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2022年10月16日 (日)

TRiO KT-1010 修理調整記録5

 ・2022年8月末、KT-1010ブラックモデルの2台セットが届きました。
 ・さて、どんな状態でしょうか?
 ・ニコイチ合体か?それとも、、?

Kt101003_20221016092101

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1010 ¥59,800(1983年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD BASIC T2 AM/FM Stereo Tuner (1983-85)

Kt101002_20221016092001 Kt101014

■動作確認------------------------------------------------------------

<上段1号機:SN/41K10947>
 ・外観は目立つ傷はなくまずまずの美品。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信できました。
 ・上り方向、下り方向ともに周波数ズレなし。
 ・シグナルインジケーター全点灯、STEREOインジケーター点灯。
 ・Wide/Narrow切換OK
 ・AMは適当なループアンテナで名古屋地区のAM局を受信できました。
 ・FM/AMとも大きな問題は無さそう

Kt101004_20221016092501 Kt101005_20221016092501 Kt101006_20221016092501 Kt101008_20221016092501 Kt101009_20221016092501

<下段2号機:SN/3XK11163>
 ・外観は1号機とほぼ同じ。見た目で区別できない。
 ・こちらはオート選局上り下りとも-0.1MHzの周波数で受信します。
 ・ズレた周波数でSTEREOインジケーター点灯
 ・AMは適当なループアンテナで名古屋地区のAM局を受信できました。
 ・問題はFM同調点のズレですね

■内部確認------------------------------------------------------------

<上段1号機:SN/41K10947>
 ・電球切れなし、特に気になる個所無し
 ・オリジナル状態のようです。
<下段2号機:SN/3XK11163>
 ・基板全体がグラグラする???原因は??
 ・1号機と比較して分かりました。
 ・基板をシャーシに固定するネジが逆向きでした。
 ・つまり底面からねじ込まれていて基板を全く固定できていない
 ・これは基板を分解した先人がいますね。

Kt101020_20221016092101

■仮調整--------------------------------------------------------------

<上段1号機:SN/41K10947>
 ・FM同調点、PLL検波調整、歪調整、MPX調整すべて完了しました。
 ・AMも受信感度がアップしました。
<下段2号機:SN/3XK11163>
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 電圧計セット
 ・83MHz → L11調整 → 実測-1.3vまで
 ※L11を回しても 0v に調整できない
 ※L11の内蔵コンデンサが死んでいる
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 電圧計セット
 ・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測1.85v
 ※L13の中心コアが割れている

Kt1010_00

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP8~TP9 電圧計セット
 ・76MHz → L7調整 → 7.0v
 ・90MHz → TC5調整 → 23.0v
【RF調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 電圧計セット
 ・83MHz → L11調整 → 0v 調整前実測+215mV
【FM WIDE-NARROWレベル調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット
 ・83MHz(WIDE) → L5,L8調整 → 電圧最大
 ・83MHz(NARROW) → VR1調整 → WIDE受信時と同じ
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 電圧計セット
 ・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測1.85v
 ・83MHz → VR8調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP7 周波数カウンタセット
 ・83MHz → VR3調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR4,L21調整 → 19kHz最小へ
【セパレーション調整】WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR5調整 → Lch
 ・83MHz → VR6調整 → Rch
【セパレーション調整】NARROW
 ・83MHz → VR7調整 → 左右ch
【DCC歪補正】
 ・MONO WIDE受信 → VR9 → 高調波最小
 ・MONO NARROW受信 → VR10 → 高調波最小
 ・STEREO WIDE受信 → VR11 → 高調波最小
 ・STEREO NARROW受信 → VR12 → 高調波最小
【FMミューティング調整】
 ・83MHz → VR2調整 → Muting作動位置へ
【AM VT電圧】
 ・TP8~TP9 電圧計セット
 ・522kHz → L19調整 → 2.0v
 ・1629kHz → TC7調整 → 20.0v
【AM RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・729kHz NHK第一受信 → L18 → レベルメーター最大へ
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC6 → レベルメーター最大へ
 ・1053kHz CBCラジオ受信 → L20 → レベルメーター最大へ

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・ジャンク品にもいろいろありますね。
 ・外見だけでは分からないところが難しいです。
 ・1号機は返却し2号機は部品取り機として活用します

Kt101007_20221016092101

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コメント

はじめまして。
KT-1010Ⅱの故障について調べているうちこのブログを見つけました。
BLUESS様の豊富な知見からアドバイスいただけたら幸いです。
症状は電源投入後ステレオランプ点灯まで時間が掛かるようになり、一度点灯すれば最初ノイズ混じりの音が徐々に正常になるというものでしたが、ステレオランプ点灯までの時間が数十秒、数分、そしてついに点灯しなくなりました。
シグナルメーターはどの局も最大レベルで受信できており、テスターでできる電圧調整や、基板・部品の外観チェックなどはしましたが特に異常は見つけられません。
以上の状況ですが故障原因でお心当たりがあればご教示のほどよろしくお願い致します。

たぶんVCO調整がズレていることが原因のように思えます。

【VCO調整】
・TP7 周波数カウンタセット
・83MHz → VR3調整 → 76kHz

周波数カウンタが無い場合は、
・VR3を大きく左右に回し、STEREOランプが点灯するVR3の範囲を特定する
・その範囲の中間位置にVR3をセットする

これで直らなければどこか部品故障がありそうです。

コメント有り難うございます。
ご指摘のVR3を左右に最大限回してもステレオランプが点灯しません。
やはりどこか部品故障のようですね。
時間があるときにもう少し弄ってみます。
有り難うございました。

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