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2023年10月の記事

2023年10月29日 (日)

OPTONICA ST-3000

 ・2023年8月、懲りもせずまたオールドチューナーを入手しました
 ・OPTONICA(オプトニカ)旧SHARP製のアナログバリコン機です
 ・いつか入手したい、と長年思っていましたがついに機会が巡ってきました
 ・MPX回路にHA1156が使われているので性能はそこそこ期待できるはず
 ・ちゃんと動作すればね、、

St300003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 OPTONICA ST-3000 ¥65,000(1974年頃)
 ・オーディオの足跡 OPTONICA ST-3000mkII ¥65,000(1975年頃)
 ・Hifi engine Sharp ST-3000 AM/FM Stereo Tuner

St300002St300013

 ・発売の翌年には同価格の改良型(mkII)が出ていました
 ・ネット写真を見比べると照明の色が変わっただけのような気がする??
 ・Hifi engineには ST-3000H の回路図がありました
 ・入手した海外版のカタログには機種名「ST-3000H」の写真がありました
 ・照明の色合いから判断すると ST-3000H = ST-3000mkII のようです

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・ボディサイズ(W442mm×H144mm×D380mm)が予想より大きい
 ・さらに重量10kg、持ち上げるとアンプ並みにズッシリ重い
 ・パネル色はシルバーではなくゴールド色というかブロンズ?やや茶色っぽい感じ
 ・経年の汚れはあるものの幸いな事に外観に目立つキズは無い
 ・フロントパネル、ツマミ、サイドウッドとも洗浄すればキレイになりそう
 ・背面パネルを見るとF端子横にアンテナ入力のアッテネータースイッチあり
 ・さて、背面F端子にFMアンテナを接続して電源オン
 ・黒い周波数窓にオレンジ色の目盛りと周波数が浮かび上がる
 ・FM/AMのポジションランプ、二つのメーターもオレンジ色
 ・そのオレンジ色の照明を背景にして指針だけが緑色に光る
 ・二つのメーターが大きく振れて名古屋地区のFM局を受信テストOK
 ・ただTメーターの針が背後の文字盤に接触しているようで振れ方がぎこちない
 ・STEREOインジケーター点灯しない、実際のステレオ感もない
 ・TメーターとMULTIPATHメーターが兼用なのが珍しい
 ・MULTIPATHスイッチ(MONITOR - OFF - METER)機能切換式
 ・続いて名古屋地区のAM局の受信テスト
 ・本体背面にあるバーアンテナで受信OK、Sメーターの振れが弱いか?
 ・とりあえずFM/AMとも致命的な故障は無さそうです

St300001St300004St300006St300007St300008
St300012St300014St300015St300016St300018

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・アルプス社製FM4連AM3連バリコンユニット、IFバンド切換なし、レシオ検波
 ・HA1156:FM STEREO DEMODULATOR
 ・HA1149:FM MUTING
 ・AM回路:ディスクリート構成
 ・アンプ並みの大型電源トランス、ズッシリ重い原因です
 ・基板間を接続する配線がスッキリ整然とまとめられている
 ・配線はコネクタによる接続なのでさらにスッキリしている
 ・液漏れや粉噴き電解コンデンサーは見当たらない
 ・ICや多くのトランジスタの足が真っ黒、特に2SC460
 ・真っ黒対策は硬めの歯ブラシ+L字型歯間ブラシで清掃
 ・周波数窓の照明にヒューズ型電球(8v/0.3A)×6個、メーター照明に各1個
 ・基板上に部品番号の印字が無いので回路図との照合が面倒
 ・照合の結果、海外版ST-3000H の回路図とほぼ一致しました

St300000
St300020St300021St300022St300023St300024
St300027St300028St300031St300033St300035

■修理記録:メーター分解----------------------------------------------

 ・Tメーターの針が背後の文字盤に接触するようで振れ方がぎこちない件
 ・フロントパネルを外してメーターを引きずり出して分解してみたら
 ・背後の文字盤が外れている、と思ったら意外にも文字盤は外れていなかった
 ・接触する原因は細い指針が内側に傾いていることでした
 ・メーター針が傾くか??
 ・対策として細い指針に慎重に慎重に力を加えて傾きを修正しました
 ・同様にSメーターも分解してTメーターと違和感が無いように処置しました

St300043St300044St300046St300047St300042

■調整記録------------------------------------------------------------

【Tメーターオフセット調整】
 ・アンテナ入力なし → T101上部コア調整 → Tメーター指針中点へ
【OSC調整】
 ・76MHz受信 → Lo調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → Sメーター最大
 ・この調整作業を数回繰り返す
【IFTコア調整】
 ・83MHz受信 → IF調整 → Sメーター最大
【検波調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → T101上部コア調整 → Tメーター中点確認
 ・83MHz受信 → T101下部コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING回路調整】
 ・R132横のTP → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T102,T103調整 → Sメーター最大
 ・83MHz20dB受信 → R132調整 → MUTING作動位置
【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → T104調整 → Sメーター最大
 ・83MH80dB受信 → R241調整 → Sメーター振れ具合調整
【VCO調整】
 ・IC301上のTP3 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz無変調 → R302調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz L/R信号 → R319調整 → 反対ch漏れ最小
【テストトーン調整】
 ・83MHz受信 → 固定音声出力のレベル記録
 ・テストトーンON → R440調整 → -6dBに設定
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → T202.T201,バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TCAM3,TCAM2,TCAM1調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → T203,T204,T205,T206,T207調整 → Sメーター最大

St300060

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・幸いにも部品故障なし、再調整だけで復活しました
 ・分解清掃によってオレンジ色の周波数窓が照明に映えます
 ・年末休暇に電解コンデンサ交換と電球LED化にチャレンジしてみます

St300010

2023年10月22日 (日)

TRiO KT-2200 修理調整記録3

 ・2022年9月、KT-2200の故障機を寄付していただきました
 ・全く受信できないジャンク機だったので実験目的で活用させていただきました
 ・随分時間がかかりましたが、ようやく復活までこぎつけた記録です

Kt220004

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオ回顧録 TRiO KT-2200 FM STEREO TUNER ¥99,800円
 ・オーディオの足跡 TRiO KT-2200 ¥99,800円(1983年頃)
 ・KT-2200 取扱説明書 PDF形式

Kt220002Kt220013

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・指針(赤色)は明るく点灯するが二つのメーター照明がかなり暗い
 ・電球切れか?と下から覗いてみると照明電球は弱々しく点灯している
 ・指針(赤色)が見難いと思ったら、周波数目盛りを刻んだプレートがずり落ちている
 ・受信を試みるも76MHz~90MHz全区間でTメーター、Sメーターは全く振れない
 ・MUTINGオフでも聞こえるのは局間ノイズのみ
 ・名古屋地区のFM局を全く受信できません
 ・唯一、REC CALトーンは聞こえました
 ・RF切換(DIRECT/DISTANCE)インジケーター点灯OK
 ・IF切換(WIDE/NARROW)インジケーター点灯OK
 ・これは重症の予感、、

■内部確認-------------------------------------------------------------

 ・底板を固定するネジの内5本が不揃いの皿ネジ、これはイヤな予感、、
 ・内部を見ると基板と部品はオリジナル状態のようですが、、
 ・IF段のほとんどのコイルが最深部までネジ込まれている
 ・やはり内部を弄った先人がいたようです
 ・アンテナ端子に信号発生器の出力上限(120dB)を注入しても反応なし
 ・OSCトリマコンデンサの故障なら±2MHzで受信できそうですが、、
 ・フロントエンド内OSCトリマを回しても全区間で変化なし
 ・次に信号発生器で生成した10.7MHz信号をIF回路入口に直接注入
 ・すると弱々しいFM信号を受信できました
 ・試しにIF段のコイルをいくつか回したところ受信感度が大きく向上、
 ・電源回路を確認したところ各電圧は規定値を示していた
 ・故障個所はフロントエンドのOSCトリマ、さらに全体に大幅な調整ズレか?

■修理記録:周波数目盛の取付修理---------------------------------------

 ・周波数目盛を刻んたプレートが右下がりに傾いている
 ・フロントパネルを分解、目盛りを刻んたパネルを一旦取り外し
 ・劣化した両面テープを取り除き無水アルコールで粘着剤を丁寧に除去
 ・対候性の強力両面テープで固定し直しました
 ・作業中にインジケーター部のプラ枠が外れてしまったので強力接着剤で再固定
 ・ついでにフロントパネルの徹底洗浄もできました

Kt220030Kt220032Kt220033Kt220034Kt220036

■修理記録:フロントエンド交換-----------------------------------------

 ・いつもならフロントエンド上面にトリマコンデンサ(TC5)を追加するのですが、
 ・今回はちょうどTC5交換済みのKT-1000フロントエンド取外し品があったので、
 ・久しぶりにフロントエンドユニットを丸ごと交換しました
 ・結果、後述の調整作業によってFM放送を受信できるようになりました
 ・本機から取り外したフロントエンドユニットはトリマコンデンサ(TC5:10pF)交換
 ・バリコンの回転軸には緑青色の劣化グリスが大量に付着していたので
 ・エレクトロニッククリーナーと爪楊枝を駆使して緑青物質を除去
 ・最後に軸部にコンタクトグリスを塗布して再生完了、次回の修理用部品として保管

Kt220050Kt220051Kt220052Kt220054Kt220061

【自己流フロントエンドユニット換装方法】
 ・バリコン糸を完全に解くと復旧が面倒なので、最小限の作業で済むよう工夫しています
 ・まずバリコン翼が完全に閉じた状態(76MHz以下)にする
 ・周波数窓周囲の小プーリーから糸が脱落しないように養生テープで各所仮固定
 ・バリコン軸の大プーリーも糸が解けないように養生テープで仮固定
 ・大プーリーを取り外し、本体を裏返しても動かないよう適当な場所に養生テープで仮固定
 ・フロントエンドユニットを固定するハンダを外す
 ・特に金属フレーム部は60Wのハンダごてを使って手早く作業を進める
 ・動作確認済みの新ユニットを取り付ける
 ・新ユニットのバリコン軸に大プーリーを取り付ける
 ・すべての養生テープを外して動作確認、、指針の移動に問題ないことを確認
 ・大プーリーを固定するとき、糸がシャーシと平行になるよう設置することがポイント
 ・こうすると大プーリーに外向きテンションが掛からず脱落防止になります

Kt220040Kt220044Kt220045Kt220047Kt220049

■修理記録:サーボロック回路修理---------------------------------------

 ・フロントエンド交換後に仮調整して動作確認を再開
 ・FM放送を受信できるようになったが、、しかし SERVO LOCKランプが点灯しない
 ・Tメーターが中点に引き込まれる動作も見られない
 ・回路図を追いながらタッチセンサー回路を確認
 ・Q40:2SC945→ 2SC1815交換 
 ・これでSERVO LOCKランプ点灯、Tメーターが中点に引き込まれる動作も復旧
 ・と思ったら、試運転中にSERVO LOCKランプが消灯する現象が再発
 ・どうやら本体が温まってくるとSERVO LOCKランプが消灯するようです
 ・ヒートガンでテストしてみました
  →Q40付近を温めると同じ症状が発生する
  →IC22付近を温めても症状は発生しない
 ・Q40は交換済みなので周辺の抵抗やコンデンサを次々に交換してテスト繰り返し
 ・最終的にC121,C123(0.022uF)をフィルムコンデンサに交換したところで動作安定

Kt220070Kt220071Kt220072Kt220073

■修理記録:メーター照明LED化-------------------------------------

 ・メーター照明がかなり暗い、フィラメント電球が寿命を迎えているようですが、
 ・電球がメーター内部に組み込まれているので電球交換はかなり面倒です
 ・さらに普通のLEDに交換しても点照明になるので照明ムラが気になってしまう、、
 ・そこで今回は PIONEER F-700 で実践したLEDライトテープを試してみました
 ・用意したのはアマゾンで調達した12v用の白色LEDテープ(5m)、非防水タイプ
 ・テープ幅7mm、1m当たり60個のLED素子(2835)、5mで300個のLED素子
 ・ネット情報によると5m当たりの消費電力9.6w
 ・両面テープ付き、適当な長さにカットして使えるので自由度が高くとにかく安い!

Kt220080Kt220081Kt220082Kt220084Kt220086

 ・ホームセンターで樹脂製L字型アングル(10mm×10mm)を購入
 ・アングル長15cm、LEDテープは点灯素子が9個取れる位置でカット
 ・SメーターとTメーターの裏側に強力両面テープで固定
 ・メーター形状に合わせてアングルに切込みを入れると固定位置が安定する
 ・接着面を無水アルコールで入念に脱脂してから対候性強力両面テープで貼り付け
 ・フィラメント電球をメーター内部に残したまま配線だけ切断して撤去

Kt220088Kt220089Kt220091Kt220095Kt220094

 ・LED用電源はメーター近くにある基板コネクタCN4-1pinから借用
 ・これは電源回路のC139+端子(8.0v)に直接繋がっています
 ・LEDテープは12v仕様ですが、これくらいが明る過ぎずちょうど良い感じ
 ・白色照明になったのでメーター指針(緑色)がクッキリ際立ちます
 ・LED素子9個に流れる電流は実測 3mA でした
 ・借用対策として念のため電源部の電解コンデンサ容量アップ
  →C139:100uF/10v → 470uF/25v
  →C137:470uF/16v → 1000uF/50v
  →同時にマイナス電源側も容量アップ
  →C138:220uF/10v → 470uF/25v
  →C137:470uF/16v → 1000uF/50v

Kt220005

■調整記録------------------------------------------------------------

【過去記事に倣って各部再調整】

Kt220096

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・久しぶりにフロントエンド交換まで実践できた有意義な連休でした
 ・LEDライトテープの耐久性など気になる所はありますが、
 ・でもメーター全体が浮かび上がるイイ感じに仕上がったと自画自賛

Kt220097

2023年10月15日 (日)

AKAI DT-320 修理調整記録2

 ・2023年7月、オーディオタイマーのジャンク機を寄付していただきました
 ・FMエアチェック全盛期の高機能タイマーです
 ・表示部が全く点灯しないそうですが、さて直せるのか?

Dt32003

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・AKAI DT-320 ¥34,800(1982年頃)
 ・AKAI DT-320 取扱説明書 pdf
 ・AKAI DT-320 過去記事(2007年10月16日)
 ・AKAI AT-S61 過去記事(2011年7月24日)
 ・AKAI製FM/AMチューナー AT-S61 を接続すればDT-320からプログラム制御可能

Dt32002Dt32018

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は目立つキズは無いが経年の汚れ、特に指が振れるボタン表面に皮脂汚れ
 ・でも汚れは分解清掃でキレイになりそう
 ・さて、電源コードを接続してみると、、
 ・事前情報の通り表示部には何も表示されない
 ・と同時に、ボディ内部から「ジー」という大きな唸り音が聞こえる
 ・これはヤバい!嫌な予感がして 即座に電源コードを抜いて電源オフ
 ・内部が燃えていなければいいのですが、、

Dt32004Dt32005Dt32006Dt32007Dt32008

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・恐る恐るボディを開けてみると、幸いにも焼けた痕跡や焦げた匂いは無かった
 ・さて、基板全体を見渡してみると
 ・電源部の大型電解コンデンサーが液漏れや粉噴きで全滅状態
 ・バックアップ用ニカド電池も朽ち果てていました
 ・これではまともに動作しないでしょう
 ・異音の原因はエラーを知らせるビープ音だったかも?

Dt32020Dt32021Dt32023Dt32025Dt32026

■修理記録------------------------------------------------------------

 ・まずは朽ち果てたニカド電池を取り外す、単3形の電池2本が繋がっていました
 ・続いてダメージの大きい電解コンデンサーの交換
  ・C1:4700uF/16v → 4700uF/25v
  ・C4:2200uF/35v → 2200uF/35v
  ・C5:1000uF/50v → 1000uF/50v
  ・C6: 100uF/16v → 100uF/50v
  ・C7: 1uF/50v → 1uF/50v
 ・本体をベランダに持ち出して防護グラス、厚手の手袋と完全防備で通電実験開始
 ・恐る恐る電源プラグを繋いでみると、
 ・点滅する時計表示が出現、異音は発生しない、部品が焼けることもない
 ・後述の手順で時刻設定もできました
 ・とりあえず動作OKみたいです

Dt32056Dt32058Dt32061Dt32062Dt32063

■調整記録------------------------------------------------------------

 ・IC1:uPD7801G / High End Single Chip 8bit Microcomputer
 ・Qz :4.194304MHz
 ・TP FO:テストポイント → 周波数カウンタ接続
 ・C11:トリマコンデンサ
 ・TP FO → C11調整 → 2.097152MHz ※実機確認 2.097142MHz
 ・調整後の2.097152MHzは Qz水晶発信子(4.194304MHz)のちょうど1/2の値
 ・約1ヶ月通電した後の月差は+9秒、これなら上出来でしょう

Dt32027Dt32028Dt32029Dt32030

■実験記録:停電補償機能----------------------------------------------

 ・オリジナル仕様は停電補償約30分(45時間以上充電時)です
 ・実験としてニカド電池があった場所に単三形×2本用の電池ケースを設置
 ・専用充電器で満充電したニッケル水素電池(エネループ)をセットしてみました
 ・電源オン、時刻とタイマーを設定した後に電源プラグを抜く
 ・時間の経過、電池電圧、IC1(uPD7801G)-64pin(Vcc)電圧を記録

Dt32041Dt32043Dt32070Dt32071Dt32073
充電池端子uPD7801G(Vcc)停電補償
電源切断時2.77v5.54v
30分後2.49v5.61v
1時間後2.37v5.61v
2時間後2.23v 5.59v
3時間後2.20v5.58v
4時間後2.12v5.58v
5時間後1.14v1.30v×

 ・次にエネループを本体にセットしたまま通電再開
 ・エネループはどの程度まで充電できるかの実験です
 ・時刻とタイマーを設定した状態で12時間放置(充電)

充電池端子uPD7801G(Vcc)停電補償
電源切断時2.52v5.60v
30分後2.26v5.61v
1時間後2.37v5.61v
2時間後1.46v2.45v ×

【実験結果】
 ・オリジナル仕様:停電補償約 30分(45時間以上充電時)
 ・エネループ仕様:停電補償約240分(専用充電器で満充電した場合)
 ・エネループ仕様:停電補償約 60分(本機で12時間充電した場合)

■試運転--------------------------------------------------------------

 ・エネループを使った実験後は電池ボックスごと取り外しました
 ・やはりエネループを専用充電器以外で充電することは安全性に不安があるので、、
 ・現在は停電補償機能なしの状態でタイマーとして運用しています
 ・現在時刻、オン時刻、オフ時刻の三つの時刻が並んで表示できる点が特徴
 ・時刻や曜日を設定するときは、次に操作可能なボタンだけが緑色に点灯する
 ・もうこんな製品が作られることは無い、そう思うと貴重品ですね

Dt32009

2023年10月 8日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録19

 ・2023年8月、通算19台目のKT-1100D故障機を入手しました
 ・FM放送を全く受信できないそうです
 ・以下、作業記録です

Kt1100d06_20231008082101

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・Hifiengine Kenwood KT-1100D AM/FM Stereo Tuner (1986-89)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d03_20231008082201Kt1100d04_20231008082201

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は目立つ傷もなく美品といえるキレイな状態
 ・電源オン、表示部に周波数やインジケーター点灯
 ・ただよく見ると数字を構成する「8」セグメントの一部に微妙な輝度劣化あり
 ・続いてFMアンテナを接続して名古屋地区のFM放送を受信チェック
 ・AUTO選局では上り下り方向とも放送局を素通りして全く受信不可
 ・手動選局でも全く受信しない、
 ・シグナルインジケーター点灯しない、STEREOインジケーターも点灯しない
 ・一方AM放送は適当なループアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK
 ・事前情報通りFM受信が不調です

■内部確認+修理記録--------------------------------------------------

 ・ボディを開けて内部チェック、既に清掃済みなのか基板上にホコリはほとんどない
 ・幸いなことに今回はヤニ汚れ無し、基板を見渡しても修理改造歴も無さそう
 ・まずはVT電圧を測定してみると、、
 ・76~90MHzの全区間で常時+27vを示してまったく変化しない
 ・試しにOSCトリマコンデンサ(TC1)を回してみると、、
 ・過敏に反応して電圧値が一定値に定まらない
 ・これは定番のOSCトリマコンデンサ:TC1の劣化ですね
 ・対策としてTC1 → Pasasonic製10pFに交換
 ・交換後はVT電圧がビシッと決まりFM放送を受信できるようになりました
 ・再度の動作確認で-0.1MHzの周波数ズレがありましたが、後述の調整で修正できました

Kt1100d20_20231008082401Kt1100d21_20231008082401Kt1100d22_20231008082401Kt1100d23_20231008082401Kt1100d24_20231008082401

■調整記録------------------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 DC電圧計セット
 ・83MHz(無変調,80dB)受信 → L12調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,40dB)→ L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,30dB)→ VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14に周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調,80dB) → VR4調整 → 19.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO信号,1kHz,80dB)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R信号,1kHz,80dB)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB信号,1kHz,80dB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN信号,1kHz.80dB)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz(R信号,1kHz,80dB)→ VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz(L信号,1kHz,80dB)→ VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz(1kHz,80dB)→ VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz(mono信号,1kHz,100%変調)→ 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

Kt1100d25_20231008082101

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・最近はOSCトリマコンデンサの劣化事例が多いです
 ・1987年製、さすがに部品寿命ですね

Kt1100d05_20231008082101

2023年10月 1日 (日)

SONY ST-S333ESG 修理調整記録10

 ・2023年7月、HOジャンクコーナーで縦置きされたESGに遭遇しました
 ・「FM受信するがしばらく経つと音声が消える、、」
 ・値札に書かれた不具合情報に興味が湧きました
 ・税込み3,300円はちと高い、でも最悪は部品取り機として活用できるし、
 ・そんな入手経緯でした

Esg07

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESG ¥49,800(1989年発売)
 ・1987年10月発行 SONY ES テクノロジーカタログ

Esg02_20231001084901Esg14

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装は経年の汚れがあるもののとてもキレイな状態でした
 ・縦置きによるサイドウッドの擦り傷はほとんど分かりません
 ・外観上の難点は電源ボタン下「 ON / OFF 」の印字が消えかけていること
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン
 ・表示部点灯OK、文字欠けや輝度劣化は感じられない
 ・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK
 ・オート選局でFM局を受信しようとすると、
 ・上り方向はすべての局を素通りして受信不能
 ・下り方向では-0.2MHzの周波数で受信OK
 ・シグナルインジケーターは半分ほど点灯、STEREOインジケータ点灯しない
 ・この状態でしばらく様子を見ていると、突然音声が出なくなる
 ・値札に書かれた不具合情報はこの事か?
 ・そもそも0.2MHzズレた受信なので同調点が大幅にズレている
 ・一方AMは手持ちの333用ループアンテナで正常に受信OK
 ・問題はFM部、特にFM同調点の大幅なズレが気になります

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・ボディを開けると内部は部品が見えないほどの大量のホコリが堆積していました
 ・まずはエアダスターと刷毛で丁寧に内部清掃、ヤニ汚れが無いのは幸いです
 ・基板を見渡してみると部品はすべてオリジナル状態のようです
 ・まず最初にすべてのヒューズ抵抗を確認 → 顕著な劣化部品なし
 ・続いてFM同調点を仮調整してみると
  →IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
  →83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ
 ・0.2MHzの周波数ズレは解消し、同時にステレオインジケーター点灯
 ・上り下り方向ともオート選局でFM局を受信できるようになりました
 ・ハンダ面を確認してみるとアースバーの複数個所にハンダクラックあり
 ・FMアンテナ端子にもハンダクラックあり
 ・登録したメモリ内容を保持できない

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■修理記録:333シリーズ定番の故障箇所を修理----------------------------

 ・ハンダクラック対策:アースバー、FMアンテナ端子、音声出力端子
 ・フロントエンド:トリマコンデンサCT101,CT102,CT103(10pF)交換
 ・PLL検波回路:トリマコンデンサCT271(20pF)交換
 ・メモリーバックアップ:C605(0.1F/5.5V) → 1F/5.5V 交換 
 ・タンタルコンデンサC604(10uF/6.3v)→ 電解コンデンサ(10uF/50v)交換

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測20.4V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 7.7V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測61dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測63dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-4.2dB 390Hzの波形が出ていました
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・値札に書かれた不具合情報から「何か新種の故障事例か?」と期待しましたが、
 ・調整個所の大幅なズレが原因でした
 ・部品取りにするには勿体ない状態に仕上がってしまいました

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