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2023年2月19日 (日)

TRIO KT-9700 修理調整記録2

 ・2023年1月、KT-9700の故障機が届きました
 ・IFバンドが Normal と Wide のポジションで受信できないそうです
 ・以下、作業記録です

Kt970003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-9700 ¥150,000 1976年
 ・Hifi Engine KENWOOD Model 600T $650 1976

Kt970002Kt970014

■パルスカウント検波機の系譜------------------------------------------

【1976年】パルスカウント検波チューナー登場
 ・KT-9700 ¥150,000 FM専用9連バリコン
 ・KT-8000 ¥ 69,800 FM専用7連バリコン

【1978年】検波回路のIC化(TR4010/TR4010A)
 ・KT-9900 ¥200,000 FM専用9連バリコン
 ・KT-8300 ¥ 63,000 FM専用5連バリコン
 ・KT-8100 ¥ 42,000 FM4連AM2連バリコン

【1979年】検波回路のIC化(TR4010A)
 ・L-01T ¥160,000 FM専用7連バリコン ※初のKENWOODブランド機
 ・L-07TII ¥130,000 FM専用7連バリコン
 ・KT-80 ¥ 37,000 FM専用4連バリコン ※システムコンポの一部

【1980年】ニューパルスカウントシステム登場、専用IC進化(TR7020+TR4011)
 ・KT-1000 ¥69,800 FM5連AM3連バリコン
 ・KT-900 ¥49,800 FM4連AM2連バリコン

【1981年】ニューパルスカウントシステム、専用IC(TR7020+TR4011)
 ・KT-9X ¥64,800 FM5連バリキャップ ※唯一のシンセサイザー機

【1982年】ニューパルスカウントシステム、専用IC(TR7020+TR4011)
 ・KT-1100 ¥73,800 FM5連AM3連バリコン
 ・KT-990 ¥53,800 FM4連AM2連バリコン<

 ※個人的には最後のKT-990がお気に入り機種です

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は目立つ傷もなくとても綺麗な状態です
 ・背面パネルの端子も艶があります
 ・さて、FMアンテナを接続して名古屋地区のFM局の受信テスト開始
 ・周波数窓の照明点灯、電球切れはなさそうです
 ・IFバンド切換の緑色インジケーター点灯、MUTINGインジケーター点灯
 ・まずはIFバンド=Narrowで名古屋地区のFM局を受信できました
 ・ただSメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・Tメーターの中点を少し外れた位置でSTEREOインジケーター点灯
 ・Narrow受信時は受信感度の低下、FM同調点のズレなどが予想されます

 ・一方でIFバンド=Normal/Wideでは受信不能です
 ・SメーターはNarrow受信時と同様に振れるがTメーターは全く不動
 ・出てくる音は局間ノイズのみ、MUTINGオフでも同じ状態
 ・Normal/Wide時は感度低下、あるいは全く受信できていないかも?

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・X00-1810-10:電源基板
 ・X01-1250-10:RF 基板
 ・X02-1090-10:IF 基板
 ・X02-1110-10:検波基板
 ・X04-1090-10:MPX基板
 ・X13-2370-10:スイッチ基板

 ・IF基板はコネクタ式になっており基板を持ち上げると基板ごと取り外せる
 ・MPX基板の裏面は底板を外せばアクセスできる
 ・KT-9900よりメンテナンスしやすいです

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・回路図を見ながら故障原因を考えること、、これが楽しいひと時です
 ・ヒントはNarrow受信とSメーター動作は正常、Normal/Wideが受信不可という現象
 ・IF基板における両者の信号分岐点は Q1 (2SK55)
 ・怪しいのは Q1(2SK55)と以降の Q2(2SC535) IC1(TA7060P)辺りでしょうか
 ・手始めにQ1(2SK55)を新品に交換したところ、何と先頭打者ホームラン!
 ・雑音に塗れていたNormal/Wide受信が復旧しました
 ・IF基板は丸ごと取り外せるので作業は楽でした

Kt9700if
Kt970040Kt970042Kt970043Kt970045Kt970046

■修理記録:スイッチ接点洗浄------------------------------------------

 ・最近オールド機でトラブルが多いのはセレクタスイッチの接点不良
 ・長年の使用によって接点が汚れて接触不良を起こす事例です
 ・本機では特に不具合はありませんが予防処理しておきました
 ・接点にエレクトロニッククリーナーを軽く噴射し何度も操作を繰り返す
 ・綿棒で拭き取った後、エアダスターを噴射して乾燥させる
 ・効果の程は不明、気休め程度かもしれません

■調整記録------------------------------------------------------------

Kt970050

【OSC調整】
 ・83.0MHz → フロントエンドOSC調整 → Sメーター最大
 ※一点調整のため両端では多少のズレが発生します
【RF調整】
 ・76.0MHz → L1,L3,L4,L5,L7,L8,L9 → Sメーター最大
 ・90.0MHz → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6,TC7 → Sメーター最大
【IFT調整】
 ・83.0MHz → フロントエンドL12調整 → Sメーター最大
 ・歪最小になるIF周波数=10.73MHz
【Tメーターオフセット調整】
 ・IF基板(X02-1090-10)12番端子に周波数カウンタ接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・83.0MHz → 選局ツマミを回して1.994MHz(*)を示す位置へ
 ・検波基板(X02-1110-10) VR1調整 → Tメーター中点
  ※本機の実測IF周波数=10.73MHz
  ※本機の水晶発振子= 8.736MHz
  ※第2IF周波数10.73-8.736=1.994MHz
  ※本来は10.7-8.736=1.964MHzですが実機に合わせました。
【IF歪調整】
 ・IFバンド=WIDE
 ・83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L15,L16,L17,L18調整 → 高調波歪最小
 ・IFバンド=NARROW
 ・83.0MHz → Tメーター中点へ
 ・IF基板(X02-1090-10) L19調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D1カソード側にDC電圧計セット
 ・83.0MHz → L20調整 → 電圧最大
 ・ミューティングスイッチ40dB → VR1調整
 ・ミューティングスイッチ20dB → VR2調整
【Sメーター調整】
 ・IF基板(X02-1090-10) D9カソード側にDC電圧計セット
 ・83.0MHz → L21調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz 20dB → VR3調整 → SメーターMIN調整
 ・83.0MHz 90dB → VR4調整 → SメーターMAX調整
【出力調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) R2右足にAC電圧計セット
 ・83.0MHz 100%変調信号 → VR1調整 → 500mV
【VCO調整】
 ・MPX基板(X04-1090-10) TP 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz → VR2調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子をWaveSpectraに接続
 ・IFバンド=WIDE
 ・83.0MHz ST信号 → VR3調整 → Rch
 ・83.0MHz ST信号 → VR4調整 → Lch
【DEVIATIONメーター調整】
 ・83.0MHz 100%変調信号 → VR5調整 → DEV.メーター100%位置へ
【Tメーター振れ幅調整】
 ・83.0MHz±300kHz → VR3調整 →Tメーター左右の振れ幅調整

Kt9700_00

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障部品の交換と再調整を経てよい音で受信できるようになりました
 ・外観は1976年発売の機種とは思えないほどの美しさです
 ・まだまだ現役で活躍できます

Kt970009

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ピュアオーディオ」カテゴリの記事

コメント

自分のメインチューナーがこれです。
暫くIFバンドをワイドから
動かしてないのに気付いて
確認でナロー、ノーマルでの
動作確認をしました。
気付きのきっかけの記事有り難うございます。

普段使わないスイッチやセレクタもたまには動かしてやるといいですね。
ときどきダイヤル指針も左端から右端まで数往復させています。

私も愛用しています。
Trio KT-9700 性能&スタイル高評価です。
何れ、メンテナンスを依頼したいです。

何気なく立ち寄ったショップで木製キャビ付きの本機を見つけ、衝動買いをしました。                      再生音はとんでもなく良いと思いますが、すでに50年近く前のチューナですので、                         Lチャンネルの音が出ないです。ブルースさんの経験からどこが怪しいでしょうか?。                                                                                                当方の見立てでは、Lチャンネル端子にガタがあるような気がするので                               半田クラックかなと思いますが バラすにもシールドケース入りの部分が多く                       いじって壊しそうなので複雑です。                                                                                                                        

なんとなくそれらしい原因がわかってきました。                                                 出力端子のコンデンサのリード根本にクラックがありましたので                               まだしっかり見ていませんが完全に壊れているかと思います。                              セラミックコンデンサだと思うのですが容量がわからないので                                差し支えなければお教えください。

手元に実機がないので回路図を見ながらの回答ですが、、
「出力端子のコンデンサ」が特定できないので容量はわかりません?
まずLchの音が出ない原因を切り分ける必要があると思います。

・単純に端子が壊れているのか?
・音が出ないのは固定端子か可変端子か、 それとも両方?
・MPX基板12番端子(L)から音が出ているか?

ご返信いただきありがとうfございます。
申し訳ありません、ざっくりな質問でした。                                              当初は通電後しばらくすると音が出ることと、                                     音の出ているときは端子をいじっても途切れませんでしたが、                                   私が出力端子につながるコンデンサのついている配線を触ったあと、                                        全く出なくなりましたので断線かコンデンサを壊したかと思います。                                 MPX基板の音はこの後確認し追ってご連絡いたします。                                             茶色で麦ほどの大きさの電子部品なのですが                                            ブルース様のサイトにある写真では写っていないかな?と思い、                               前のオーナーが不具合対策でつけたのかもしれませんが。                                                 

形や色からコンデンサだと思い込んでしまいました、                                             実は違う機能の部品かもしれません。                                                                                                コンデンサだとすると、なぜこんなところについているのかも謎です。                           

 おはようございます。「空中配線のような取付状態」からみると、                                         量産後に何か不具合があって追加したような感じですので、                                初期あるいは、改良後のロットは「取りつけていない」可能性が高いですね。                                                               現在、一か八かでコンデンサを取り外して状況を見ており、                                 外したことで弊害がないことを祈るばかりです。                             本機は解像度+奥行き感+伸びがあり、当方の機材とも相性がよさそうです。                                                                     話は変わりますがブルース様は部品購入をどのようにされておられますでしょうか?。      最近「若松通商」を知りました、いまはネット注文が主流のようですね。                                

部品は地元のパーツ店で購入することもありますが、ほとんどはネット通販を利用しています。
必要なICやトランジスタの型番を検索してショップを捜します。ヤフオクで落札することもあります。抵抗や電解コンデンサなどの常備品は秋月電子で調達することが多いです。

OSC調整でバリコンの初段トリマを調整しても電圧が一向に変化しません。                            トリマの外観はすごくきれいで問題なさそうなのですが・・・、                                          すでに劣化または断線と考えてよいでしょうか?。                                     

電圧が変化しないとの事ですが、どこの電圧でしょうか?
Sメーターを最大振れ位置にすれば良いのですが、TC1~TC7の中には針がほとんど振れない物もあります。

ちなみにOSC調整トリマコンデンサはユニットの後方、シールドケース内にあるTCOです。左側面に調整用の穴が開いています。TC1~TC7はRF調整用です。

ブルース様 こんばんは。                                                        ブルース様の記事を再度見直していて、今ごろ気づいたのですが、                                   OSCの調整に間違えてTC1をいじっていました・・・・。                        「Sメータが一向に変化しないなぁ」と思いつつも                                             しかも、元の位置がわからず戻せないというオチも。                                  今夜、徹夜覚悟で一から再調整してみます。                                                      こんな状態にしてしまいましたが、ずれたところでチューニングしても                          深みのある音質はあまり変わらないように感じました。                                   もう、手放せないですね。

こんにちは、トリオ・KT-9700が、                                       4~5日前から電源投入後しばらく経過すると、                                             地元局に合わせたチューニングメータは右に振り切れ、                                     シグナルメータが10~20㏈でふらつくだけになりもちろん音は出ません、                        この現象は地元局すべて同様です。                                                さらに、本日は電源投入と同時に振れることが起きるようになりました。             半田クラックを疑い、各端子や配線・部品などを触ってみましたが変化はありません。                           トリマ(TC1)を回してもSメータは変化しませんでしたので                              壊してしまった可能性が高いと思いますが、                                               ほかにチェックする部位があればご教授いただけますでしょうか。                            

急に発症したということは、どこかの部品が壊れた感じですね。
Tメーターの動き方が変なので検波回路、あるいはIF回路、フロントエンドと信号を追いながら異常個所を捜すしかないと思います。

Bluess様、こんばんは、ご連絡ありがとうございます。                                             なぜか今夜はご機嫌で再生してくれています。                             どうなっているのかさっぱり・・・。半田割れが怪しいでしょうか?。                 拡大鏡を使って何度も見ましたが分からなかったです。                                      こうなるとしばらく様子見しか思いつきません。

BLuess様こんばんは。 本日午後、再びチューニングできなくなりました。症状は、チューニングダイヤルの移動中は、チューニングメータがふらふらと+側に振れ、スタイラスが放送局付近に移動すると右に振り切れます。この時シグナルメータ常時全く振れません。ちなみにSSGから76と90Mhzの信号を送りチューニングしても同様です。ボンネットを開けてわかる範囲で見てみましたが原因が特定できませんでした。先日の不具合からさらに壊れてきたような・・・。内部で気になるところは、メーカの違うコンデンサが一個ついていること、半田の修正跡があることです。一度見ていただけませんでしょうか。大きく重たいことと大切にしたいので、ご自宅または付近まで、配送と引き取りはさせていただきたいと思います。

申し訳ありませんがこちらは修理の受付はしておりません。プロフィール欄でご案内している通り、故障品を寄付していただいた場合に趣味で修理調整にチャレンジしています。その場合も直せる保証はありません。

大切な機器は専門の修理業者さんに依頼することをお勧めします。

了解しました。                                                                ご返信いただき、まことにありがとうございました。

Bluess様 こんばんは、KT-9700の音を聞きたくて再度、OSCから始めましたが、ダイヤルを83Mhzに合わせ、SSGから83Mhzの信号を送るとチューニングメータが-方向に振り切れてしまいます、試しに地元局に合わせても同様です、また、SSGの信号を±1Mhzずらすと中央になります。もうこうなると部品が壊れている可能性が高いでしょうか。ちなみにシグナルメータはSSG出力70dbで、10db程度の表示です。 素人の質問ですので、支離滅裂かと思いますが、出ていた時の音があまりにもよくてどうしても聴きたいため何とか直したいです。

こんばんは!、直りました、たぶん・・・今度こそ・・・。全然違うところを調整していました。何度も記事を見させていただいていて気が付きました。ありがとうございました!。もう、めちゃくちゃうれしいです。NHKを聞いていますがなんとも言えない音質ですね。

よく分かりませんが、、とにかく良かったですね。

Bluess様、こんばんは。3日前から、KT-9700が。電源を入れて30分くらい経過すると、突然、シグナルメータが「0」になり、チューニングメータは振り切れ受信不能になります。OSCの調整だけで復帰するものの、一時的なものでやはり30分から1時間以内に再発します。どんなところが怪しいかよければお教えください。

その前に・・・ 10/22に返信いただいていたのに、テンパっていて返信を忘れていました。申し訳ありません。

調整の問題というより、どこか故障しているように思えますが、
文脈からはちょっと判断できません。
お役に立てず申し訳ありません。

ご連絡ありがとうございました。こちらこそご迷惑ばかりおかけしております、調子のいいときは我が家のオーディオ機器との相性も良くチューナでは断トツの音質でした。記事を参考にさせていただき部品から点検してみます。

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