フォト
2024年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

チューナー関連リンク

« SONY ST-4950 修理調整記録2 | トップページ | Nakamichi TA-20 修理調整記録 »

2024年3月24日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録13

 ・2024年1月、KT-1100(ブラックモデル)の故障品が届きました
 ・FM放送を受信できなくなったそうです
 ・以下、作業記録です

Kt1100b03

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt1100b02Kt1100b10

■動作確認-------------------------------------------------

<提供者様からの情報>
 ・電源を入れるとしばらくは受信できて音は出ますが
 ・10分もすると音がだんだん怪しくなってきて最後は消えます
 ・一度TRIOサービスで修理しています
 ・40年も前のことですが、秋葉原で薦められて購入した機種です

<当方での確認事項>
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯
 ・82.5MHz(NHK-FM名古屋)受信OK、指針と目盛りのズレは無いが、
 ・TメーターとSメーターが激しく振れて同調点が判別しづらい
 ・同調点付近では放送音に「ガサゴソ」ノイズが重複する
 ・MUTINGオフにすると指針の移動に伴って上記ガサゴソが発生している
 ・この雑音に反応するように二つのメーターが激しく反応する
 ・これはバリコン軸に発生した緑青サビが悪さをしている予感です
 ・もう一つ、RFセレクターNORMAL/DIRECTの緑色LEDが明滅している

■内部確認-------------------------------------------------

 ・修理歴があるとの事なのでその痕跡を探したところ、
 ・フロントエンドのOSCトリマコンデンサが交換されていました
 ・という事は、バリコンユニットを取り外したのか?
 ・ハンダ面を確認するとバリコンを着脱した痕跡は見当たらない
 ・あれ??何か黒いテープが貼ってある?
 ・テープは剥がしてみると、ありました、作業痕が、
 ・基板に作業用の穴をあけてOSCトリマを交換した痕跡です
 ・前回の故障原因はOSCトリマの不具合だったようです
 ・基板に穴をあける修理痕に遭遇したのは今回で2例目です
 ・ハンダ面を見る限りOSCトリマ以外の部品が交換された痕跡はない
 ・さて、バリコン軸を見ると予想通り緑青サビが涌いている
 ・まずはココの洗浄から始めます

Kt1100b19Kt1100b20Kt1100b21Kt1100b22Kt1100b24

■修理記録:バリコン軸洗浄---------------------------------

 ・目に見える範囲の緑青サビを爪楊枝の先端で削ぎ落す
 ・次にエレクトロニッククリーナーを噴射して何度か回転させる
 ・100均で買った歯間ブラシ(SSサイズ)で軸受け部を清掃
 ・これを何度か繰り返して清掃完了
 ・最後にエアダスターを噴射して乾燥させてからCRC556を少量塗布
 ・76~90MHz区間を何度も往復して馴染ませて作業完了

Kt1100b30Kt1100b31

■修理記録:タクトスイッチ洗浄-----------------------------

 ・RFセレクター NORMAL(緑)/DIRECT(赤)インジケーター
 ・NORMAL時の緑色LEDが明滅して点灯状態にならない
 ・DIRECT時の赤色LEDは正常に点灯する
 ・これもよくある不具合でタクトスイッチの接触不良が原因です
 ・フロントパネルを分解してスイッチ基板を露出させる
 ・スイッチの隙間からエレクトロニッククリーナーを少量噴射
 ・スイッチのON/OFFを数十回繰り返す
 ・これでスイッチの接触不良が解消、緑色LEDが明滅が解消しました
 ・他のスイッチも同様の措置を施しました
 ・フロントパネルを分解したついでにパネル裏面まで磨きました

Kt1100b35

■調整記録-------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整
   → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※420Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → Sメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt1100b40

■試聴------------------------------------------------------

 ・バリコン軸を清掃して以降は快調に受信しています
 ・1週間のランニングテストでもご指摘の不具合は再現しませんでした
 ・たぶん大丈夫だと思います。

Kt1100b04

« SONY ST-4950 修理調整記録2 | トップページ | Nakamichi TA-20 修理調整記録 »

ピュアオーディオ」カテゴリの記事

コメント

基板に穴をあけ部品を交換するとは、
KENWOODの修理はすごい荒技ですね。
穴をあけても問題ないような基板レイアウトがすごいのか?。

消耗品と割り切り交換しやすいように設計段階で織り込んでおいていただければ、
修理も楽なのでしょうけど。他社のチューナでもトリマー関連は多いですね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« SONY ST-4950 修理調整記録2 | トップページ | Nakamichi TA-20 修理調整記録 »