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2023年7月の記事

2023年7月30日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録18

 ・2023年6月、通算18台目のKT-1100D故障機が届きました
 ・AM受信OK、FM受信NGとのこと
 ・以下、作業記録です

Kt1100d03_20230730083101

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・Hifiengine Kenwood KT-1100D AM/FM Stereo Tuner (1986-89)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02_20230730083201Kt1100d10_20230730083201

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は目立つ傷もなく美品といえるキレイな状態、でも何となくタバコ臭い
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM放送を受信チェック
 ・AUTO選局では上り下り方向とも放送局を素通りして受信不可
 ・手動選局では一応受信できるがひどい音
 ・受信感度が低いためシグナルインジケーターは点灯しない
 ・当然STEREOインジケーターも点灯しない
 ・一方AM放送は適当なループアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK
 ・操作しても反応しない機能切換ボタンやメモリ選択ボタン多数あり

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けてビックリ! 内部はタバコのヤニで全面アメ色状態でした
 ・タバコ臭、ヤニ臭が漂って気分が悪くなりそう、、
 ・外装のヤニ汚れは底面や電源コードまでキレイに清掃済みだったのか、、
 ・多くのスイッチが反応しないのは多分タバコのヤニが原因ですね
 ・まずはタクトスイッチの隙間にエレクトロニッククリーナーを噴射
 ・スイッチON/OFF操作を何度も繰り返し、もう一度クリーナー噴射、これをを繰り返す
 ・この作業で反応しなかったタクトスイッチが生き返りました
 ・反応がちょっと鈍いスイッチもありますが、何度か操作すれば反応します

Kt1100d20_20230730083401Kt1100d21_20230730083401Kt1100d23_20230730083401Kt1100d22_20230730083401

■修理記録:検波基板L9修理----------------------------------------------

 ・スイッチ操作ができるようになったので動作確認続行
 ・FM同調点調整で検波基板L9を回しても変化なし
 ・L9内蔵コンデンサーが容量抜けしているようです
 ・縦型の検波基板からL9を取り外し、裏面から内蔵コンデンサを除去
 ・再度取り付けてハンダ面に100pF(101)コンデンサを追加
 ・これでオート選局できるようになりました

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■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
 ★TC1の反応が過敏、電圧が安定しない
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

Kt1100d40_20230730083101

■QUIETING CONTROL 調整スライドVR不良-----------------------------------

 ・セパレーション調整時にスライドVRの不良に気が付きました
 ・本体正面左側にあるQUIETING CONTROL調整VRに接触不良があります
 ・左右のブレンド量を調整するVRですが、通常は一番右側(NORMAL)にセットします
 ・この位置でセパレーションが最大になるように調整するのですが、
 ・ところがこのVRツマミに触れるだけでセパレーションが大きく変動します
 ・多分これもVR内部のヤニ汚れが原因と思います
 ・エレクトロニッククリーナーで洗浄して改善しましたが、完治したかどうかは?
 ・同型ジャンク機を入手できればスライドVRを丸ごと移植した方がよいです

Kt1100d232

■修理記録:FM OSCトリマコンデンサ交換------------------------------------

 ・調整を終えて試運転を始めた途端、突然シグナルインジケーターが消失し受信不能に
 ・オート選局、手動選局ともに全く受信できない、これはどうしたことか?
 ・ボディを開けてVT電圧を測定してみると、、
 ・76〜90MHzの全区間で+27vを示してまったく変化しない
 ・TC1を回してみると接触不良のように電圧が定まらない
 ・調整時に感じたように★TC1の劣化 → Pasasonic製10pFに交換しました
 ・交換後はVT電圧がビシッと決まり受信状態が安定しました

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・外観はキレイに清掃してもタバコのヤニ汚れは厄介ですね
 ・煙がボディ内部に侵入して可動部があるパーツに影響を及ぼします
 ・実は私、喫煙歴15年です。35歳頃に禁煙して約30年経ちました
 ・人間の肺の中もアメ色状態と想像すると、、恐ろしい、、

Kt1100d04_20230730083101

2023年7月23日 (日)

SONY ST-S333ESA 修理調整記録4

 ・2023年5月、333ESAの故障機がやって来ました
 ・既に修理が試みられた個体で多くの部品が交換済みだそうです
 ・しかし不具合が解消しない、という事で修理を引き継ぐことになりました
 ・さて、直せるでしょうか?

333esa03_20230723085501

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESA ¥55,000(1991年発売)
 ・Hifi engine SONY ST-770ES? FM Stereo / FM-AM Tuner (1991-92)

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■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ブラックボディにサイドウッドなし
 ・ボディに擦り傷多数、ボディを留めるネジがステンレス製新品に交換済み
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン
 ・表示部は周波数などの情報がはっきりくっきり表示される
 ・オート選局で名古屋地区のFM局を受信を試みると、
 ・上り方向、下り方向ともにすべての局を素通りして受信不可
 ・手動選局を試みるもやはり受信不可
 ・以下の機能切換スイッチは反応するが、どのポジションでもFM受信不可
  →アンテナ切換 A/B OK
  →RF切換 Distance/Normal OK
  →IF切換 Wide/Narrow OK
  →MUTING切換 ON/OFF OK
  →BAND切換 FM/AM OK
  →REC CAL OK
 ・一方適当なループアンテナを接続してAM受信を試みると
 ・オート選局で名古屋地区のAM放送を受信できました
 ・AM受信はOK、問題はFM受信ですね

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・既に修理が試みられた個体なので修理箇所を確認
  →電源回路の電解コンデンサがオーディオクラス品に交換済み
  →MPX回路も黄色い積層セラミックコンデンサに交換済み
  →ヒューズ抵抗も多くが交換済み
  →メモリ保持用キャパシタ交換済み
  →フロントエンド内JW8にTPが増設済み(VT電圧測定用?)
  →TP201 ジャンパピンに短絡用プラグが刺さったまま
【VT電圧】
 ・76MHz→ 8.0v
 ・90MHz→21.0v 
 ※L104で調整可能、問題なし
【FM】
 ・IC251(LA1235)13ピン ※Sメーター電圧が確認できない
【TP201 短絡状態】
 ・ここは調整時に一時的にショートしますが通常はオープンです
 ・ジャンパプラグを抜いたところ、奇妙な高調波歪が発生しました
 ・プラグを挿したり抜いたりすると同じ奇妙な歪が再現します
 ・何か変ですね
【一番大きな電解コンデンサC905】
 ・電源回路のC905、オリジナルは2200uF/63v
 ・これが6800uF/63vに交換済みでした
 ・ただ背が高すぎて5mmほど天板上に飛び出しています
 ・ボディをネジ止めすると基板に無理な力が加わった状態になります

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■修理記録:電源部電解コンデンサ再交換--------------------------------

 ・C905(6800uF/50v) → 3300uF/63v(FG)
  ※背が高くて上蓋に干渉するため
 ・C915( 470uF/63v) → 470uF/35v(FG)
  ※直径が太すぎて隣のIC911に接触するため

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■修理記録:フロントエンド内のコイルL108断線--------------------------

 ・フロントエンド部の電源電圧を確認したところL108(100uH)の断線を発見
 ・フロントエンド回路に電源電圧が届いていない状態でした
 ・これを手持ち部品100uH(緑色)に交換
 ・この処置によってFM放送を受信できるようになりました
 ・気を良くして調整手順に従って各部再調整を進めました
 ・ところが受信感度が低い、シグナルインジケーターの点灯具合が低い
 ・対策として定番の劣化部品CT101,CT102,CT103(10pF)を交換
 ・さらにLA1235周辺電解コンデンサ交換
 ・ついにはLA1235自体を交換、でも解消しない、、これはおかしい??

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■修理記録:ヒューズ抵抗R207(10Ω)交換--------------------------------

 ・ヒューズ抵抗は確認済み、不良品は交換済みという事で引き継ぎましたが、
 ・念のため未交換のヒューズ抵抗を再点検したところ
 ・未交換R207(10Ω)の不良を発見、抵抗値は実測で2MΩでした
 ・これではIFアンプ(IC201)が作動していなかったわけです
 ・ヒューズ抵抗は手持ちが無いので普通のカーボン抵抗で代用しました
 ・受信感度が大幅アップして正常受信になりました

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■修理記録:その他----------------------------------------------------

 ・メモリ登録内容が1日持たずに消失する
 ・C605キャパシタが大型に交換済みなのにメモリ内容を保持できない?
 ・調べてみたら交換済みのR626ヒューズ抵抗のハンダ不良でした
 ・プリント配線と上手く接続できていなかったようです
 ・ハンダ付けをやり直して復旧しました
 ・ついでにタンタルコンデンサC604(10uF/6.3v)を電解コンデンサ(10uF/50v)に交換
 ・その他、劣化していたPLL検波回路のトリマCT271を20pF(赤色)に交換

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ ※実測 1.12V
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.9V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測326mV
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)→ 電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・83MHz 40dBモノラル信号受信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・83MHz 40dBステレオ信号受信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・83MHz 80dBモノラル信号受信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・83MHz 80dBステレオ信号受信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・83MHz 20dB受信 → RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・83MHZ 25dB受信 → RV252調整 → MUTING作動位置へ
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・83MHz 80dB受信 → RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → RV241調整 → Sメーター点灯レベル調整
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz ST信号受信 → RV303,L301調整 → 19kHz信号漏れ最小 ※左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・83MHz ST信号受信 → RV301 R→L ※調整後実測72dB
 ・83MHz ST信号受信 → RV302 L→R ※調整後実測66dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-6dB 392Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・最初から調整をやり直して受信動作を確認しました
 ・良い音で受信できるようになりました

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■おまけ--------------------------------------------------------------

・過去に解体処分したESG/ESA用のパーツが残っていたので流用しました

【電源コード】
 ・現状はコードがグロメットより細いので抜け落ちる不安があります
 ・そこでESA用の電源コードに交換しました
 ・コード側面に1992の印字があります
【天板取り付けネジ】
 ・ESGから取り外したネジですがESAも同じです
 ・見映えが良くなりました
【サイドウッド】
 ・ESA用のサイドウッドを装着しました
 ・キズが多いですが無いよりマシです

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2023年7月16日 (日)

YAMAHA T-1 修理調整記録5

 ・2023年4月初め、市内の中古店でYAMAHA T-1 のジャンク機を入手しました
 ・エメラルドグリーンの照明が美しいので私のお気に入り機種の一つです
 ・以下、作業記録です

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■製品情報-----------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-1 ¥60,000 (1977年頃)
 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-1 ¥60,000円
 ・Hifi Engine YAMAHA T-1 Natural Sound Stereo Tuner (1978-81)

T102_20230716081101T119

■動作確認-----------------------------------------------------------

 ・フロントパネルはキレイで目立つキズは見当たらない
 ・天板も艶があってツルピカ状態、でも光の加減で清掃痕?のような縞模様が見える
 ・FMアンテナを接続して電源オン、F端子が無いのはちょっと残念
 ・エメラルドグリーンの美しい照明点灯
 ・指針の照明、メーター照明も点灯、電球切れなし
 ・DXインジケーター点灯、STEREOランプ点灯
 ・名古屋地区のFM局を+0.2MHzの周波数ズレで受信
 ・本機はFMアンテナが繋がっていればAMも受信可能のはず、AMアンテナ不要で受信OK
 ・FM/AMとも深刻な故障個所は無さそう
 ・ただメーター指針の塗装がボロボロ状態

■内部確認-----------------------------------------------------------

 ・ボディを固定しているネジを緩めるとき「ピキッ」と音が聞こえました
 ・これはネジロック剤が効いていた状態、つまり未開封の個体だったと想像します
 ・この時期のヤマハ製品はネジロック剤が効いています
 ・ネジを緩める最初の一撃は力を込めてゆっくり回しましょう
 ・電動ドライバーでいきなり回そうとすると空回りしてネジ頭が潰れます

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■修理記録:メーター指針再塗装---------------------------------------

 ・TメーターとSメーターの指針を見ると塗料がボロボロ状態
 ・この時期のヤマハ製チューナーに共通の症状です
 ・メーターを分解して水性の蛍光塗料(オレンジ色)で塗り直しました
 ・ボロボロの古い塗片はカッターナイフの先端で触れるだけで除去できます
 ・ただ誤って指針を曲げないよう、作業は慎重に、、くれぐれも慎重に、、

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■調整記録-----------------------------------------------------------

 ※調整手順を一部見直しました

【レシオ検波調整】
 ・10.7MHz信号 → T201上段コア調整 → Tメーター中点へ
【FM OSC調整】
 ・VR202(FM Smeter) → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → Lo 調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TCo調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2 調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2 調整 → 電圧最大
 ・83MHz調整 → IFT 調整 → 電圧最大
【レシオ検波歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → T201下段コア調整 → 高調波歪最小
【IF歪調整】
 ・83MHz受信 → VR201,CF201,CF204調整 → 高調波歪最小
【FM-Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR202 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・83MHz Pilot → VR204調整 → 19kHz
【パイロットキャンセル】
 ・83MHz受信 → VR203、T205調整 → 19kHz漏れ信号最小、左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・83MHz SUB信号 → T206調整 → Lch信号レベル最大
 ・83MHz ST受信 → VR205調整 → 左右レベル同一
 ・83MHz ST受信 → VR206調整 → セパレーション最大
【REC CAL確認】
 ・REC CAL 287Hz -3dB ※確認のみ

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■試聴---------------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻しました
 ・エメラルドグリーンに映える周波数窓、この雰囲気はとても素敵ですね

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2023年7月 9日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録11

 ・2023年5月、シルバーモデルのKT-1100故障機が届きました
 ・外観は新品クラス、でもAMが受信できないそうです

Kt110003_20230709092701

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt110002_20230709092701Kt110009_20230709092701

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・これは新品か? と思うほど外観は驚くほど美しい!!
 ・背面端子は根元までピカピカ、ボディや底板を留めるネジもピカピカ
 ・機能切換スイッチ(プラ製)がまったく日焼けしていない
 ・付属AMループアンテナも使用感が無い、、これはすごい!
 ・外観の美しさに驚きつつFMアンテナを接続して電源オン
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯
 ・選局ツマミを回しながら名古屋地区のFM局を受信してみると
 ・目盛りより0.2MHzほど低い周波数で受信OK
 ・選局ツマミから指を話すとLOCKランプ点灯、STEREOランプ点灯
 ・TメーターとSメーターの振れ方に問題なし
 ・RF切換、IFバンド切換OK、REC CALトーンOK
 ・FMは周波数ズレ以外に大きな問題なし
 ・ところがAMは全く受信不可、Tメーター、Sメーターとも全く振れず
 ・局間ノイズも聞こえない

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・これはホントに新品か、ボディを開けて基板を見渡してみると、、
 ・AM回路のRF初段Q4(2SK161)に交換の痕跡発見、しかもその交換方法が、、
 ・Q4の足だけ残して頭部を切断し、残った足の上に新Q4を継ぎ足している!
 ・しかも接合部のハンダ付けがあまりに下手くそでハンダが団子状態
 ・底板を外せばハンダ面に簡単にアクセスできるのに、なぜこんな事を??
 ・さらに隣にあるRFコイルL14の頭部が無残に割れている
 ・割れた部分は接着剤で固定されているが、軽く回しただけで外れてしまった
 ・なんだか急に雲行きが怪しくなってきたような、、嫌な予感が、、

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 ・底板を外してハンダ面を見てもう一度ビックリ!
 ・フロントエンドユニットを取り外した痕跡がある!
 ・ユニットを固定する大盛のハンダを溶かした汚い痕跡、
 ・あちこちに半田ごてが滑ったキズ跡多数
 ・さらにユニットを再固定するために盛られたハンダ量がとても少ない
 ・フロントエンドユニットを外す理由と言えば、トリマコンデンサの交換ですが
 ・試しにトリマコンデンサを回してみると周波数ズレは正常に修正できました
 ・トリマを左右に大きく回してもガリノイズは発生しない、
 ・たぶんトリマコンデンサは交換済み、、かな?

■修理記録:AM不調----------------------------------------------------

 ・まず首切りされたQ4(2SK161)を取り外してハンダ付けをやり直し
 ・続いてL14を取り外して割れたコア部分を除去
 ・L14内部のコイル(赤い巻線)に断線は無かったので再生して再利用
 ・他のコイルからコアだけ移植、周囲に熱収縮チューブを巻いてL14を修復
 ・この状態で再度動作確認するも、やはり受信不可
 ・でもRF回路の抵抗やコンデンサを直接指で触れるAM放送が受信できる
 ・指で触れながら同調するとSメーターが大きく振れTメーターも中点を示す
 ・指を離すと受信不可になる、、これは部品がどれか壊れている??
 ・RF回路の部品一つづつ取り外して容量チェック
 ・面倒な作業を繰り返したところ故障部品発見!
 ・L14とQ4の間にあるコンデンサC111(33pF)がUnknwon物体と化していました
 ・たぶんQ4を交換したとき、半田ごてがC111に接触して壊れたのかな?
 ・これを新33pFに交換したところAM受信が正常になりました
 ・後述のAM受信調整によって感度良く受信できるようになりました

Kt110024_20230709093001Kt110025_20230709093001Kt110036

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → フロントエンドT1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※422Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → シグナルメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → シグナルメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → シグナルメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整


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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・トリマを交換した人、AM回路の修理を試みた人、たぶん別人かな?
 ・フロントエンドを取り外せる人ならTRの首切りはしないでしょう
 ・この個体は一体どんな歴史を歩んできたのか?
 ・これからの余生は幸せに生きておくれ、、

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2023年7月 2日 (日)

Aurex ST-335

 ・2023年4月、初体験機種を寄付していただきました
 ・たぶんHOのジャンクコーナーで何度か見かけた事があったような気がします
 ・正直なところ、音声コード直出しの機種って積極的に購入する気にはなりません
 ・今回は良い機会をいただきました

St33503

■製品情報------------------------------------------------------------

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 ・Hifi engine Toshiba ST-335 AM/FM Stereo Tuner (1978-80)
  ・Hifiengine に英語版サービスマニュアル(回路図含む)がありました
  ・でも国内のまとめサイトには情報が見当たりません
  ・ネット検索すると335シリーズのセパレートアンプが見つかります
  ・以下はオーディオ雑誌からの切り抜き情報です

St335

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードのマーキング「1977」
 ・奥行き約25cm、重量3.4kgのコンパクトボディ
 ・外観は経年の汚れが目立つが目立つキズは見当たらない
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが照明に浮かび上がる
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・周波数目盛りに対して約+0.2MHzの位置でFM放送を受信
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・STEREOインジケーター点灯、MUTING動作OK
 ・TEC CALトーンOK
 ・背面バーアンテナでAM放送の受信テスト
 ・名古屋地区のAM局を受信できました
 ・FM/AMとも深刻な故障個所は無さそうです

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■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FM3連、AM2連フロントエンド → CF×2個
 ・IF BAND切換なし
 ・IC01:LA1230 FM IF SYSTEM クアドラチュア検波、MUTING
 ・IC02:LA3350 PLL MULTIPLEX STEREO DEMODULATOR
 ・AMはディスクリート構成
 ・VR01:VCO 19kHz調整
 ・メイン基板のVRはVCO調整の1個だけ、超シンプル!
 ・別基板:VR201:Rec Calトーン調整

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■調整記録------------------------------------------------------------

St33540

【Tメーター調整】
 ・R78 → 信号発生器から10.7MHz注入
 ・IT02下段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・76.0MHz → L04 調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz → VC05調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76.0MHz → L01,L02 調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz → VC01,VC03調整 → Sメーター最大
 ・83.0MHz → IT01調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz → IT02下段コア調整 → Tメーター中点
 ・83.0MHz → IT02上段コア調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP 19K → 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz無変調 → VR01調整 → 19kHz
【Rec Cal調整】
 ・83.0MHz 70dB 1kHz受信 → レベル記録
 ・RecCalオン → VR201調整 → -6dB位置へ
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → L06,IT05,IT04調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → VC02,VC04調整 → Sメーター最大

St33531

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・Aurexブランドの中でたぶん入門機の位置付けだったのでしょう
 ・調整後のFMセパレーション値は最大30dB程度、ラジカセ並みでした
 ・調整VRもないのでこれ以上どうしようもありません
 ・一方のAMは背面バーアンテナで感度良く受信できました

St33504

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