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2023年12月の記事

2023年12月31日 (日)

SONY ST-5150 修理調整記録5

 ・2023年11月、部品取り用のドナー機を寄付していただきました
 ・照明透過型のメーターを取り出して ST-5130 に移植するだけの作業ですが、
 ・メーターを失った ST-5150 にST-5140 のメーターを移植してみました
 ・ちょっと渋目の ST-5150 が出来上がりました

St515003_20231231090501

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5150¥39,800(1973年発売)
 ・Hifi Engine SONY ST-5150 AM/FM Stereo Tuner (1973-76)

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・電源コードの印字は「1974」、定番のベタベタ化しています
 ・フロントパネルとボディは比較的きれいな状態
 ・ガラス窓は曇っているが、周波数窓の銀色フレームは光沢あり
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーター照明点灯
 ・75Ωアンテナケーブルを接続してFM放送を受信確認
 ・TメーターとSメーターはともに大きく振れる
 ・ただTメーター中点とSメーター最大点は一致しない
 ・MUTINGオンでは音が出ないがMUTINGオフにすると受信音が聞こえる
 ・STEREOランプ点灯しない
 ・AMは背面バーアンテナで受信OK
 ・二つのメーター動作は正常、使えそうです

■改造記録:メーター交換----------------------------------------------

 ・照明透過型のTメーターとSメーターを取り外す
 ・裏側に緑色フィルムが貼ってあるので破らないように注意
 ・代わりにST-5140から取り外して保管していたメーターを装着してみました
 ・同時に照明用フィラメント電球も緑色塗料が塗られた電球に交換
 ・出来映えは、、やはりちょっと地味な(でも渋い)感じになりました

St515004_20231231090601St515005_20231231090601

【ST-5150】
 ・緑色の照明透過型メーター
 ・メーターの裏側一面に緑色フィルムが貼ってある
 ・背後のフィラメント電球でライトアップするのでメーター枠も緑色に見える
【ST-5130/ST-5140】
 ・二つのメーターは照明非透過型
 ・メーター裏側に緑色フィルムは無い
 ・代わりにフィラメント電球の表面に緑色塗料が厚く塗られている
 ・これによってメーター枠だけが緑色にライトアップされる

St515030St515036St515031_20231231090701St515033_20231231090701St515037_20231231090701

■調整記録------------------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態 T201上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・90MHz CT204調整 → Sメーター最大
 ・76MHz L104調整 → Sメーター最大
【FM受信調整】
 ・90MHz受信 CT201,CT202,CT203調整 → Sメーター最大
 ・76MHz受信 L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 IFT調整 → Sメーター最大
 ・RT202 FM Sメーター振れ調整
【MUTINGレベル調整】
 ・T202調整 → D204電圧最大
 ・RT201調整 → ミューティング動作レベル調整
【検波歪み調整】
 ・T201下段コア調整 → 高調波歪み最少
【セパレーション調整】
 ・SUB信号送信 → T401調整 → Lch出力最大へ
 ・RT401 セパレーション調整
【AM調整】
 ・CT101,CT102
 ・T301,バーアンテナ内コイル
 ・RT301 AM Sメーター振れ調整

St515023

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・清掃過程でガラス板を磨いたので見映えはとても良いです
 ・ちょっと雰囲気の異なるST-5150として アリ かも?
 ・でも使い道は無いので分解して部品取り用パーツとして保管します

St515006_20231231090501

2023年12月24日 (日)

TRiO KT-990 修理調整記録10

 ・2023年10月、再びジャンク機を入手しました
 ・フロントパネルが前傾している個体です
 ・プラスチック溶接の技をさらに磨きました

Kt99004_20231224083301

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-990 ¥53,800円(1982年発売)

Kt99002_20231224083201Kt99015

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れ、天板に擦り傷あるものの全体的には比較的良好な状態
 ・電源オン、フロントパネル照明点灯、指針照明点灯、電球切れは無さそう
 ・選局ツマミを回すと回転フィーリングがかなり重い
 ・原因はフロントパネルが前傾して選局ツマミと接触していること
 ・KT-990/KT-900でよく遭遇する不具合事例です
 ・フロントパネルを指で支えながら名古屋地区のFM局を受信テスト

 ・82.5MHzのNHK-FM(名古屋)を82.2MHz付近で受信
 ・ズレた位置でSメーター点灯、Tメーターインジケーター点灯
 ・サーボロックランプ点灯、STEREOランプ点灯
 ・付属AMループアンテナを接続して名古屋のAM局を受信テスト
 ・Sメーターがフル点灯しAM放送を受信OK

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルが前傾する原因は本機の上に重量級のアンプなどを載せたこと
 ・重量に耐え切れずフロントパネル上部とボディを固定するプラスチック部品が破損
 ・これはKT-900/KT-990定番の破損個所です
 ・次にフロントエンド内のトリマコンデンサを仮調整したところズレは修正できました
 ・電圧値の過敏な反応も無いのでトリマコンデンサは生きています

■修理記録:フロントパネル補修(プラスチック溶接)--------------------

 ・前回試した「プラスチック溶接」の技を磨くため再チャレンジしました
  ・破損部分を瞬間接着剤で仮止め
  ・破断位置を跨ぐようにホッチキス針を置く
  ・針はM字型に曲げて使うとより効果的
  ・ハンダ鏝を針に押し当てプラスチックの内部に溶かし込む
  ・溶けたプラスチックを出来るだけ平らにならす
  ・最後に研磨して仕上げる
 ・20Wクラスのハンダ鏝ならこて先が細いので使い勝手が良いです
 ・プラスチックの厚みが2mmほどしかないので作業は慎重に!
 ・熱を加えすぎると裏面(上部から見える面)に変形が及んでしまいます
 ・出来上がり具合は上々です

Kt99031_20231224083101Kt99033_20231224083101Kt99034_20231224083101Kt99035_20231224083101Kt99036_20231224083101

■受信調整------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 受信 → T1調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット(Tメーター)
 ・83MHz 受信 → L4調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
【WIDE GAIN調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・83MHz Wide受信 → VR1調整 → 上記電圧と同じ
【高調波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(フロントエンド内)調整 → 高調波歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・TP VCO → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR7調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide受信 → VR6調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション Narrow調整】※Narrow調整を先に行なうこと
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Narrow → VR3調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【セパレーション Wide調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide → VR4調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz Wide → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・83MHz受信 → VR2調整 → -6dB設定 ※411Hz
【AM受信調整】
 ・700kHz → L11,L12調整 → Sメーター最大点灯
 ・1400kHz → TC1,TC2調整 → Sメーター最大点灯

Kt99040_20231224083301

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・今回もいい感じに仕上がりました
 ・新しい技を習得して修理の幅が広がりそうです

Kt99009_20231224083301

2023年12月17日 (日)

ONKYO Integra T-437

 ・2023年11月、FM放送が受信できないT-437が届きました
 ・外観は同社の T-435 によく似ていますが T-437 は初体験機種です
 ・さて、どんな故障でしょうか?

T43703

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-437 ¥69,800(1983年発売)
 ・Hifiengine Onkyo T-4017 Synthesized AM/FM Stereo Tuner (1983-85)

T43702T43717

  ※T-437とT-4017、T-435とT-4015 はそれぞれ外観は同一、でも中身は別物でした
  ※新発見! 本機の底板に「T-4015」や「T-4017」の刻印がありました
  ※どうやらボディは共通みたいです

T43754T43750T43751T43752T43753

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・奥行きが40cm近くある大きなボディに目立った傷は無くとても綺麗な状態
 ・フロントパネルの表示部にはカラフルなインジケーターが並ぶ
 ・その表示部全体を電球照明でライトアップするアナログチューナー的な造り
 ・サイズや見た目は T-435 によく似ている
<依頼者様からの事前情報>
 ・80.7MHz付近より高い周波数は弱々しいながらも受信する
 ・それより低い周波数ではノイズのみしか受信せず、Sメーターも点灯しない
 ・一度受信しない状態になると高い周波数に合わせても受信しなくなる
 ・一度AMモードに切換えたり電源を入れ直したりすると最初の状態に戻る
<動作確認>
 ・当方のテスト環境で試したところ、最初からFM全域に渡って受信不可でした
 ・オート選局では名古屋地区のFM局をすべて素通り
 ・76~90MHz全区間において「ザーッ」という局間ノイズしか聞こえません
 ・マニュアル選局に切り換えても全く受信不可
 ・Wide/Narrow切換、FM Booster切換、MUTING切換、どのポジションでも受信不可
 ・症状は事前情報より悪化している感じです
 ・一方でAM放送は付属の背面ループアンテナで受信OKでした
 ・外装がとても綺麗な状態なので何とか復活させたい!

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・FMフロントエンド 5連バリキャップ
 ・FM BOOST切換 (RF増幅)
 ・IF BAND切換(WIDE/NARROW)
 ・uPC1167C2   FM IF System FM同調点検出、Sメーター
 ・PLL検波
 ・uPC1223C MPX
 ・LA1245 AM Electronic Tuner

T43500_20231217084701T43700

 ・メイン基板はT-435の基板と共通でした
 ・T-435ではシルク印刷だけで未実装だった部品が多数ありましたが
 ・T-437ではその実装されていなかった部品が満載です
 ・一方で無くなった部品もちらほら
 ・R164:Sメーター調整用VR → 実装なし
 ・L104:FM同調点調整2連コイル → 単体コイル
 ・コントロール基板は別物です

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-----------------------------------

 ・T-435の調整記録に従って各部仮調整したところVT電圧に異常発見
 ・TP VT 電圧計セット → 76~90MHz全域で24vを示したまま変化しない
 ・試しに TC021(OSCトリマコンデンサ)を軽く回したところ、、
 ・何と、突然VT電圧が出現してFM放送を受信できるようになった!
 ・シグナルインジケーターがフル点灯、STEREOインジケーター点灯
 ・オート選局で名古屋地区のFM放送局を受信できました
 ・不調原因はOSCトリマコンデンサTC021の故障(経年劣化の接触不良)ですね
 ・TC021を何度もグリグリ回したところ受信動作は復活しましたが、
 ・しかしVT電圧の反応が過敏で最大値を捉えきれません
 ・TC001~TC003も同型のトリマなのでこの機に全数新品に交換しました
   →TC021 → 10pF(Panasonic ECV1ZW10X53T)交換
   →TC001,TC002,TC003 → 10pF(Panasonic ECV1ZW10X53T)交換
 ・資料が無いのでトリマ容量は不明ですが、10pF交換後はキチンと調整できました
 ・トリマは一気に全数交換せず、1個交換して再調整、を繰り返した方が良いです

T43730T43731T43732T43733

■修理記録:メモリ保持用電気二重層コンデンサ交換----------------------

 ・コントロール基板 TC9147BP 左横にある緑色の電気二重層コンデンサを交換
 ・C718:5.5v/0.022F → 5.5v/1.0F

T43728T43741T43742

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP2~TP3 → 電圧計セット ※Tメーター電圧
 ・83MHz受信 → L104調整 → 電圧ゼロ
【FM VT電圧調整】
 ・TP VT → 電圧計セット
 ・76MHz → L011 調整 → 電圧4.0v
 ・90MHz → TC021調整 → 電圧24.0v
【FMフロントエンド調整】
 ・uPC1167C2-13pin(又はR164)→ 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L001,L003,L004調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC001,TC002,TC003調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → L005調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → L102調整 → 電圧最大
【R025調整】★調整法??
 ・uPC1167C2-13pin(又はR164)→ 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → R025調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・TP5~GND → 電圧計セット
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → L106調整 → 電圧ゼロ(再確認)
【MUTING調整】
 ・83MHz受信 → R127調整 → MUTING作動点調整
【VCO調整】
 ・TP4 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,無変調受信 → R205調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,ST信号受信 → R212,L202調整 → 19kHz信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,ST信号受信 → R214調整 → Rchレベル最小
 ・83MHz,ST信号受信 → R215調整 → Lchレベル最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,ST信号受信 → 信号レベル記録
 ・83MHz,ST信号受信 → R509調整 → 記録値-6dB ※448Hz
【AM VT電圧調整】
 ・TP VT → 電圧計セット
 ・ 522kHz → L302調整 → 1.0v
 ・1611kHz → TC302調整 → 17.0v
【AM受信調整】
 ・LA1245-16pin(又はR164) → 電圧計セット ※AM-Sメーター電圧
 ・ 729kHz受信 → L301調整 → 電圧最大
 ・1332kHz受信 → TC301調整 → 電圧最大
 ・1053kHz受信 → L303,L305調整 → 電圧最大

T43760

■試聴----------------------------------------------------------------

 ・フロントエンド調整で受信感度が大きく改善しました
 ・セパレーション値は左右とも60dB超で優秀です
 ・フロントパネルのインジケーターがとてもカラフル、見ていて楽しいです

T43711

2023年12月10日 (日)

TRiO KT-990 修理調整記録9

 ・2023年8月、全く動作しないという超ジャンク機を入手しました
 ・電球がすべて切れていて指針がどこにあるかも分からない状態でした
 ・修理と同時に電球のLED化にチャレンジした記録です

Kt99003_20231210083701

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-990 ¥53,800円(1982年発売)

Kt99002_20231210082701Kt99014

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れ、天板に擦り傷あるものの全体的には比較的良好な状態
 ・電源オン、フロントパネル照明が点灯しない、さらに指針照明も不灯
 ・選局ツマミを回すと回転フィーリングが異常に重い
 ・原因はフロントパネルが前傾して選局ツマミと接触していること
 ・KT-990/KT-900でよく遭遇する不具合事例です
 ・フロントパネルを指で支えながら名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・82.5MHzのNHK-FM(名古屋)を82.0MHz付近で受信
 ・ズレた位置でSメーター点灯、Tメーターインジケーター点灯
 ・サーボロックランプ点灯しない、STEREOランプ点灯しない
 ・付属AMループアンテナを接続して名古屋のAM局を受信テスト
 ・Sメーターがフル点灯しAM放送を受信OK
 ・この機種でよく遭遇する不具合案件が満載でした
 ・それにしても「全く動作しない」とはどういう事だったのか?
 ・もしかして照明が点灯しない時点で「全く動作しない」と判定された??

■内部確認------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルが前傾する原因は本機の上に重量級のアンプなどを載せたこと
 ・重量に耐え切れずフロントパネル上部とボディを固定するプラスチック部品が破損
 ・これはKT-900/KT-990定番の破損個所です
 ・次にフロントエンド内のトリマコンデンサを仮調整したところズレは修正できました
 ・電圧値の過敏な反応も無いのでトリマコンデンサは生きています

■修理記録:フロントパネル補修(プラスチック溶接)--------------------

 ・フロントパネルと金属フレームを固定するプラスチック部品の破損
 ・今までは薄い透明プラ板を補強材として全面接着していましたが
 ・先日「プラスチック溶接」という技を学習したので実践してみました
 ・ホッチキスの針を補強材としてハンダ鏝の熱で埋め込む方法です
  ・破損部分を瞬間接着剤で仮止め
  ・破断位置を跨ぐようにホッチキス針を置く
  ・針はM字型に曲げて使うとより効果的
  ・ハンダ鏝を針に押し当てプラスチックの内部に溶かし込む
  ・溶けたプラスチックを出来るだけ平らにならす
  ・最後に研磨して仕上げる

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 ・破断部の強度は従来の補修方法よりも大幅にアップしました
 ・この方法は破損したプラスチック部品の補修に広く応用できそうです

■修理記録:電球LED化-------------------------------------------------

 ・すべての電球が切れるなんて、、この機種にどんな不幸があったのでしょうか?
 ・でもこれはチャンスと捉えて電球のLED化にチャレンジしました
 ・目指すは「オリジナル感(色合い)を保持したLED化」です

【LED電源】
 ・オリジナル電球はAC仕様なのでDC電源を取れる場所を探す
 ・電源回路 D33 → C114(1000uF/10v)→ +10.1V ※これを借用します
 ・念のためC114を容量アップ 1000uF/16v → 2200uF/25v
 ・ジャンパ線J95交換 → 部品面に少し浮かせて接続端子(+10.1v)として設置
 ・これを起点としてフロント用と指針用にそれぞれ制限抵抗を挟んで配線
 ・ジャンパ線J97交換 → 部品面に少し浮かせて配線端子(GND)として設置

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【フロント照明】
 ・選局ツマミの内側に埋め込まれたφ4mm電球×2個でフロントパネルをライトアップ
 ・2個の電球それぞれに配線があるので計4本のリード線が電源回路まで長く伸びている
 ・ここにφ5mm電球色LED×2個を直列に仕込みリード線が2本で済むよう配線変更
 ・LEDに拡散キャップを被せオリジナル電球ホルダーに埋め込んで元に戻す
 ・実験用電源で明るさを確認しながら制限抵抗220Ωでジャンパ線J95に接続
 ・実測電流は19mAでした

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【指針照明】
 ・指針裏側の透明プラスチック内にφ4mm電球が仕込まれている
 ・ここは直径3mmのLED(ウォームホワイト色)に拡散キャップを被せて元に戻す
 ・実験用電源で明るさを確認しながら電流約10mA、制限抵抗680Ωで線J95に接続
 ・LEDに茶色のポリイミドテープを巻いたところイイ感じの「電球色」になりました

Kt99060_20231210083201Kt99061Kt99062

【LOCKEDランプ】
 ・ここだけ横長のフィラメント電球が配置されています
 ・今回は電球は切れていませんが、この機に一緒に交換します
 ・このインジケーターは細長いのでどんなLED素子が適しているか思案の末に、、
 ・12v用のヒューズ型LED(T6.3×30)の口金を外しLED基板だけを流用しました
 ・サイズ的にはピッタリ、インジケーターとしての見た目もバッチリ!
 ・ここは元々DC駆動なので明るさの具合を見ながら制限抵抗2.2kΩを介して接続
 ・このままだと常時薄く点灯してしまうのでLEDに並列に680Ω抵抗を追加
 ・これでLOCK動作のON/OFFに連動して気持ちよく点灯/消灯するようになりました
 ・ここもポリイミドテープを二重に貼って指針と同じ「電球色」を目指しましたが
 ・何だか黄色っぽい感じになりました

Kt99070Kt99073Kt99075Kt99076Kt99077

■受信調整------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 受信 → T1調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット(Tメーター)
 ・83MHz 受信 → L4調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
【WIDE GAIN調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・83MHz Wide受信 → VR1調整 → 上記電圧と同じ
【高調波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(フロントエンド内)調整 → 高調波歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・TP VCO → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR7調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide受信 → VR6調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション Narrow調整】※Narrow調整を先に行なうこと
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Narrow → VR3調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【セパレーション Wide調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide → VR4調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz Wide → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・83MHz受信 → VR2調整 → -6dB設定 ※407Hz
【AM受信調整】
 ・700kHz → L11,L12調整 → Sメーター最大点灯
 ・1400kHz → TC1,TC2調整 → Sメーター最大点灯

Kt99090

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・ランニングテスト開始から約4カ月経過、LED化による不具合はありません
 ・やはりLOCKEDランプの色合いがちょっと違うな、、と思いつつ
 ・それでも照明を落とした部屋でボーっと眺めていると幸せな気分に浸れます

Kt99009_20231210083701

 ・LED化した個体(上段)とオリジナル照明の個体(下段)を並べてみました

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2023年12月 3日 (日)

TRIO KT-900 修理調整記録5

 ・2023年10月、KT-900のメンテナンス作業をお引き受けしました
 ・外装はかなりきれいな状態、でもFM受信が不安定だそうです
 ・さて、どんな状態なのでしょうか?

Kt90003_20231203143001

■製品情報------------------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-900 ¥49,800(1980年頃)
 ・オーディオ懐古録 TRIO AM-FM STEREO TUNER ¥49,800円(1980)
 ・Hifi Engine Kenwood KT-900 AM/FM Stereo Tuner (1980-82)

Kt90002_20231203143101Kt90010_20231203143101

■動作確認------------------------------------------------------------

 ・外装に目立つ傷は無く、今までに見てきた中でも極上クラスです
 ・強化ガラス製のフロントパネルも無傷、しかもパネルが前傾していない
 ・電源オン、周波数窓の照明点灯、ダイヤル指針の照明点灯、電球切れ無し
 ・機能切換状態を示す緑色インジケーターもすべて点灯
 ・さて、名古屋地区のFM放送局を受信しようとすると、、
 ・指針の移動に伴って「ボソボソ、バリバリ」という大きな雑音発生
 ・雑音に反応するようにシグナルインジケーターが激しく明滅する
 ・放送局周波数付近で放送が聞こえるがTメーターが本来の表示をしない
 ・LOCKインジケーター点灯しない、STEREOインジケーター点灯しない
 ・REC CAL トーンは発信音が正常に聞こえる
 ・同梱されてきたループアンテナを接続してAM放送も受信確認
 ・名古屋地区のAM局を聞くことはできたが受信感度がかなり低い
 ・このループアンテナには ONKYO のロゴがありました

■内部確認+修理記録:バリコン軸の洗浄------------------------------------------

 ・底板を確認、KENWOODサービスによる修理歴シールは見当たらない
 ・内部を見ても部品を交換した痕跡は見当たらない
 ・フロントエンドのバリコン軸を見ると緑青サビが盛大に湧いている
 ・指針移動に伴う「ボソボソ、バリバリ」という雑音はこれが原因です
 ・たぶん相当長期間に渡って使われずに放置されていたのかな?
 ・最近はバリコン軸の清掃に100均で売られている歯間ブラシを愛用しています
 ・これである程度こそぎ落としてからエレクトロニッククリーナーで洗浄
 ・最後にコンタクトグリースを薄く塗布して清掃完了です
 ・この作業によって雑音が消滅し、Tメーター動作が正常化しました
 ・FM放送を受信すると僅かに周波数ズレがありましたが後述の受信調整で修正できました
 ・故障例の多いフロントエンド内OSCトリマコンデンサー(TC4)は生きていました

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■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → 新TC4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 受信 → T1調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・83MHz 受信 → 電圧最大状態
 ・TR7020-3Pin-11Pin → 電圧計セット(Tメーター)
 ・83MHz 受信 → L4調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
【WIDE GAIN調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・83MHz Wide受信 → VR1調整 → 上記電圧と同じ
【高調波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(フロントエンド内)調整 → 高調波歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ・83MHz受信 → L5調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・R56左足 → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR5調整 → 76kHz
【セパレーション Narrow調整】※Narrow調整を先に行なうこと
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Narrow → VR4調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【セパレーション Wide調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide → VR3調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・83MHz受信 → VR2調整 → -6dB設定 ※442Hz
【AM受信調整】
 ・AMループアンテナ → 接続端子注意 [AM]~[GND]
 ・600kHz → L11,L12調整 → Sメーター最大点灯
 ・1400kHz → TC1,TC2調整 → Sメーター最大点灯

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■試聴----------------------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解清掃、強化ガラスの内側もピカピカに磨きあげ
 ・照明に浮かび上がるような独特の存在感を取り戻しました
 ・KT-990/900のガラス製フロントパネルはとっても素敵です

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