンサーを1個づつチェックしたところ、
 ・見つけたのは POWER MUTE回路の C139(100uF/10v)。
 ・電解コンデンサーが 0.3Ω の抵抗と化していました。
 ・これを新品に交換したところ、、当り!!
 ・マイコンIC TC9147BP 42ピンVDD電圧 = 5.1V
 ・周波数表示が出現し、各ボタンで操作できるようになりました。

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■動作確認(再)------------------------------------------------------

 ・表示部が正常になったので再度動作確認。
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM放送を受信チェック。
 ・上り方向、下り方向ともAUTO選局で名古屋地区のFM局を受信OK。
 ・RF DISTANCE/DIRECT切換OK、WIDE/NARROW切換OK。
 ・STEREOランプ点灯。
 ・適当なループアンテナを繋いでAMの受信チェック。
 ・名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・FM/AMとも動作は正常です。

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・小さな部品1個の劣化によって「1888」動作不能です。
 ・でも部品交換と再調整によって良い音で受信できるようになりました。
 ・外観も綺麗なので復活できて良かったです。

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コメント

いつも楽しく拝見させていただいてます。
修理調整の技術、測定機材、素晴らしいですね。
私はラジオ少年(ミニFMブームの頃)だったので51になった今でも高校生の時に購入したヤマハTX-900でFM受信楽しんでおります。当時高くて買えなかったKT-1100Dが部品一つでまた再生し使えるなんて本当に素晴らしいです。私のTX-900も25年程前に表示が付かなくなりヤマハにダメ元で相談したところ修理対応頂き現在もクリアな音で現役で使用できています。古いチューナーは今でも魅力的ですね。
横浜の田舎ですが、ひかりTVのアンテナに接続しているので関東のほぼ全てのFM局がフルスケールで入感します。いつか私のチューナーもどれほど経年劣化しているのか計測したり再調整や予防で交換したらいい部品(コンデンサ、電源周りはそろそろ限界か)があるのかご教授頂きたいと思っております。
今後も様々なチューナー修理記事楽しみにしております。

こんにちは。 QL-Y7記事でお邪魔した伊藤と申します。
あれ以来、実はチューナーにも手を出しておりまして、100円で落札2000円送料というのを手始めに何やかやで5台ほどオークションで、、、^^

KT-1100Dも、まぁまぁの状態の品を入手し記事を参考にさせていただきながら再調整して使用しています。

回路図がなくて苦労されたとのこと、よくやられましたね!
既にご存知かもしれませんが、以下リンクでサービスマニュアルとして無料で入手可能ですので、ご参考まで。
https://www.hifiengine.com/manual_library/kenwood/kt-1100d.shtml

以前見たときは1100SDしか無くて、、
いつの間にか追加されていたんですね。
ありがとうございます。

修理・調整記録、拝見して利用させて頂いています。
今回、KT-1100Dの周波数ずれ(周波数表示で+1MHzしないとシグナル表示が白くならない。隣の赤いまま。を入手し、貴殿の記事を参考にL9調整で復活しました。が、この時間違ってL8を少し回してしましました。いろいろ調べてみたものの、該当資料が無く、音声出力の歪率に影響するかと試しましたが、少し回しても変化が無いので、元(厳密ではなく)に戻しました。L8の調整方法をお教えいただくと幸いです。なお、測定器類はオーディオ用でなく、アンリツの無線通信機用を所持しています。なお、周波数表示のセグメント欠けは修理不能でしょうね?お忙しいところ恐縮です。

L8の調整法

L8はいつも放置しているので確かめてはいませんが、
たぶんLA1231N内蔵クアドラチュア検波の歪補正かな?と思います。
LA1231N-6pin(AF出力)で観測する歪率を最小にすれば良いのでは?と思っていました。
LA1231N-6pinに配線は無いので、信号をピンから直接取り出す必要がありちょっと面倒です。

周波数表示のセグメント欠けはFL管に繋がる端子のハンダ不良かもしれません。
FL管に繋がる基板端子のハンダを盛り直すと復旧するかも?

早速のご教授ありがとうございます。回路図でもあればと思い悩んでいました。ご教授に従いチャレンジしてみます。
ありがとうございました。

いつも楽しく拝見しています。ありがとうございます。KT1100Dがステレオ表示されなくて、L9を回して電圧を計りましたが変化なし?何処が悪いのか、教えてくださいませ。宜しくお願い致します。

L9を回しても電圧変化が全くないならL9の故障だと思います。
たぶんL9に内蔵されたコンデンサーの容量抜けです。

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