SONY ST-S333ESG 修理調整記録9
・2022年2月、FMが受信不能という333ESGがやって来ました
・調べてみるとあちこち不具合がある個体でした
・以下、作業記録です

■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
・1987年10月発行「SONY ES テクノロジーカタログ」
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■動作確認------------------------------------------------------------
・FMアンテナを接続して電源オン
・表示部点灯OK、文字欠けや輝度劣化は感じられない
・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK
・オート選局でFM局を受信しようとすると、すべて素通りして受信不能
・マニュアル選局でMUTINGオフにするとかろうじて受信可能
・この状態でシグナルインジケーターが僅かに点灯、STEREO点灯せず
・一方AMは付属ループアンテナで正常に受信OK
・問題はFM部、受信感度が大幅に低下しているようです
■内部点検------------------------------------------------------------
・まず最初にすべてのヒューズ抵抗を確認 → 顕著な劣化部品なし
・シグナルインジケーター点灯レベル調整 → RV241
・RV241を最大回してもインジケーターは僅かしか点灯しない。
・次にフロントエンドのトリマとコイルを仮調整しようとしたところ
・何と、L101とL102の内部コアが粉々に割れていました
・さらにアンテナ端子にハンダクラック発見
・感度低下の原因はこれか!
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■修理記録:フロントエンド(コイルとトリマ)-------------------------
・L101,L102内のコアが粉々に割れている
・最初は割れたコアを取り除いて同種コイルのコアだけを移植しようとしましたが、
・割れた残骸を取り除く作業が意外に難しくて、結局コイル自体を取り換えました
・さらにトリマコンデンサを全数交換
・さらにアンテナ端子のハンダクラック修正
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■動作確認(再)------------------------------------------------------
・上記作業によってシグナルインジケーターがフル点灯するようになりました
・FM同調点調整OK、オート選局で周波数が自動停止します
・PLL検波調整:IFT272電圧調整 → ゼロ OK
・受信動作は正常のようですが、ところが、、音が出ない??
・LA1235によるクアドラチュア検波までは正常、しかし音声出力がない
・これはMUTINGが解除されない状態か??
■修理記録:PLL検波回路-----------------------------------------------
・MUTING機能の不具合を疑ってIC251(LA1235)周辺の電解コンデンサなど交換
・しかし効果なし
・続いてIC251(LA1235)自体の故障を疑って新品LA1235に交換 → 効果なし
・これはおかしい??
・LA1235によるクアドラチュア検波までは正常ということは、、
・次にPLL検波回路の電源周りを再チェック
・ヒューズ抵抗は最初に確認してOKだったのでその先を詳しく確認したところ
・ツェナーダイオード D273 の電圧に異常発見、両端電圧が同じです
・D273(部品番号 UZL-6L2)
・隣にある同型 D274を取り外して電圧測定すると 6.1v
・型番の数値を信じて 6.2v/0.5w品に交換 → 正解!
・STEREOインジケーターが点灯してFM音声が出てきました
・MUTING問題ではなくPLL検波回路が機能していなかったようです
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■調整記録------------------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・IF BAND = WIDE
・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ
【VT電圧調整】
・フロントエンド内JW8 電圧計セット
・アンテナ入力なし
・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測22.3V
・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.7V
【トラッキング調整】
・IF BAND = NARROW
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
・IF BAND = WIDE
・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
・TP271 電圧計セット
・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測+4.2V
・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
・TP201を開放
★CT27を回すと激しい雑音が発生する → 赤色(20pF)に交換
【IF歪調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
・SSG出力40dBモノラル信号送信
・IFT201調整 → 電圧最大
・SSG出力40dBステレオ信号送信
・IFT202調整 → 電圧最大
・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
・SSG出力80dBモノラル信号送信
・IFT203調整 → 歪最小へ
・SSG出力80dBステレオ信号送信
・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = OFF
・SSG83MHz 出力20dB
・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
・IF BAND = WIDE
・MUTING = ON
・SSG83MHz 出力25dB
・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
・IF BAND = NARROW
・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
・RV241調整
【パイロットキャンセル】
・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
・RV301 R→L ※調整後実測64dB
・RV302 L→R ※調整後実測68dB
【CAL TONE】
・Peak Level-4.2dB 394Hzの波形が出ていました
【AM調整】
・RV401 Sメーター調整
・RV402 AUTOSTOP調整

■修理記録:メモリ保持用キャパシタ交換-------------------------------
・メモリー内容が保持できないのでキャパシタ交換しておきました
・C605(0.1F/5.5V) → 1F/5.5V
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■試聴---------------------------------------------------------------
・あちこち不具合がありましたが何とか復旧できました
・当初の不具合が解消してFM/AMとも良い音で受信できています
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はじめまして。お助け頂きたいのでご相談させてください。友人からこわれた SONY ST-333ESGを譲り受けました。電圧を測ってみるとひどい状態で、抵抗を変えました。電荷コンデンサも変えましたところ、正常な電圧が出るようになりました。
FM FRONT END R119 100 133.5 × 100Ω交換
0WOIS R203 10 10.2 〇
R207 10 10.4 〇
R211 10 10.8 〇
R227 10 11.3 〇
IF R259 100 212 × 100Ω交換
DET R274 10 11.1 〇
R279 100 253 × 100Ω交換
R292 100 194 × 100Ω交換
MPX R301 10 10.4 〇
R327 47 89.4 × 47Ω交換
AM R403 220 578 × 220Ω交換
R410 150 278 × 150Ω交換
PLL R511 220 364 × 220Ω交換
R516 180 704 × 180Ω交換
CONTROL R626 47 98.4 × 47Ω交換
POWER SUPPLY R910 22 68.5 × 22Ω交換
R921 220 624 × 220Ω交換
R931 180 62.5K × 180Ω交換
しかしFM受信ができません。これ以上は手に負えませんので、一度見て頂くことはできないでしょうか。もし治らないようであれば諦めます。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: 津坂 昌利 | 2023年5月28日 (日) 01時13分
メールアドレスの記載があったので直接返信差し上げました。
投稿: BLUESS | 2023年5月28日 (日) 06時22分
ご無沙汰しております。 札幌の伊藤です。
チューナーからカセットデッキ、最近はアンプにまで手を広げ、壊れて動かないというものを中心に拾い上げては直して喜んでいます。
さて、記事中に検波PLLのツェナー故障の記載がありました。私も複数回、この故障を経験しておりますが交換してもまたすぐ壊れるという減少も複数回経験しています。
ツェナーの短絡が起きる原因というのは一般的には順方向の過大電流であるという認識です。
実装状態でこれが起こるというのは非常に考えにくいのですが、333ESシリーズの回路ではよく壊れます。 調整中に壊れ、交換して調整中にまた壊れ、を何度も繰り返した事例もあります。
そんな中で壊れる瞬間の状況がわかりました。
調整用テストポイントの片側は基準電位で二階建てツェナーの接続点ですが、壊れるためにはここから過大電流を供給する必要があります。
調整中に電位差ゼロになるようにテストポイントを測定しながらVR回すんですが、テストポイントの端子間が狭いため延長用のコネクタケーブルを使用しています。このコネクタケーブルの一端が測定器から外れて操作パネル上部に触れた瞬間に壊れました。
何度も確認しましたがパネルはビスにより筐体と繋がっておりGNDです。ツェナーに対して順方向にはなりません。 しかも塗装により絶縁されて降り、塗装部分ではGND導通はありません。 つまり電気的には浮いていました。
状況的に考えられるのは静電気です。 火花が散るほどでなくても絶縁物の塗料が誘電体となりプラスに帯電し、近づいた金属に向かってディスチャージしたのであろうと推測しました。
対策として、誰が考えたのか知りませんが二階建てツェナーという変な回路は捨て、電源側は13V前後、基準電位側は6.2V前後で別々にバイアスを与えることにしましたら、以降びくともしなくなりました。既存のパターンを利用して抵抗一本追加することで対応できます。
以上、ご参考まで長々書かせていただきました。
投稿: 伊藤将史 | 2023年6月11日 (日) 23時15分
333シリーズでツェナーダイオードの故障に遭遇したのはこれが初めてでした。
単なる部品の劣化かと思っていましたが、よくある事例なんですね。
原因は静電気ですか、、
今は手元に333シリーズが無いので、次回入手したら実験してみます。
貴重な情報をありがとうございました。
投稿: BLUESS | 2023年6月12日 (月) 20時30分