フォト
2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

チューナー関連リンク

« 2024年4月 | トップページ | 2024年6月 »

2024年5月の記事

2024年5月26日 (日)

Lo-D FT-400 修理調整記録

 ・2024年3月、古い機種を研究材料として寄付していただきました
 ・Lo-D(ローディ)懐かしい日立のオーディオブランドです
 ・初めて見る機種なので新発見があるかも、、興味津々
 ・以下、作業記録です

Ft40003

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 HITACHI/Lo-D FT-400 ¥49,000(1974年頃)

Ft40002Ft40014

■動作確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネル右下に刻まれた HITACHI の文字が妙に新鮮な感じ、、
 ・既に清掃済みなのか、フロントパネルは美しく目立つ傷なし
 ・木製ボディも保存状態は良好、光沢があってツルピカです
 ・F型端子が無いのは残念、でもFM DET OUT端子が装備されている
 ・とりあえずFMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓の照明点灯、二つのメーター照明点灯、指針照明点灯、
 ・昭和の香り漂うこの雰囲気が私の大好物です
 ・電球切れは無さそう、、さて受信動作は?
 ・名古屋地区のFM局を受信してみると0.2MHzほどズレた位置で受信OK
 ・このときSTEREOランプ点灯、実際のステレオ感もある
 ・ただSメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・MUTING動作もOK、
 ・続いて背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信してみると、
 ・Sメーターが大きく振れて全局とも受信OKでした
 ・致命的な故障は無さそうです

Ft40009

■内部確認--------------------------------------------------

 ・Lo-D機にはほとんど縁が無く、唯一 FT-420 の記録が残っているだけです
 ・そのFT-420 はPLL化されたHA1156搭載機でしたが、さて FT-400 は?
 ・IC01 HA1115、PLL化される以前の古いタイプのスイッチング方式でした
 ・FM3連AM2連バリコン搭載フロントエンド、IF BAND切換機能なし
 ・基板を見渡すとIFやMPX等がブロック毎に白線で区画割りされているが
 ・部品番号が各ブロックで同じなのでちょっとややこしい

Ft40020Ft40021Ft40024Ft40028Ft40029
Ft40000

■調整記録--------------------------------------------------

【Tメーター調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz受信 → 83MHz付近で波形を見ながら最良ポイントを探す
 ・83.0MHz受信 → T06上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・76.0MHz受信 → L04調整 → Tメーター中点
 ・90.0MHz受信 → TC03調整 → Tメーター中点
【RF調整】
 ・TP S-meter → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76.0MHz受信 → L01,L02調整 → 電圧最大
 ・90.0MHz受信 → TC01,TC02調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz受信 → T01調整 → 電圧最大
【IF調整】
 ・TP S-meter → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83.0MHz受信 → T01~T05調整 → Sメーター最大
 ・83.0MHz受信 → T07調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz受信 → T06上段コア調整 → Tメーター中点
 ・83.0MHz受信 → T06下段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・83.0MHz受信 → VR04調整 → Sメーター振れ具合調整
【MUTING調整】
 ・83.0MHz受信 → VR05調整 → MUTINGレベル調整
【MPX調整】※試行錯誤の結果なので参考程度です
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz SUB信号受信 → L01,L02調整 → Lchレベル最大
 ・83.0MHz SUB信号受信 → L03,VR01調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz,ST → VR02 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → バーアンテナ、L05調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC05,TC04調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → T02調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → VR03調整 → Sメーター振れ具合調整

 ※VR01:FM OUT → 規定値が不明なので適当に設定しました
 ※VR02:AM OUT → 規定値が不明なので適当に設定しました

Ft40050

■試聴------------------------------------------------------

 ・緑色に浮かび上がる周波数窓を眺めていると癒されますね
 ・特に故障個所も無くFM/AMとも不満なく受信できます
 ・本機のようなオールドチューナーを何台も所有していますが
 ・定期的に入れ換えながらリスニングBGM用に使っています
 ・稼働する状態で保存する「動態保存」を心がけています

Ft40008

note BLUESS Laboratory


2024年5月19日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録21

 ・2024年3月、研究材料としてKT-1100Dの2台セットが届きました
 ・2台とも直せるか、それともニコイチ合体か、
 ・以下、作業記録です

Kt110005_20240519084801

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt110002_20240519084901Kt110011_20240519084901

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外観の状態は2台とも良好ですが、一方は脚が4個とも欠損しています
 ・そこで両機を識別するため「脚あり」「脚なし」と表記します

<上段:脚あり>
 ・電源コードの印字「1990」
 ・電源オン、表示部に周波数やインジケーターが明るく点灯
 ・表示部の文字欠けや輝度劣化はない
 ・AUTO選局上り方向 → すべての放送局を素通りして受信不可
 ・AUTO選局下り方向 → -0.2MHzの周波数で受信できる局あり
 ・シグナルインジケーターはほとんど点灯しない、受信感度低下
 ・一方AM放送は適当なループアンテナで受信確認OK
 ・FM受信で同調点ズレ、受信感度低下といった症状を確認しました

<下段:脚なし>
 ・電源コードの印字「1990」
 ・電源オン、表示部に周波数やインジケーターが明るく点灯
 ・表示部の文字欠けや輝度劣化はない
 ・AUTO選局上り下り方向とも本来の周波数ですべてのFM局を受信OK
 ・シグナルインジケーターはフル点灯しSTEREOランプも点灯
 ・RF DIRECTでも十分受信可能、各種機能切換OK、REC CALトーンOK
 ・AM放送も適当なループアンテナで受信確認OK
 ・脚が無いこと以外は特に不具合なさそうです

■内部確認--------------------------------------------------

<上段:脚あり>
 ・特記事項なし

<下段:脚なし>
 ・電源スイッチ後方にある小さな基板(X13-)が緑色の両面基板した
 ・それと電源スイッチが載った縦置き基板も緑色の両面基板でした
 ・今まで20台以上のKT-1100Dを見てきましたが緑色両面基板は初対面!

Kt110021_20240519085001Kt110031_20240519085001

■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V
 ★<上段:脚あり>TC1調整で反応が過敏で不安定
【検波調整】
 ・TP10~TP11 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV
 ・TP12~TP13 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R67左側 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz → L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64左側 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz → L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz 30dB → VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz SUB信号 → L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz → VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz → VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz → VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置

【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 → 電圧計セット
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

Kt110040_20240519084801

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換---------------

<上段:脚あり>
 ・VT電圧調整時、TC1の反応が過敏で電圧が安定しない
 ・そこでTC1/10pFを新品に交換しました
 ・再調整後はVT電圧がピタッと決まりました

Kt110034_20240519085001Kt110035

<下段:脚なし>
 ・調整作業を通して特に不具合は無かったのですが、
 ・上段機の事例を鑑みてTC1を予防交換しておきました

■試聴--------------------------------------------

 ・電源コードの印字はどちらも「1990」
 ・2台とも背面パネルにAMアンテナホルダーを取り付ける穴がない
 ・これは製造末期の個体の特徴です
 ・両機のシリアル番号を見比べてみると製造ラインは同じ
 ・<上段:脚あり> ******175
 ・<下段:脚なし> ******080 ※緑色両面基板
 ・末尾の個別番号はわずか95番違い
 ・それでも若い番号の個体だけ緑色の両面基板を採用
 ・どんな事情があったのでしょう?

Kt110041_20240519084801

Kt110003_20240519084801

2024年5月12日 (日)

KENWOOD KT-2020 修理調整記録5

 ・2024年3月、故障したKT-2020が研究材料として届きました
 ・KENWOODサービスに持ち込んだところ修理受付を断られたそうです
 ・会社の方針変更で製造12年以上の古い製品はもう受付できないとか
 ・ついにKENWOODサービスも、、
 ・他社のアフターサービスの状況を見ればこれは仕方がない事かも、、
 ・これまでのKENWOODサービスの良心的な対応に感謝します

Kt202004_20240512082001

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-2020 AM/FM STEREO TUNER ¥74,800
 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-2020 ¥74,800(1984年頃)
 ・輸出機 KENWOOD KT-990SD

Kt202002_20240512082101Kt202012

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からの事前情報>
 ・シグナルインジケーターの異常
  起動時、9本ある縦セグメントが中央から右横の赤色が点灯する
  3分程度した後、正常に中央セグメントが点灯する
 ・ステレオ受信ランプとレベルメーターが消灯
  15分弱の間、消灯が続きその後正常に戻る
  その間ステレオ受信ランプが点滅したり、ノイズ交じりの音が出る

<当方での確認事項1>
 ・外観はとても綺麗な状態で目立つキズなどはない
 ・電源コードが3Pインレットタイプに改造済み
 ・FMアンテナ端子がワンタッチタイプからネジ型に交換済み
 ・KENWOODサービスによって2018年に再調整されているようです
 ・FMアンテナを接続して受信テスト開始
 ・電源オン、表示部の周波数やインジケーター類が明るく点灯する
 ・表示部の文字欠け、輝度劣化などは感じられない
 ・MUTINGオフ、オート選局で名古屋地区のFM局を受信してみると、
 ・オート選局上り方向 → すべての放送局を素通りして受信不可
 ・オート選局下り方向 → -0.1MHzの周波数で受信OK
 ・このときズレた周波数ではSTEREOインジケーターしない
 ・手動選局で本来の周波数に合わせると縦インジケーターが右赤点灯
 ・IF BAND WIDE/NARROW 切換OK
 ・REC CALトーンOK
 ・適当なループアンテナでAM放送の受信テスト
 ・名古屋地区のAM放送局を受信できました。
 ・AM受信はOK、問題はFM同調点のズレかな、と思いつつ、
 ・再びFM受信に切換えると、あれ?今度はSTEREOランプが点灯している?
 ・不思議に思いつつ、別機のチェックのため30分ほどこのまま放置
 ・席に戻ってみるといつの間にか正常動作するようになっていました
 ・オート選局上り下り方向とも本来の周波数で停止します
 ・シグナルインジケーター中央点灯、STEREOインジケーター点灯
 ・ステレオ感ある良い音が聞こえてきます
 ・不思議な症状?と思いつつ名古屋地区のFM局をメモリ登録して電源オフ
<当方での確認事項2>
 ・気を取り直して翌日再起動してみると、
 ・何と、提供者様からお聞きした事前情報通りの動作が再現されました
 ・つまり本体が温まってくると正常動作になるという、という現象です

■内部確認--------------------------------------------------

 ・同梱されていたKENWOODサービスによる過去の修理記録によると、
 ・2018年4月に周波数ズレによる持込修理で再調整が施されています
 ・再調整からちょうど6年経過、そろそろズレてくる頃でしょうか

Kt2020_00

■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP1~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L7調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.7V
 ・90MHz → TC5調整 →25.0V±0.1V ※実測23.6V
【検波調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L13調整 → 0.0V±10mV
 ・TP5~GND DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L15調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3,L6調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1~TC4調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L5調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz,30dB受信 → VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 上段基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP16 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → VR12調整 → 76.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectraで観察
 ・83MHzSUB信号受信 → L27調整 → Lchレベル最大
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力 → Wavespectraで観察
 ・83MHzST信号受信 → L25,VR8調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHzMONO信号受信 → VR2:DET調整 → 高調波歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHzMONO信号受信 → VR3:MONO2調整 → 高調波歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHzMONO信号受信 → VR6:MONO3調整 → 高調波歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHzL/R信号受信 → VR5調整 → 高調波歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHzSUB信号受信 → VR7調整 → 高調波歪最小
【歪調整6 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHzMAIN信号受信 → VR4調整 →高調波 歪最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHzR信号受信 → VR10調整 → L信号もれ最小
 ・83MHzL信号受信 → VR11調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHzST信号受信 → VR9調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz100%変調信号受信 → 上段基板VR1調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L22調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC9調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L24調整 → Sメーター最大

Kt202030

■修理記録:トリマコンデンサ交換----------------------------

 ・起動時もその後内部が温まった後も正常に受信しています
 ・当初の不具合症状は再調整によって解消したと思いますが、
 ・でも最近の事例ではトリマコンデンサ劣化による不具合が多発しています
 ・そこでフロントエンドのTC1~TC5(10pF)を全数予防交換しました
 ・交換後に再々調整して作業完了しました

Kt202020_20240512082401Kt202022_20240512082401Kt202024Kt202025Kt202028_20240512082401

■試聴------------------------------------------------------

 ・上記修理後1週間に渡って毎日動作確認を行いました
 ・入手当初の不具合は発生することなく正常動作しています
 ・トリマコンデンサ交換時にフロントパネルを分解して内部清掃しました
 ・周波数窓の透明度が上がって表示部がクッキリ見えます
 ・貫禄ある佇まいは製造から40年が経過した製品とは思えませんね
 ・これからも大切に使っていきたい機種です

Kt202003_20240512082001

■→ note:BLUESS Laboratory

2024年5月 5日 (日)

ONKYO Integra T-427

 ・2024年3月、オンキョー製チューナーの故障品が届きました
 ・実はT-427は初体験機種なので興味津々、、
 ・以下、作業記録です

T42703

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-427 ¥49,800(1981年9月頃)

T42702T42714

■動作確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネルに目立つキズは無く保存状態はとても良い
 ・背面パネルの端子類もピカピカ光沢あり
 ・ボディも背面パネルも既に清掃済みのようです
 ・電源オン、Dメーター照明と赤い指針照明点灯
 ・SメーターとTメーターの照明が点灯しない
 ・IF BAND切換のうち WIDE を示すインジケーターの一方が点灯しない
 ・さて、FMアンテナを接続して名古屋地区の放送局で受信テスト開始
 ・僅かに周波数ズレがあるが名古屋地区のFM局をすべて受信できました
 ・TUNED、LOCKインジケーター点灯、STEREOインジケーター点灯
 ・ただSメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・続いて適当なループアンテナを接続してAM放送の受信確認
 ・電球切れ以外は大きな故障はなさそうです

■内部確認--------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン搭載
 ・uPC1167C2
 ・HA12016
 ・HA1197

T42723T42724T42725T42727T42729
T42700

■修理記録:照明電球交換-------------------------------------

 ・3連メーターの裏側にフィラメント電球が3個並んでいました
 ・長さ28mm、供給電圧=AC7.2v(実測値)このうち2個が切れていました
 ・ジャンク箱を探したところ同型の電球が基板ごと残っていました
 ・Lo-D FT-420 という機種に使われていた照明電球です
 ・オリジナルの青色カバーを付け替えて電球を交換しました
 ・T6×30タイプの電球ならたくさんあるので次はソケット化するか、
 ・それよりLED化を考えた方が良いですね

T42745T42770

■修理記録:WIDEインジケーター電球交換-----------------------

 ・切れているLEDを確認しようとインジケーター基板を外してビックリ!
 ・てっきりLEDだと思ったら意外にもフィラメント電球が並んでいました
 ・LOCKEDやTUNED、STEREOインジケーターもフィラメント電球でした
 ・電球の在庫は大量に保管しているので適合品を探したところ
 ・KENWOOD L-01T から取り外した電球がピッタリサイズでした
 ・ただ明るさが微妙に異なったのでWIDE両側とも交換しました
 ・交換作業後、電球を載せた基板をボディにセットするときは要注意です
 ・電球がすっぽり入る丸い穴への収め方が結構難しいです
 ・電球が上下に動くように足長に余裕が無いと上手く収まりません
 ・将来LED化するとき、LEDの硬い足では苦戦しそうな予感です

T42748T42750

■調整記録--------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・固定出力端子 → オシロスコープ接続
 ・83.0MHz受信 → 波形を見ながら最良ポイントを探す
 ・TP102~TP103 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → L102調整 → 電圧ゼロ
 ・TP T.METER → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → R515調整 → 電圧ゼロ
【OSC調整】
 ・76.0MHz受信 → L004調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz受信 → TC004調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・BOOSTER → IN
 ・IF BAND → NARROW
 ・76.0MHz受信 → L001,002,003調整 → Sメーター最大
 ・90.0MHz受信 → TC001,002,003調整 → Sメーター最大
 ・83.0MHz受信 → L006,T101調整 → Sメーター最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・TP102~TP103 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz受信 → L103調整 → 高周波歪最小
 ・83.0MHz受信 → L102調整 → 電圧ゼロ ※確認のみ
【VCO調整】
 ・TP201 → 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz無変調 → R212調整 → 76.0kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83.0MHz,ST → R203 → 反対ch漏れ信号最小
【変調度調整】
 ・83.0MHz,ST → R228 → DIVIATIONメーター 100%
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → L152,L151調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC005,TC004調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → L153調整 → Sメーター最大
 ・1000kHz受信 → R172調整 → Tメーター中点

T42771

■試聴------------------------------------------------------

 ・薄型ボディ、素敵なフロントデザインに仕上がっていると思います
 ・周波数窓の電球色とインジケーターの形状や色合いがイイ感じです

T42709

« 2024年4月 | トップページ | 2024年6月 »