KENWOOD KT-1010F 修理調整記録3
・2023年3月、KT-1010Fを寄付していただきました
・故障品の寄付は大歓迎です
■製品情報------------------------------------------------------------
・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1010F \59,800(1985年発売)
■動作確認------------------------------------------------------------
・外観は経年の汚れがあるものの大きな傷はない
・電源オン、表示部は明るく点灯し、文字欠けや文字痩せなし。
・オート選局でサーチ開始すると名古屋地区のFM局を次々に受信
・STEREOインジケーター点灯し
・AMも受信OK、特に不具合は無さそうです
・底面にKENWOODサービスの修理シールあり
■内部確認------------------------------------------------------------
・修理シールの記載によると2007年8月にT2が修理されているようです
・ハンダ面を見るとT2(FM同調点調整コイル)が交換された痕跡あり
■調整記録------------------------------------------------------------
【本体設定】
・RF SELECTOR=DISTANCE
・IF BAND=WIDE
・QUIETING CONTROL=NORMAL(右端)
【FM VT電圧】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・76MHz → L8調整 → 実測 3.0V ※確認のみ
・90MHz → TC6調整 → 実測24.9V ※確認のみ
【FM同調点調整】
・TP10~TP11 DC電圧計セット
・83MHz(無変調 80dB)受信 → T2調整 → 0.0V
【RF調整】
・R73右足(Sメーター代用)DC電圧計セット
・83MHz(無変調 40dB)→ L1,L2,L4調整 → 電圧最大
・83MHz(無変調 40dB)→ T1 → 電圧最大
※L1,L2の調整は難しいのでノータッチ
【PLL検波調整】
・TP12~TP13 DC電圧計セット
・83MHz(無変調 80dB)受信 → L14調整 → 0.0V
・83MHz(1kHz 100% 80dB)受信 → T3調整 → 歪最小
【MPX VCO調整】
・TP15に周波数カウンタ接続
・83MHz(無変調,80dB) → VR8調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
・音声出力をWavespectraで観察
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ L20調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】IF=WIDE
・83MHz(MONO信号,400Hz,100%変調,80dB)→ VR2調整 → 歪調整
【歪調整2 MONO2】IF=WIDE
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR3調整 → 二次歪調整
【歪調整3 MONO3】IF=WIDE
・83MHz(MONO信号,1kHz,100%変調,80dB)→ VR6調整 → 三次歪調整
【歪調整4 L/R2】IF=WIDE
・83MHz(L信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR4調整 → 二次歪調整
【歪調整5 STEREO/SUB3】IF=WIDE
・83MHz(SUB信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR5調整 → 三次歪調整
【歪調整6 STEREO/Narrow】IF=NARROW
・83MHz(MAIN信号,1kHz90%変調+19kHz10%変調,80dB)→ VR7調整 → 歪調整
【セパレーション調整】
・IF=WIDE
・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR10調整 → Rch漏れ最小
・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR11調整 → Lch漏れ最小
・IF=NARROW
・83MHz(STEREO信号,80dB)→ VR9調整 → 両ch漏れ最小
【REC CAL】
・384Hz ※確認のみ
【AM VT電圧】
・TP3~TP4 DC電圧計セット
・アンテナ入力なし
・522kHz → L16調整 → 実測 1.5V ※確認のみ
・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.1V ※確認のみ
【AM RF調整】
・729kHz(NHK)受信 → L18調整 → 最大
・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC3 → 最大
■試聴----------------------------------------------------------------
・故障個所は特に無し、再調整によって良い性能を取り戻したと思います
・貴重な部品取り機として保管します
<備忘録>
・QUIETING CONTROL 通常はNORMAL(右端)※ステレオ受信時のブレンド量を調整
・QUIETING CONTROL DISTANCE(左端)にするとブレンド量100%,つまりMONO受信となる
・RF SELECTOR 通常はDISTANCE ※電波が強すぎる場合はDIRECT
・SENS.LEVEL High/Low ※ミューティングレベル切替
« TRIO KT-900 修理調整記録3 | トップページ | TRIO KT-7700 修理調整記録9 »
「ピュアオーディオ」カテゴリの記事
- KENWOOD L-03T 修理調整記録3(2024.12.01)
- Marantz ST-55(2024.11.24)
- TRIO L-07TII 修理調整記録3(2024.11.17)
- SONY ST-A35 修理調整記録(2024.11.10)
- Marantz ST-50(2024.11.03)
KT-1010Fの同調不安定があり、ネット検索していると貴殿のチューナー修理の情報が多々あり大変参考になりました。ありがとうございます。
私のKT-1010Fは、T2の容量抜けと判断して、外付けで100pFに交換しました。その結果、同調がビシッと決まり、安定して受信できるようになりました。感謝です。
これで好きになったInterFMのAORが安心して聴けるようになりました。
投稿: まさにゃん | 2024年10月 7日 (月) 19時37分