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2021年8月 8日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録14

 ・2021年5月、KT-1100Dの故障機が届きました。
 ・ちょっと難ありな状態です。
 ・さて、直せるでしょうか?


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■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100D AM/FM Stereo Tuner (1986-89)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観に目立つキズは無く状態はとても良い。
 ・FMアンテナ端子がF型に交換済み。
 ・同軸ケーブルを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト。
 ・オート選局上り方向 +0.1MHz周波数でFM局を受信。
 ・オート選局下り方向 -0.1MHz周波数でFM局を受信。
 ・ズレた周波数でSTEREOランプ明滅する。
 ・出てくる音はかなり歪っぽい。
 ・MODULATIONインジケーターが常時フル点灯
 ・IF BAND Wide/Narrow とも症状は同じ。
 ・RF Direct/Distanceとも症状は同じ。
 ・他のFM局を受信しても症状は同じ。
 ・手持ちのループアンテナで名古屋のAM局を受信テスト。
 ・AM放送はオート選局で正常に受信可能。

■修理記録:電源部電解コンデンサー交換--------------------------------

 ・内部確認時に目視で分かる劣化した電解コンデンサーを交換
 ・C120,C137/10uF/35v → 10uF/50v
 ・どちらも熱で炙られたようでスリーブが後退している。
 ・これを新品に交換。

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■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV(粗調整)
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L11調整 → 0.0V±10mV(微調整)
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

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 ・FM同調点が大きくズレていました。
 ・その他調整ポイントも修正しました。

■動作確認2----------------------------------------------------------

 ・上記調整後に再度動作確認を行いました。
 ・オート選局正常、STEREOランプ点灯、FM/AMとも良い音が出てきます。
 ・特に問題なさそう、、と思っていたら、、
 ・FM放送を受信中に突然「割れたような酷い音」が出てくるようになりました。
 ・このときMODULATIONインジケーターが常時振り切れた状態。
 ・STEREOランプは明滅している。
 ・他のFM局に切り換えてみると、オート選局は正常に動作する。
 ・周波数ズレなく他の局を受信できる。
 ・しかし出てくる音は同様に「割れた酷い音」。
 ・このときAM受信に切り換えるとAMは正常受信です。、
 ・どうやらFM検波回路に故障があるようです。

■修理記録:検波回路-----------------------------------------------

【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV

 ・異常発生時、L9調整は正常値ですが、L12調整で電圧が安定しないことが判明
 ・検波回路 IC5:LA1231N-6ピン(AF OUT)→〇 正常な受信音
 ・検波回路 IC:NJM4560D-1ピン (FM OUT) →× 割れたひどい音
 ・これはPLL検波回路のどこかが故障している?
 ・そう思いながら検波回路の部品を指先で触っていたら、何と故障個所発見!
 ・検波回路C27:270pF スチコンのハンダが接触不良でした。
 ・スチコンに指で触れると音が歪んだり正常になったり、、
 ・ハンダ面を見ると見事なハンダ割れでした。
 ・検波基板を取り外してハンダ修正、再調整して修理完了しました。
 ・こんなところのハンダクラックは初体験でした。

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・修理再調整から1週間、FM/AMとも正常動作しています。
 ・不具合症状から原因を探していく、この過程が私の楽しい時間です。
 ・頭の体操というか、ボケ防止に役立っている気がします。
 ・もちろん素敵なFM放送を聞くこともね。

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コメント

今晩は。
久しぶりにKT-1100Dをオークションでゲットして、現在いじっています。
何をいじっているかと言いますと、、、
LA3350の38kHz出力がエッジ部分しか出ていない状態で、結果乗算器に加える38kHzが20mVppくらいしか出て来ません。基本的にLA3350を交換するしかない状況でLA3350は手配中なんですが、このエッジ部分だけから何とか38kHzひねり出せないかあれこれやっています。

で、、、本題です。
LA3350からの38kHzは同調回路で正弦波を抽出し連続クワイエティング制御のVRを経由して乗算器に与えていますが、不調の原因を調べている段階で基板のパターン設計チョンボを発見しました。(実害はありませんけど)
VRからの戻りをさらに同調コイルL25からQ35の2SK364のソースフォロワに入れてますが、このQ35の基板のパターンとシルクが間違っています。
JFETなので耐圧に問題がなければソースとドレインを入れ替えても同じ様に動作するため何か直すとかの必要はありませんが、黄金時代のKENWOODでもこんな初歩的な間違いがあるんだなぁ、、、と思った次第です。

とても興味深いご指摘をありがとうございます。

手元にあるジャンクKT-1100Dので確認しました。
配線パターンがちょうどフレームの陰になって見えにくい場所ですね。
私のような凡人では全く気付かないポイントでした。

今晩は。
接合型FETは構造的にソースとドレインの区別が基本的にないので耐圧さえクリアしていればほひっくり返しても何の問題もありませんから、KENWOODも放置したのでしょう。

で、後日談です。
LA3350は今のところ無実ぽいです。
上流に問題があっても同じ様な事が起きるのでは?と、追いかけて行ったら検波基板に問題があったらしく、予備役のKT-7020から微妙に回路が異なる検波基板を引っこ抜いて差し替えたら38kHzはちゃんと出るようになりました。
直接の原因は同調検出時の信号が検出時に約5V⇒0Vでなければならないのに3.5Vくらいまでしか下がらず、そのためにLA3350が38kHzを出さないという事でした。 なので自動選局はダメだけど手動選局は可能、38kHzが出ないのでモノラル扱いで音が出て、変調でSUB信号入れると無音になるという現象となったと思われます。
大元は検波基板のLA1231Nかと思っていますが、交換した検波基板は同調検出時のレベルはちゃんと出るものの、検出幅が広すぎて自動検出時に±100kHzでストップしてしまうという事態です。
LA1231Nが藤商にあったので手配して到着待ちです。
いやもう楽しいのなんの。
38kHzのエッジ部分から再生できないかという試みは、20mVppが400mVppくらいまでにはなったんですがそもそも上流がダメだったのでそこまでで終了でした。

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