フォト
2024年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

チューナー関連リンク

« ONKYO Integra T-427 | トップページ | KENWOOD KT-1100D 修理調整記録21 »

2024年5月12日 (日)

KENWOOD KT-2020 修理調整記録5

 ・2024年3月、故障したKT-2020が研究材料として届きました
 ・KENWOODサービスに持ち込んだところ修理受付を断られたそうです
 ・会社の方針変更で製造12年以上の古い製品はもう受付できないとか
 ・ついにKENWOODサービスも、、
 ・他社のアフターサービスの状況を見ればこれは仕方がない事かも、、
 ・これまでのKENWOODサービスの良心的な対応に感謝します

Kt202004_20240512082001

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-2020 AM/FM STEREO TUNER ¥74,800
 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-2020 ¥74,800(1984年頃)
 ・輸出機 KENWOOD KT-990SD

Kt202002_20240512082101Kt202012

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からの事前情報>
 ・シグナルインジケーターの異常
  起動時、9本ある縦セグメントが中央から右横の赤色が点灯する
  3分程度した後、正常に中央セグメントが点灯する
 ・ステレオ受信ランプとレベルメーターが消灯
  15分弱の間、消灯が続きその後正常に戻る
  その間ステレオ受信ランプが点滅したり、ノイズ交じりの音が出る

<当方での確認事項1>
 ・外観はとても綺麗な状態で目立つキズなどはない
 ・電源コードが3Pインレットタイプに改造済み
 ・FMアンテナ端子がワンタッチタイプからネジ型に交換済み
 ・KENWOODサービスによって2018年に再調整されているようです
 ・FMアンテナを接続して受信テスト開始
 ・電源オン、表示部の周波数やインジケーター類が明るく点灯する
 ・表示部の文字欠け、輝度劣化などは感じられない
 ・MUTINGオフ、オート選局で名古屋地区のFM局を受信してみると、
 ・オート選局上り方向 → すべての放送局を素通りして受信不可
 ・オート選局下り方向 → -0.1MHzの周波数で受信OK
 ・このときズレた周波数ではSTEREOインジケーターしない
 ・手動選局で本来の周波数に合わせると縦インジケーターが右赤点灯
 ・IF BAND WIDE/NARROW 切換OK
 ・REC CALトーンOK
 ・適当なループアンテナでAM放送の受信テスト
 ・名古屋地区のAM放送局を受信できました。
 ・AM受信はOK、問題はFM同調点のズレかな、と思いつつ、
 ・再びFM受信に切換えると、あれ?今度はSTEREOランプが点灯している?
 ・不思議に思いつつ、別機のチェックのため30分ほどこのまま放置
 ・席に戻ってみるといつの間にか正常動作するようになっていました
 ・オート選局上り下り方向とも本来の周波数で停止します
 ・シグナルインジケーター中央点灯、STEREOインジケーター点灯
 ・ステレオ感ある良い音が聞こえてきます
 ・不思議な症状?と思いつつ名古屋地区のFM局をメモリ登録して電源オフ
<当方での確認事項2>
 ・気を取り直して翌日再起動してみると、
 ・何と、提供者様からお聞きした事前情報通りの動作が再現されました
 ・つまり本体が温まってくると正常動作になるという、という現象です

■内部確認--------------------------------------------------

 ・同梱されていたKENWOODサービスによる過去の修理記録によると、
 ・2018年4月に周波数ズレによる持込修理で再調整が施されています
 ・再調整からちょうど6年経過、そろそろズレてくる頃でしょうか

Kt2020_00

■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP1~GND DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L7調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.7V
 ・90MHz → TC5調整 →25.0V±0.1V ※実測23.6V
【検波調整】
 ・TP3~TP4 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L13調整 → 0.0V±10mV
 ・TP5~GND DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L15調整 → 0.0V±10mV
【RF調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3,L6調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1~TC4調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64右側端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L5調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz,30dB受信 → VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・83MHz(1kHz,100%変調,80dB) → 上段基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP16 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → VR12調整 → 76.00kHz±50Hz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectraで観察
 ・83MHzSUB信号受信 → L27調整 → Lchレベル最大
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力 → Wavespectraで観察
 ・83MHzST信号受信 → L25,VR8調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHzMONO信号受信 → VR2:DET調整 → 高調波歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHzMONO信号受信 → VR3:MONO2調整 → 高調波歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHzMONO信号受信 → VR6:MONO3調整 → 高調波歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHzL/R信号受信 → VR5調整 → 高調波歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHzSUB信号受信 → VR7調整 → 高調波歪最小
【歪調整6 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHzMAIN信号受信 → VR4調整 →高調波 歪最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHzR信号受信 → VR10調整 → L信号もれ最小
 ・83MHzL信号受信 → VR11調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHzST信号受信 → VR9調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz100%変調信号受信 → 上段基板VR1調整 → 100%位置
【AM簡易調整】
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L22調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC9調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L24調整 → Sメーター最大

Kt202030

■修理記録:トリマコンデンサ交換----------------------------

 ・起動時もその後内部が温まった後も正常に受信しています
 ・当初の不具合症状は再調整によって解消したと思いますが、
 ・でも最近の事例ではトリマコンデンサ劣化による不具合が多発しています
 ・そこでフロントエンドのTC1~TC5(10pF)を全数予防交換しました
 ・交換後に再々調整して作業完了しました

Kt202020_20240512082401Kt202022_20240512082401Kt202024Kt202025Kt202028_20240512082401

■試聴------------------------------------------------------

 ・上記修理後1週間に渡って毎日動作確認を行いました
 ・入手当初の不具合は発生することなく正常動作しています
 ・トリマコンデンサ交換時にフロントパネルを分解して内部清掃しました
 ・周波数窓の透明度が上がって表示部がクッキリ見えます
 ・貫禄ある佇まいは製造から40年が経過した製品とは思えませんね
 ・これからも大切に使っていきたい機種です

Kt202003_20240512082001

■→ note:BLUESS Laboratory

« ONKYO Integra T-427 | トップページ | KENWOOD KT-1100D 修理調整記録21 »

ピュアオーディオ」カテゴリの記事

コメント

Bluesss様
その節はありがとうございました。
メーカーに断られてどうしようかと思っていたところです。
改めてBlogを読むと、細かいところまでメンテナンスしていただいたのですね。
お陰さまで現在も快適に受信できており、大事に使って行こうと思っています。
また機会があればよろしくお願いします。

KT-2020が無事に動作しているようで安心しました。
またお役に立てることがあればまたご連絡ください。

Bluesss様
いつも拝見させて頂いております。
YAMAHAのTX-2000とテクニクスのST-9030
を調整して頂きたいのですが可能でしょうか?

Bluess様
こんばんは。
Kenwoodのメリハリのあるサウンドが好きで、
1100D・7020.1010FのUSEDを購入し使用していましたが、
いずれも蛍光管の表示欠け・同調ずれが起きました。
Bluess様のサイトを参考にして再生したチューナもありましたが、
しばらくすると他が故障して今はすべて処分してしまいました。
どこのメーカーもなぜか必ずウイークポイントがありますね。
設計の悪さもあるのでしょうけどコストや生産性も要求されますもんね。

まぁしかし、30年~40年と使えば人間も劣化しますからね…
ケアを行うことが当たり前といえばその通りですよね。
ケアすることで再生できるのは、逆に見れば優れた設計ともいえますよね。
  
※70年落ちの私は各部の劣化・摩耗が激しく、交換部品!入手不可とか(笑)。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ONKYO Integra T-427 | トップページ | KENWOOD KT-1100D 修理調整記録21 »