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2024年10月の記事

2024年10月27日 (日)

TRiO KT-1010 修理調整記録6

 ・2022年10月記事(KT-1010 2台セット)の続報です
 ・部品取り機にするつもりで修理を見送ったジャンク機ですが
 ・活用方法ができたのでキチンと修理しました
 ・捨てずに持っていると、やはりイイことがあります

Kt101002_20241027083601

■製品情報--------------------------------------------------
 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1010 ¥59,800(1983年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD BASIC T2 AM/FM Stereo Tuner (1983-85)

Kt101010Kt101011

■動作確認--------------------------------------------------
<当初の記録>
 ・外観は擦り傷や経年の汚れが目立つ打致命傷はない
 ・FM受信するとオート選局上り下りとも-0.1MHzの周波数で受信OK
 ・ズレた周波数でSTEREOインジケーター点灯
 ・AMは適当なループアンテナで名古屋地区のAM局を受信できました
 ・AMもIF BAND切換(WIDE/NARROW)可能です
 ・問題はFM同調点のズレですね

■内部確認--------------------------------------------------
<当初の記録>
 ・基板全体がグラグラする???原因は??
 ・基板をシャーシに固定するネジが逆向きでした
 ・つまり底面からねじ込まれていて基板を全く固定できていない
 ・これは基板を分解した先人がいますね

Kt101000

■仮調整----------------------------------------------------
<当初の記録>
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 電圧計セット
 ・83MHz → L11調整 → 実測-1.3vまで
 ※L11を回しても 0v に調整できない
 ※L11の内蔵コンデンサが死んでいる
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 電圧計セット
 ・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測1.85v

■修理記録:L11 内蔵コンデンサ交換---------------------------
 ・2年ぶりに通電しても症状は同じだったのでL11を修理しました
 ・L11コイルを取り外して内蔵コンデンサを除去
 ・代わりに100pFコンデンサを外付けで追加
 ・L11調整で電圧ゼロに設定できました
 ・ただL11コアが上部に少し飛び出した状態になりました
 ・100pFよりもう小さめの容量が良かったかも

Kt101021_20241027083801Kt101023_20241027083801Kt101024Kt101025Kt101026

■調整記録--------------------------------------------------
【VT電圧】
 ・TP8~TP9 電圧計セット
 ・76MHz → L7調整 → 7.0v
 ・90MHz → TC5調整 → 23.0v
【RF調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz → TC1,TC2,TC3 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 電圧計セット
 ・83MHz → L11調整 → 0v 修理前実測-1.3v
【FM WIDE-NARROWレベル調整】
 ・LA1231-13pin → 電圧計セット
 ・83MHz(WIDE) → L5,L8調整 → 電圧最大
 ・83MHz(NARROW) → VR1調整 → WIDE受信時と同じ
【PLL検波調整】
 ・TP3~TP4 電圧計セット
 ・83MHz → L13調整 → 0v ※調整前実測525mV
 ・83MHz → VR8調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP7 周波数カウンタセット
 ・83MHz → VR3調整 → 76kHz
 ※VR3を回してSTEREOランプが点灯する範囲の中点へ
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR4,L21調整 → 19kHz最小へ
【セパレーション調整】WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → VR5調整 → Lch
 ・83MHz → VR6調整 → Rch
【セパレーション調整】NARROW
 ・83MHz → VR7調整 → 左右ch
【DCC歪補正】
 ・MONO WIDE受信 → VR9 → 高調波最小
 ・MONO NARROW受信 → VR10 → 高調波最小
 ・STEREO WIDE受信 → VR11 → 高調波最小
 ・STEREO NARROW受信 → VR12 → 高調波最小
【FMミューティング調整】
 ・83MHz → VR2調整 → Muting作動位置へ
【AM VT電圧】
 ・TP8~TP9 電圧計セット
 ・522kHz → L19調整 → 2.0v
 ・1629kHz → TC7調整 → 20.0v
【AM RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・729kHz NHK第一受信 → L18 → レベルメーター最大へ
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC6 → レベルメーター最大へ
 ・1053kHz CBCラジオ受信 → L20 → レベルメーター最大へ

Kt101030_20241027083601

■試聴------------------------------------------------------
 ・シンセ機なのにバリコン機同様の電球照明が使われています
 ・その照明が温かみのあるフロントフェイスを演出していてイイ感じです
 ・TRIO機としては中級クラスの製品ですが今でも十分使えます
 ・Wide側で聞くAM放送も良い音です

Kt101001

note BLUESS Laboratory

2024年10月20日 (日)

TRIO KT-8300 修理調整記録9

 ・2024年9月、KT-8300の故障機が届きました
 ・全区間でバリバリノイズ、まともに音が聞こえません
 ・久しぶりの本格ジャンク機でした

Kt830003_20241020085701

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-8300 ¥63,000(1978年発売)
 ・Hifi engine Kenwood KT-815 AM/FM Stereo Tuner (1979-80)

Kt830002_20241020085301 Kt830009_20241020085301

■動作確認--------------------------------------------------

 ・ボディに多少の擦り傷あるもののフロントパネルはまずまずの状態
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓と二つのメーターが照明に浮かび上がる、電球切れは無い
 ・名古屋地区のFM局で受信テスト開始するも
 ・76~90MHz全区間で激しいバリバリノイズしか聞こえない
 ・Sメーターは放送局周波数付近で大きく振れるが
 ・Tメーターは中点から右側だけで変な振れ方をする
 ・しかし出てくる音は激しいノイズだけ
 ・局間ノイズとは違ったバリバリという音です
 ・固定/可変出力端子、マルチパスH端子も同じ状態
 ・STEREOインジケーター点灯しない
 ・LOCKEDインジケーターは淡く点灯したまま
 ・プッシュボタンのロック機構が壊れたスイッチ2個
 ・IF BAND → 常時WIDEの状態、NARROWへの切換不可
 ・LOCK → 常時ONの状態、OFFへの切換不可

■内部確認--------------------------------------------------

 ・KENWOODサービスによる修理歴シールはありませんが、
 ・LA1222、HA1137W、HA11223Wの足は既に磨いた痕跡ありました
 ・Tメーターの振れ方がおかしいのでFM同調点を仮調整してみました
 ・HA1137W-13pin:Sメーター電圧は正常に反応している
 ・83.0MHzを受信しながらSメーター最大点でT2調整 → 調整OK
 ・HA1137W-6pin:クアドラチュア検波の受信音がキレイに聞こえました
 ・つまりフロントエンド~IF回路~HA1137Wまでは生きています
 ・やはり故障個所はパルスカウント検波回路ですね

Kt830000_20241020085701

■修理記録:パルスカウント検波回路FL3修理-------------------

 ・IF回路までは正常、でも出てくる音が酷いノイズだらけ
 ・パルスカウント検波機で頻繁に遭遇したフィルター故障が怪しそうです
 ・試しにFL3(L79-0080-05)を外して前後の回路を直結してみたところ、、
 ・期待通り音声端子からFM受信音が聞こえてきました
 ・FL3をバイパスしたので高調波が多い音ですがそれでも一歩前進
 ・FL3裏面に埋め込まれた内蔵コンデンサ3個のうち2個が真っ黒に変色
 ・対策としてこの真っ黒コンデンサを除去してハンダ面に外付け
 ・細い配線を切断にはデザイン用の先の細いカッターナーフを使用
 ・代わりにハンダ面にコンデンサ2個(68pF,68pF)を追加
 ・これで固定/可変端子からパルスカウント検波音が聞こえてきました

Kt830020_20241020085401 Kt830021_20241020085401 Kt830023_20241020085401 Kt830024_20241020085501 Kt830025_20241020085401

■修理記録:HA11223W交換-----------------------------------

 ・さてバリバリノイズが解消してFM音声が聞こえるようになりましたが、
 ・次なる不具合はSTEREOランプが常時点灯、Lchの音量が小さいこと
 ・HA11223W 5pin(Lch)と6pin(Rch)で既にレベル差がありました
 ・またVCO調整でVR5を回しても76kHzが観測できません
 ・IC自体の故障を疑って手持ちの新品HA11223Wに交換しました
 ・交換によって左右のレベル差は解消しましたがVCO調整不可

■修理記録:C58 1000pF 交換---------------------------------

 ・VCO調整で76kHzが観測できないので周囲のコンデンサを調べたところ
 ・C58スチコン(1000pF)が7.6Ωの抵抗と化していました
 ・これを積層セラミックコンデンサ(102)に交換すると
 ・VCO調整OK、ステレオ分離が復旧しました。
 ・STEREOランプの点灯具合も正常化
 ・セパレーション調整まで完了できました

Kt830030_20241020085501 Kt830031_20241020085501 Kt830032_20241020085501 Kt830033_20241020085501  

■調整記録------------------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCA1,TCA2,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
【Tメーター調整1】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO → T2調整 → Tメーター中点
【Tメーター調整2】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO サーボロックON → VR10調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → VR4調整 → Sメーター「目盛り4.8」
【WIDE GAIN調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO NARROW受信 → Sメーター目盛り位置を確認
 ・83MHz MONO WIDE受信 → VR1調整 → SメーターNARROWと同じ位置
【DISTORTION調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → L8(フロントエンド内)調整 → 歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・R91左足 → 周波数カウンタセット
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → T6調整 → 1.96MHz
【MUTING調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 30dB
 ・83MHz MONO → VR2調整 → MUTING開始位置確認
【VCO調整】
 ・R97後足 → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 60dB Pilot信号
 ・83MHz ST受信 → VR6調整 → 19kHz信号最小
【WIDE セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz WIDE Rch → VR7調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz WIDE Lch → VR8調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz NARROW L/R → VR9調整 → 反対chへの漏れ信号最小

Kt830040_20241020085701

■試聴---------------------------------------------------------------

 ・本機にはFL3以外にも内蔵コンデンサを持ったフィルターが多数あります
 ・過去にはこれらのフィルター故障の事例がありました
 ・またいつか、別のノイズ問題が起きそうな予感がします
 ・古い機種を使い続けるとき避けられない問題です
 ・なお、ロックできないボタンは実害がないのでこのままとしました

Kt830004_20241020085701

note:BLUESS Laboratory

2024年10月13日 (日)

Victor FX-711 修理調整記録8

 ・2024年8月、FX-711の修理調整作業を承りました
 ・以下、作業記録です

Fx71105

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 VICTOR FX-711 ¥49,800(1987年頃)
 ・オーディオ懐古録 Victor FX-711 ¥49,800
 ・Hifi Engine JVC FX-1100 FM/AM Computer Controlled Tuner
 ・FX-711 取扱説明書 PDF形式

Fx71102_20241013082601Fx71110

■動作確認--------------------------------------------------

【提供者様からの事前情報】
 ・FM放送が受信できない
 ・フロントエンドのトリマコンデンサ5個交換済み
【当方での確認事項】
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・表示部が明るく点灯、輝度劣化や文字欠けは見当たらない
 ・オート受信で名古屋地区のFM局をすべて素通りして受信不可
 ・マニュアル選局で周波数を合わせても全く受信しない
 ・REC CALトーンは聞こえる
 ・AMはオート選局で名古屋地区のAM局受信OK

■内部確認--------------------------------------------------

 ・事前情報通りフロントエンドのトリマコンデンサTC101~TC105交換済み
 ・それ以外の修理痕は見当たらない
 ・所定の電圧チェック → 異常なし
   ・Q801-E(+30V)→ +29.1V
   ・Q803-E(+12V)→ +11.6V
   ・Q808-E(-12V)→ -12.2V
   ・Q805-E( +5V)→ + 5.1V
   ・J705-3pin(+5.6V)→ +5.7V ※電源基板
   ・J705-5pin(-35V) →-34.1.V ※電源基板
 ・これで受信できないという事は、、どこか部品故障か??

Fx71100_20241013082501

■受信できない原因はVT電圧の調整ズレ------------------------

 ・下記調整手順に従って受信調整を始めたところVT電圧に異常発見
 ・83MHz以上で28vを示して変化しない、、
【VT電圧】
  ・TP101 DC電圧計セット
  ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V  ★13.4v
  ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V ★28.8v
 ・TC105をそっと回してみると規定電圧(22.0v)にセットできました
 ・同時に下限76MHzでも7.5vに合わせることが出来ました
 ・続くRF調整を経てFM放送を受信できるようになりました
 ・たぶんトリマコンデンサ5個は交換だけで未調整だったようです

Fx71121_20241013082501

■修理記録:ステレオにならない------------------------------

【症状】
 ・調整作業を進める中で次なる不具合を発見
 ・STEREOインジケーターが点灯しない、実際のステレオ感も無い
 ・モノラル音声としては良い音が出ている
 ・不意にSTEREOインジケーターが点灯する瞬間があるが
 ・その時の音は激しい高調波歪が被った酷い音になる
【原因と対策】
 ・PLL検波までは正常、ステレオにならないのは原因はMPX回路か?
 ・いつもならVCO調整VRを回してみるところですが本機は無調整回路
 ・そこでCF401(456kHz)を調べてみると、何と発振していない!
 ・これを同等品セラロックに交換
 ・これによってSTEREOインジケーター点灯、ステレオ音声OK
 ・後続の左右セパレーション調整も完了できました
 ・下記調整手順に従って再度調整作業を行って完全復活しました

Fx71125_20241013082501

■調整記録--------------------------------------------------

●FM部
【VT電圧】
 ・TP101 DC電圧計セット
 ・受信周波数 76MHz → L151調整 → 7.5V±0.1V
 ・受信周波数 90MHz → TC105調整 → 22.0V±0.1V
 ・上記作業を数回繰り返す
【RFトラッキング調整】
 ・VR602 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・76MHz 40dB → L103,L104,L105,L106調整 → 電圧最大
 ・90MHz 40dB → TC101,TC102,TC103,TC104調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 40dB → T101調整 → 電圧最大
【PLL検波 VCO調整】
 ・TP104 周波数カウンタ接続
 ・受信バンド切替 → AM
 ・何も受信しない状態 → T208粗調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・何も受信しない状態 → T208微調整 → 10.7MHz±0.01MHz
 ・受信バンド切替 → FMに戻す
【FM dB表示調整】
 ・83MHz 70dB → VR602調整 → 表示70dB
 ・83MHz 30dB → VR601調整 → 表示30dB
 ・上記作業を数回繰り返す
【モノラル歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T204(黒)調整 → モノラル歪最小
【ステレオ歪調整:WIDE】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T202(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【ステレオ歪調整:NARROW】
 ・IF BAND=NARROW
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → T201(黒)調整 → ステレオ歪最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【FM同調点調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・TP103 DC電圧計セット
 ・83MHz 70dB → T206調整 → 0V±1.5mV
【MUTINGレベル調整】
 ・MUTING=ON
 ・83MHz 20dB → VR604調整 → MUTING作動確認
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR401調整 → Lchもれ最小
 ・83MHz 70dB → VR402調整 → Rchもれ最小
 ・QSCインジケーターが点灯していないことを確認
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・音声出力をWaveSpectra接続
 ・83MHz 70dB → VR403調整 → 19kHzもれ最小
 ・左右chのバランスに注意
【REC CAL調整】
 ・83MHz 70dB → 通常受信で出力レベル記録
 ・83MHz 70dB → VR404調整 → 上記記録-6dBに設定
 ・TONE 477Hz
●AM部
【VT電圧】
 ・TP102 DC電圧計セット
 ・受信周波数 522kHz → L302調整 → 1.8V±0.1V 実測1.8V
 ・受信周波数1629kHz → TC302調整 → 22.0V±0.1V 実測19.9V
 ・上記作業を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・VR603 → 電圧計セット ※Sメーター電圧測定
 ・ 729kHz(NHK第一)受信 → L301調整 → 電圧最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TC301調整 → 電圧最大
 ・上記作業を数回繰り返す
【AM dB表示調整】
 ・999kHz 90dB送信 → VR603調整 → ※AMのdB値は適当

Fx71130_20241013082501

■試聴------------------------------------------------------

 ・本機のシグナルメーターはdB数値を表示するタイプですが、
 ・これがなかなか正確な値を示します
 ・上下2点調整するので30dB~70dBの範囲内は数値をほぼ信用できます
 ・ちゃんと調整すれば自宅の電波強度を調べるツールとして使えます
 ・その意味では貴重品です

Fx71103_20241013082501

note:BLUESS Laboratory

2024年10月 6日 (日)

KENWOOD KT-5020 修理調整記録2

 ・2024年6月、KT-5020の点検作業を承りました
 ・特に不具合はないが今後も長く使うために、とのご要望です
 ・以下、作業記録です

Kt502005

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-5020 ¥30,000(1991年頃)
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-5020 Stereo Tuner (1989-92)

Kt502002Kt502009

■動作確認-------------------------------------------------

 ・電源投入OK、表示部点灯。文字欠けや文字痩せは見られない。
 ・バーグラフ式のシグナルメーター点灯
 ・オート選局上り下り方向とも周波数ズレなく受信OK
 ・STEREOランプ点灯、IF BAND WIDE/NARROW 切換OK
 ・手持ちのAMループアンテナでAM放送受信確認
 ・基本的な動作は正常、深刻な故障個所は無さそうです

■内部確認-------------------------------------------------

 ・4連バリキャップフロントエンド
 ・WIDE/NARROW切替式IF
 ・DLLD PLL検波
 ・LA1266 AM/FM Tuner System
 ・LA3401 VCO Non-Adjusting PLL FM MPX

Kt5020_00

■調整記録-------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
【VT電圧】
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L7調整 → ※実測 2.6V
 ・90MHz → TC1調整 →※実測22.1V
【FM同調点調整】
 ・TP7~TP8 DC電圧計セット
 ・83MHz,80dB受信 → L19調整 → 電圧ゼロ
【フロントエンド調整】
 ・VR1 → DC電圧計セット=Sメーター電圧
 ・83MHz,40dB受信 → L1,L2,L3,L6調整 → 電圧最大
【PLL検波調整】
 ・TP9~TP10 DC電圧計セット
 ・83MHz,80dB受信 → L22調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz,80dB受信 → VR4調整 → 高調波歪最小
【S METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz,80dB受信 → VR1調整 → バーグラフの点灯レベル調整
 ※注意:この調整によってMUTINGレベルも変化する
【SEPARATION調整】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz,ST信号 → VR3調整 → 信号もれ最小
【AM簡易調整】
 ・TP5~TP6 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・ 531kHz → L18調整 → ※実測 1.6V
 ・1602kHz → TC5調整 → ※実測 8.2V
 ・VR2 → DC電圧計セット= AM Sメーター電圧
 ・ 603kHz → L16調整 → 電圧最大
 ・1395kHz → TC3調整 → 電圧最大
 ・ 999kHz → L20調整 → 電圧最大
 ・VR2調整 → AM Sメーター点灯レベル調整

Kt502010

■試聴------------------------------------------------------

 ・故障個所はなく、再調整だけで良い性能を取り戻しました
 ・歪補正回路やアクセサリー機能を省略したローコスト機ですが
 ・でもDLLD搭載の実力機です
 ・これで当分は安心してお使いいただけると思います

Kt502003

note:BLUESS Laboratory

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