KENWOOD L-03T 修理調整記録2
・2021年1月、L-03Tの調整を承りました。
・以下、作業記録です。
■製品情報-----------------------------------------------------------
・オーディオ懐古録 KENWOOD L-03T ¥120,000
・オーディオの足跡 KENWOOD L-03T ¥120,000 (1983年発売)
■動作確認-----------------------------------------------------------
・ブラックボディに艶があって外観の状態は良い。
・フロントパネルも目立つキズはない。
・FMアンテナを接続して電源オン。
・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯。
・名古屋地区のFM局を受信すると
・実際の周波数よりも約0.5MHz低い目盛り位置で受信。
・STEREOランプ点灯、LOCKEDランプ点灯。
・ただ出てくる音は良くない。ノイズフロアが高い感じ。
・Sメーター、Tメーターの動き方は正常。
・IF BAND切換OK、RF切換OK、REC CALトーンOK。
・オリジナルのΣケーブルを初めて見ました。
■内部確認-----------------------------------------------------------
■調整記録-----------------------------------------------------------
・Σ回路以外はKT-2200と同じ。調整方法もKT-2200と共通です。
【機器の設定】
・RF=DISTANCE
・サーボロック OFF
【IF VCO6.2MHz調整】
・TP=IC2 JRC1496 8ピン(R16左足)周波数カウンタ接続
・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L20調整 → 6.2MHz
【検波調整1】
・IF BAND=NARROW
・83MHz 無変調 90dB Sメーター最大位置で受信 → L26調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
・IF BAND=NARROW
・83MHz 無変調 90dB 受信 → OSCトリマ調整 → ダイヤル指針83MHz
※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【フロントエンドRF調整】
・IF BAND=NARROW
・83MHz 無変調 50dB 受信 → RFトリマ3個調整 → Sメーター最大
・83MHz 無変調 50dB 受信 → T1調整 → Sメーター最大
※コイル調整は難度高いのでノータッチ
【検波調整2】
・IF BAND=WIDE
・83MHz 1kHz 60dB受信 → Tメーター中点確認
・83MHz 1kHz 60dB受信 → L25調整 → 高調波歪最小
・83MHz 1kHz 60dB受信 → VR2調整 → 高調波歪最小
【IF WIDE調整】
・IF BAND=WIDE
・オーディオ出力をWavespectraで観測
・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → L4,L5,L6,L7,L8,L9,L10,L11,L12調整
→ Sメーター最大 かつ高調波歪最小
【IF WIDE調整】
・IF BAND=WIDE
・オーディオ出力をWavespectraで観測
・83MHz ST 1kHz 60dB 受信 → L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
【IF NARROW調整】
・IF BAND=NARROW
・オーディオ出力をWavespectraで観測
・83MHz 1kHz 60dB 受信 → L14,L15調整 → 高調波歪最小
【NARROW GAIN調整】
・IF BAND=WIDE
・83MHz 無変調 40dB 受信 → Sメーター目盛り記録
・IF BAND=NARROW
・83MHz 無変調 40dB 受信 → VR1調整→ Sメーター目盛りWIDE時と同じ
【VCOフリーラン周波数調整】
・IF BAND=WIDE
・TP R163上側に周波数カウンタ接続
・無信号 → VR6調整 → 152kHz±100Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
・IF BAND=WIDE
・オーディオ出力をWavespectraで観測
・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → VR5調整 → 19kHz最小
・83MHz パイロット信号 60dB 受信 → L37調整 → 19kHz最小
・左右バランスに注意
【セパレーションWIDE調整】
・IF BAND=WIDE
・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR7調整 → Lch漏れ最小
・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → Rch漏れ最小
【セパレーションNARROW調整】
・IF BAND=NARROW
・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → L/Rch漏れ最小
【Sメーター調整】
・IF BAND=WIDE
・83MHz 無変調 60dB 受信 → VR3調整 → Sメーター目盛り4.25
【DEVIATION調整】
・IF BAND=WIDE
・83MHz MONO 1kHz 60dB 受信 → VR4調整 → Dメーター目盛り100%
■試聴---------------------------------------------------------------
・故障個所は無かったです。
・再調整によって良い音で受信出るようになりました。
・固定出力と可変出力(Σケーブル)で音質に違いはあるのか?
・聴き比べても私の耳では違いは判らなかったです。
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ケンウッドL03Tの修理ブログがあったので拝見しました、つきましては私最近このL03Tの中古を購入し音出ししたとろ音声に混じってジユルジユルというノイズが全ての放送局で入りますモノラルモ―ドにすると消えます、購入店に連絡したところ近くに妨害電波の発生原因はないかとのことですが、直前まで使用していたソニーST―5150Dには一切ノイズは入りませんもちろんステレオモ―ドですなお電波はケ―ブル放送局のものですなおOH済みということで信用したのですがショックです。
投稿: オーディオじいちゃん | 2022年3月27日 (日) 09時34分
たぶん調整ズレ、または MPX回路のどこか部品の故障のような気がします。
現在の流通している中品品の宿命のような、、、そんな気がします。
投稿: BLUESS | 2022年3月27日 (日) 21時27分
上記のL03T販売先に返して再度異常がないか確認してもらった所あちらではきちんと受信出来るようです、なお当方の受信電波はBSや地上デジタル、FMの混合して送って来るケ―ブルTV局のものをまずBDレコーダーのアンテナ入力に入れレコーダーのアンテナ出力からFMチユ―ナ―に入力していますそのことを販売先に伝えケンウッドに連絡して聞いてもらった所、BDレコーダーの中にあるアンテナ電源をオフにしてくださいとの返事をもらったとのこ とです、各チユ―ナ―の感度によって影響が出たりするとのようですこれで解決できれば良いのですが。
投稿: オーディオじいちゃん | 2022年3月30日 (水) 19時48分
同じ条件でも ST-5150D ではノイズは無いのですね?
レコーダーのアンテナ電源オフで解決することを祈ります。
投稿: BLUESS | 2022年3月31日 (木) 15時01分
戻っできたL03T販売店の言うとおりレコーダーのアンテナ端子使わず壁の端子から直接繋いで聞きましたがやはりダメでした、今度はステレオどころかモノラルでも同様のノイズが入り諦めて販売店に伝えた所、心よく(でもないか、笑い)返品に応じてくれました、もっとも最後まであちらは地元のケンウッドのサ―ビスで点検を受けてOKをもらっているので当方のアンテナの不具合であると譲りませんでしたが、だとすると今使用しているソニーのチユ―ナ―とどこが違うんだろう、確かにL03Tに使われている受信回路は高度で複雑なのはわかるのですがう~ん。 近くにあるハドフにラツクスマンのT―110が有りますが今回のようなことがあると手を出すのは怖い、 笑い。
投稿: オーディオ神社 | 2022年4月 6日 (水) 16時39分
いつも楽しく拝見させていただいてます。
L-03Tを中古で購入し出来る範囲で調整したのですが、同じ条件で使用しているKT-990の方が感度も良くKTで受信できるのにL-03Tでは受信できません。一度見てもらいたいと思いコメントいたしました。
お時間がある時で構いませんので連絡を頂けると助かります。
投稿: まめくん | 2024年10月23日 (水) 16時49分