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2024年4月の記事

2024年4月28日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録10

 ・2024年3月、D-3300Tのメンテナンスをお引き受けしました
 ・以下、作業記録です

D3300t04_20240428082901

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T ¥140,000円(1986年発売)
 ・KENWOOD D-3300T 取扱説明書 日本語版PDF

D3300t02_20240428083001D3300t11

■動作確認--------------------------------------------------

【提供者様からの事前情報】
 ・電源投入後、チューニングシグナルがズレを起こす
   →特に寒い時期は症状が顕著
 ・時々ボツっという大きな音を発する
   →悩ましいのは時々という点で頻発はしない
 ・メインスイッチの入れる時、切る時にスイッチに引っかかりがある
   →意識して真上からしっかり押せば引っかかりも少ない
 ・正面の表示窓内「STEREO」の赤い表示が暗い

D3300t05_20240428082901

【当方での確認事項】
 ・外観に目立つキズは無くフロントパネルは美品と言える状態
 ・背面端子も光沢があって外装状態は良い
 ・さてFMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数などの表示部が明るく点灯、文字痩せは見受けられない
 ・オート選局(上り方向)では-0.1MHzの周波数ズレでFM局を受信
 ・オート選局(下り方向)では周波数ズレなし
 ・RF切換(DIRECT/DISTAMCE)、IF BAND切換(WIDE/NARROW)OK
 ・固定/可変出力端子ともに音声で確認、動作に異常なし
 ・STEREOインジケーターが赤く点灯するが、中央部がやや暗い
 ・NARROWインジケーターの表示がちょっと暗い、薄い
 ・当方での受信時には「ボツッ」という雑音は確認できなかったです

■修理記録:電源回路のハンダ割れ----------------------------

 ・KENWOODサービスの修理歴シールなし
 ・部品交換歴は無さそうと思いつつハンダ面を確認していたら、
 ・電源回路の放熱板付きTR2個と三端子レギュレータにハンダ割れ発見
  → Q26:2SD1266
  → Q27:2SB941
  → IC11:uPC78M05
 ・高熱に晒された影響か、ハンダがすっかり痩せてひび割れていました
 ・速攻でハンダを盛り直して修正完了しました

D3300t40_20240428083101D3300t43

■調整記録--------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L5調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.9V
 ・90MHz → TC5調整 →25.0V±0.1V ※実測25.0V
 ★TC5が過敏に反応して数値が定まりにくい
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測-125mV
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測+385mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1~L4調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1~TC4調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L10,L11,L22調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → L11調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz,20dB受信 → VR1調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz,50dB → VR3調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz,80dB → VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz,80dB → VR5調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz,ST信号 → VR1調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz,ST信号 → L20調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz,SUB信号 → L19調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz,MONO → VR3調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz,MONO → VR4調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz,MONO → VR6調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz,L信号 → VR5調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz,SUB信号 → VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz,MAIN信号 → VR8調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz,L信号 → VR9調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz,MAIN信号 → VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz,R信号 → VR4調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz,L信号 → VR3調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz.L/R信号 → VR2調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン
 ・VR4調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t20_20240428082901

■修理記録:フロントエンド TC1~TC5総交換-------------------

 ・上記調整でOSCトリマTC5が過敏に反応することを確認
 ・過去機の経験からトリマコンデンサの接点劣化が予想されます
 ・そこでTC1~TC5をすべて新品(10pF)に交換しました
 ・不定期に発生するという雑音対策になったかもしれません

D3300t31_20240428083101D3300t35_20240428083101

■修理記録:最終オーディオ回路LPF洗浄-----------------------

 ・ローパスフィルター L21(L79-000-0000)
 ・L21の裏面を見ると内蔵コンデンサーが一部黒く変色していました
 ・左右chに音量差があったり片chだけ雑音が入る症状の原因です
 ・本機でこの症状があったわけではありませんが、
 ・過去機の経験からノイズの発生源である可能性あります
 ・対策としてL21裏面にエレクトロニッククリーナーを軽く噴射
 ・見える部分だけを柔らかい刷毛で清掃
 ・洗浄前後で音に変化無かったですが、気休めにはなりました

D3300t51D3300t54

■修理記録:電源スイッチの引っ掛かり対策--------------------

 ・電源スイッチを押すとき、確かに引っ掛かりがあります
 ・同じ形状のKT-1100D、KT-2020、KT-3030でも時々遭遇する症状です
 ・これはフロントパネルの取り付け位置を左右に少しズラせば解消します
 ・フロントパネル固定ネジを緩め、左右に少し動かして最適位置を探す
 ・可動範囲は1mmも無いので、ほんの僅かな微妙な位置決めです

D3300t03_20240428082901

■試聴------------------------------------------------------

 ・部品交換と再調整によってよい性能を取り戻したと思います
 ・当方での作業中に「ボツッ」という雑音は確認できませんでした
 ・この状態でお返ししますので動作確認の続きをお願いします

 → note BLUESS Laboratory

2024年4月21日 (日)

SONY ST-S333ESA 修理調整記録5

 ・2024年2月、シャンパンゴールドの333ESAが届きました
 ・FM受信時に不具合がいろいろあって実用にならないそうです
 ・以下、作業記録です

333esa05_20240421083101

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-S333ESA ¥55,000(1991年発売)
 ・Hifi engine SONY ST-770ES FM Stereo / FM-AM Tuner (1991-92)

333esa02_20240421082801333esa10

■動作確認--------------------------------------------------

【提供者様からの不具合情報】
 ・全体的に受信状態が悪い
 ・フロント部分の扉を開閉するとシグナルメーターが上昇、すぐに戻る
 ・常に放送のない周波数にてシグナルメーターが3つほど点灯している
 ・STEREOインジケーターが点灯しない
 ・ボソッ、ボソッと不定期にノイズが入る

【当方での確認事項】
 ・フロントパネルと天板はほぼ無傷
 ・ただサイドウッド角部に突板の割れ欠損、剥がれが目立ちます
 ・突板が浮いている個所は木工ボンドで補修しておきました
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン
 ・表示部が明るく点灯、文字欠けや輝度劣化は感じられない
 ・IF BANDやRF切換などボタン操作に応じてインジケーター点灯OK
 ・しかしオート選局で名古屋地区のFM局をすべて素通り受信不可
 ・MUTINGオフにすると受信OK、周波数ズレなし
 ・でもSTEREOインジケーター点灯しない
 ・シグナルインジケーターが常時三つ点灯したまま
 ・ボディを軽く叩くとシグナルインジケーターの点灯具合が変化する
 ・受信中に「ボソッ、ボソッ」と不規則な雑音が混入する
 ・出力端子に繋いだ音声コードに触れると音が途切れる
 ・適当なAMループアンテナで名古屋地区のAM局をテスト受信
 ・AMはオート選局で受信OKでした

■内部点検--------------------------------------------------

 ・部品交換歴は無さそう、オリジナル状態だと思います
 ・アースバーを指で触るとグラグラの箇所あり
 ・このときシグナルインジケーターの点灯具合が変動する
 ・ハンダ面を見るとアースバーにハンダクラック多数
 ・すべてのヒューズ抵抗チェック、異常値を示す部品なし
 ・まずは調整手順に従ってFM同調点とフロントエンドを仮調整
  →IFT251調整 → FM同調点OK
  →CT101,CT102,CT103調整 → 最大電圧がビシッと決まらない
 ・シグナルインジケーター点灯レベル調整 → RV241
 ・RV241を最大回してもインジケーターは半分程度しか点灯しない
 ・受信感度自体が落ちているようです
 ・CT271に触れるとガサガサノイズ発生

333esa00

■修理記録:ハンダクラック修正------------------------------

 ・特にLA1235近くのアースバーがグラグラ状態です
 ・これを含めすべてのアースバーのハンダ付けをやり直し
 ・続いて音声端子とアンテナ端子のハンダ割れも修正しました
 ・背面パネルを取り外すと補修作業や容易になります

333esa31_20240421082801333esa32_20240421082801

■修理記録:フロントエンドのトリマコンデンサ交換------------

 ・最大電圧がビシッと決まらないトリマを全数交換しました
 ・フロントエンド:トリマコンデンサCT101,CT102,CT103(10pF)交換
 ・調整後はシグナルインジケーターがフル点灯するようになりました

333esa40_20240421082801333esa41_20240421082801

■修理記録:PLL検波回路のトリマコンデンサ交換---------------

 ・CT271に触れるだけでガサガサノイズが発生する
 ・繰り返しグリグリ回してもノイズは解消しない
 ・新しいトリマコンデンサ(20pF)に交換
 ・ガサガサノイズは解消して気持ちよく調整できました
 ・パーツリストを見ても容量不明ですが 20pF で良さそうです

333esa50_20240421082801333esa51_20240421082801

■修理記録:キャパシタ交換----------------------------------

 ・放送局をメモリー登録しても翌日には消失している
 ・キャパシタ:C605(0.1F/5.5V) → 1F/5.5V 交換 
 ・タンタルC604(10uF/6.3v)→ 電解コンデンサ(10uF/50v)交換

333esa60_20240421082801333esa61_20240421082801
333esa63

■調整記録--------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・IC251(LA1235)7pin~10pin間電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT251調整 → 電圧ゼロ
【VT電圧調整】
 ・フロントエンド内JW8 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・90MHz → L104調整 → 21.0V±0.2V ※調整前実測21.1V
 ・76MHz → 確認のみ → 8.0V±1.0V ※調整前実測 8.1V
【トラッキング調整】
 ・IF BAND = NARROW
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・TP201を短絡 ※これによってIF回路をパス
 ・TP271 電圧計セット
 ・IFT272調整 → 電圧ゼロ ※調整前実測+4.2V
 ・CT271調整 → 歪最小 ※Wavespectraにて波形確認
 ・TP201を開放
【IF歪調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・IC251(LA1235) 13pin(又はR261右足)電圧計セット
 ・RV201、RV202 時計回り一杯に回す
 ・SSG出力40dBモノラル信号送信
  ・IFT201調整 → 電圧最大
 ・SSG出力40dBステレオ信号送信
  ・IFT202調整 → 電圧最大
  ・IFT101調整 → 電圧最大 ※IFT101フロントエンド内
 ・RV201、RV202 回転範囲の中央位置に回す
 ・SSG出力80dBモノラル信号送信
  ・IFT203調整 → 歪最小へ
 ・SSG出力80dBステレオ信号送信
  ・IFT204調整 → 歪最小へ
【STEREOインジケータ調整】
 ・IF BAND = WIDE
 ・MUTING = OFF
 ・SSG83MHz 出力20dB
 ・RV251調整 → ステレオインジケータ点灯
【MUTINGレベル調整】
 ・IF BAND = WIDE
  ・MUTING = ON
  ・SSG83MHz 出力25dB
  ・RV252調整 → MUTING調整
【IF NARROWゲイン調整】
 ・IF BAND = NARROW
  ・RV203調整 → NARROWゲイン調整
【Sメーター調整】
 ・RV241調整
【パイロットキャンセル】
 ・RV303、L301 19kHz信号漏れ最小 左右バランス確認
【セパレーション調整】
 ・RV301 R→L ※調整後実測62dB
 ・RV302 L→R ※調整後実測65dB
【CAL TONE】
 ・Peak Level-6dB 398Hzの波形が出ていました。
【AM調整】
 ・RV401 Sメーター調整
 ・RV402 AUTOSTOP調整

333esa70_20240421083001

■試聴------------------------------------------------------

 ・当初の不具合はすべて解消しました
 ・シグナルインジケーターがフル点灯、STEREOインジケータの点灯
 ・FM/AMとも気持ちよく受信できています

333esa04_20240421083001

note BLUESS Laboratory

2024年4月14日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録14

 ・2024年1月、KT-1100の故障品を寄付していただきました
 ・さて、どんな故障でしょうか、、ワクワクします
 ・以下、作業記録です

Kt1100s03

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt1100s02Kt1100s13

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からの情報>
 ・起動後10分ほどは音が出ます。ところがいきなり、
 ・ナイアガラの滝が滝つぼに落ちた時の物凄い音がします
 ・昔のアナログTVの深夜の砂嵐のような感じです
<当方での確認事項>
 ・フロントパネルは新品みたいにキレイです
 ・特にプッシュボタンなどプラ部品に日焼けが無いのは珍しい
 ・ナイアガラの滝壺に落ちたことは無いのですが(笑)
 ・深夜テレビの砂嵐はアナログTV世代には分かりやすい例えです
 ・さて、その雑音を確かめるべくFMアンテナを接続して電源オン
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯
 ・82.5MHz(NHK-FM名古屋)受信OK、指針と目盛りのズレはほぼ無い
 ・手を離すとSERVO LOCKランプ点灯、続いてSTEREOランプ点灯
 ・RF切換OK、FM BAND切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK
 ・名古屋地区のAM放送も受信OK
 ・FM/AMとも正常動作している、、と思ったら
 ・起動から約5分後、受信中のFM音声が突然途絶えた!
 ・Sメーターが感度を失っている
 ・MUTINGオフにするとザーという局間ノイズしか聞こえない
 ・なるほど、事前情報通りの症状を確認しました

■修理記録:OSCトリマコンデンサ-----------------------------

 ・不調時の挙動から考えてTC8:OSCトリマの故障が怪しそうです
 ・とりあえずTC8:OSCトリマを軽く回してみたら
 ・何といきなり受信動作が復活しました!
 ・どうやら不調原因はTC8内部の接触不良ですね
 ・TC8は交換するのがベストですが、まずその前に実験
 ・エレクトロニッククリーナーをTC8に噴射してグリグリ回す
 ・左右に100回ほど回して乾燥、その後通電したところ、
 ・回転フィーリングが軽くなり電圧値もピタリ決まりました
 ・この状態での1週間のランニングテストでも不具合は再発しない
 ・何と洗浄だけで直ってしまいました
 ・トリマの容量抜けが無いならこの方法もアリです

Kt1100s32

■調整記録--------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整
   → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz★
 ★ 2.3~2.5MHzを示してL6調整が定まらない
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※420Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → Sメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt1100s60

■修理記録:L6内蔵コンデンサ交換----------------------------

 ・2nd OSC調整でL6が上手く反応しません
 ・取り外して内側を見ると内蔵コンデンサが真っ黒に変色しています
 ・これを取り外し、代わりに100pFコンデンサを外付けしました
 ・再調整によって1.965MHzにピッタリ合わせることが出来ました

Kt1100s20Kt1100s21Kt1100s22Kt1100s24Kt1100s25

■修理記録:バリコン軸洗浄----------------------------------

 ・回転軸の受け部に緑青色のサビが出ています
 ・これを洗浄して磨いておきました

Kt1100s30Kt1100s31

■試聴------------------------------------------------------

 ・再調整後にランニングテストを始めて3カ月経過しました
 ・久しぶりにボディを開けて再チェックしたところ、
 ・心配したOSCトリマに異状は無かったです
 ・調整ズレはほとんどなく良い状態を保っていました

Kt1100s15

note BLUESS Laboratory

 


■修理記録;OSCトリマコンデンサ交換(追記:2024年5月6日)---

 ・上記修理後使っていなかったのでGW連休で再チェックしたところ
 ・指針と目盛りに約0.3MHz程度のズレが発生していました
 ・前回作業はエレクトロニッククリーナーで洗浄しただけだったので
 ・やはり根本的な解決になっていなかったようです
 ・ズレはOSCトリマコンデンサの調整で再修正はできたのですが
 ・連休でヒマだったのでOSCトリマコンデンサを交換しておきました
 ・3mm穴の圧着端子を折り曲げて新トリマのマイナス側土台にします
 ・旧トリマは上面から無理やり破壊して取り出しました
 ・もう一度すべての調整をやり直して使い始めました
 ・また2~3か月様子を見てみます

Kt1100s82Kt1100s83Kt1100s84Kt1100s85Kt1100s86

■修理記録;メーター照明電球のLED化(追記:2024年5月6日)---

 ・メーター照明がちょっと暗い感じがしたのでLED化してみました
 ・L字型アングルにテープLEDを貼り付けてメーターに被せる方法です
 ・使用材料や加工方法は KT-2200 の修理記事に詳しい記録があります
 ・LED用電源は C162(1000uF/25v)に繋がるジャンパ線(J122)から借用
 ・ここには+20vが来ているので制限抵抗2.2kΩを挟んで接続
 ・ジャンパ線(J123)→GND
 ・フィラメント電球をメーター内に残したまま配線だけ切断して撤去
 ・実測電流 → 5mA、明る過ぎずちょうど良い感じになりました

Kt1100s70Kt1100s72Kt1100s74Kt1100s76Kt1100s78
Kt1100s92

■試聴-----------------------------------------------------

 ・今まで電球色に見慣れていたのですが、
 ・シルバーボディとホワイト照明がとても良くマッチします
 ・白色照明になった事で緑色のメーター指針がクッキリ際立ちます

Kt1100s102

2024年4月 7日 (日)

TRIO KT-8300 修理調整記録8

 ・2024年2月、KT-8300の故障機が届きました
 ・照明電球が点灯するだけで全く受信できないそうです
 ・さて、直せるか?

Kt830004_20240407083301

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-8300 ¥63,000(1978年発売)
 ・Hifi engine Kenwood KT-815 AM/FM Stereo Tuner (1979-80)

Kt830002_20240407083401Kt830011

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からの事前情報>
 ・FMは受信できていたが、時々ザザザとノイズが入るようになった
 ・IFバンドスイッチを弄ったところ受信反応がなくなった
<当方での確認事項>
 ・フロントパネルやボディに目立つ傷なし
 ・外観はすでに清掃済みのようで背面端子はどれもピカピカです
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓のオレンジ色照明点灯、電球切れは無さそう
 ・名古屋地区のFM局で受信テスト開始、、しかし
 ・事前情報通り76MHz~90MHz全区間で何も受信しない
 ・Tメーター、Sメーターともまったく振れない
 ・固定/可変端子とも無音、局間ノイズも聞こえない
 ・各機能切換スイッチを操作してもまったく反応なし
 ・ただIF BAND切換スイッチのロック機構にちょっと違和感あり
 ・スイッチを押してロックする時と解除する時に引っ掛かりがある
 ・この引っ掛かるタイミングで照明電球がわずかに明滅する
 ・他のスイッチ操作時はこの明滅現象は発生しない
 ・スイッチのロック機構の故障はよくある事例ですが、
 ・さらに電源回路に不具合がありそうです

■内部確認--------------------------------------------------

 ・バリコンが回転する軸受け部に緑青色のサビが浮き出ている
 ・LA1222、HA1137W、HA11223WやいくつかのTRの足は既に磨かれている
 ・機能切換スイッチの長い足もピカピカでした
 ・ハンダ面を見るとIF BANDスイッチだけ再ハンダの痕跡あり
 ・ハンダ割れなど目視で分かるような劣化部品は見当たりません

Kt830000_20240407083301

■修理記録:電源回路のツェナーダイオード故障-----------------

 ・受信しない原因を探して電源回路の点検スタート
 ・輸出機KT-815の回路図を見ながら電圧値を確認したところ、
  ・+14v → +14.2v ◎OK
  ・-13.5v → 0v ★NG
 ・-13.5vが出ていないことを発見
 ・この原因は D19(KT-815回路図ではD27)ツェナーダイオード故障でした
 ・D19(YZ-140)が0.2Ωの抵抗と化していました
 ・14v品が無いので手持ちの新品15v品に交換 → 電圧確認 ー14.1v ◎OK
 ・-14vが復活したことによってFM受信動作が回復しました
 ・SメーターとTメーターが大きく振れてFM放送受信OK
 ・STEREOランプ点灯、LOCKランプ点灯
 ・わずかに周波数ズレありますがこれはOSC調整で修正可能
 ・これで直った! と思って調整作業に取り掛ったのですが、、

Kt830030_20240407083501Kt830032_20240407083501

■再び故障発生!--------------------------------------------

 ・ところが、各部の受信調整作業をしていた時に再び同じ故障発生!
 ・IF BAND切換スイッチを押し込んで引っ掛かりを感じたとき
 ・照明が一瞬明滅したと思ったら受信動作が失われました
 ・何と最初の状態に戻ってしまいました、、あれれ??
 ・原因はいま交換したばかりのD19ツェナーダイオードでした
 ・もう一度新品の15v品に交換して受信動作を回復させました
 ・再々調整して正常動作に戻ったのですが、、
 ・実はこの後もう一度同じ経緯を繰り返してD19を再々交換しました
 ・これは一体どういうことだ??

■故障原因の考察--------------------------------------------

 ・IF BAND切換スイッチを押し込んだ時
  →引っ掛かりナシ → WIDE/NARROWが正常に切り換わる
  →引っ掛かりアリ → D19がショートする
 ・輸出機KT-815の回路図を見ながら考えました

 ・IF BAND切換スイッチは4回路構成のスライドスイッチです
 ・スイッチ内で±14vが入れ替わることでWIDE/NARROW切換を実現している
 ・もしかしてスイッチ内部の接点で±14vが交錯するのでは?
 ・±14vが交錯したとき安全回路のD19がショートモードになるのかも?
 ・同様のスイッチを分解清掃した過去事例は多々ありますが、
 ・接点を跨ぐ小さな導通素子が真っ黒に変色している姿が想像できます
 ・操作時に引っ掛かりがあるといういう事はロック機構の不具合か?
 ・今はIF BAND=WIDEの状態で正常動作しています
 ・IF BANDスイッチを操作しなければこのまま正常だと思います

■修理するなら----------------------------------------------

 ・KT-8300又はKT-8100のジャンク機を調達してスイッチだけ移植する
 ・あるいはスイッチを取り外して分解し内部洗浄する
 ・ただロックスイッチを分解すると元に戻せなくなる可能性が高い、、
 ・さて、どうしましょう、、

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■修理記録:IF BAND切換スイッチ交換-------------------------

 ・ジャンク箱を捜索したところ KT-8100 の基板が出てきました
 ・過去に解体処分して部品取り用に保管していた残骸です
 ・これにIF BAND切換と同じ4回路スイッチが載っていました
 ・KT-8100ではFM/AM切換スイッチですが、取付方法、サイズなど同じです
 ・早速切換スイッチを移植しました
 ・交換後は切換時の引っ掛かりはなくD19が切れることもありません
 ・修理としてはこれで完了ですが、引っ掛かりの原因が気になる、、

Kt830056Kt830058Kt830061Kt830062Kt830063

 ・そこで取り外したスイッチを分解して内部を調べてみました
 ・分解方法は意外に簡単、前面のバネを少しズラして上蓋を開けるだけ
 ・4回路の一つが±14vを切り換える機能を担っていますが、
 ・何と、ここの導通部品だけ一部溶けて破損していました!
 ・周囲のプラスチック部品もここだけ黒く煤けた感じになっています
 ・やはりここで±14vが交錯したようです
 ・破損した導通部品がスイッチ操作時の引っ掛かり原因になっていた
 ・スイッチのロック機構自体は正常でした
 ・それにしてもそもそもの原因は何だったのでしょう?

Kt830064

■修理記録:バリコン軸の洗浄--------------------------------

 ・バリコンが回転する軸受け部に緑青色のサビが浮き出ている
 ・軸部にエレクトロニッククリーナーを少量噴射して回転させる
 ・SSサイズの歯間ブラシで軸受け部を磨く
 ・エアダスターを吹きかけて乾燥させる
 ・軸受け部にCRC-556を極少量噴射して回転させる

■調整記録--------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCA1,TCA2,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
【Tメーター調整1】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO → T2調整 → Tメーター中点
【Tメーター調整2】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO サーボロックON → VR10調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → VR4調整 → Sメーター「目盛り4.8」
【WIDE GAIN調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO NARROW受信 → Sメーター目盛り位置を確認
 ・83MHz MONO WIDE受信 → VR1調整 → SメーターNARROWと同じ位置
【DISTORTION調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → L8(フロントエンド内)調整 → 歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・R91右足 → 周波数カウンタセット
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → T6調整 → 1.96MHz
【MUTING調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 30dB
 ・83MHz MONO → VR2調整 → MUTING開始位置確認
【VCO調整】
 ・R97後足 → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 60dB Pilot信号
 ・83MHz ST受信 → VR6調整 → 19kHz信号最小
【WIDE セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz WIDE Rch → VR7調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz WIDE Lch → VR8調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz NARROW L/R → VR9調整 → 反対chへの漏れ信号最小

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■動作確認(再)--------------------------------------------

 ・上記調整作業は正常に完了できましたが、ちょっと気になることが、、
 ・WaveSpectraで波形観察しているとノイズフロアが微妙に上下します
 ・振れが大きいときには「チリッ、ザザッ」という雑音として聞こえます
 ・左右chとも同じ雑音が聞こえます
 ・過去の経験から検波回路のフィルターが怪しい感じです

■修理記録:検波回路フィルター------------------------------

 ・パルスカウント検波回路のフィルターではトラブルが頻発しています
 ・原因はフィルター内蔵コンデンサーが真っ黒に変色する現象です
 ・この現象が「チリッ、ザザッ」雑音の原因になる事例は多くありました
 ・そこで順番に基板から取り外して裏面チェック実施

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  ・FL3 (L79-0080-05) 2連 → 42pF,86pF,86pF
  ・FL6(L79-0094-05)青色 → 113pF,174pF
  ・FL1(L79-0095-05)黄色 → 188pF
  ・FL7(L79-0096-05)緑色 → 63pF,410pF
  ・FL2(L79-0097-05)白色 → 1145pF,425pF

Kt830079

 ・FL3の裏面を見るとコンデンサは意外にキレイな状態でした
 ・次にFL6,FL1,FL7,FL2を外して裏面確認、ここは黒化が酷い状態でした
 ・各内蔵コンデンサの実測値を写真に書き込んでおきました
 ・対策としてエレクトロニッククリーナーに浸した刷毛でそっと清掃
 ・目に見える部分だけですがそれでも暗黒物質がキレイに取れました
 ・清掃後に容量チェックしましたが清掃前と有意な差は無かったです
 ・すべての処置を終えてフィルターを基板に再セットし動作確認
 ・結果、WaveSpectraで見える波形のノイズフロアが落ち着きました
 ・ヘッドホンで聞いても「チリッ、ザザッ」という雑音は感じません
 ・雑音問題は解決できたと思います

■試聴------------------------------------------------------

 ・作業を終えてもう一度最初から調整し直しました
 ・それにしてもスイッチが故障した原因は何だったのでしょうか?
 ・IF BANDスイッチは常時WIDEで使用することをお勧めします

Kt830007_20240407083301

 → note BLUESS Laboratory

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