TRIO KT-1010 修理調整記録3
・2021年5月、KT-1010のジャンク品が届きました。
・以下、作業記録です。

■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 TRIO KT-1010 ¥59,800(1983年頃)
・Hifi Engine KENWOOD BASIC T2 AM/FM Stereo Tuner (1983-85)
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■動作確認------------------------------------------------------------
・外観は目立つ傷はなくまずまずの美品。
・FMアンテナを接続して電源オン。
・表示窓に周波数が出現しない。
・さて、オート選局で名古屋地区のFM局を受信すると、
・上り方向、下り方向とも周波数ズレなく受信できる。
・シグナルメーターもフル点灯する
・挙動から判断すると受信動作はしているようです。
・しかし音声出力端子からが音が出ない。
・局間ノイズも聞こえない。
・これはMUTINGが解除できない状態か?
・AMは放送局をすべて素通りして受信不可。
・局間ノイズも聞こえない状態です。
・これは重症の予感、、

■内部確認------------------------------------------------------------
・ボディを開けて内部を確認したところ、
・FM同調点を調整するL11のコアが割れていました。
・どうやら修理に挑戦した先人がいたようです。
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■修理記録:電源回路--------------------------------------------------
・音は出なくても一連の受信動作はできています。
・ICクリップを部品の足に引っ掛けながら音の通り道を順番にチェック。
・IC3(LA1231N-6pin) → 〇 ※クアドラチュア検波の音が聞こえる
・R78 → 〇 ※PLL検波の音が聞こえる
・Q12 → × ※入口では音が聞こえるが出口で聞こえない
・やはりMUTINGが解除されない状態です。
・MUTING回路 Q12,Q13,Q19,Q20を取り外してチェック → 異常なし
・これは電源回路の問題か?
・電源回路のトランジスタやICの電圧値をチェック
・Q47,Q48の電圧がおかしい → 取り外してチェックしても異常なし
・続いて近くの電解コンデンサ2本交換。
・C172(3.3uF/50v) → 新品交換
・C173(1uF/50v) → 新品交換
・C173が導通状態でした。原因はこれですね。
・交換によって表示管に周波数が表示されました。
・同時にMUTINGが解除され正常なFM音声が出てきました。
・ただAMは全く受信しない状態のまま変化なし。
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■修理記録:AM OSC回路修理-----------------------------------
・VT電圧確認 → TP9~TP10間で電圧ゼロ、これでは受信できない
・TC7を回しても電圧に変化なし、トリマコンデンサの故障か?
・パーツリストでスペック確認
・TC6 20pF
・TC7 11pF
・それぞれ新品に交換 → しかしVT電圧ゼロのまま
・回路図でAM OSC回路を確認
・あと怪しいのは スチコン C181 390pF
・部品取り用ジャンク機の基板から 同容量を捜して交換
・当り! VT電圧が出現しAM放送を受信できるようになりました。
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■修理記録:タクトスイッチ交換---------------------------------------
・FM/AM切換ボタンの効きが悪い、反応が悪い
・この2個だけ新品に交換しました。
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■修理記録:表示管不良 MHz が表示されない-----------------------------
・FM放送受信時、周波数横の「MHz」という文字が点灯しない
・AM受信時は「kHz」が点灯する
・上記タクトスイッチ交換時にFL管のハンダチェックと盛り直しを実施
・しかし「MHz」という文字が点灯しない
・これはどうしようもないと諦めます。
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■調整記録------------------------------------------------------------
【VT電圧】
・TP9~TP10 電圧計セット
・76MHz → L7調整 → 7.0v
・90MHz → TC5調整 → 23.0v
【RF調整】
・LA1231-13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
・76MHz → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
・90MHz → TC1,TC2,TC3 → 電圧最大
【FM同調点調整】
・TP1~TP2 電圧計セット
・83MHz → L11調整 → 0v 調整前実測+343mV
【FM WIDE-NARROWレベル調整】
・LA1231-13pin → 電圧計セット
・83MHz(WIDE) → L5,L8調整 → 電圧最大
・83MHz(NARROW) → VR1調整 → WIDE受信時と同じ
【PLL検波調整】
・TP3~TP4 電圧計セット
・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測520mV
・83MHz → VR8調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
・TP7 周波数カウンタセット
・83MHz → VR3調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル調整】
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz → VR4,L21調整 → 19kHz最小へ
【セパレーション調整】WIDE
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83MHz → VR5調整 → Lch
・83MHz → VR6調整 → Rch
【セパレーション調整】NARROW
・83MHz → VR7調整 → 左右ch
【DCC歪補正】
・MONO WIDE受信 → VR9 → 高調波最小
・MONO NARROW受信 → VR10 → 高調波最小
・STEREO WIDE受信 → VR11 → 高調波最小
・STEREO NARROW受信 → VR12 → 高調波最小
【FMミューティング調整】
・83MHz → VR2調整 → Muting作動位置へ
【AM VT電圧】
・TP9~TP10 電圧計セット
・522kHz → L19調整 → 2.0v
・1629kHz → TC7調整 → 20.0v
【AM RF調整】
・IF BAND=NARROW
・729kHz NHK第一受信 → L18 → レベルメーター最大へ
・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC6 → レベルメーター最大へ
・1053kHz CBCラジオ受信 → L20 → レベルメーター最大へ
■試聴----------------------------------------------------------------
・現状でFM/AMとも正常動作しています。ボタン操作も軽快。
・FM放送は遠距離局も感度良く受信できます。
・WIDEで聞くAM放送は高音域が伸びて瑞々しい印象です。
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コメント
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こんにちは。 毎日暑い札幌の伊藤です。
6月と7月で各1台KT-1010をオークションで入手しましたが、
2台とも再調整で素晴らしい性能を発揮するようになりました。
特に6月に入手したものは所有機材の中では最高の成績で、受信再生音も非常に優れたものでした。
・ステレオTHD(ワイド1kHz) 0.0043%(L)/0.0063%(R)
・ステレオセパレーション(1kHzワイド) 81.5dB(RtoL/LtoRとも)
・ステレオセパレーション(1kHzナロー) 63.8dB(RtoL)/65.3dB(LtoR)
・パイロットキャリアリーク(19kHz、1kHz100%比) -80dB(L)/-79dB(R)
もう一台はここまでは行きませんがそれでもKT-1100Dに匹敵する状況でした。
もう沼にどっぷりで、「動作しない」のを探すようになってしまいました。。。
投稿: 伊藤将史 | 2021年8月 5日 (木) 16時02分
製造から約40年、その間の使用状況や保管状況によって個体差が大きいですね。
症状から原因を探っていく過程が楽しい趣味の時間です。
投稿: BLUESS | 2021年8月 8日 (日) 12時48分