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2024年3月の記事

2024年3月31日 (日)

Nakamichi TA-20 修理調整記録

 ・2024年2月、ナカミチ製レシーバーTA-20の故障機が届きました
 ・TA-30 の修理調整記録をご覧になった方からご提供いただきました
 ・外観は上位機のTA-30とよく似ていますが両機の違いに興味津々、、
 ・以下、復活までの記録をまとめました

Ta2007

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Nakamichi TA-20 ¥85,000(1989年頃)
 ・Hifiengine Nakamichi TA-20 High Definition Tuner Amplifier

Ta2002Ta2014

 ※機種名の違いは輸出先の違い
 ・TA-2A:U.S.A & Canada
 ・TA-2E:Europe
 ・TA-2 :Other & Australia
 ・TA-20:Japan

【TA-30との見た目の相違点】
 ・映像入力(S端子)がない
 ・入力系統(Phono、CD、Tape、Video)が少ない
 ・スピーカー端子がワンタッチ式の簡易型
 ・Subsonic filter ボタンがない
 ・ボリュームつまみ内側に仕込まれた緑色LEDがない

■動作確認-------------------------------------------------

<提供者様からの不具合情報>
 ・どの入力でも左chの音が小さいが音量を上げると左右同レベルになる
 ・チューナーだけ音が出ない、そもそもチューナー部が機能していない

<当方での確認事項>
 ・正面から見ると、本体サイズや外観はTA-30とそっくりですね
 ・ただ背面パネルの端子群を見ると機能差がよく分かります
 ・フロントパネルの状態は良好、目立つキズはありません
 ・実験用SP、FM/AMアンテナ、CDプレーヤーを接続して動作確認開始

 ・電源投入直後にリレー動作音が聞こえて Power Mute動作OK
 ・フロントパネルのチューナー部に周波数が緑色表示される
 ・オート選局ボタンで周波数がUp/Downする
 ・しかし、FM/AMとも放送は全く受信不能、局間ノイズも出ない
 ・FM/AMの文字点灯しない、シグナルインジケーター全く点灯しない
 ・MODE切換(AUTO/Manual)インジケーターも点灯しない
 ・8の字セグメントの一部が表示薄く(輝度劣化)なっている
 ・チューナー部は機能せず完全に死んでいる感じです

 ・続いて外部CDプレーヤーを各入力端子に接続して音出し実験
 ・入力端子:CD、Tape、Video → それぞれ音出しOK
 ・レコードプレーヤーTechnics SL-5にてPhono端子チェック
 ・入力端子:Phono → 音出しOK
 ・左chの音が小さいとのご指摘でしたが、今のところ正常です

■内部確認--------------------------------------------------

 ・TA-30との相違点を探しながら内部確認開始
 ・基板は2階建て構造、底板を開けると1階基板のハンダ面が見える
 ・メイン電源トランスのサイズが一回り小さい
 ・チューナー回路用電源トランスはたぶん同じ
 ・ヒートシンクに張り付いたトランジスタの型番が異なる
 ・映像信号を処理する基板が無いので1階基板まで見通しがよい
 ・チューナー回路はTA-30と全く同じ

Ta2000

 ・TA-30と同じ場所、1階のトランジスタ周辺が高熱で焦げています
 ・それでも今回は基板の亀裂、プリント配線の断裂は無かったです
 ・TA-20のサービスマニュアルにもTR修理に関する追加情報ありました
  ・Q525:2SA733 → 2SA953
 ・ただTA-30とは違ってロジック基板のTRに対する交換指示
 ・実際の基板で確認すると交換済みでした

■修理記録:チューナー部が動作しない-----------------------

 ・チューナー部だけ全く機能していないので電源系統から確認開始
 ・まずメイン基板でチューナー回路に電源供給する【CN-21】を確認
 ・【CN-21】規定値+30v、+12v、+13vに対して実測値2~3v
 ・これは電源基板に原因がありそうと考えて調査を進めていくと、
 ・原因は、チューナー用トランス直下のヒューズ劣化でした
 ・ヒューズ切れではなく、ヒューズが約1MΩの抵抗と化していました
 ・F401:500mA/250v
 ・これを新品に交換したところチューナー部が動き出しました
 ・FM/AMともオート受信OK、STEREOランプ点灯します
 ・-0.1MHzの周波数ズレがありますがこれは後述の受信調整で修正可能
 ・周波数部の8の字セグメントの一部に輝度劣化があるのが残念
 ・それでもまず第一関門はクリアしました
 ・念のためアンプ回路用ヒューズF403:4A/250vも確認したところ
 ・F403両端抵抗が約300Ωもあったのでここも新品交換
 ・交換による効果は実感できませんが多分何からの効果はあったはず?

Ta2050Ta2051Ta2053Ta2054Ta2055

■修理記録:電源回路のハンダクラック------------------------

 ・TA-30と同様に1階の電源回路のTR周辺が黒く焼け焦げています
 ・裏面も茶色に変色していますが、基板の亀裂や断線はありません
 ・ただ該当TRの足元でハンダクラックが多数発生していました
 ・高温による茶色の変色域すべてのハンダをやり直しました

Ta2029Ta2040Ta2042

■修理記録:リレー接点--------------------------------------

 ・片方だけ音が小さかったり雑音が入る原因はリレーの可能性が大きいか?
 ・そこで電源基板とメイン基板のリレー接点を磨いてみました
 ・基板に装着した状態のままリレーの上蓋を開ける
 ・細長く切った厚紙にエレクトロニッククリーナー液を浸透させる
 ・厚紙を接点に差し込んた状態で強制的に接点に挟んで引き抜く
 ・この動作を数回繰り返す
 ・作業後の厚紙が黒く変色したので洗浄効果はあったと思います


Ta2056Ta2057Ta2058Ta2059Ta2060

■修理記録:可変抵抗の接点----------------------------------

 ・左右chの音量差の原因としては可変抵抗もありそうです
 ・可変抵抗(音量VR、バランスVR、ラウドネスVR)
 ・ここはエレクトロニッククリーナーを隙間から注入して洗浄しました
 ・ラウドネスVRは正面パネルを外すとアクセスできます
 ・何度も往復させて馴染ませました

Ta2063Ta2064Ta2065

■調整記録-------------------------------------------------

【アイドル調整】
 ・入力切換=CD、スピーカー切換=OFF、音量ボリューム=最小
 ・TP7-TP8 ハンダ面で電圧計セット → VR301調整 → 25mV Lch
 ・TP9-TP10 ハンダ面で電圧計セット → VR302調整 → 25mV Rch
【FM VT電圧】
 ・TP11~GND 電圧計セット
 ・76.0MHz → 3.3v ※確認のみ
 ・90.0MHz → 18.0v ※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・Tape Rec出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHz受信 → T104調整 → 0v
 ・83.0MHz受信 → T105調整 → 高調波歪最小
 ・83.0MHz受信 → フロントエンドIFT調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
 ・83.0MHz,30dB受信 → VR102調整 → MUTING作動位置
【Sメーター調整】
 ・83.0MHz,60dB受信 → VR105調整 → シグナルインジケーター全点灯
【セパレーション調整】
 ・Tape Rec出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHz受信 → VR103調整 → 漏れ信号最小
【AM VT電圧】
 ・TP5~TP6 電圧計セット
 ・522kHz → T103調整 → 1.0v
 ・1629kHz → 7.2v ※確認のみ
【AM受信調整】
 ・729kHz(NHK)受信 → T101,T102,L102調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海)受信 → TC101調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBC)受信 → VR101調整 → Sメーター点灯具合調整

Ta2071

■試聴------------------------------------------------------

 ・TA-30同様にフロントパネルのデザインがカッコよくて好みです
 ・映像回路を省略した回路構成もシンプルで好感が持てます
 ・ただ、スピーカー端子だけはケチらないで欲しかった、、残念

Ta2003

 → note BLUESS Laboratory

2024年3月24日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録13

 ・2024年1月、KT-1100(ブラックモデル)の故障品が届きました
 ・FM放送を受信できなくなったそうです
 ・以下、作業記録です

Kt1100b03

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt1100b02Kt1100b10

■動作確認-------------------------------------------------

<提供者様からの情報>
 ・電源を入れるとしばらくは受信できて音は出ますが
 ・10分もすると音がだんだん怪しくなってきて最後は消えます
 ・一度TRIOサービスで修理しています
 ・40年も前のことですが、秋葉原で薦められて購入した機種です

<当方での確認事項>
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯
 ・82.5MHz(NHK-FM名古屋)受信OK、指針と目盛りのズレは無いが、
 ・TメーターとSメーターが激しく振れて同調点が判別しづらい
 ・同調点付近では放送音に「ガサゴソ」ノイズが重複する
 ・MUTINGオフにすると指針の移動に伴って上記ガサゴソが発生している
 ・この雑音に反応するように二つのメーターが激しく反応する
 ・これはバリコン軸に発生した緑青サビが悪さをしている予感です
 ・もう一つ、RFセレクターNORMAL/DIRECTの緑色LEDが明滅している

■内部確認-------------------------------------------------

 ・修理歴があるとの事なのでその痕跡を探したところ、
 ・フロントエンドのOSCトリマコンデンサが交換されていました
 ・という事は、バリコンユニットを取り外したのか?
 ・ハンダ面を確認するとバリコンを着脱した痕跡は見当たらない
 ・あれ??何か黒いテープが貼ってある?
 ・テープは剥がしてみると、ありました、作業痕が、
 ・基板に作業用の穴をあけてOSCトリマを交換した痕跡です
 ・前回の故障原因はOSCトリマの不具合だったようです
 ・基板に穴をあける修理痕に遭遇したのは今回で2例目です
 ・ハンダ面を見る限りOSCトリマ以外の部品が交換された痕跡はない
 ・さて、バリコン軸を見ると予想通り緑青サビが涌いている
 ・まずはココの洗浄から始めます

Kt1100b19Kt1100b20Kt1100b21Kt1100b22Kt1100b24

■修理記録:バリコン軸洗浄---------------------------------

 ・目に見える範囲の緑青サビを爪楊枝の先端で削ぎ落す
 ・次にエレクトロニッククリーナーを噴射して何度か回転させる
 ・100均で買った歯間ブラシ(SSサイズ)で軸受け部を清掃
 ・これを何度か繰り返して清掃完了
 ・最後にエアダスターを噴射して乾燥させてからCRC556を少量塗布
 ・76~90MHz区間を何度も往復して馴染ませて作業完了

Kt1100b30Kt1100b31

■修理記録:タクトスイッチ洗浄-----------------------------

 ・RFセレクター NORMAL(緑)/DIRECT(赤)インジケーター
 ・NORMAL時の緑色LEDが明滅して点灯状態にならない
 ・DIRECT時の赤色LEDは正常に点灯する
 ・これもよくある不具合でタクトスイッチの接触不良が原因です
 ・フロントパネルを分解してスイッチ基板を露出させる
 ・スイッチの隙間からエレクトロニッククリーナーを少量噴射
 ・スイッチのON/OFFを数十回繰り返す
 ・これでスイッチの接触不良が解消、緑色LEDが明滅が解消しました
 ・他のスイッチも同様の措置を施しました
 ・フロントパネルを分解したついでにパネル裏面まで磨きました

Kt1100b35

■調整記録-------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整
   → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※420Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → Sメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt1100b40

■試聴------------------------------------------------------

 ・バリコン軸を清掃して以降は快調に受信しています
 ・1週間のランニングテストでもご指摘の不具合は再現しませんでした
 ・たぶん大丈夫だと思います。

Kt1100b04

2024年3月17日 (日)

SONY ST-4950 修理調整記録2

 ・2024年1月、ST-4950のメンテナンスをお引き受けしました
 ・この機種に触れるのは随分久しぶりです
 ・調整手順などを見直しながら作業を進めました
 ・以下、作業記録です

St495004

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-4950 ¥69,800(1976年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-4950 AM/FM Stereo Tuner (1975-77)

St495002St495007

■動作確認-------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 → 1974
 ・経年の汚れはあるものの、ボディに目立つキズはない
 ・電源を接続してスイッチオン、緑色の周波数窓が浮かび上がる
 ・周波数目盛りや数字にダメージなし
 ・ただ経年の汚れで透明なガラス板が曇っている
 ・TメーターとSメーターの照明電球が点灯しない
 ・75Ω端子にFMアンテナを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・わずかな周波数ズレあるがFM放送受信OK
 ・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない
 ・Tメーター中点からかなりズレた位置でSTEREOランプ点灯
 ・実際のステレオ感あり、MUTING動作OK
 ・AM放送は背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK
 ・電球切れ以外は深刻な故障個所は無さそうです

■内部確認-------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン → レシオ検波 → HA1156
 ・IFバンド Narrow/Wide切り替えなし
 ・RT201:Muting調整
 ・RT202:Sメーター振れ調整
 ・RT203:Mutingバランス調整
 ・RT301:VCO調整
 ・RT302:出力レベル調整Lch
 ・RT303:出力レベル調整Rch
 ・RT501:セパレーション調整

St495000

 ・周波数窓の照明方法は先代の ST-5130,ST-5140,ST-5150 と同じ
 ・ガラス板の両端を固定する方法が進化している
 ・MPX部はIC化(HA1156)してグレードアップしている
 ・さらにダイヤル指針は赤色LEDで同調点が分かりやすい

St495021St495022St495023St495024St495025

■修理記録:照明電球交換----------------------------------

 ・SメーターとTメーターをライトアップする電球が切れています
 ・電球を外して刻印を見ると STANLEY 12v/5w、端子電圧 AC10.7v
 ・これならホームセンターの自動車用品売り場で入手容易です
 ・早速買ってきて電球交換
 ・ついでに周波数窓を照らす同型電球×2個も交換しておきました

St495040St495043St495044St495045St495046

■失敗記録:ガラス板の印字は取扱い注意----------------------

 ・続いて周波数や目盛りを刻んだガラス板を磨きました
 ・ところがここで大失敗、、
 ・ウエットティッシュでガラス板の左半分を軽く一拭きしたところ
 ・目盛り線が崩れる、AM周波数の数字がかすれる、、しまった!!
 ・ST-5950でも失敗経験があるので注意していたのに、、
 ・遠目で見れば分かりませんが、悔しい失敗でした
 ・ST-5950/4950のガラス板印字は脆いので清掃時は要注意です

St495051

■調整記録-------------------------------------------------

 【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → IFT201左コア調整 → Tメーター中点
 【FM OSC調整】
 ・ダイヤル指針を周波数目盛り83位置にセット
 ・83MHz受信 → CT104調整 → Sメーター最大
 【FMトラッキング調整】
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
 【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → IFT201右コア調整 → 高調波歪最小
 【ミューティング調整】
 ・83MHz受信 → RT201調整 → ミューティング作動レベル調整
 ・83MHz受信 → RT203調整 → ミューティングバランス調整 ※
 ※バランス調整
  作動すポイントをTメーター左右対称になるように調整
 【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → RT202調整 → Sメーター最大振れ調整
 【VCO調整】
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・アンテナ入力なし → RT301調整 → 19kHz
 【セパレーション調整】
 ・83MHz受信 → RT501調整 → 左右chの漏れ信号最小
 【オーディオレベル調整】
 ・RT302、RT303 左右信号レベルを揃える。
【AM調整】
 ・ダイヤル指針を600kHz位置にセット
 ・600kHz受信 → L402調整 → Sメーター最大
 ・600kHz受信 → バーアンテナ内L801調整 → Sメーター最大
 ・ダイヤル指針を1400kHz位置にセット
 ・1400kHz受信 → CT402調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT401調整 → Sメーター最大

St495060

■試聴-----------------------------------------------------

 ・緑色に浮かび上がる周波数窓とふたつのメーターがイイ感じです
 ・赤く光るダイヤル指針がワンポイントアクセントで好印象

St495005

note BLUESS Laboratory

2024年3月10日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録12

 ・2024年1月、2年ほど前に修理したKT-1100が再び不調になったそうです
 ・FM放送を受信できなくなってしまったとか、
 ・以下、再修理記録です

Kt110003_20240310084301

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt110002_20240310084101Kt100013_20240310084101

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からの情報>
 ・起動から1時間くらい経つと受信しなくなってきた
 ・この症状が続き、受信しなくなる頻度が多くなってきた
 ・初期の症状では受信周波数帯が時間とともにずれている
 ・やがて、すべて受信しなくなってしまい今にいたる
 ・AMは問題なく受信出来る

<当方での確認事項>
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯
 ・82.5MHz(NHK-FM名古屋)受信OK、指針と目盛りのズレは無い
 ・手を離すとSERVO LOCKランプ点灯、続いてSTEREOランプ点灯
 ・RF切換OK、FM BAND切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK
 ・名古屋地区のAM放送も受信OK
 ・FM/AMとも正常動作している、、と思ったら

 ・起動から約5分後、受信中のFM音声が突然途絶えた!
 ・Tメーターを見ると針が中点から右側にズレている
 ・同調点から外れてミューティングが作動したようです
 ・しかも針が右方向にゆっくり動いている
 ・選局ツマミを回して同調点を追いかける、でも追いつかない
 ・やがて90MHzの右端に達してもはや追尾不能となる
 ・こうなった状態では76~90MHz全区間で受信不能でした
 ・1時間後に再起動するも76~90MHz全区間で受信不能
 ・このときAM受信は正常です
 ・翌日再起動すると正常動作から上記不具合症状が繰り返されました

■修理記録--------------------------------------------------

Kt110021_20240310084101Kt110032_20240310084101

 ・不調時の挙動から考えてTC8:OSCトリマの故障が怪しそう
 ・前回はOSCトリマを調整しただけで交換していません
 ・今回は交換が必要かな、、
 ・でもその前に、とりあえずTC8:OSCトリマを適当に回してみたら
 ・何と受信動作が復活しました!
 ・周波数ズレも無く電圧最大値がピタリと決まります!
 ・どうやら不調原因はTC8内部の接触不良のようです
 ・古くなったトリマコンデンサでありがちな不具合です
 ・交換前の実験としてエレクトロニッククリーナーを噴射してグリグリ
 ・左右に100回ほど回して乾燥、その後通電したところ、
 ・回転フィーリングが軽くなり電圧最大値もピタリ決まりました
 ・電圧値がふらつくこともありません
 ・この状態での1週間のランニングテストでも不具合は再発しない
 ・トリマの容量抜けが無いならこの方法もアリみたい

■調整記録--------------------------------------------------

Kt110000_20240310084301

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整
   → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※422Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → Sメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt110031_20240310084301

■試聴------------------------------------------------------

 ・もし不具合が再発するようなら次はトリマコンデンサを交換します
 ・でも接点不良が解消したので当分は大丈夫かなと思います

Kt110004_20240310084301

 → note BLUESS Laboratory

2024年3月 3日 (日)

KENWOOD KT-3030 修理調整記録6

 ・2024年1月、KT-3030の故障機が届きました
 ・起動時にノイズ発生、さらに左右の音に音量差があるそうです
 ・以下、作業記録です

Kt303004_20240303083001

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-3030 ¥120,000(1984年頃)
 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-3030 ¥120,000
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-1100SD FM Stereo Tuner (1984)

Kt303002_20240303083201Kt303007_20240303083201

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からお聞きした情報>
 ・最初電源を入れてしばらくは左chの音が大きい
 ・しばらくすると右chにガリ音というか、音が歪む瞬間がある
 ・その後は左右正常音量に戻る
 ・電源投入時に正常に聞こえていてもそのうち左右の音量差が出る
 ・起動時以外も長く聞いていたりすると症状が出やすい
<当方での確認事項>
 ・事前情報があったので電源オン直後の様子を注意深く観察しました
 ・背面の可変出力端子で確認したところご指摘の症状を確認しました
 ・電源オン直後はRchの音が約-4dB小さい、聴感ではっきり分かります
 ・しばらくすると(10秒くらい)すぐに左右の音量差は解消しました
 ・正常に戻る瞬間に右chから「ガリガリ」音が聞こえました
 ・オート選局や各種機能切換などの基本動作は正常です
 ・本体正面の固定出力端子も同様に試しましたが同じ症状でした
 ・別件ですが本体の周波数表示部に文字欠けがありました
 ・「88.8」の一部セグメントが振動で点いたり消えたりします

■内部確認--------------------------------------------------

 ・KENWOODサービスによる修理記録シールはどこにもありません
 ・内部と基板面を見た感じでも修理痕・部品交換痕は見当たりません
 ・つまりオリジナル状態だと思います
 ・起動後しばらく経って安定稼働した状態で一通り調整してみました
 ・左右同音量になったと思った状態でも実際は約1dBの差がありました
 ・やはりRchの方が少し音量が小さいです
 ・調整したところ特に異常個所はなく調整手順が正常に完了しました

Kt3030

■修理記録:接点洗浄----------------------------------------

 ・本機はフロントに固定出力端子、背面に可変出力端子を備えています
 ・左右の音量差やガリが気になる場合はまず可変抵抗の不調を疑います
 ・そこで可変出力端子のVRをエレクトロニッククリーナーで洗浄
 ・続いてフロントパネルにあるIF BAND切換のスライドVRも同様に洗浄
 ・接点不良を疑いましたがここは問題なかったです

■修理記録:ローパスフィルター L29(L79-0107-05-521)---------

 ・調整手順が正常完了しても左右の音量差、片chだけの雑音、、
 ・調査の結果、最終オーディオ回路のLPF:L29前後で様子が異なるが判明
 ・そこでL29(L79-0107-05-521)を取り外して前後回路を直結したところ
 ・起動時の音量差も雑音も解消しました

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 ・L29の裏面を見ると内蔵コンデンサーが黒く変色しています
 ・まずRch側の内蔵コンデンサーを洗浄してみました
 ・L29裏面からエレクトロニッククリーナーを軽く噴射
 ・見える部分だけを柔らかい刷毛で清掃
 ・この状態で基板に再度取り付けて動作確認したところ、、
 ・電源オン時の左右の音量差は解消しました
 ・通常稼働時の左右の僅かな音量差も解消しました
 ・不具合の原因はこのL29で間違いないようです
 ・再度L29を基板から取り外し、Lch側のフィルターも洗浄しました
 ・作業後1週間のランニングテストでも不具合は再発しません
 ・不具合が再発する場合、次はコンデンサの除去と外付け追加ですが
 ・今回は洗浄だけに留めておきます

■修理記録:7セグメント表示の一部欠損-----------------------

 ・たとえば「80.7」MHzの「8」や「0」の一部が欠損します
 ・本体を軽く叩くと点いたり消えたりするのでハンダクラックが原因か?
 ・そこで表示管に繋がる基板のハンダ付けをやり直しました
 ・2階基板の裏面のハンダは底面から慎重にアクセスして修正しました
 ・もう大丈夫です

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■調整記録--------------------------------------------------

 ・輸出機KT-1100SDのサービスマニュアルをベースにして一部アレンジ
 ・IF BAND スイッチ記号
  (左端)N2 ← N1 ← (中央) → W2 → W1(右端)
【本体設定】
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・IF BAND:W1(右端位置)
【VT電圧】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76.0MHz → L6調整 → 3.0V ※実測 3.1V
 ・90.0MHz → TC6調整 →24.0V ※実測24.3V
【検波調整】
 ・TP7~TP8 → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → L21調整 → 0.0V ※実測220mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76.0MHz → L1~L5調整 → 電圧最大
 ・90.0MHz → TC1~TC5調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 → 電圧計セット
 ・83.0MHz → L11,L12調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz →L14,L18調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
 ・TP9 → 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz → VR12調整 → 76.0kHz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHzST信号 → VR11調整 → 19kHz信号最小
 ・83.0MHzST信号 → L26 調整 → 19kHz信号最小
  ※左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHzSUB信号 → L28調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83.0MHz(MONO信号,400Hz)→ VR1調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83.0MHz(MONO信号,1kHz)→ VR2調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83.0MHz(MONO信号,1kHz)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】
 ・83.0MHz(L信号)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整6 STEREO/MAIN】
 ・83.0MHz(MAIN信号)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整7 STEREO/L】
 ・83.0MHz(L信号)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整8 W2】
 ・IF BAND=W2
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR8調整 → 歪率最小
【歪調整9 N1】
 ・IF BAND=N1
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR9調整 → 歪率最小
【歪調整10 N2】
 ・IF BAND=N2
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR10調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 W1】Super Wide
 ・IF BAND=W1
 ・83.0MHz(R信号)→ VR13調整 → Lchもれ最小
 ・83.0MHz(L信号)→ VR14調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整2 W2】Wide
 ・IF BAND=W2
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR15調整 → もれ最小
【SEPARATION調整3 N1】Narrow
 ・IF BAND=N1
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR16調整 → もれ最小
【SEPARATION調整4 N2】Super Narrow
 ・IF BAND=N2
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR17調整 → もれ最小
【SIGNAL METER調整】
 ・83.0MHz → VR18調整 → 最上段ドット点灯
【TUNING METER調整】
 ・83.0MHz → 2階基板VR2調整 → 中央の白セグメント点灯位置
【MODULATION METER調整】
 ・83.0MHz → 2階基板VR1調整 → 100%位置で点灯

Kt303040_20240303083001

■試聴------------------------------------------------------

 ・1週間のランニングテストでは不具合の再発は無かったです
 ・やはりKT-3030、2020、1100D辺りは安心して聴けますね

Kt303003_20240303083101

 ・note:BLUESS Laboratory

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