フォト
2026年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

チューナー関連リンク

« 2022年12月 | トップページ | 2023年2月 »

2023年1月の記事

2023年1月29日 (日)

KENWOOD L-01T 修理調整記録9

 ・2022年12月、L-01Tのメンテナンス作業を承りました。
 ・以下、作業記録です。

L01t04_20230129083701

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD L-01T ¥160,000(1979年頃)
 ・Hifi engine KENWOOD L-01T FM Stereo Tuner (1980-82)

L01t01L01t08

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観はとても綺麗な状態です。
 ・これで10台目ですが、今までに見たL-01Tで最も状態が良いです。
 ・FMアンテナを接続して電源オン。
 ・オレンジ色照明点灯、球切れなし。いつ見ても惚れ惚れする美しさ。
 ・各種インジケーターランプもすべて点灯。
 ・フロントのアクリルパネルが本来の透明感を保っている感じで美しい。
 ・名古屋地区のFM放送局を受信チェック。
 ・僅かな周波数ズレがあるもののFM放送受信OK。STEREOランプ点灯。
 ・WIDE/NARROW切換、NORMAL/DIRECT切換OK、MUTING動作OK。
 ・MUTINGオフの状態で指針を76MHz~90MHz区間を移動させてみると
 ・78MHz付近より下の周波数でバリバリノイズ発生。バリコン軸の接触不良です
 ・気になるのは78MHz以下のバリコン軸の接触不良
 ・致命的な不具合はありません。

■修理履歴------------------------------------------------------------

 ・修理シールなし

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると基板上にはびっしりと埃が堆積していました。
 ・まずはエアーで吹き飛ばし、柔らかい刷毛と筆で基板の清掃。
 ・ヤニ汚れが無いのでこれだけでキレイになります。
 ・LA1231やHA11223Wの足は黒化している事例が多いのですが本機はピカピカでした。
 ・ハンダ面を見ても修理痕は見当たりません。

■修理記録:バリコン軸清掃--------------------------------------------

 ・指針を移動するときに発生するガリガリノイズの対策です。
 ・原因は回転するバリコン軸と軸受け部の接触不良です。
 ・接触部の固化した古いグリスを爪楊枝で丹念に除去し、コンタクトグリスを薄く塗布。
 ・76MHz~90MHz区間を何度も往復させて新しいグリスを馴染ませる。
 ・この作業によって83MHz以下のガリガリノイズが解消しました。

■調整記録------------------------------------------------------------

L01t30

【FMフロントエンド】
 ・OSC調整83MHz → OSC coil
 ・トラッキング調整76MHz → L1,L2,L3,L4,L5,L6
 ・トラッキング調整90MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6
 ・IFT調整 → L17,L19,L21 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・LA1231Nクアドラチュア検波調整 → L6調整 → Tメーター中央
【ミューティング調整】
 ・83MHz 20dB受信 → VR2調整 → MUTING作動
【WIDE GAIN調整】
 ・Narrow受信 → Sメーターレベル記録
 ・Wide受信 → VR1調整 → Narrow受信時と同レベルに
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR3調整
【第2IF調整】
 ・83MHz受信 → L8調整 → TP=1.96MHz ※実測1.65MHz
【VCO調整】
 ・83MHz無変調 → VR6調整 → TP(R117) → 76kHz
【Pilotキャンセル】
 ・83MHz ST受信 → VR7,L16調整 → 19kHz漏れ最小へ
【ステレオ歪調整】
 ・83MHzST受信 → フロントエンドL21調整 → 高調波歪最小へ
【SCA調整】
 ※今回はノータッチ
 ※詳細は後述
【ノイズアンプ調整】
 ・離調状態 → VR4調整 → Q6(2SC2785)エミッタ電圧 → 8V
【SUB調整】
 ・83MHz L-R信号受信 → VR8調整 → Lch最大
 ・同上  → VR9調整 → RchレベルをLchと同じに揃える
【セパレーション調整】
 ・83MHzST受信 → Wide VR10→Rch、VR11→Lch ※実測値:概ね60dB前後
 ・83MHzST受信 → Narrow VR1(X13-2690基板) ※実測値:概ね50dB前後

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・外観がキレイで故障個所なし、調整だけでよい性能を取り戻しました。
 ・NHK-FMを聴いてもDARCノイズ(FM多重放送に起因するノイズ)は気になりません。
 ・聞いている時間帯によるのか、番組によるのか、地域によるのか??

L01t02_20230129083701

2023年1月22日 (日)

SANSUI TU-S707X 修理調整記録6

 ・2022年11月、外観ジャンク級の故障機が届きました
 ・以下、作業記録です

S707x03_20230122090301

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SANSUI TU-S707X ¥54,800(1984年発売)
 ・オーディオ懐古録 SANSUI TU-S707X ¥54,800
 ・Hifi Engine TU-S77X Quartz PLL Digital Synthesizer Tuner (1983-84)

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れが目立ちます
 ・背面パネルに経年のホコリ、ボディ全体にタバコのヤニ汚れ
 ・電源コードがベタベタします
 ・まずは外観のクリーニングから作業スタートしました

S707x02_20230122090201S707x11

 ・さて、外装が奇麗になったところでFMアンテナを接続して電源オン
 ・FM/AMとも周波数が表示される。輝度OK。文字瘠せなし
 ・UP/DOWNボタンに反応して周波数が上下に変化する
 ・RFセレクタ、IF切換に応じてインジケーター点灯
 ・REC CALトーンOK。メモリ登録OK
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信するとすべて素通りして受信不可
 ・マニュアル選局ではシグナルインジケーターが弱々しく点灯して受信OK
 ・FMの受信感度が大幅に低下しているようです
 ・続いて専用ループアンテナでAM放送の受信テスト
 ・名古屋地区のAM放送を正常に受信しました
 ・AMは問題なさそうです

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-----------------------------------

 ・後述の調整手順に従って各部仮調整したところ VT電圧に異常あり
  ・76.0MHz → 1.6v
  ・90.0MHz → 9.3v ※本来は20v前後のはず
 ・フロントエンド内のOSCトリマコンデンサTC5を回してもほとんど変化なし
 ・これはこの機種定番のTC5の故障です
 ・ユニット本体を取り外し、TC5を10pFの新トリマに交換しました
 ・交換後の再調整でFM受信が正常になりました

S707x21S707x23S707x27S707x29S707x30

■調整記録------------------------------------------------------------

Tus707x

【VT電圧確認】右側RF基板
 ・フロントエンドVT端子 → 電圧計セット
 ・90MHz時の電圧 → TC5調整 → 23.0V
 ・76MHz時の電圧 → 3.3V
【FM同調点の調整】右側RF基板
 ・TP1-TP2 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → TC(右)調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz受信 → TC(左)調整 → 高調波歪最小
【フロントエンド調整】右側RF基板
 ・IC3[HA12412] 13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
  ※コイルL1,L2,L3,L4の間隔調整は難しいのでパス。
 ・83MHz受信 → フロントエンド内IFTコイル調整 → 電圧最大
【IF調整】右側RF基板
 ・IC3[HA12412] 13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → T1調整 → 最大電圧
【WIDE/NARROWレベル調整】右側RF基板
 ・IC3[HA12412] 13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz受信 → 電圧測定
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → VR2調整 → NARROW時と同じ電圧
【FM LOCKED LEVEL調整】右側RF基板
 ・83MHz,30dB受信 → VR4調整 → 本体正面[LOCKED]オレンジ色LEDが全灯する位置
【MUTING LEVEL調整】右側RF基板
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz、20dB受信 → VR3調整 → MUTING作動位置
【AUTO STOP LEVEL調整】右側RF基板
 ・83MHz、30~35dB受信 → VR1調整 → オートサーチが有効な位置
【REC Level】右側RF基板
 ・VR5調整 460kHz -6dB
【VCO調整】左側MPX基板
 ・TP3[VCO] → 周波数カウンターセット
 ・83MHz、無変調 → L101調整 → 304.000kHz
 ・TP1-TP4 → 電圧計セット
 ・83MHz、無変調 → VR105調整 → 電圧0V±0.05V
 ・TP2-TP5 → 電圧計セット
  接続 → VR104[PILOT OFFSET]調整 → 電圧0V±0.1V
【PILOT CANCEL調整】左側MPX基板
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz、ST信号受信 → L100、VR103L調整 → Lch 19kHz信号最小
 ・83MHz、ST信号受信 → VR106、VR103R調整 → Rch 19kHz信号最小
【セパレーション調整】左側MPX基板
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST信号受信 → VR102L調整 → 漏れ信号最小
 ・83MHz ST信号受信 → VR102R調整 → 漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST信号受信 → VR101L調整 → 漏れ信号最小
 ・83MHz ST信号受信 → VR101R調整 → 漏れ信号最小
【AM調整】右側RF基板
 ・LA1245-16ピン → AM Sメーター電圧測定
 ・ 729kHz NHKラジオ受信 → T2調整 → 電圧最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC2調整 → 電圧最大
 ・AM VR1調整 → AM STOP LEVEL
 ・AM VR2調整 → AM SIGNAL

S707x40

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・トリマコンデンサー交換と再調整で復活しました
 ・薄型で高性能、やはりTU-S707Xはイイですね

S707x04_20230122090301

2023年1月15日 (日)

Aurex ST-720 修理調整記録2

 ・2022年11月、ウッドケースに納まったST-720が届きました
 ・専用ケースがあったとは知りませんでした
 ・シンセチューナー黎明期の貴重な機種です

St72003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Aurex ST-720 \105,000(1975年頃)
 ・オーディオ懐古録 Aurex ST-720 \105,000

St72001St72018

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・W450mm×D365mm×H148mm、重量8.3kg
 ・元々大型サイズですがウッドケースに納まるとさらに巨艦サイズ
 ・ウッドケースによって高級感、重厚感が増幅されています
 ・調べてみると本体サイズは同時期のアンプ(SB-820等)と同じ
 ・ウッドケースはたぶん共通のオプション品だったのでしょうね
【選局方法】
 ・Aurex ST-720 1号機記録 2016年3月2日記事
  ※選局方法、プリセット方法など詳細な記録が残っています
【動作確認】
 ・プリセット選局のピンボードは関西圏の放送局が登録済みでした
 ・登録された周波数を信号発生器から信号送信すると受信動作OKでした
 ・FM局が存在しない周波数ではエラーインジケーター[TUNING ERROR]が点灯
 ・マニュアル選局によって名古屋地区のFM局も受信できました
 ・しかしSTEREOランプが点灯しない、実際にステレオ感もない
 ・マルチパスH端子からはFM受信音声が聞こえる
 ・その他REC CALトーンOK、可変出力VRガリあり
 ・問題は復調回路のようです

St72004St72005St72006St72013St72014

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・5連構成フロントエンド。局発回路はもう一つのシールドケース内
 ・IF段(4極LCブロックフィルター×3段構成)→ レシオ検波 → LA3350(PLL-MPX IC)
 ・VR1:VCO調整 → TP19kHz
 ・VR2:セパレーション調整
 ・VR3:REC CALトーン調整
 ・[TUNING ERROR]、[STEREO] 赤色インジケーター → LED
 ・[PRESET CH] 橙色インジケーター → フィラメント電球

St720_00

 ・当時の資料によると周波数を設定するピンボードは10個付属していたようです
 ・でも収納ケース内部を見たところ予備のピンボードが残っていません
 ・3Dプリンターがあればピンボードを自作できるかも?
 ・あるいは小さなプラ板を該当箇所に差し込めば機能代用できるかも?

■修理記録:STEREOランプが点灯しない----------------------------------

 ・復調回路のVCO調整で正常に19kHz設定できました
 ・しかしSTEREOランプは点灯しない、聴感上もステレオ感なし
 ・WaveSpectraで左右の波形を確認すると分離度ゼロ、セパレーション値ゼロ
 ・これは復調用IC[LA3350]の内部故障が怪しいか?
 ・ジャンク箱を捜索すると KT-1100D の基板に[LA3350]を発見
 ・これを取り外して ST-720 に移植しました
 ・結果は左右の分離はできるようになりました、が、、
 ・しかし調整VRを回してもセパレーション値が最大 5dB 程度しか取れません??
 ・依然としてSTEREOランプも点灯しない、
 ・LA3350 周辺の電解コンデンサーをいつくか交換しましたがそれでも改善しない
 ・これはおかしい?? 移植したLA3350が不良品だったか?

St72050St72051St72053St72054St72055

■修理記録:STEREOインジケーターLED交換-------------------------------

 ・新品のLA3350をネット注文し、届くまでの気分転換にとLEDの交換作業を行いました
 ・STEREOインジケーターの赤色LEDです
 ・フロントパネルを分解してLEDを外してみました
 ・直径3mmの赤色LEDが透明樹脂製の凸型ホルダーに納まっています
 ・このホルダーは流用しようと思い内部のLEDだけを取り外そうとしましたが、、
 ・悪戦苦闘の末、LEDだけ取り外すのは無理、、諦めました
 ・どうやらこれはホルダーとLEDの一体成型品のようです
 ・あれこれ考えた末、最終的にホルダー後部に直径3mm、深さ3mmほどの穴をドリルで掘り
 ・旧LEDを残したまま新LEDの頭部を少しだけ差込む形に納めました
 ・この状態でもLEDが点灯すると凸型ホルダー全体が赤く輝きます
 ・フロントパネルにセットした状態だと凸部だけが点灯しているように見えます
 ・輝度もちょうど良い感じになりました
 ・あれ? LEDが点灯するということは、、、

St72062St72068St72069St72078St72080

 ・LED交換作業を終えて調整作業を再開したところ、何ということでしょう!
 ・セパレーション値が左右とも40dB前途に改善していました
 ・さらに下記調整によって60dB程度まで大幅改善することができました
 ・つまり左右分離できなかった原因は STEREOランプ(LED)が切れていたから?
 ・先に STEREOランプ(LED)を交換すればIC交換は不要だったみたいです、、、

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・フロントエンド 黄色リード線にDC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76.1MHz → OSC L01 調整 → 確認のみ※実測 3.2V
 ・89.9MHz → OSC VD01調整 → 確認のみ※実測13.8V
【RF調整】
 ・Multipath V端子(R68右足) DC電圧計セット
 ・76.1MHz(無変調,40dB)→ L01~L05調整 → 電圧最大
 ・89.9MHz(無変調,40dB)→ VD01~VD05調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz(無変調,40dB)→ IT01調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・Multipath V端子(R68右足) DC電圧計セット
 ・83.0MHz(1kHz,80dB)受信 → IFT01調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz(1kHz,80dB)受信 → IFT02上段調整 → 1kHz信号最大
 ・83.0MHz(1kHz,80dB)受信 → IFT02下段調整 → 高調波歪最小
【MPX VCO調整】
 ・TPに周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz(無変調,80dB) → VR01調整 → 19kHz
【SEPARATION調整】
 ・83.0MHz(R/L信号,80dB)→ VR02調整 → もれ信号最小
【HI BLEND】
 ・スイッチONで 6000Hz以上が緩やかに減衰することを確認。
【REC CAL調整】
 ・基準音539Hz
 ・本体スイッチ設定 50% → VR03調整 → -6dB設定
 ・本体スイッチ設定100% → 確認のみ → ±0dB

St72083

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・シンセチューナー黎明期の希少品、しかもウッドケース付きの逸品です
 ・ガチャン、ガチャン とボタンで選局するスタイルがどこか懐かしい感じ
 ・いずれ博物館に展示される名品かもしれません?

St72012

2023年1月 8日 (日)

SONY ST-5130初期型 修理調整記録4

 ・2022年9月、ST-5130を寄付していただきました
 ・故障品の寄付は大歓迎です
 ・以下、年末年始休暇に行った作業の記録です

St5130103

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5130 ¥69,800(1972年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-5130 AM/FM Stereo Tuner (1971-74)
 ・製品カタログ 1971版

St5130102St5130110

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観を見た第一印象は「とってもキレイ!」
 ・正面パネル、ツマミ類、ボディ、背面パネルすべてピカピカです
 ・電源コードは普通はベタベタ変質しているのにツルツルです
 ・丁寧に清掃済みのようで50年前の製品とはとても思えません!
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン!
 ・外観の美しさに反して周波数窓左右の照明電球が切れている
 ・二つのメーター照明は本来は緑色のはずが電球色、
 ・しかも色合いが左右でで違う
 ・FM/AM切換時に点灯するインジケーターのうち「AM」が点灯しない
 ・肝心の受信状態は? まずは名古屋地区のFM局で受信テスト開始
 ・MUTINGオンで受信できるFM局なし
 ・MUTINGオフにすると名古屋地区のFM局を受信OK
 ・ただFM受信周波数にズレがあり
 ・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しない
 ・STEREOランプ点灯、しかしステレオ感が無いような?
 ・聞こえてくる音声は歪っぽい音、高調波歪が多い感じ?
 ・続いて名古屋地区のAM局で受信テスト開始
 ・背面バーアンテナを本体に固定する台座部品が破損している
 ・でもAM受信には影響なさそう
 ・AMインジケーターは点灯しないがSメーターが大きく振れてAM受信OK
 ・とりあえずFM/AMとも受信していることを確認しました

St513040_20230108094801

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けて内部チェック、やはりきれいに清掃済みでした
 ・基板、部品、配線それぞれ艶があって美しい
 ・妙な艶まであるのでクリーナーで洗浄されたようです
 ・ヘッドホン基板を見ると回路構成が簡易版です
 ・ツマミの形状、電源ケーブルの印字「1971」から判断して「初期型」ですね
 ・ただ電源基板の電解コンデンサーが4個並んでいる初期型は初めて見たかも?
 ・ハンダ面を見たところ部品の交換歴はなさそう

St513020_20230108094901

■修理記録:ガラス板交換----------------------------------------------

 ・パネル、周波数窓の銀色のフレーム、ガラス板は既にピカピカ状態です
 ・ただガラス板を磨き過ぎたようで、周波数目盛りの一部が剥げていました
 ・これはガラス板を交換するしかないですが、
 ・実は過去に解体したST-5130/5140/5150のパーツを大量保管しています
 ・この中から無傷のガラス板に交換しました

■修理記録:電球交換--------------------------------------------------

 ・続いて左右の照明電球交換
 ・これも大量保管しているヒューズ型電球に交換
 ・AMインジケーターが点灯しない原因はケーブルが外れていたこと
 ・AM電球に繋がるケーブルがラグ板のハンダ付け位置で外れていました
 ・内部清掃時に誤って引っ掛けてしまったかも?
 ・ハンダ付けを修正して無事に点灯OK

■修理記録:MPX回路--------------------------------------------------

 ・調整手順に従って仮調整したところステレオ分離に不具合あることが判明
 ・STEREOインジケーターは点灯するのにステレオ分離できていません
 ・つまり19kHz信号の抽出と38kHz信号の生成までは正常ということ
 ・その次のスイッチング不良と見立てて回路図を見ながら部品を確認
 ・調査の結果、原因は C414(4700pF)の故障でした
 ・4700pFのコンデンサーが 0.4Ωの抵抗と化していました
 ・これを新品フィルムコンデンサー(472)に交換
 ・無事にステレオ分離できるようになりました
 ・後述の受信調整でセパレーション約45dBとなりました

St513025_20230108095001St513050_20230108095001St513051St513052 

■修理記録:セレクタスイッチ洗浄-------------------------------------

 ・最近オールド機でトラブルが多いのはセレクタスイッチの接点不良
 ・長年の使用によって接点が汚れて接触不良を起こす事例です
 ・本機では特に不具合はありませんが予防処理しておきました
 ・接点にエレクトロニッククリーナーを軽く噴射し何度も操作を繰り返す
 ・綿棒で拭き取った後、エアダスターで乾燥させる
 ・接点に薄くコンタクトグリスを塗布して馴染ませる

■調整記録-----------------------------------------------------------

【FMフロントエンド調整】
 ・OSC調整 → CT105,L105
 ・トラッキング調整 → CT101,CT102,CT103,CT104 / L101,L102,L103,L104
 ・IFT調整 → IFT101
【レシオ検波調整】
 ・T201上段コア → 検波調整
 ・T201下段コア → 高調波歪調整
【MUTING調整】
 ・T202 → D209電圧最大
 ・RT202 → MUTINGレベル調整
【Sメーター調整】
 ・RT201 → FM Sメーター調整
【MPX調整】
 ・T401 → スイッチング信号調整(※SUB信号注入 → Lch出力最大)
 ・RT401 → セパレーション調整
【AM調整】
 ・OSC調整 → CT302,T301
 ・トラッキング調整 → CT301,L801(バーアンテナ内コイル)
 ・RT301 → AM Sメーター調整

St513060_20230108094501

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・50年前の製品とはとても思えないですね
 ・このデザインと雰囲気がステキです

■改造記録-----------------------------------------------------------

 ・さて、いつもならこれで作業終了ですが、
 ・今回は全球LED化を実践してみました

St513089

■改造記録:Sメーター、Tメーター移植-------------------------------

 ・ST-5130/5140のメーターは照明透過タイプではないのでちょっと物足りません
 ・これに対して同時期のST-5150/5150Dでは照明透過タイプが使われています
 ・サイズと取り付け方法は同じなのでST-5150のメーターと交換
 ・ちなみにST-5150Dのメーターには「MULTIPATH」の文字があるのでパスしています

St513041_20230108095301St513042_20230108095301St513043St513044_20230108095301St513046_20230108095301

■改造記録:全球LED化-------------------------------------------------

【オリジナル電球の仕様】
 ・PL5,PL6:周波数窓両端の照明電球:8v/300mA T6.3×30mm
 ・PL1,PL4:Tメーター、Sメーター照明電球:8v/150mA E10
 ・PL2,PL3,PL7:インジケータ(FM,AM,STEREO)電球:4.5v/40mA,φ4mm

【整流回路の製作】
 ・電源トランスから照明電球に繋がる青色線(AC8v)を流用して電源回路製作
 ・ダイオードブリッジと電解コンデンサーで整流回路作成(AC8v → DC9.4v)

St513071_20230108100001St513073_20230108100001St513075_20230108100001St513078St513093

【周波数窓照明LED】
 ・TORIBIO 10個セット T6.3×30mm LED 3SMD 5050 12V 28mm~30mm
 ・10個で820円、アマゾンで購入、似たような商品が多数見つかります
 ・極性あり、点灯しない場合は向きを変えてセットし直す
 ・12v用ですが周波数目盛、数値が鮮やかな緑色の発色になりました

【メーター照明LED】
 ・uxcell E10スクリューベースLED電球(白) DC 12V 0.25W フラットヘッド
 ・10個 1677円、アマゾンで購入
 ・極性に合わせて電球ソケットの配線を付け替える必要あり
 ・電球色から暖白色になったので透過色(緑色)の発色が鮮やかになりました
 ・電球先端が凹型なのでディフューザー効果が期待できる?
 ・定格12v用ですがちょうどよい明るさになりました

St513079St513080St513081  

【(FM,AM)インジケーター用LED】
 ・3mmウォームホワイトLED 70° OSM5YK3Z72A(100個入)
 ・100個 1300円、秋月電子で購入
 ・制限抵抗交換:R801,R802 75Ω → 2.2kΩ 交換
 ・黄赤線→+、黒青線→-

St513086St513087St513088  

【(STEREO)インジケーター用LED】
 ・FM/AM用に使ったLEDと同じ
 ・ラグ板に制限抵抗 2.2kΩを直列追加
 ・さらに並列に1.5kΩ抵抗追加(離調時も薄く点灯してしまうため)

St513082St513083St513084  

■改造記録:FMアンテナ端子--------------------------------------------

 ・FMアンテナ端子はF型ですが、端子サイズが微妙に小さいのが難点
 ・そこで端子を通常品に交換しました
 ・同軸ケーブルの接続安定感が大幅アップします


St5130120 St5130122St5130123St5130125 

■改造記録;指針タッチアップ------------------------------------------

 ・初期型の指針は白色、後期型はオレンジ色です
 ・そこで白い周波数指針を蛍光オレンジ色に塗装してみました
 ・視認性がグッとアップしましたが、、
 ・自光式では無いので暗い部屋では見え難いままでした


St5130130St5130131 St5130132St5130134 

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・あと残すは電解コンデンサーの交換くらいでしょうか
 ・でも音に特に不満は無いので今回はここまで
 ・オリジナルの雰囲気を保ったままいい具合に仕上がりました

St5130104

<追記>2023年5月6日---------------------------------------------------

■改造記録:電解コンデンサ交換----------------------------------------

 ・GW休暇、今年は何と10連休でした
 ・出かける予定も無いので、溜まっていた作業が一気に進みました
 ・電源回路とMPX回路の電解コンデンサを全数交換
 ・ついでにヘッドホン回路の電解コンデンサも全数交換
 ・IF基板はハンダを外しにくいのでパス

St5130140St5130142St5130143St5130144St5130145

■改造記録:ウッドケース再塗装---------------------------------------

 ・別に保管していた純正ウッドケース
 ・よく見かけるコの字型ではなく、箱型のケースです
 ・経年の汚れが酷かったのでサンディングしてから再塗装しました
 ・右側面後部に元から凹みがあったのでパテ埋めして整形
 ・表面は突板なので削り過ぎないように軽く600番から2000番まで
 ・最後は透明クリアの水性ウレタンニスを3回重ね塗り
 ・光沢のあるツルピカ仕上がりとなって上出来でした
 ・ただパテ埋した部分を着色する前にニスを塗ってしまった点が失敗、、
 ・でも前からは見えないのでこれで良しとします

St5130160St5130162St5130163St5130164St5130170

St5130168


2023年1月 1日 (日)

TRIO KT-9900 修理調整記録 9号機-2

■謹賀新年 2023--------------

20230101_happy_new_year

撮影:2023年1月1日 名古屋港水族館南側からの初日の出
 ・明けましておめでとうございます
 ・昨年、ついに高齢者の仲間入りとなりました
 ・今年から仕事50%、趣味50%で無理せず頑張っていきます

-----------------------------------------------------------------------
■TRIO KT-9900 修理調整記録 9号機-2

 ・2022年7月に修理調整した9号機に再び不具合が発生したそうです。
 ・今回の不調原因は何でしょうか?

Kt990001_20230101090001

■前回作業記録--------------------------------------------------------

 ・TRIO KT-9900 修理調整記録 9号機 2022年7月3日

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源投入直後は正常に動作します、が、しかし、、
 ・約1分後にSTEREOインジケーターの輝度が弱くなる
 ・その後弱々しく明滅するようになり、ついには消灯する
 ・これ以降電源オンオフを繰り返してもSTEREOインジケーターは再点灯しない
 ・丸一日放置した後に電源投入すると当初の症状に戻る
 ・STEREOインジケーターが消灯したままの状態で動作確認を続けると、
 ・次はDDLインジケーターが消灯し音声出力が消失する
 ・不思議なことにMUTINGスイッチOFFの状態でも音声出力が消失する

Kt990003_20230101090001

 ・WaveSpectraで音声波形を見ながら動作確認してみると、
 ・STEREOインジケーターが消灯した後も、何とSTEREO分離は正常でした
 ・VCO調整で76kHz設定OK、セパレーション調整もOKです。
 ・そう、KT-9900の復調回路はTRIO自慢のサンプリングホールドMPXでした
 ・STEREOインジケーターはHA11223W-8ピン出力によって駆動されますが、
 ・実際のステレオ分離は別回路で行われています。
 ・STEREOインジケーターは点灯しなくても左右分離はできるわけです

 ・さらにIF BANDセレクタを操作しても NORMAL/WIDE が切り換わらない事が判明
 ・NARROW回路はOK、WIDE/NORMALはどちらかの回路のみ動作している模様
 ・こんなに不具合が同時多発するなんて??
 ・それぞれに個別の原因があるのか? 不具合に共通する根本的な原因があるのか?
 ・回路図を見ながら脳内回路を巡らせること、これが楽しいひと時です

■内部確認:STEREOインジケーターが消灯する件--------------------------

 ・STEREOインジケーターはHA11223W-8ピン出力によって駆動されますが、
 ・実際のステレオ分離は別回路で行われています
 ・こうなれば HA11223W 8ピン系統が調べれば良い事になります
 ・回路図を見ると、まず怪しいのはMPX基板 Q12とQ13
 ・本来は 2SC945 のはずが 既に 2SC1815 に交換済みでした
 ・過去4回のKENWOODサービスでの修理過程で交換されたようです
  ・MPX基板8番端子:STEREOインジケーター駆動電圧
  ・MPX基板9番端子:STEREO OPERATION LEVEL(st時0v、mono時14v)
 ・試しにMPX基板9番端子をGNDに落とすとSTEREOインジケーターが点灯しました
 ・MPX基板9番端子の電圧を確認すると不安定な電圧(1~2v)がかかっています
 ・MPX基板9番端子 → IF基板11番端子(STEREO信号検出回路)
 ・MPX基板9番端子 → スイッチ基板8番端子(MONO/AUTO/STEREO切換スイッチ)

■修理記録:STEREOインジケーターが消灯する件--------------------------

【MPX基板】トランジスタ、電解コンデンサ、IC交換
 ・HA11223W-8ピンに関係するトランジスタやコンデンサを次々に交換
 ・さらにIC6:HA11223W自体の故障を疑ってこれも交換
 ・しかしSTEREOインジケーターは再点灯しない
【IF基板11番端子系統】IC、トランジスタ、電解コンデンサ交換
 ・IC8,IC9:NJM4558D → 4558DD
 ・IC11:TC4011P → TC4011BP
 ・Q19,Q20,Q21:2SC945 → 2SC1815
 ・不具合は解消しない、
 ・そもそもIC11:TC4011の論理出力は間違っていない
【スイッチ基板8番端子系統】
 ・スイッチ基板8番端子に繋がるのはMODEセレクタ(MONO/AUTO/STEREO)だけ
 ・MONO選択時のみ+14v電源に接続する設計です
 ・ところが端子間抵抗を測ってみると絶縁状態であるべきところ1~2MΩを示す
 ・続いて端子電圧測定
 ・MONO=+14.2v、AUTO=+1~2v、STEREO=+1~2v
 ・どうやらスイッチ内部の接点がススなどで一部導通状態になっているようです

■修理記録:セレクタスイッチ内部の接点不良-------------------------

 ・保管しているKT-9900実験機のセレクタスイッチは未改造オリジナル状態でした
 ・比較のためスイッチ基板のハンダ面の写真に必要情報を書き込んでみました
 ・MODEセレクタ(MONO/AUTO/STEREO)は4回路4接点のスイッチです
 ・4回路のうち2回路分しか使われていませんが、
 ・過去のメーカー修理によってスイッチ内で回路が移設されています
 ・配線パターンが一部カットされ、ワイヤ配線が追加されている部分です
 ・これはまさにSTEREOインジケーターを点灯させるスイッチでした
 ・つまり過去において同様の故障が発生していたという事
 ・そういえばMPX基板のトランジスタ(Q19,Q20,Q21)が交換済みでした
 ・KENWOODサービスも最初にトランジスタ故障を疑ったのですね
 ・対策として同一スイッチ内の未使用回路に付け替える修理が施されたという事
 ・もっと早く気付くべきでした、、、トホホ

Kt9900_switch_originalKt9900_72Kt9900_71

 ・同様にスイッチ内回路の付け替えをしているセレクタが他にもありました
 ・IF BANDセレクタ(NARROW/NORMAL/WIDE)
 ・これも4回路4接点のスイッチで1回路分が未使用です
 ・この未使用部分にNORMAL時のセパレーション調整回路が移設されていました
 ・もう一つのMUTINGセレクタ(OFF/20dB/40dB)は未改造ですが、
 ・でも内部の劣化状態は他のセレクタと同じはずです
 ・つまりMUTING機能やDDL不調もこれが原因かも??

■修理記録:セレクタスイッチ分解洗浄----------------------------------

 ・まず手始めにMODEセレクタ(MONO/AUTO/STEREO)から着手
 ・基板からスイッチを取り外し慎重に分解してみると
 ・予想通り内部は真っ黒でした。
 ・まずエレクトロニッククリーナー液を含ませた綿棒で磨く
 ・次にクリーナー液に浸した歯ブラシで端子間の隙間を念入りに磨く
 ・コの字型の小さな接点部品は厚目のボール紙を跨いだ状態で数往復させる
 ・ボール紙がサンドペーパーのような役割をするので汚れが良く落ちます
 ・最後にコンタクトグリスを薄く塗布して組み立てる
 ・基板に戻す前にテスターで端子間抵抗を確認
 ・結果は大成功!STEREOインジケーターが安定して点灯するようになりました
 ・この後、他のセレクタスイッチも順に取り外して分解洗浄しました
 ・どのスイッチも内部は真っ黒でした
 ・すべての作業を終えて動作確認してみると当初の不具合はすべて解消していました
 ・続いて調整作業をやり直して作業完了、いや~、疲れました

Kt9900101 Kt9900102 Kt9900103 Kt9900104 Kt9900105
Kt9900106 Kt9900107 Kt9900109 Kt9900111 Kt9900112
Kt9900113 Kt9900115 Kt9900116 Kt9900117 Kt9900118

 ・本音を言うとスイッチの分解洗浄は面倒なので出来れば避けたい作業です
 ・でもオールド機を本格的にメンテナンスするなら避けられない必須作業ですね
 ・電球のLED化より優先度は高いと思います

Kt9900119

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・作業を終えてNHK-FMを聴いていますが良い音で受信できています
 ・ところで、FM多重信号に起因するDARCノイズは全く気になりません
 ・実は数年前からDARC未対策のL-01TやKT-9900でもDARCノイズが気にならなくなりました
 ・一方でDARC信号発生器(MEGURO MSG-2170)を使った実験ではDARCノイズを再現できます
 ・ということはFM多重放送の変調方式自体が変わったのかも?
 ・2015年からVICSサービスがVICS WIDEに拡張された事と関係があるのかも?
 ・名古屋地区だけなのか?時間帯によるのか?番組(音源)によるのか?
 ・もしかしてDARCノイズ問題はすでに解消したのか?
 ・妄想が膨らみますが皆さんのところでは如何でしょうか?

Kt990002_20230101090001

« 2022年12月 | トップページ | 2023年2月 »