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2021年8月の記事

2021年8月29日 (日)

TRIO KT-7500 修理調整記録4

 ・2019年11月に修理したKT-7500 の再修理記録です。
 ・「再び調子が悪くなった、、」と依頼者様から連絡いただきました。
 ・出てくる音がブツブツ途切れて聞くに堪えないそうです。
 ・さて、今度はどこが壊れたか?

Kt750003_20210829122801

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7500 ¥48,000(1975年発売)
 ・1976年5月発行 トリオ総合カタログ
 ・hi-fi engine KENWOOD KT-7300 輸出機サービスマニュアル
 ※型番注意
  ・国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300
  ・国内機 KT-7700 → 輸出機 KT-8300

Kt750002_20210829122901Kt750010_20210829122901

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FM受信時、TメーターとSメーターの振れ方は正常です。
 ・しかし音声出力端子から出てくる音がブツブツ途切れる
 ・STEREOランプ点灯しない
 ・VCO調整で19kHzに設定できない
 ・マルチパスH端子からは正常音声が聞こえる
 ・AM受信時は問題ない
 ・これは復調回路の故障か?

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・復調回路の調査開始
 ・IC2:HA1156 → 取り外して足の裏側まで磨く → 効果なし
 ・IC2:HA1156 → 新品のHA1156Wに交換 → 効果なし
 ・C19(470pF) → 新品交換 → 効果なし
 ・Q2(2SC945) → 2SK1815交換 → 効果なし
 ・その他HA1156周辺の電解コンデンサー交換 → 効果なし
 ・これはおかしい??

Kt750001_20210829123001Kt750002_20210829123001Kt750003_20210829123001Kt750004_20210829123001Kt750006_20210829123001

 ・残るは正面パネルの機能切換スイッチ(AM-AUTO-MONO)しかない?
 ・フロントパネルを分解し基板からスイッチ本体を取り外す
 ・スイッチ自体をさらに分解してみると、
 ・スイッチ内部の接点が真っ黒に変色していました。
 ・接点端子をバラバラに分解して徹底洗浄、その後再度組み直したところ、
 ・STEREOランプが点灯し、正常音声が出てくるようになりました
 ・接点に付着した「暗黒物質」が悪さしていたようです。
 ・復旧後、もう一度調整をやり直して作業完了。

Kt750010_20210829123301Kt750012_20210829123101Kt750015Kt750016Kt750017

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt750000

 ・VR1:FM Sメーター調整
 ・VR2:Tメーター オフセット調整
 ・VR3:VCO調整 → TP(19kHz)
 ・VR4:セパレーション調整
 ・VR5:AM Sメーター調整
【Tメーター オフセット調整】
 ・アンテナ入力なし → VR2調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76MHz → L4調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → IFT調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz → T1(下部コア)調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → T1(上部コア)調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz → VR1調整 → 振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP1 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,無変調 → VR3調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・83MHz → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz → バーアンテナ内コイル、T2調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT6,CT5調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・Sメーター調整 → VR5

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・原因:機能切換スイッチ(AM-auto-mono)の接点不良
 ・FM専用で使っているとこの切換スイッチは使うことがないですね。
 ・でも、通常使わないスイッチも時には操作してやるといいです。
 ・ダイヤル指針も76~90MHz区間で何度も往復させてやってください。
 ・使わないと劣化するのはオジさんのアタマ、カラダと同じです。


Kt750008_20210829122801

2021年8月22日 (日)

TRIO KT-8000 修理調整記録8

 ・2017年9月9日付け記事 の続報です
 ・受信中に突然音が出なくなったそうです。
 ・以下、再修理記録です。

Kt800001_20210822131301

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ご指摘の症状を確認しました。
 ・周波数ズレなし、TメーターとSメーターの動作OK
 ・Wide受信 → 完全に無音ではないが音量がかなり小さい
 ・Narrow受信 → 音量は多少大きくなるがそれでも小さい
 ・STEREOランプ点灯しない、実際のステレオ感もない
 ・マルチパスH端子からFM音声が聞こえる。
 ・マルチパスH端子ではWide/Narrowによる音量差なし
 ・どうやら復調回路のどこかが壊れたようです。

■内部確認+修理記録--------------------------------------------------

 ・復調回路を中心に調査しました。
 ・パルスカウント検波の音は正常です
 ・しかしHA11223Wから出てくる音が歪んでいます。
 ・これはHA11223Wの故障か?
 ・まずは硬めの歯ブラシでHA11223Wの足を磨いてみました。
 ・明らかに音量が大きくなりました。
 ・そこでHA11223Wと取り外し、足の裏側まで念入りに清掃しました。
 ・元に戻したところ雑音が消え正常な音が出てきました。
 ・不調原因はHA11223Wの端子劣化だったようです。
 ・ついでに復調回路の電解コンデンサーを交換
 ・さらに予防措置として4558DBとHA1457を新品交換

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■調整記録------------------------------------------------------------

Kt800000Kt8000

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・以前この個体を修理したときは、まだ歯ブラシで端子を磨く術を体得する前でした。
 ・今回の措置でもうしばらく稼働できると思います。

Kt800002

2021年8月15日 (日)

Accuphase T-106 修理調整記録3

 ・2021月5月、T-106の故障機が届きました。
 ・故障原因を調べてビックリ!!何と基板が割れていました。
 ・以下、作業記録です。

T10603_20210815122101

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-106 ¥145,000(1984年1月発売)
 ・Hifi Engine Accuphase T-106 AM/FM Stereo Tuner

T10602_20210815122001T10617_20210815122001

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・シャンパンゴールドモデル、フロントパネルに目立つキズなし。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・メーター照明点灯、周波数がくっきり表示される。
 ・選局つまみを回すと「ピッピッ」と音がして周波数が上下に変動する。
 ・SSG 83.0MHz 70dB → Sメーターが大きく振れて TUNED ランプ点灯する。
 ・しかし音声出力端子からは何も聞こえない。局間ノイズも聞こえない。
 ・数秒後にはSメーターの振れがみるみる弱まり、ついにはゼロを示す。
 ・Sメーターがゼロを指してもTUNEDランプは点灯したまま
 ・選局をやり直してももうSメーターは全く振れない
 ・一方AMも全く受信しない。局間ノイズも聞こえない。Sメーターは全く振れない。
 ・これは不思議な現象ですね??
 ・これは電源回路の不調でしょうか?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・電源回路 電圧チェック
 ・+15v →(実測 )〇
 ・-15v →(実測 )〇
 ・+5v →(実測 )〇
 ・+5.6v →(実測 )〇
 ・電源基板の測定ポイントで電圧異常なし

 ・続いてチューナー基板の点検、、と思ったら、何と!!
 ・音声出力端子付近で基板が割れていることに気付きました。
 ・基板に段差が生じるほどの割れ方です。
 ・基板の亀裂がプリント配線を何本も切断しています。
 ・こんな割れ方をするなんて、、たぶん落下事故があったのでしょうか?
 ・確認作業は直ちに中止し電源プラグを抜きました。
 ・基板を取り外して亀裂の段差を修正、再度クラック調査。
 ・亀裂の延長は約10cm、チューナー基板のプリント配線を20本ほど切断しています。
 ・これは参ったな、、

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■修理記録:亀裂修理----------------------------------------------------

 ・基板上面の補強として薄い透明プラ板を亀裂に乗せ強力接着剤で固定。
 ・続いて亀裂を跨いでジュンフロン線でバイパス配線を製作。
 ・一度にこんなにたくさんのバイパス配線を作るのは初めてです。
 ・作業効率化のため、手持ちの電線に合わせて専用工具を買いました。
 ・HOZAN ワイヤーストリッパー極細専用 P-963

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 ・接続箇所を間違えないよう慎重に、慎重に、、細かい作業は老眼には辛い、、
 ・工具のおかげで何とか接続を終えて電源再投入、、
 ・Sメータが大きく振れTUNEDとSTEREOインジケーター点灯
 ・奇麗なFM音声が流れてきました。FM受信は復旧しました。
 ・ところがAM受信に難あり、、
 ・なぜか高い周波数のAM局が受信不能??

■修理記録:AMトリマコンデンサ交換------------------------------------

 ・AM受信調整:VT電圧確認
 ・このときトリマコンデンサVC1の反応が過敏で設定値にうまく合わせられない
 ・VC1,VC2,VC3(20pF) → 新品交換
 ・VT電圧が規定値に調整でき、高い周波数のAM局も受信可能になりました。

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■調整記録------------------------------------------------------------

 ・過去の調整記録に倣って各部再調整しました。

T106_20210815122101T10670

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・基板が割れるほどの衝撃、、この個体にどんな不幸があったのでしょうか?
 ・でも何とか修理できて良かったです。
 ・辛い過去を乗り越えて、逞しく生きていくんだよ!

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2021年8月 8日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録14

 ・2021年5月、KT-1100Dの故障機が届きました。
 ・ちょっと難ありな状態です。
 ・さて、直せるでしょうか?


Kt1100d03_20210808123501

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100D AM/FM Stereo Tuner (1986-89)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02_20210808123401Kt1100d09_20210808123401

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無く状態はとても良い。
 ・FMアンテナ端子がF型に交換済み。
 ・同軸ケーブルを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト。
 ・オート選局上り方向 +0.1MHz周波数でFM局を受信。
 ・オート選局下り方向 -0.1MHz周波数でFM局を受信。
 ・ズレた周波数でSTEREOランプ明滅する。
 ・出てくる音はかなり歪っぽい。
 ・MODULATIONインジケーターが常時フル点灯
 ・IF BAND Wide/Narrow とも症状は同じ。
 ・RF Direct/Distanceとも症状は同じ。
 ・他のFM局を受信しても症状は同じ。
 ・手持ちのループアンテナで名古屋のAM局を受信テスト。
 ・AM放送はオート選局で正常に受信可能。

■修理記録:電源部電解コンデンサー交換--------------------------------

 ・内部確認時に目視で分かる劣化した電解コンデンサーを交換
 ・C120,C137/10uF/35v → 10uF/50v
 ・どちらも熱で炙られたようでスリーブが後退している。
 ・これを新品に交換。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV(粗調整)
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L11調整 → 0.0V±10mV(微調整)
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

Kt1100d00

 ・FM同調点が大きくズレていました。
 ・その他調整ポイントも修正しました。

■動作確認2----------------------------------------------------------

 ・上記調整後に再度動作確認を行いました。
 ・オート選局正常、STEREOランプ点灯、FM/AMとも良い音が出てきます。
 ・特に問題なさそう、、と思っていたら、、
 ・FM放送を受信中に突然「割れたような酷い音」が出てくるようになりました。
 ・このときMODULATIONインジケーターが常時振り切れた状態。
 ・STEREOランプは明滅している。
 ・他のFM局に切り換えてみると、オート選局は正常に動作する。
 ・周波数ズレなく他の局を受信できる。
 ・しかし出てくる音は同様に「割れた酷い音」。
 ・このときAM受信に切り換えるとAMは正常受信です。、
 ・どうやらFM検波回路に故障があるようです。

■修理記録:検波回路-----------------------------------------------

【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV

 ・異常発生時、L9調整は正常値ですが、L12調整で電圧が安定しないことが判明
 ・検波回路 IC5:LA1231N-6ピン(AF OUT)→〇 正常な受信音
 ・検波回路 IC:NJM4560D-1ピン (FM OUT) →× 割れたひどい音
 ・これはPLL検波回路のどこかが故障している?
 ・そう思いながら検波回路の部品を指先で触っていたら、何と故障個所発見!
 ・検波回路C27:270pF スチコンのハンダが接触不良でした。
 ・スチコンに指で触れると音が歪んだり正常になったり、、
 ・ハンダ面を見ると見事なハンダ割れでした。
 ・検波基板を取り外してハンダ修正、再調整して修理完了しました。
 ・こんなところのハンダクラックは初体験でした。

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・修理再調整から1週間、FM/AMとも正常動作しています。
 ・不具合症状から原因を探していく、この過程が私の楽しい時間です。
 ・頭の体操というか、ボケ防止に役立っている気がします。
 ・もちろん素敵なFM放送を聞くこともね。

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2021年8月 1日 (日)

TRIO KT-1010 修理調整記録3

 ・2021年5月、KT-1010のジャンク品が届きました。
 ・以下、作業記録です。

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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1010 ¥59,800(1983年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD BASIC T2 AM/FM Stereo Tuner (1983-85)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は目立つ傷はなくまずまずの美品。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・表示窓に周波数が出現しない。
 ・さて、オート選局で名古屋地区のFM局を受信すると、
 ・上り方向、下り方向とも周波数ズレなく受信できる。
 ・シグナルメーターもフル点灯する
 ・挙動から判断すると受信動作はしているようです。
 ・しかし音声出力端子からが音が出ない。
 ・局間ノイズも聞こえない。
 ・これはMUTINGが解除できない状態か?
 ・AMは放送局をすべて素通りして受信不可。
 ・局間ノイズも聞こえない状態です。
 ・これは重症の予感、、

Kt101034

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けて内部を確認したところ、
 ・FM同調点を調整するL11のコアが割れていました。
 ・どうやら修理に挑戦した先人がいたようです。

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■修理記録:電源回路--------------------------------------------------

 ・音は出なくても一連の受信動作はできています。
 ・ICクリップを部品の足に引っ掛けながら音の通り道を順番にチェック。
 ・IC3(LA1231N-6pin) → 〇 ※クアドラチュア検波の音が聞こえる
 ・R78 → 〇 ※PLL検波の音が聞こえる
 ・Q12 → × ※入口では音が聞こえるが出口で聞こえない
 ・やはりMUTINGが解除されない状態です。
 ・MUTING回路 Q12,Q13,Q19,Q20を取り外してチェック → 異常なし
 ・これは電源回路の問題か?
 ・電源回路のトランジスタやICの電圧値をチェック
 ・Q47,Q48の電圧がおかしい → 取り外してチェックしても異常なし
 ・続いて近くの電解コンデンサ2本交換。
 ・C172(3.3uF/50v) → 新品交換
 ・C173(1uF/50v) → 新品交換
 ・C173が導通状態でした。原因はこれですね。
 ・交換によって表示管に周波数が表示されました。
 ・同時にMUTINGが解除され正常なFM音声が出てきました。
 ・ただAMは全く受信しない状態のまま変化なし。

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■修理記録:AM OSC回路修理-----------------------------------

 ・VT電圧確認 → TP9~TP10間で電圧ゼロ、これでは受信できない
 ・TC7を回しても電圧に変化なし、トリマコンデンサの故障か?
 ・パーツリストでスペック確認
 ・TC6 20pF
 ・TC7 11pF
 ・それぞれ新品に交換 → しかしVT電圧ゼロのまま
 ・回路図でAM OSC回路を確認
 ・あと怪しいのは スチコン C181 390pF
 ・部品取り用ジャンク機の基板から 同容量を捜して交換
 ・当り! VT電圧が出現しAM放送を受信できるようになりました。


Kt101060Kt101061Kt101062Kt101063Kt101064

■修理記録:タクトスイッチ交換---------------------------------------

 ・FM/AM切換ボタンの効きが悪い、反応が悪い
 ・この2個だけ新品に交換しました。

Kt101053Kt101054Kt101056Kt101055

■修理記録:表示管不良 MHz が表示されない-----------------------------

 ・FM放送受信時、周波数横の「MHz」という文字が点灯しない
 ・AM受信時は「kHz」が点灯する
 ・上記タクトスイッチ交換時にFL管のハンダチェックと盛り直しを実施
 ・しかし「MHz」という文字が点灯しない
 ・これはどうしようもないと諦めます。

Kt101050Kt101051Kt101052

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP9~TP10 電圧計セット
 ・76MHz → L7調整 → 7.0v
 ・90MHz → TC5調整 → 23.0v
【RF調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 電圧計セット
 ・83MHz → L11調整 → 0v 調整前実測+343mV
【FM WIDE-NARROWレベル調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット
 ・83MHz(WIDE) → L5,L8調整 → 電圧最大
 ・83MHz(NARROW) → VR1調整 → WIDE受信時と同じ
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 電圧計セット
 ・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測520mV
 ・83MHz → VR8調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP7 周波数カウンタセット
 ・83MHz → VR3調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR4,L21調整 → 19kHz最小へ
【セパレーション調整】WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR5調整 → Lch
 ・83MHz → VR6調整 → Rch
【セパレーション調整】NARROW
 ・83MHz → VR7調整 → 左右ch
【DCC歪補正】
 ・MONO WIDE受信 → VR9 → 高調波最小
 ・MONO NARROW受信 → VR10 → 高調波最小
 ・STEREO WIDE受信 → VR11 → 高調波最小
 ・STEREO NARROW受信 → VR12 → 高調波最小
【FMミューティング調整】
 ・83MHz → VR2調整 → Muting作動位置へ
【AM VT電圧】
 ・TP9~TP10 電圧計セット
 ・522kHz → L19調整 → 2.0v
 ・1629kHz → TC7調整 → 20.0v
【AM RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・729kHz NHK第一受信 → L18 → レベルメーター最大へ
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC6 → レベルメーター最大へ
 ・1053kHz CBCラジオ受信 → L20 → レベルメーター最大へ

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・現状でFM/AMとも正常動作しています。ボタン操作も軽快。
 ・FM放送は遠距離局も感度良く受信できます。
 ・WIDEで聞くAM放送は高音域が伸びて瑞々しい印象です。

Kt101005

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