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2023年5月の記事

2023年5月28日 (日)

TRiO KT-990 修理調整記録7

 ・2023年3月、また故障した KT-990を入手しました
 ・お気に入り機種なので見かけるとつい買ってしまいます

Kt99004_20230528080601

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-990 ¥53,800円(1982年発売)

Kt99002_20230528080601Kt99020_20230528080601

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れがあるものの目立つキズはない
 ・電源オン、照明電球点灯、指針照明も点灯
 ・選局ツマミを回すと回転フィーリングがかなり重い
 ・原因はフロントパネルが前傾して選局ツマミと接触していること
 ・KT-990/KT-900でよく遭遇する不具合事例です
 ・フロントパネルを指で支えながら名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・82.5MHzのNHK-FM(名古屋)を80MHz付近で受信。
 ・ズレた位置でSメーター点灯、Tメーターインジケーター点灯
 ・サーボロックランプ点灯しない、出てくる音がひどい雑音
 ・付属AMループアンテナを接続して名古屋のAM局を受信テスト
 ・Sメーターがフル点灯しAM放送を受信OK

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネル上部とボディを固定するプラスチック部品が破損
 ・原因は本機の上に重量級のアンプなどを載せたこと
 ・フロントエンド内のトリマを回しても変化なし

■修理記録:OSCトリマ-------------------------------------------------

 ★フロントエンド内のトリマコンデンサを回しても変化なし
 ・今回は新トリマコンデンサ(10pF)のGND側を穴径3mmの圧着端子に固定
 ・ワッシャーを挟んでM3×4mmネジでフロントエンドユニットに固定
 ・前面にちょっと飛び出した感じに仕上がりました
 ・後述の受信調整で周波数ズレは解消しました

Kt99040_20230528080701Kt99041_20230528080701

■修理記録:L6内蔵コンデンサ修理--------------------------------------

 【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ★83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz ※周波数が2.5MHz以下に下がらない
 ・L6を取り外して内蔵コンデンサを見ると真っ黒に変色している
 ・これを取り外して外付けで温度補償型コンデンサ36pFを追加
 ・これで1.965MHzへの調整が完了しました

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■修理記録:フロントパネル補修----------------------------------------

 ★フロントパネルを金属フレームを固定するプラスチック部品の破損
 ・この部分はKT-900との共通弱点です
 ・破損部分をボンドで接着した後、薄い透明プラ板を補強材として全面接着
 ・これならある程度の強度が保てます
 ・ただ本機の上にアンプなど重量物を載せるとまた壊れそう、、

Kt99030_20230528081001Kt99032_20230528081001

■受信調整------------------------------------------------------------

Kt99000_20230528080601

【FM OSC調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → 新TC4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 受信 → T1調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット(Tメーター)
 ・83MHz 受信 → L4調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
【WIDE GAIN調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・83MHz Wide受信 → VR1調整 → 上記電圧と同じ
【高調波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(フロントエンド内)調整 → 高調波歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・TP VCO → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR7調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide受信 → VR6調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション Narrow調整】※Narrow調整を先に行なうこと
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Narrow → VR3調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【セパレーション Wide調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide → VR4調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz Wide → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・83MHz受信 → VR2調整 → -6dB設定 ※422Hz
【AM受信調整】
 ・AMループアンテナ → 接続端子注意 [AM]~[GND]
 ・700kHz → L11,L12調整 → Sメーター最大点灯
 ・1400kHz → TC1,TC2調整 → Sメーター最大点灯

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・今回もいい感じに仕上がりました
 ・照明を落とした部屋でボーっと眺めていると幸せな気分に浸れます

Kt99010_20230528080601

2023年5月21日 (日)

PIONEER F-700 修理調整記録4

 ・2023年4月、またPIONEER F-700の故障機を入手しました
 ・GW休暇10連休で修理+プチ改造実験した記録です

F700led53

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer F-700 ¥65,000(1979年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-700 (1981)
 ・F-700/F-500カタログ 1980年4月版
 ・F-700 取扱説明書

F700led02F700led12

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディに多少の擦り傷あるが、フロントパネルはきれいな状態
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯、DEVメーター照明が点灯しない
 ・名古屋地区のFM局受信を試みるが全く受信しない
 ・Sメーターは全く振れない
 ・指針に組み込まれたTメーターインジケーターも点灯しない
 ・REC CALトーンOK、IF BAND切換インジケーター点灯
 ・試しに信号発生器に繋いで100dBの電波を注入したところ
 ・何と、Sメーターが大きく振れてSTEREOランプ点灯
 ・受信感度が大幅に低下しているようです

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ後方開口部付近に溜まった大量の埃を清掃
 ・フロントパネルを分解して徹底清掃
 ・プッシュボタンの緑青色のサビ落とし
 ・FMアンテナ端子から強力電波(100dB)を注入すると正常動作する
 ・ということはRF回路またはIF回路で信号の増幅が出来ていない
 ・試しにIF回路初段のR27に10.7MHzを直接注入したところ正常に動作
 ・つまりフロントエンド内で信号増幅できていないということ

■修理記録:ヒューズ抵抗交換-----------------------------------------

 ・ヒューズ抵抗はこの時期の製品の定番故障箇所と言っていいですね
 ・回路図を見ると保安指定部品 22Ω(1/4W)
 ・すべて新品に交換したところ受信動作が正常になりました
  ・R6 (22Ω) → 351Ω
  ・R7 (22Ω) →1.2kΩ
  ・R15(22Ω) → 542Ω
  ・R17(22Ω) → 214Ω
  ・R24(22Ω) → 54Ω
  ・R25(22Ω) → 123Ω
  ・R152(22Ω) → 292Ω
  ・R160(22Ω) → 371Ω
  ・R163(22Ω) → 358Ω

F70033_20230521080801

■修理記録:照明電球LED化---------------------------------------------

 ・DEVメーター照明電球が切れているので交換が必要です
 ・ジャンク機から取り外した中古電球は大量に保管していますが、
 ・今回はGW休暇特別企画?(ヒマだったので)としてLED化にチャレンジしました
 
  →周波数窓照明:T10ウエッジ球(8v300mA)×3個
  →交換用電球としてアマゾンで自動車用12v仕様のT10ウエッジLEDを調達
  →BORDAN T10 LED 爆光 ホワイト 車検対応 無極性 10SMD 12V 1.2W 色温度6000
  →既存の電球を外して付け替えるだけでお手軽ですが、
  →同じT10タイプでも全長が大きいと透明アクリル内部に納まらないので要注意
  →メーター照明:直径4mmの麦球(8v100mA)×2個
  →単発のLEDだと点照明になってしまうので今回はLEDライトテープを試してみました
  →用意したのはアマゾンで調達した12v用の白色LEDテープ(5m)、非防水タイプ
  →テープ幅7mm、1m当たり60個のLED素子(2835)、5mで300個のLED素子
  →ネット情報によると5m当たりの消費電力9.6w
  →両面テープ付き、適当な長さにカットして使えるので自由度が高い

F700led20F700led23F700led25F700led26F700led28

 ・L字型アングル(10mm×10mm)長さ11cm、LEDテープは点灯素子が6個の位置でカット
 ・最初はアルミ製アングルで計画したのですが、樹脂製の方が加工が容易でした
 ・LEDテープの±端子に電線をハンダ付けし、熱収縮チューブを巻いて保護
 ・アングル表面を念入りに脱脂してしてからLEDテープを接着
 ・底板側からアングルをメーターにセットし両面テープで固定
 ・メーター裏側の隙間に点灯素子がちょうど2個づつ配置される形になりました

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 ・ラグ板上に小さな専用電源回路(半整流+電解コンデンサ)を製作
 ・電源スイッチの後ろにある小さな基板横にネジ止め固定
 ・電源トランスから出ているAC8.6v が DC+10.6v になりました
 ・窓照明用のLEDにはこのDC10.6vを直結
 ・メーター照明にはちょっと明る過ぎたので220Ω抵抗を挟んで接続
 ・実測電流 窓照明 39mA、メーター照明 7mA

F700led07

■調整記録------------------------------------------------------------

【同調点調整】
 ・TP3~TP4 → 電圧計セット
 ・無信号 → T5調整 → ±0v
【FM OSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 70dB 受信 → L6調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 70dB 受信 → TC6調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 40dB 受信 → L1,L2,L3,L4,L5調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 40dB 受信 → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → L7調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → VR1調整 → Sメーター最大
 ・VR2近くの2個のFET(Q4,Q5)S端子 → 電圧計セット
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → VR2調整 → 0v
 ※VR1:相互変調調整
 ※VR2:キャリアバランス調整
【IF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置83MHz付近でSメーター最大位置に指針セット
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → T1,T4調整 → Sメーター最大
 ・Sメーターの目盛りを記録
 ・IF BAND=WIDE
 ・VR3調整 → Sメーターの目盛りをNARROW時と同じ位置に
【FM同調点調整】※クアドラチュア検波
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T4調整 → Tメーター中点 ※確認のみ
【ミューティング調整】
 ・VR4調整
【Sメーター振れ調整】
 ・VR5調整
【パルスカウント検波調整】
 ・TP8~TP7(GND) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T7調整 → 1.26MHz
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → TC7調整 → 歪率最小
【変調度メーター調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → VR6調整 → Deviationメーター100%
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → 信号レベル記録
 ・REC LEVEL オン → VR12調整 -6dB設定 ※実測322Hz
【VCO整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP9 → 周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR7調整 → 76Hz
【STEREO歪率調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 1kHz ST受信 → T1調整 → 歪率最小
 ・83MHz 100%変調 70dB 400Hz ST受信 → L29調整 → 歪率最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 100%変調 70dB 400Hz ST受信 → T4調整 → 歪率最小
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 60dB 受信 → VR8調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR10調整 → Rch漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR11調整 → L/Rch漏れ最小

F700led00

■試聴+記念撮影-------------------------------------------------------

 ・この時代のヒューズ抵抗は全数要チェックですね
 ・照明の色によって雰囲気がずいぶん変わりますね
 ・先に修理したオリジナルF-700と並べてみました
 ・電球色の温もりも捨て難い感じ、、さて次は何色にしましょうか

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F700led55_20230521081901


■追記 2023年7月16日:LED化作戦2 電球色編-----------------------------

F700led204

 ・ホワイトLEDによるクールなフロントフェイスも良いのですが、電球色の温もりも捨てがたい
 ・そこでLED化第2弾として電球色の再現を目指してみました
 ・アマゾンで自動車用の12vで電球色の製品を捜しました
 ・SEALIGHT T10 12v 5050SMD 300lm 無極性 電球色 2700K アンバー
 ・電球色というよりはオレンジ色です
 ・買ったままでは全長サイズがちょっと大きいので電極部分を2mmほどカットして収めました

F700led222F700led223F700led225F700led226F700led227

 ・メーター照明はホワイトで使用したテープLEDの色違い品「電球色」を使いました
 ・製品ラベルには電球色ではなく「ウォームホワイト」を表示されていました
 ・取り付け方法は上記記事と同じです
 ・アンバー色ってどうなの?と心配しましたが、オリジナルの電球色の雰囲気をほぼ再現できました
 ・たぶんオリジナルのフィラメント電球による照明と区別できないと思います
 ・気分に合わせて白色と電球色を着せ替える、なんて楽しみ方もあるかも?
 ・青色や緑色もできそうですが、ちょっと似合わないでしょうね

F700led211

2023年5月14日 (日)

PIONEER F-700 修理調整記録3

 ・2021年12月、PIONEER F-700の故障機を入手しました
 ・元箱とオリジナル取説が付属する逸品です
 ・長らく放置状態でしたがようやく整備完了しました

F70004_20230514090501

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer F-700 ¥65,000(1979年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-700 (1981)
 ・F-700/F-500カタログ 1980年4月版
 ・F-700 取扱説明書

F70003_20230514090201F70016_20230514090201

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は1979
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯。二つのメーター照明点灯
 ・しかし名古屋地区のFM局は全く受信しない
 ・Sメーターは全く振れない
 ・指針に組み込まれたTメーターインジケーターも点灯しない
 ・信号発生器に繋いで100dBの電波を注入したところ
 ・Sメーターが大きく振れてSTEREOランプ点灯
 ・IF BAND WIDE/NARROW切換OK
 ・ところが2~3分経過したところSメーターが感度を失う
 ・信号発生器の出力を最大120dBにしてもSメーターは全く振れない
 ・これはどういうことだ??

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディ後方開口部付近に溜まった大量の埃をエアと刷毛で清掃
 ・フロントパネルを分解してパネル裏面まで徹底清掃
 ・プッシュボタンの青緑色のサビ落とし
 ・Sメーターの照明電球が交換済み

■修理記録:ヒューズ抵抗交換-----------------------------------------

 ・電源電圧確認 規定値+13v → 実測+12.7v ★異常なし
 ・過去の故障事例からまず疑うのはヒューズ抵抗の劣化です
 ・フロントエンド内部のヒューズ抵抗を実測してみました
  ・R6 (22Ω) → 680Ω
  ・R7 (22Ω) → 1.8kΩ
  ・R15(22Ω) → 822Ω
  ・R17(22Ω) → 245Ω
  ・R24(22Ω) → 1.2kΩ
  ・R25(22Ω) → 2.5kΩ
 ・フロントエンド以外にもヒューズ抵抗がありました
  ・R152(22Ω) → 620Ω
  ・R160(22Ω) → 330Ω
  ・R163(22Ω) →1.2kΩ
 ・原因はこれか! と思って全数交換
 ・新品に交換したところSメーターが大きく振れるようになりました
 ・STEREOインジケーター点灯してFM放送を受信できるようになりました
 ・しかし、、電源投入からしばらく経つとSTEREOインジケーターが消灯
 ・その後音声出力も消失、音が出なくなる
 ・このときSメーターは大きく振れたままの状態
 ・MUTINGオフにしても音が出ない、局間ノイズも出ない
 ・ただマルチパスH端子からは受信音が聞こえる

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■修理記録:電源回路の抵抗交換----------------------------------------

 ・基本はやはり電源回路の確認、そう思って詳細に確かめたところ、
  →PA4006-12pin(Vcc):規定値+12v
  →電源投入直後は+12vを示すが徐々に+7.8vまで低下する
  →+9vを下回った辺りで音が出なくなる
  →電圧低下によってPA4006が機能停止して音が出なくなる、、という状態
 ・電源回路の電圧はチェックポイント:±13v(実測12.7v)で正常値でしたが、
 ・PA4006に繋がる電源系統は上記チェックポイントを通らない独立系統
 ・電源回路を詳細に追いながら部品定数をチェックしたところ異常個所(R172)発見
  →+13vを生成する回路のR172(4.7Ω/2w)の抵抗値が実測21.1Ω
  →試しにR172を同等品に交換したところこれが大正解!
  →抵抗値増大で電圧低下、PA4006が機能停止に至っていたようです
 ・修理後はSTEREOインジケーターが点灯したままFM放送を正常に受信し続けます
 ・以下の調整作業の後、24時間のランニングテストでも異常なしでした

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■修理記録:電解コンデンサ交換--------------------------------------

 ・最初はMUTING回路の故障が怪しいと思って電解コンデンサなどいくつか部品交換
 ・さらにPA3007とPA4006 を取り外して足の裏側まで洗浄しました
 ・ついでにほとんどの電解コンデンサを交換しました

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■調整記録------------------------------------------------------------

F70000_20230514090501

【同調点調整】
 ・TP3~TP4 → 電圧計セット
 ・無信号 → T5調整 → ±0v
【FM OSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 70dB 受信 → L6調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 70dB 受信 → TC6調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 40dB 受信 → L1,L2,L3,L4,L5調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 40dB 受信 → TC1,TC2,TC3,TC4,TC5調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → L7調整 → Sメーター最大
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → VR1調整 → Sメーター最大
 ・VR2近くの2個のFET(Q4,Q5)S端子 → 電圧計セット
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → VR2調整 → 0v
 ※VR1:相互変調調整
 ※VR2:キャリアバランス調整
【IF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置83MHz付近でSメーター最大位置に指針セット
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → T1,T4調整 → Sメーター最大
 ・Sメーターの目盛りを記録
 ・IF BAND=WIDE
 ・VR3調整 → Sメーターの目盛りをNARROW時と同じ位置に
【FM同調点調整】※クアドラチュア検波
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T4調整 → Tメーター中点 ※確認のみ
【ミューティング調整】
 ・VR4調整
【Sメーター振れ調整】
 ・VR5調整
【パルスカウント検波調整】
 ・TP8~TP7(GND) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T7調整 → 1.26MHz
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → TC7調整 → 歪率最小
【変調度メーター調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → VR6調整 → Deviationメーター100%
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → 信号レベル記録
 ・REC LEVEL オン → VR12調整 -6dB設定 ※実測278Hz
【VCO整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP9 → 周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR7調整 → 76Hz
【STEREO歪率調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 1kHz ST受信 → T1調整 → 歪率最小
 ・83MHz 100%変調 70dB 400Hz ST受信 → L29調整 → 歪率最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz 100%変調 70dB 400Hz ST受信 → T4調整 → 歪率最小
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号 60dB 受信 → VR8調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR10調整 → Rch漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR11調整 → L/Rch漏れ最小

F70060

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・電源回路の故障箇所に辿り着くまでちょっと時間がかかりました
 ・でも照明に浮かび上がる周波数窓を眺めていると苦労が吹き飛びます
 ・いつまでも眺めていられる不思議な魅力です

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2023年5月 7日 (日)

TRIO KT-8000 修理調整記録9

 ・2023年3月、ワンオーナーのKT-8000故障機が届きました
 ・不具合がいろいろあるそうです
 ・以下、作業記録です


Kt800004_20230507092801

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・TRIO KT-8000 取扱説明書
 ・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
 ・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
 ・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
 ・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機。

Kt800002_20230507092701Kt800012

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れがあるものの目立った外傷はない
 ・電源スイッチがONの位置で固着しておりビクとも動かない
 ・所有者にお聞きしたところ電源プラグの抜き差しでON/OFFしていたそうです
 ・周波数窓の照明点灯するが、Sメーター周辺がちょっと暗い、電球切れか?
 ・FMアンテナを接続して動作確認開始
 ・Sメーターは大きく振れるが、Tメーターが右端に常時振り切れた状態で不動
 ・放送局周波数付近でSメーター最大を示して受信OK
 ・ただSTEREOランプ点灯しない、実際のステレオ感もない
 ・mutingオンにすると音が消える
 ・Wide/Narrow切換OK、インジケーター点灯
 ・MPX filter切換OK、インジケーター点灯
 ・問題はTメーター、ステレオ受信できない件、あと電源スイッチですね

Kt800020_20230507092801

■修理記録1:Tメーター不動--------------------------------------------

 ・Tメーターが右端に振り切れたまま不動。
 ・まずはTメーターを駆動するHA1137Wを確認
 ・FM同調点調整のL14を回してもTメーターがまったく動かない
 ・どうやらL14内部のコンデンサが容量抜けしているようです
 ・対策として内部コンデンサーを除去してから33pFと39pFを並列追加
 ・これでTメーターが動くようになりました。
 ・以下の再調整によってTメーターの動作が正常になりました。
 ・同時ににmuting動作も回復、VCO調整でSTEREOインジケータも点灯
 ・不具合が一挙に解消しました

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■修理記録:電源スイッチ----------------------------------------------

 ・電源スイッチがONの位置で全く不動、、無理に動かすとシャフトが折れそう、、
 ・分解保存しているKT-8100の電源スイッチを流用しようと考えましたが
 ・取り付け方法が全く違うので残念ながら流用不可でした
 ・フロントパネルを分解してスイッチを取り外して内部確認
 ・スイッチ内部の動きを観察、、ONの位置で固着している
 ・隙間からマイナスドライバーを差し込んで強引に動かしたら、、動きました!
 ・エレクトロニッククリーナーを少量噴射してON/OFF繰り返し
 ・エアー噴射で乾燥させた後、機械的な可動部にグリスを少量塗布
 ・電源スイッチON/OFF動作が復旧しました

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■修理記録:可変出力端子の接触不良------------------------------------

 ・ステレオ受信できるようになったので再度動作確認したところ、
 ・可変出力端子から激しいガリ音が出ていることが判明
 ・固定出力端子からは正常な音声が聞こえてきます
 ・背面パネルを分解して端子のハンダ面を確認すると
 ・予想通りハンダクラック発見、
 ・すべての端子のハンダを盛り直しました

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■その他:予防措置-----------------------------------------------------

 ・左端の照明電球が点いたり消えたり、、寿命を迎えているようです
 ・8v/0.3A 同等品に交換しておきました
 ・次に真っ黒に変色したICやTRの足をクリーニング
 ・バリバリ雑音の原因になるバリコン軸のクリーニング
 ・さらに予防措置として HA1457 → HA1457W 交換
 ・最後に指針を蛍光オレンジ色で再塗装

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
 ※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
 ・90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
 ・83MHz → L14調整 → Tメーター中点
【IF調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz → L12調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
 ・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Wide Gain調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・VR2中央位置に設定 → Sメーター記録
 ・IF BAND=Wide
 ・VR1調整 → 記録したNarrow Sメーターと同値に
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR3調整 → Sメーター振れ調整
【MPX部調整】
 ・VR7:パイロットキャンセル調整
 ・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
 ・VR4、VR5:セパレーション調整

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■試聴--------------------------------------------------------------

 ・電球色に映える周波数窓とアルミパネルのコントラストがイイですね。
 ・トリオ製チューナーの魅力です。

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