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2022年10月の記事

2022年10月30日 (日)

SONY ST-S333ESA 修理調整記録3

 ・2022年9月、ESAゴールドモデルが元箱に入った状態で届きました。
 ・発売当時に購入されたワンオーナー品とのこと。
 ・でも30年近く経ってさすがに調子が悪いそうです。
 ・以下、作業記録です。

St333esa06

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESA ¥55,000(1991年発売)
 ・Hifi engine SONY ST-770ES? FM Stereo / FM-AM Tuner (1991-92)

St333esa02St333esa11

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・大切にされてきた個体だけあってボディはとても綺麗な状態です。
 ・本体に目立つキズなし、背面端子類も艶があります。
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン。
 ・周波数表示点灯。文字欠けや輝度劣化は感じられない。
 ・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK。
 ・WIDE/NARROWなど微妙な輝度の違いあり
 ・RF=NORMAL、WIDEの状態でオート選局機能を試すと、、
 ・上り方向では名古屋地区のFM局をすべて素通りして受信不可。
 ・下り方向では-0.1MHzの周波数で受信してSTEREOランプ点灯。
 ・受信感度が弱くてSメーターが下から2~3セグメント点灯する程度。
 ・続いて適当なAMループアンテナを接続して名古屋地区のAM局をテスト受信。
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM放送局を受信OK。
 ・REC CALトーン OK。
 ・問題はFM同調点のズレ、感度低下ですね。

■内部確認:----------------------------------------------------------

 ・メモリ保持用電気二重層コンデンサは交換済み
 ・電源部電解コンデンサーが熱に炙られて外皮が収縮している
 ・ハンダ面を見ると定番のアースバーにハンダクラック多数
 ・音声出力端子にもハンダクラックあり
 ・まずは調整手順に従ってFM同調点とフロントエンドを仮調整してみました。
  →IFT251調整によって周波数ズレは解消しました
  →CT101,CT102,CT103調整で最大電圧がビシッと決まらない

St333esa32St333esa33St333esa35St333esa40St333esa52

■修理記録:----------------------------------------------------------

 ・音声端子のハンダにアクセスするには背面パネルを外すと作業が楽です。
 ・ついでのアンテナ端子のハンダも盛り直して修正。
 ・続いて電源部電解コンデンサ交換 330uF/50v → 330uF/63v
 ・トリマコンデンサ3個交換 CT101,102,103(青色10pF)→ Panasonic製 10PF

St333esa31St333esa41St333esa43St333esa53St333esa61

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※実測 1.12V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.9V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測326mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・83MHz 40dBモノラル信号受信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・83MHz 40dBステレオ信号受信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・83MHz 80dBモノラル信号受信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・83MHz 80dBステレオ信号受信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・83MHz 20dB受信 → RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・83MHZ 25dB受信 → RV252調整 → MUTING作動位置へ
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・83MHz 80dB受信 → RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → RV241調整 → Sメーター点灯レベル調整
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz ST信号受信 → RV303,L301調整 → 19kHz信号漏れ最小 ※左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → RV301 R→L ※調整後実測72dB
 ・83MHz ST信号受信 → RV302 L→R ※調整後実測66dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-6dB 395Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

St333esa20

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・やはり333シリーズはフロントパネルのデザインがイイですね。
 ・再調整で良い性能が復活したと思います。

St333esa03

2022年10月23日 (日)

LUXMAN T-88V 修理調整記録3

 ・2022年9月、T-88Vの故障機が届きました
 ・およそ10年ぶりの再会です
 ・調整記録をキチンと残します

T88v03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 LUXMAN T-88V \54,500(1975年8月発売)
 ・Hifiengine Luxman T-88V AM/FM Stereo Tuner (1978-79)

T88v02T88v14

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ウッドケースは多少の擦り傷があるものの艶が残ってイイ感じです
 ・フロントパネルに目立つ傷なし。汚れは分解清掃でキレイになりそう
 ・FM300Ω端子に75Ω変換器を介してアンテナ接続して受信テスト開始
 ・周波数窓の照明点灯、名古屋地区のFM局を受信できました
 ・ただ機能切換ツマミ(AM/FM/FM mono)に接触不良あり
 ・片chの音が出たりでなかったり、左右に数回回すと復旧する
 ・指針の移動に伴ってカサカサノイズ発生、メーター指針がノイズに反応する
 ・STEREOランプ点灯しない、MUTINGオンにすると音が出ない
 ・Sメータの振れ具合が弱い
 ・AMは内蔵バーアンテナでSメーターが大きく振れて受信OK
 ・問題はFM受信回路ですね

T88v04T88v05T88v06T88v08T88v09

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・Alps社製FM4連、AM2連バリコン搭載フロントエンドユニット
 ・IF回路 :IFバンド切換機能なし、2SC381、TA7061A
 ・検波回路:レシオ検波、
 ・復調回路:HA1156
 ・AM回路:ディスクリート構成

 ・VR201:セパレーション調整
 ・VR202:VCO 19kHz調整
 ・VR203:STEREOインジケーター点灯レベル調整
 ・VR204:MUTINGレベル調整
 ・VR205:FM Sメーター振れ具合調整
 ・VR206:AM Sメーター振れ具合調整

T88v20T88v21T88v22T88v34T88v24

■修理記録:接点洗浄--------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解して徹底洗浄、
 ・機能切換ツマミのローターリースイッチをエレクトロニッククリーナーで洗浄
 ・クリーナー液を吹きかけて何度も切換動作を繰り返す
 ・続いてフロントエンド内バリコン軸の接点洗浄
 ・真っ黒に変色したHA1156やトランジスタの足を洗浄
 ・出力端子の洗浄、磨き上げ
 ・一連の作業によって切換スイッチの接点不良が解消しました
 ・指針移動に伴う雑音も解消しました
 ・VR202を仮調整するとSTEREOランプ点灯しました
 ・当初の動作確認で気になった雑音は解消したと思います。、
 ・ただ、新たに「ザザ、ザザ」という不定期に発生する雑音が気になりました

T88v60

■調整記録------------------------------------------------------------

【OSC調整】
 ・90MHz受信 → CT104調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L104 調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T101調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・83MHz受信 → T201調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T202調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T204調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra
 ・83MHz受信 → T203上部コア調整 → Tメータ中点確認
 ・83MHz受信 → T203下部コア調整 → 高調波歪最小
【FMミューティング調整】
 ・83MHz,20dB受信 → VR204調整 → MUTING作動位置へ
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz70dB受信 → VR205調整 → Sメーター振れ最大
【MPX調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra
 ・TP206 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR202調整 → 19kHz
 ・83MHz,ST信号受信 → VR202調整 → STEREOランプ点灯調整
 ・83MHz,L/R信号受信 → VR201調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → T205調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC1、TC2調整 → Sメーター最大
 ・ 900kHz受信 → T209,T210,T211調整 → Sメーター最大
 ・V206調整 → AMミューティング、AM Sメーター調整
【作業メモ】
 ※FM受信時のSメーターの振れ方はかなりクセがあります。
 ※目盛り1.0(40dB)でもSTEREOランプ点灯して受信できました。
  ・電波強度70dB → 目盛り4.0
  ・電波強度60dB → 目盛り3.6
  ・電波強度50dB → 目盛り2.3
  ・電波強度40dB → 目盛り1.0
  ・電波強度30dB → 目盛り0.1
 ※一通り調整完了しましたが、不定期雑音は解消しません

T88v00

■修理記録:雑音の発生源を探して--------------------------------------

 ・不定期に発生する「ザザ、ザザ」という雑音です。
 ・上記調整作業を経ても雑音は解消しません。
 ・WaveSpectraで基準音の波形を見ると、ノイズフロアが不定期に上下する現象です
 ・原因を切り分けるため10.7MHz信号をIF回路初段に直接注入してみました
 ・しばらく様子をみたところ「ザザ、ザザ」という雑音は全く発生しません
 ・次に300Ω端子、75Ω端子それぞれにアンテナ線から基準信号を送信
 ・フロントエンドを通すと「ザザ、ザザ」という雑音が発生します
 ・雑音の発生源はフロントエンドユニット内部ということです

T88v23T88v50T88v51T88v52T88v53

 ・本機のフロントエンドはバリコンと付属回路の一体型です
 ・ユニット後方のシールドケースを外し隙間からエレクトロニッククリーナー噴射
 ・何らかの効果があるかと期待しましたが、、残念ながら全く効果なし
 ・ユニットを取り外して分解するのはかなり面倒な作業になります
 ・残念ながらここで修理断念、、
 ・と、思ったら依頼者様からT-88V 2号機の提供がありました

■T-88V 2号機:動作確認と内部チェック---------------------------------

 ・フロントパネル右上角、左下角に潰れたような目立つ打痕キズ
 ・ウッドケースも同じ位置に目立つ傷あり
 ・周波数窓の照明は点灯するが、右側だけやけに明るい
 ・FMアンテナを接続して受信テスト開始
 ・外観はイマイチですがFM/AMとも受信OKでした
 ・簡易調整してFM/AMとも受信できることを確認
 ・2号機には雑音問題はなさそうです
 ・周波数窓を照らす電球が右側だけ交換済みでした

■修理記録:ニコイチ合体----------------------------------------------

 ・雑音問題のない2号機をベースにして1号機から外装部品を移植しました
  →フロントパネル
  →選局ツマミ、機能切換ツマミ
  →ウッドケース
 ・見た目もキレイなT-88Vが完成しました。

T88v80

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・周波数を刻んだフロントパネルは照明色と相まって精悍な顔つきです。
 ・目盛りが大雑把ですがデザイン的にはこれで良いです。
 ・ステキなチューナーが復活しました。

T88v07

2022年10月16日 (日)

TRiO KT-1010 修理調整記録5

 ・2022年8月末、KT-1010ブラックモデルの2台セットが届きました。
 ・さて、どんな状態でしょうか?
 ・ニコイチ合体か?それとも、、?

Kt101003_20221016092101

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1010 ¥59,800(1983年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD BASIC T2 AM/FM Stereo Tuner (1983-85)

Kt101002_20221016092001 Kt101014

■動作確認------------------------------------------------------------

<上段1号機:SN/41K10947>
 ・外観は目立つ傷はなくまずまずの美品。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信できました。
 ・上り方向、下り方向ともに周波数ズレなし。
 ・シグナルインジケーター全点灯、STEREOインジケーター点灯。
 ・Wide/Narrow切換OK
 ・AMは適当なループアンテナで名古屋地区のAM局を受信できました。
 ・FM/AMとも大きな問題は無さそう

Kt101004_20221016092501 Kt101005_20221016092501 Kt101006_20221016092501 Kt101008_20221016092501 Kt101009_20221016092501

<下段2号機:SN/3XK11163>
 ・外観は1号機とほぼ同じ。見た目で区別できない。
 ・こちらはオート選局上り下りとも-0.1MHzの周波数で受信します。
 ・ズレた周波数でSTEREOインジケーター点灯
 ・AMは適当なループアンテナで名古屋地区のAM局を受信できました。
 ・問題はFM同調点のズレですね

■内部確認------------------------------------------------------------

<上段1号機:SN/41K10947>
 ・電球切れなし、特に気になる個所無し
 ・オリジナル状態のようです。
<下段2号機:SN/3XK11163>
 ・基板全体がグラグラする???原因は??
 ・1号機と比較して分かりました。
 ・基板をシャーシに固定するネジが逆向きでした。
 ・つまり底面からねじ込まれていて基板を全く固定できていない
 ・これは基板を分解した先人がいますね。

Kt101020_20221016092101

■仮調整--------------------------------------------------------------

<上段1号機:SN/41K10947>
 ・FM同調点、PLL検波調整、歪調整、MPX調整すべて完了しました。
 ・AMも受信感度がアップしました。
<下段2号機:SN/3XK11163>
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 電圧計セット
 ・83MHz → L11調整 → 実測-1.3vまで
 ※L11を回しても 0v に調整できない
 ※L11の内蔵コンデンサが死んでいる
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 電圧計セット
 ・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測1.85v
 ※L13の中心コアが割れている

Kt1010_00

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP8~TP9 電圧計セット
 ・76MHz → L7調整 → 7.0v
 ・90MHz → TC5調整 → 23.0v
【RF調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 電圧計セット
 ・83MHz → L11調整 → 0v 調整前実測+215mV
【FM WIDE-NARROWレベル調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット
 ・83MHz(WIDE) → L5,L8調整 → 電圧最大
 ・83MHz(NARROW) → VR1調整 → WIDE受信時と同じ
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 電圧計セット
 ・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測1.85v
 ・83MHz → VR8調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP7 周波数カウンタセット
 ・83MHz → VR3調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR4,L21調整 → 19kHz最小へ
【セパレーション調整】WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR5調整 → Lch
 ・83MHz → VR6調整 → Rch
【セパレーション調整】NARROW
 ・83MHz → VR7調整 → 左右ch
【DCC歪補正】
 ・MONO WIDE受信 → VR9 → 高調波最小
 ・MONO NARROW受信 → VR10 → 高調波最小
 ・STEREO WIDE受信 → VR11 → 高調波最小
 ・STEREO NARROW受信 → VR12 → 高調波最小
【FMミューティング調整】
 ・83MHz → VR2調整 → Muting作動位置へ
【AM VT電圧】
 ・TP8~TP9 電圧計セット
 ・522kHz → L19調整 → 2.0v
 ・1629kHz → TC7調整 → 20.0v
【AM RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・729kHz NHK第一受信 → L18 → レベルメーター最大へ
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC6 → レベルメーター最大へ
 ・1053kHz CBCラジオ受信 → L20 → レベルメーター最大へ

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ジャンク品にもいろいろありますね。
 ・外見だけでは分からないところが難しいです。
 ・1号機は返却し2号機は部品取り機として活用します

Kt101007_20221016092101

2022年10月 9日 (日)

Technics ST-G5

 ・2022年9月初め、初めて見る機種が届きました。
 ・発売時に購入したワンオーナー品だそうです。
 ・最近は受信不調になっているとか、、
 ・さて、直せるでしょうか?

Stg5_03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-G5 ¥49,800 (1983年発売)
 ・Hifiengine Technics ST-G5 AM/FM Stereo Tuner (1984-85)
 ・同じ1983年発売のST-G7(73,800円)の弟機でしょうか?
 ・メモリボタンのデザインがよく似ている印象です。

Stg5_02Stg5_19

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・薄型ボディで奥行きも小さく片手で持てるほどの軽量。
 ・フロントパネルは経年の汚れ、特に指が触れるボタン類に汚れが目立つ。
 ・さて、まずは名古屋地区の放送局で受信テストです。
 ・FMアンテナ端子はこの時期のTechnics製チューナーによくある使い難いタイプ。
 ・[UP] [DOWN]ボタンの長押しでオートチューニング開始。
 ・FM受信範囲は76.1MHz~89.9MHz
 ・電波状況に応じてIF回路を自動選択(normal/super narrow)。手動切換も可能。
 ・FM受信時、signalボタンをオンにすると電波強度dB表示に切り換わる。
 ・ただ全局とも90dBを示すので役に立たない。
 ・mutingはボタン長押しでレベル変更可能 off/20dB/30dB/40dB/50dB
 ・rec calトーン動作OK
 ・プリセットメモリーはFM/AMランダムに16局。
 ・メモリーボタンは1~8しかないが、長押し操作によって9~16に登録可能。
 ・AMは手元にあった適当なループアンテナで確認
 ・名古屋地区のAM局を受信できました。
 ・一通りの動作はOKです。重大な故障は無さそうでした。

Stg5_05Stg5_06Stg5_07Stg5_08Stg5_10

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・MITSUMI製小さなフロントエンドパック
 ・IC101:uPC1018C:AM/FM IF amp
 ・IC102:uPC1167C2:FM IF det.
 ・IC301:AN7471S:FM Stereo Multiplex Demodulator ★ 輸出機uPC1161C3
 ・IC901:uPD1707G:MICROCONTROLLER WITH PLL ★輸出機uPD1704C
 ・輸出機ST-G5回路図と比較すると検波回路まではほぼ同じ。
 ・ただMPX回路は全く別物国内機の方が手が込んだ作りです。
  → 国内機 [AN7471S]+ [MN4066B] による Sample & Hold MPX
  → 海外機 [PC1161C3] の左右分離信号をそのまま出力

Stg5_20Stg5_21Stg5_24Stg5_25Stg5_26
Stg5_27Stg5_28Stg5_29Stg5_30Stg5_31

 ・シリアルナンバーから製造日が読み取れます:AC3J05=1983年10月5日
 ・カバーの内側に修理記録シールが貼ってありました。
 ・パナソニックのメーカーサービスの記録のようです。
  → 7.7.15 → 平成7年7月15日? あるいは 2007年7月15日?
  → メモリ保持用キャパシタ交換 → 確かに交換済み
  → IFT×2 交換 → ハンダ面の痕跡を見るとT101とT102を交換したようです。

Stg5_32Stg5_34Stg5_36Stg5_38Stg5_39

■修理記録-----------------------------------------------------------

 ・交換済みのキャパシタは機能しているようで実際に保持できています。
 ・その他の故障箇所は無さそうです。
 ・基板を分解したついでにフロントパネルを洗浄しました。
 ・メモリーボタンはST-G7と同じ材質(アルミ)みたいです。
 ・周波数表示部のアクリル内側を磨いたので文字のクッキリ感が増しました。

■調整記録------------------------------------------------------------

Stg5_50

【VT電圧調整】
 ・フロントエンド横 R2前足 → DC電圧計セット
 ・76.1MHz → 3.0v ※確認のみ
 ・89.9MHz → 11.1v ※確認のみ
【検波調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・TP101~TP102 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T101調整 → 電圧ゼロ ※実測-0.5v
 ・83MHz受信 → T102調整 → 高調波歪最小
 ・上記作業を数回繰り返す
【RF調整】
 ・VR501 → DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L01~L03調整 → 電圧最大
  ※中空コイルは過敏に反応するので慎重に!
 ・83MHz受信 → T01調整 → 電圧最大
【シグナル強度調整】
 ・83MHz,70dB受信 → VR501調整 → 表示「68dB」
 ・確認:60dB受信 → 表示「68dB」
 ・確認:50dB受信 → 表示「62dB」
 ・確認:40dB受信 → 表示「48dB」
 ・確認:30dB受信 → 表示「38dB」
 ・確認:20dB受信 → 表示「26dB」
 ・確認:30dB受信 → 表示「25dB」
 ※おまけ程度の機能です
【VCO調整】
 ・TP301 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調)受信 → VR301調整 → 19kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHzST受信 → L301調整 → 19kHz成分最小
【MPX調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHzST受信 → VR302調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHzST受信 → VR303調整 → Rch漏れ信号最小
 ※左右とも約60dB超(normal,1kHz)、とても優秀な値です。
【Rec level】
 ・334Hz、-5.2dB ※確認のみ
【AM調整】
 ・TP201 → 電圧計セット
 ・ 729kHz(NHK名古屋)受信 → L202調整
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信→ CT201調整
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → T201,T202調整

Stg5_00

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・検波調整が大幅にズレていました。
 ・その他調整個所も適正に修正しました。
 ・セパレーション値が驚くほど優秀です。

Stg5_11

2022年10月 2日 (日)

SONY ST-J75 修理調整記録3

 ・2022年5月、受信できないST-J75を入手しました。
 ・修理記録と共に今回は手順をキチンと残しておきます。

Stj7503

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-J75 ¥67,000(1980年頃)
 ・オーディオ懐古録 SONY ST-J75 ¥67,000(1980年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-J75 FM Stereo Synthesizer Tuner (1980-82)

Stj7502Stj7511

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル、天板は傷もなくきれいな状態ですが、、
 ・ボディ右側面に細かい擦り傷が目立つ。
 ・これは多分、ジャンクコーナーに縦置きされていた個体かな?
 ・本体前面のプッシュスイッチに緑青のようなサビ。
 ・さて、FMアンテナを接続して名古屋地区のFM局受信テスト開始。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信しようとしたところ、
 ・上り方向、下り方向とも放送周波数を素通りして受信不可。
 ・手動選局を試みると、シグナルインジケーターが1灯だけ点灯して受信。
 ・STEREOランプ点灯しない。
 ・一方のAM放送は背面バーアンテナで感度良く受信OK。
 ・調整ズレの問題か?それともどこか故障ありか?

Stj7505Stj7507Stj7508Stj7517Stj7514

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・独立したフロントエンドユニット、レシオ検波
 ・LA1231N:FM IF System
 ・HA11223W:MPX System
 ・LA1245:AM Tuner System

Stj7530

■調整記録-----------------------------------------------------------

【PLL調整】
 ・TP GATE → 電圧計セット ※TP(GATE)=Q401(2SK30A-G)
 ・RT401調整 → +1.8v
【VT電圧確認】
 ・アンテナ入力なし
 ・フロントエンド TP → 電圧計セット
 ・76MHz → L05調整 → 3.0v  ※実測 2.8v
 ・90MHz → CT05調整 → 19.0v ※実測18.5v
【FM同調点調整】LA1231Nクアドラチュア検波
 ・R122両端(IC101:LA1231N横)→ 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → 電圧0V±10mV ※実測-1.2v
【レシオ検波調整】
 ・TP-NULL~GND 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → IFT102(黒:左)調整 → 電圧0V±10mV ※実測+0.7v
 ・83MHz受信 → IFT102(赤:右)調整 → 歪率最小
【フロントエンド調整】
 ・IC101:LA1231N-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → CT01,CT02,CT03,CT04調整 → 電圧最大
  ※L01~L05は中空コイルで調整が難しいため83MHzのみで調整
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → RT101調整 → 受信できる位置
【Sメータレベル調整】
 ・83MHz 80dB受信 → RT102調整 → Sメーター全点灯位置
【VCO調整】
 ・TP-76KHz → 周波数カウンタセット
 ・83MHz(無変調)→ RT203調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz(ST)→ RT202調整 → 19kHz漏れ信号最小
【OUTPUTレベル調整】
 ・音声出力端子 TP62 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)Mono受信 → RT205調整 → Lch 0.775V
 ・音声出力端子 TP64 AC電圧計セット
 ・83MHz(60dB)Mono受信 → RT206調整 → Rch 0.775V
【セパレーション調整】
 ・83MHz(ST)→ RT205調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力レベル測定
 ・REC CALオン → RT201調整 → 音声出力レベル-6dB ※354Hz
【AM VT電圧調整】
 ・TP AM → 電圧計セット
 ・ 522kHz → T301調整 → 1.5v ※確認のみ
 ・1602kHz → CT302調整 → 21.8v ※確認のみ
【AM 受信調整】
 ・ 729kHz NHKラジオ受信 → バーアンテナ内蔵コイル調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → CT301調整 → Sメーター最大
 ・ 909kHz NHKラジオ受信 → IFT301,305,303調整 → Sメーター最大
【AM その他調整】
 ・RT701調整 → AMミューティング調整
 ・RT702調整 → AMシグナルインディケーター調整

Stj7520

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・再調整だけで復活しました。
 ・すべての調整ポイントが大きくズレていました。
 ・たぶん内部を適当に弄った先人がいたようです。

Stj7504

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