ONKYO T-417
・2021年7月、初体験機種 T-417 の故障機が届きました。
・初めて見る機種です。

■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-417 ¥65,000(1979年発売)
・オーディオ懐古録 ONKYO Integra T-417 Quartz Locked FM Stereo Tuner ¥65,000
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■動作確認------------------------------------------------------------
・ボディに多少の擦り傷があるものの、フロントパネルはまずまずの状態。
・FM専用機、クォーツロック、FMアンテナ入力2系統、3つのメーター。
・電源オン、周波数スケールの照明点灯、指針照明はないタイプ。
・名古屋地区のFM局を受信しようとすると、、
・指針の移動に伴って「バリバリ」という激しいノイズ発生
・このノイズと連騰してSメーターとTメーターが左右に不規則に振れる
・メーターの振れ具合が安定しないので同調点が分からない
・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない
・これはFM同調点など調整ポイントが大幅にズレている予感、、
・それとバリコン軸のグリス固化。
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■内部確認------------------------------------------------------------
・FM専用7連バリコン
・Quartz Locked System
・IF BAND = Wide/Narrow
【Wide】
Q101→X101→X102→Q102→Q105→Q106→レシオ検波器
【Narrow】
Q101→X101→X102→Q102→[X104→Q103→X105→Q104→X106]→Q105→Q106→レシオ検波器
・Q101:3SK73
・Q102,103,104,106:uPC1163H
・Q105:HA1137W IFアンプ、Sメーター駆動
・Q204:HA11223W:PLL-MPX
【Quartz Locked System】
・IF信号を水晶発振子(10.7MHz)の基準信号にロックする
・同調点±50kHz → LOCKEDインジケーター点灯
・チューニングノブから手を放す → Tメーターが中点に引き込まれる
【SELECTIVITY】
・S/N比が高い局 → IF=Wide [X101→X102]
・S/N比が低い局 → IF=Narrow [X101→X102→X104→X105]
・検波機出力のS/N比を検出してWide/Narrow自動切換え
・通常はAUTO(Wide)推奨
【NOISE REDUCTION】
・OFF / AUTO / ON
・いわゆるオートブレンド機能
・AUTO:弱電界での信号の強さに応じてブレンド量を自動切換え
・ON:常に一定の割合で左右chをブレンド
・OFF:ノイズリダクション回路を作動させない
・ブレンドによってセパレーション値が悪化するので通常は OFF 推奨
【MULTIPATH端子】
・AUDIBLE= マルチパスV端子
・DET OUT= マルチパスH端子
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■修理記録:指針移動に伴うバリバリノイズ------------------------------
・MUTINGオフ時、指針の移動に伴い特に76~80MHz区間で激しいノイズ発生
・ノイズに連動してSメーターが大きく振れ、Tメーターの中点が安定しない
・この現象はバリコン軸のグリス劣化が原因です。
・バリコン回転軸とシャーシの軸受け部の固化したグリスを爪楊枝の先端で清掃
・バリコン羽が小さいので作業は慎重に、
・固化したグリスを除去後、コンタクトグリスを薄く塗布して完了。
・76~90MHz区間を何度も往復させてグリスを馴染ませる。
・これで指針移動に伴う不快なノイズは解消しました。
・そしてSメーターとTメーターの振れ方がスムーズになりました。

■調整記録------------------------------------------------------------

【クリスタルロック基板調整】
・MUTING OFF、タッチセンサー OFF
・クリスタルロック基板 X~S → DC電圧計セット
・SSG 10.7MHz 90dB 無変調 → メイン基板 R101 に注入
・L751調整 → 電圧ゼロ
・R715調整 → Tメーター中点調整
【OSC調整】
・SSG76MHz → L008調整 → Sメーター最大
・SSG90MHz → TC007調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・SSG76MHz → L001~L006調整 → Sメーター最大
・SSG90MHz → TC001~TC006調整 → Sメーター最大
・SSG83MHz → L007調整 → Sメーター最大
【IF調整】
・SSG83MHz → L101,L102調整 → Sメーター最大
【IFレベル調整】
・SELECTIVITY 反応レベルの調整か?
・S/N比が悪化したときにNarrowに切り換えるレベルを調整するみたいです??
・R177調整
・調整方法が分かりません。とりあえず最大位置に設定 → 常時 Wide受信状態
【レシオ検波調整】
・R125両端 DC電圧計セット
・SSG83MHz → L106(左側)調整 → 電圧ゼロ
・SSG83MHz → L106(右側)調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
・SSG83MHz 1kHz 20dB → R154調整 → ミューティング作動位置へ
【VCO調整】
・TP-2 → 周波数カウンタ接続
・SSG83MHz無変調 → R213調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
・音声出力をWaveSpectraで観測
・SSG83MHz 1kHz ST信号 → R223調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
・音声出力をWaveSpectraで観測
・SSG83MHz 1kHz L/R信号 → R240調整 → 漏れ信号最小
【DEVIATION調整】
・SSG83MHz 1kHz 100%変調 → R804調整 → DEVメーター指針100%
【REC CAL調整】
・固定音声出力をWaveSpectraで観測
・SSG83MHz 1kHz ST信号 → 音声レベル記録
・REC CAL オン → R858調整 → 基準音-6dB

■修理記録:周波数指針再塗装------------------------------------------
・最後にフロントパネルを分解して周波数窓の内側を磨いておきました。
・ついでに周波数指針を再塗装しました。
・元の色が褪せていたので蛍光オレンジでタッチアップしました。
・見映えがグッとよくなったと自画自賛、、
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■試聴----------------------------------------------------------------
・TメーターとSメーターの動きがスムーズになり同調点を明確に示します。
・選局ノブから指を離すとTメーター指針が中点に引き込まれます。
・オーディオ全盛期、私はONKYO製チューナーには興味なかったですが、、
・最近になってその実力を再認識しています。
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今見るとオンキョーのチューナーって、カッコいいですね。
自分もアマチュア無線から入ったせいで、若いときはチューナーはトリオしか選択しませんでしたが、オンキョーも昔は5球スーパーラジオなんかをせっせと作っていた会社でもありました。
投稿: tomy | 2021年9月13日 (月) 17時03分
その節はお世話になりました。
在宅勤務中のBGMをラジコからT417を使ったシステムに変更して楽しんでいます。但しアンプはデジアンです。(笑)
投稿: 渡辺@北赤羽 | 2021年9月13日 (月) 22時13分
T-417はジャンク品を2台入手したことがありますが、どうもはっきりしない点があり、あまり好きな機種ではないですね。
表示ランプにLEDではなく豆球が使われていて、これが切れている場合が多いです。LOCKED、TUNEDのランプが切れているとサーボロック自体がかからなくなるようです。豆球は12V用が必要で、豆球が走っているケースが劣化が激しいゴム製のためボロボロになっていて交換が面倒です。12Vの豆球は他の機種でも必要な場合がありますが、なかなか手に入らず困っています。入手できる場所をご存じでしたらお教えください。
全体的に調整方法は旧機種と似ていますが、良く分からないのがR154です。これを回すとSメーターの振れ具合が変わるので、メーター調整かとばかり思っていました。
R154は右側の変調度メーターの挙動にも関係しており、特にメーターのモードをマルチパスにしたとき、ある位置を超えるといきなりマルチパスがなくても変調度に応じて針が振れまくるようになります。逆にある位置までは、マルチパスがあっても全然振れないといった具合です。いずれにせよ、2台とも、R154をどう調整しても、マルチパスメーターがまともに働きません。この点に関して、もしお分かりになればご教示ください。
投稿: M | 2021年9月17日 (金) 02時53分
人ぞれぞれ、好みは分かれますね。
私は音質云々より外観、特に照明窓が美しい機種が好きです。薄暗い部屋で照明に映える美しい周波数窓を見るのが好きです。
実は電球は買ったことがありません。解体処分したジャンク機から取り外した電球を大量に保管しており、その中から使えそうな物をチョイスしています。
R154はMutingだと思いましたが、既に実機が無いので次の機会に確かめます。
投稿: BLUESS | 2021年9月19日 (日) 14時31分
この位の価格帯の機種になると音質は大差ないので、後は好みになってきますね。当時の競合機種であるパイオニアのF-700はLEDを使っているので、電球を採用したのが残念だと思いました。
T-417は筐体が兄貴分のT-419と共通なのでチューニングノブの感触に高級感があります。手元にある個体についていうと、何故か感度が良くなく、他機種でステレオになる局がモノラルしか受信できないのが気になります。
投稿: M | 2021年9月19日 (日) 16時22分
ブログ拝見しました。
ご相談ですが、FM TUNERの修理、改造は可能でしょうか?
YAMAHA CT-800ですが、状態は、FM autoにてSTEREO受信が入り難い状態です。何度かツマミを行ったり来たりさせればstereo受信する事があります。
また出来れば、受信周波数帯を75.0〜95.0MhzのFM補完放送対応へ変更したいのですが可能でしょうか?周波数帯とディスプレイ表示が大幅にズレてしまいますが構いません。
元々、良音ではないため、多少音質が変わっても構いません。
m(_ _)mご検討お願いします(お願いします)
投稿: 緒方 健造 | 2024年4月 6日 (土) 00時47分
YAMAHA CT-800の件
STEREO受信は各部再調整すれば安定すると思いますが、
残念ながら、補完放送対応への改造経験はありません。
出来るかどうかも分かりません。申し訳ありません。
投稿: BLUESS | 2024年4月 6日 (土) 17時08分
BLUESS様
こんにちは、初めての投稿です.
初めてで大変厚かましい事ですがお許しくださいませ.
T417を比較的最近手にしました.fmチューナーに3個もメーターがあるのにはちょっとビックリやら感激やらです.
本機は当初全然受信できなかったのですが”内部確認”のところを参考にさせて頂きながら、Q101を取り替えてみたところ何とかSメーターが振れだして聞こえるようになったところです.そこでもしヒントをいただけたらと思ったところです.(回路図が無いので手探りなんですが)受信悪しを修理するためにアンテナ入力からRF~IFに至るところで比較的怪しいTR,ICがどれになりそうか教えていただければ嬉しいです.
現在、入力60dBでS2~3くらいです. よろしくお願いいたします.mutsumi
投稿: mutsumi | 2024年11月25日 (月) 21時09分
mutsumi 様
まずはフロントエンドから検波部まで仮調整します。
コイルやトリマの調整で受信感度は改善するかもしれません。
調整で改善しない場合は故障部品を探します。
Q101(3SK73)と同型のTRがフロントエンド内に3個あります。
Q101交換で改善効果があったという事はQ001,Q002,Q003も劣化しているかもしれません。
他機を含めたこれまでの経験ですが、
uPC1163Hが故障していた事例は一度もありません。
HA1137Wの故障事例は過去に数回ありました。
お役に立てば幸いです。
投稿: BLUESS | 2024年11月26日 (火) 11時22分
BLUESS様
早速のご指導ありがとうございます!
Q101を取り換えた後,OSC,RF,IFの調整は,”調整記録”を拝見しながら該当のコイルなどを合わせてみました.
中には反応が鈍いものがありますがひと通りやってみました.
これで何とかS2~3(すみませんメーター表記は20~30ですね)くらいです.
(別の元気なチューナーでは同じアンテナ入力信号でS4.5くらいです)
やはり先ずはQ001~Q003は替えてみるべきですね.
それとHA1137Wは故障事例があったということでこれも替えてみようと思います.
少しずつですが感度上昇に向けて頑張ってみます.
感謝!
mutsumi
投稿: mutsumi | 2024年11月26日 (火) 18時13分
BLUESS様
こんにちは.
その後,Q001, Q002,Q003を取替えて見ました.
そして,RF,IF調整を繰り返ししたところ少し受信レベルが上昇した気がします.
Sメーター読取値で40の指示値くらい.ステレオ受信もチューニング次第で点滅するようになりました.
スイッチの操作で,MutingはON, selectivityはAUTOにすると受信レベルが少し下がります.
IFの出力レベルでしょうか,R177の左側にある“IF”と表記の端子でオシロ観測すると
大体10.7MHzでP―Pで500mv(RF電圧計で170mvくらい)くらいです.
これは全然低いでしょうか.(正常値はどれくらいでしょうか)
波形は綺麗です.
又,Q105(HA1137W)ですがピン7で標準値は5.6v(データシート値)となっているようですが実測で8.1Vあります.これは故障を示すことになりますでしょうか.
それ以外のピンでは概ね近似値(データシート値)です.
こんな感じですがもしご指導いただけるヒントなどがあれば是非ご教示くださいませ.
どうぞよろしくお願いいたします.
mutsumi
投稿: mutsumi | 2024年11月28日 (木) 21時40分
IF端子の電圧正常値は分かりませんが、その他の残っている記録を探してみました。
・HA1137WはIFアンプとSメーター回路だけを使っているので7pinは未使用です。
・未使用端子→5,6,7,9,10,12(pin)
・HA1137W-13pinからはSメーター電圧が出ています。
80dB → 5.2v
70dB → 4.7v
60dB → 4.2v → ※Sメーター目盛 約75
50dB → 3.0v
40dB → 2.5v
30dB → 1.4v
お役に立てば幸いです。
投稿: BLUESS | 2024年11月29日 (金) 18時19分
BLUESS様
こんにちは.
大変貴重なデーター情報等を教えていただきありがとうございます!
少しずつですが古い機械に息を吹き込んでやれたら喜んでくれるかなぁ...
と,思いつつです.
チューニングつまみに触れながらSメーターで受信のピークをとり
つまみから手を放すとス~っとレベルが10~20位下がるようです.
どこかに補正ポイントがあるのでしょうか.
ありがとうございます.
mutsumi
投稿: mutsumi | 2024年11月30日 (土) 07時48分
BLUESS様
こんにちは.
ご指導ありがとうございます.
早速、
HA1137W-13ピンで電圧計測してみました.
SSG:60dBで4.4v→Sメーター目盛り約80強くらいでした.
Q001~Q003を、3SK73が無かったので、3SK59/GRに取り替えた影響でしょうか.
数値だけが教えていただいたよりも少し多いような感じです.
単に誤差の範囲なのかなとも思います.
そして肝心の放送電波での受信状況は入力レベルが少し低く50dB位、
13ピンで3v位でSメーターでは目盛り60位です.
スイッチ類は全て押されていない状況(NOISE REDUCTIONはOFF位置)で、全てのインジケーターランプは安定して点灯しております.
TRを取替えして少し長い時間通電したので回路が少し落ち着いたのかなと勝手に思っております.
アンプを通して聞いてみるととってもクリアーでノイズもなく快適に聞こえます.
やはり高級チューナーと感じます.
とても40年以上前の機器とは思えないです.
その他の細かい調整(セパレーションやら等々)はさしあたり聞くには支障はなさそうなので当面このままにしようと思っています.(FMステレオ用SSGを持っていないので無理かなぁと思っています)
ミューティング調整も”調整記録”を拝見しながら試みてみましたがR154で変化が見られなかったのでこのままです.(ミューティング自体は効いているようです)
デビエーションは珍しいのでどうかなぁと思っていましたが今のところ音声に合わせて0~30位をふらふらしています.(どういう動作が正しいのかよくわかりません.)
このような感じで全然ダメだったのがとりあえずは何とか蘇った気がします.
少しパネルやらを分解して清掃してみたいと思います.
ありがとうございます.
mutsumi
投稿: mutsumi | 2024年11月30日 (土) 15時09分