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2023年6月18日 (日)

KENWOOD KT-1010F 修理調整記録3

 ・2023年3月、KT-1010Fを寄付していただきました
 ・故障品の寄付は大歓迎です

Kt0101f03

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1010F \59,800(1985年発売)

Kt0101f02Kt0101f14

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れがあるものの大きな傷はない
 ・電源オン、表示部は明るく点灯し、文字欠けや文字痩せなし。
 ・オート選局でサーチ開始すると名古屋地区のFM局を次々に受信
 ・STEREOインジケーター点灯し
 ・AMも受信OK、特に不具合は無さそうです
 ・底面にKENWOODサービスの修理シールあり

Kt0101f04Kt0101f05Kt0101f06Kt0101f07Kt0101f09

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・修理シールの記載によると2007年8月にT2が修理されているようです
 ・ハンダ面を見るとT2(FM同調点調整コイル)が交換された痕跡あり

Kt0101f20

■調整記録------------------------------------------------------------

【本体設定】
 ・RF SELECTOR=DISTANCE
 ・IF BAND=WIDE
 ・QUIETING CONTROL=NORMAL(右端)
【FM VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L8調整 → 実測 3.0V ※確認のみ
 ・90MHz → TC6調整 → 実測24.9V ※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 80dB)受信 → T2調整 → 0.0V
【RF調整】
 ・R73右足(Sメーター代用)DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 40dB)→ L1,L2,L4調整 → 電圧最大
 ・83MHz(無変調 40dB)→ T1 → 電圧最大
 ※L1,L2の調整は難しいのでノータッチ
【PLL検波調整】
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調 80dB)受信 → L14調整 → 0.0V
 ・83MHz(1kHz 100% 80dB)受信 → T3調整 → 歪最小
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR8調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L20調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪調整
【歪調整2 MONO2】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3調整 → 二次歪調整
【歪調整3 MONO3】IF=WIDE
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6調整 → 三次歪調整
【歪調整4 L/R2】IF=WIDE
 ・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR4調整 → 二次歪調整
【歪調整5 STEREO/SUB3】IF=WIDE
 ・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 三次歪調整
【歪調整6 STEREO/Narrow】IF=NARROW
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪調整
【セパレーション調整】
 ・IF=WIDE
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR10調整 → Rch漏れ最小
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR11調整 → Lch漏れ最小
 ・IF=NARROW
 ・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR9調整 → 両ch漏れ最小
【REC CAL】
 ・384Hz ※確認のみ
【AM VT電圧】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L16調整 → 実測 1.5V ※確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.1V ※確認のみ
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHK)受信 → L18調整 → 最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC3 → 最大


Kt0101f21

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・故障個所は特に無し、再調整によって良い性能を取り戻したと思います
 ・貴重な部品取り機として保管します
<備忘録>
 ・QUIETING CONTROL 通常はNORMAL(右端)※ステレオ受信時のブレンド量を調整
 ・QUIETING CONTROL DISTANCE(左端)にするとブレンド量100%,つまりMONO受信となる
 ・RF SELECTOR 通常はDISTANCE ※電波が強すぎる場合はDIRECT
 ・SENS.LEVEL High/Low ※ミューティングレベル切替 

Kt0101f08

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コメント

KT-1010Fの同調不安定があり、ネット検索していると貴殿のチューナー修理の情報が多々あり大変参考になりました。ありがとうございます。
私のKT-1010Fは、T2の容量抜けと判断して、外付けで100pFに交換しました。その結果、同調がビシッと決まり、安定して受信できるようになりました。感謝です。
これで好きになったInterFMのAORが安心して聴けるようになりました。

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