Aurex ST-F15
・2024年6月、オーレックスST-F15を寄付していただきました
・これはオーディオタイマーか? と錯覚する小さなボディです
・初めて触れる機種なので興味津々、、
・以下、内部点検から調整整備までの記録です
■製品情報--------------------------------------------------
・オーディオの足跡 Aurex ST-F15/ST-F15K ¥62,000(1978年頃)
・ST-F15K → ブラックモデル
・Hifiengine Toshiba ST-F15 Digital Synthesizer FM Stereo Tuner
■動作確認--------------------------------------------------
・幅257x高54x奥行196mm、Technics製コンサイスコンポ並みのミニサイズ
・小さなサイズの割に重量が2.2kgとズッシリ重い
・シンプルなフロントパネルには小さな操作ボタンが整然と配置される
・リアパネルはさらに超シンプルでアンテナと音声端子のみ
・そうか、FM専用機だからAMアンテナ端子は無いんだ、、
・さて、FMアンテナを接続して電源オン、ディスプレイ部が点灯
・[UP][DOWN]ボタンを操作して名古屋地区のFM局を受信できました
・シグナルインジケーターフル点灯、STSREOインジケーターも点灯
・周波数の数値もインジケーターもすべて緑一色の表示
・[REC CAL]ボタンでテストトーンが聞こえる
・特に不具合は無さそうです
■選局方法--------------------------------------------------
・あれこれ試行錯誤を経て4種類の選局方法を理解しました
・特にダイレクト選局が面白い機能です
【マニュアル選局】
・[UP][DOWN]ボタンをクリックするびに周波数が上下する
・目的の周波数になるまで何度もクリックする
【オート選局】
・[AUTO]ボタン押す → AUTO LED 点灯
・[UP][DOWN]ボタンワンクリック → オート選局開始
・放送局を見つけると自動停止 → AUTO LED 消灯
【ダイレクト選局】
・[MANU]ボタン押す → 周波数を直接入力で指定する
・[1]~[0]ボタンで希望周波数を入力
・例えば[82.5MHz]の場合 → [8][2][5]
【メモリ選局】
・[MEMO][AUTO]ランプ消灯状態で[1]~[0]ボタンを押す
・ボタンにプリセットされた周波数に同調する
■内部確認--------------------------------------------------
・フロントエンド 5連バリキャップ式、コイルとトリマで調整可能
・IFバンド切換機能なし
・HA11225:クアドラチュア検波
・TA7624P:PLL MPX
・R120:Sメーター点灯調整
・R224:VCO調整
・表示部はよくある水色のFL管
・それを緑色アクリル板を通して緑色表示にしている
■調整記録--------------------------------------------------
【FM同調点調整】
・R113両端 → 電圧計セット
・83.0MHz受信 → T101赤コア調整 → 電圧ゼロ
【VT電圧調整】
・R014 → 電圧計セット
・表示部90.0MHz → C025調整 → 10v
・表示部76.0MHz → T006調整 → 3.9v(3.0v~4.0vならOK)
【RF調整】
・R120 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
・76.0MHz受信 → T001,T002,T003,T004調整 → 電圧最大
・90.0MHz受信 → C021,C022,C023,C024調整 → 電圧最大
・上記手順を数回繰り返す
【IF調整】
・R120 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
・83.0MHz受信 → T005調整 → 電圧最大
【検波調整】
・TP R113両端 → 電圧計セット
・音声出力 → WaveSpectra接続
・83.0MHz受信 → T101赤コア調整 → 電圧ゼロ
・83.0MHz受信 → T101青コア調整 → 高調波歪最小
・上記手順を数回繰り返す
【Sメーター調整】
・83.0MHz 60dB受信 → R120調整 → インジケーターフル点灯
【VCO調整】
・TP R205 → 周波数カウンター接続
・83.0MHz 無変調受信 → R224調整 → 76kHz
※76kHzが上手く確認できません
※代わりの調整法としてR224を左右に大きく回す
※STEREOインジケーターが点灯するR224の範囲を特定する
※その範囲の中点にR224を設定する
※セパレーション調整VRが無いのが最大の残念ポイント!
■試聴------------------------------------------------------
・一見するとオーディオタイマーと見間違えそうな外観ですが
・こんな小さなボディに5連バリキャップを詰め込んでいます
・さらに外装はぶ厚いアルミ材で包まれて高級感+シンプル感が漂う
・さすが、定価62,000円の高級機です
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