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2025年4月の記事

2025年4月27日 (日)

TRiO KT-990 修理調整記録13

 ・2025年4月、KT-990の故障機が届きました
 ・事前情報通り定番の不具合症状満載でした
 ・以下、復活までの作業記録です

Kt99004_20250427085601

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-990 53,800円(1982年発売)

Kt99002_20250427085401Kt990190

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れがあるものの目立つキズは無い
 ・電源オン、フロントパネル照明点灯、指針照明が点灯
 ・選局ツマミを回すと回転フィーリングがかなり重い
 ・原因はフロントパネルが前傾して選局ツマミと接触していること
 ・これはKT-990/KT-900で頻繁に遭遇する不具合事例です
 ・フロントパネルを指で支えながら名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・82.5MHzのNHK-FM(名古屋)を82.4MHz付近で受信
 ・ズレた位置でSメーター点灯、Tメーターインジケーター点灯
 ・指針が82MHz辺りで引っ掛かる、それより低い周波数へ移動できない
 ・たぶんフロントパネル内の金属フレームが歪んでいるみたい
 ・83MHz~90MHz区間は正常に移動する
 ・MUTINGオフで指針を移動すると局間ノイズに激しい雑音が混入する
 ・バリコン軸の軸受部が錆びついている感じです
 ・付属AMループアンテナを接続して名古屋のAM局を受信テスト
 ・Sメーターがフル点灯しAM放送を受信OK

■内部確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネルが前傾する原因は重量級アンプ等を上に載せたこと
 ・重量に耐え切れずフロントパネルとボディを繋ぐプラ部品が破損
 ・これはKT-900/KT-990定番の破損個所なので修復可能
 ・次にフロントエンド内のトリマコンデンサを仮調整で回したところ、
 ・残念ながらトリマコンデンサは反応なし
 ・周波数ズレが僅かだったので生きていると思ったのですが、、残念
 ・それからバリコン回転軸の軸受部が緑青色に変色

Kt99000_20250427085601

■修理記録:フロントパネル補修(プラスチック溶接)----------

 ・経験を重ねてプラスチック溶接の腕前がだいぶ上がってきました
  ・破損部分を瞬間接着剤で仮止め
  ・破断位置を跨ぐようにホッチキス針を置く
  ・針はM字型に曲げて使うとより効果的
  ・ハンダ鏝を針に押し当てプラスチックの内部に溶かし込む
  ・溶けたプラスチックを出来るだけ平らにならす
  ・最後に研磨して仕上げる
 ・20Wクラスのハンダ鏝ならこて先が細いので使い勝手が良いです
 ・プラスチックの厚みが2mmほどしかないので作業は慎重に!
 ・熱を加えすぎると裏面(上部から見える面)に変形が及ぶので注意

Kt99031_20250427085501Kt99033_20250427085501

■修理記録:フロントパネルフレーム修正----------------------

 ★指針が移動しないのはフロントの金属フレームに指針が当たるから
 ・原因は上記プラスチック部品の破損と同じだと思います
 ・ちょうど同じ位置(赤矢印)でフレームが湾曲していました
 ・これは力技で湾曲を修正しました
 ・これによって指針がスムーズに移動するようになりました
 ・それにしても、上面にかなりの重量級機材を載せていたようです

Kt99040_20250427085601

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-------------------------

 ・基板裏側ハンダ面を見るとトリマコンデンサ付近に穴が開いています
 ・トリマ位置とは少しズレますが半田ごてをそっと挿入すれば届きます
 ・古いトリマを取り外し、新トリマ(10pF)に交換しました
 ・後述の受信調整で周波数ズレは解消しました

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■修理記録:バリコン軸洗浄----------------------------------

 ・MUTINGオフで指針を移動すると激しいバリバリ音が発生する原因です
 ・目に見える範囲の緑青サビを爪楊枝の先端で削ぎ落す
 ・次にエレクトロニッククリーナーを噴射して何度か回転させる
 ・100均で買った歯間ブラシ(SSサイズ)で軸受け部を清掃
 ・これを何度か繰り返して清掃完了
 ・最後にエアダスターを噴射して乾燥させてからCRC556を少量塗布
 ・76~90MHz区間を何度も往復して馴染ませて作業完了

Kt99024_20250427085601

■受信調整--------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 受信 → T1調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット(Tメーター)
 ・83MHz 受信 → L4調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
【WIDE GAIN調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・83MHz Wide受信 → VR1調整 → 上記電圧と同じ
【高調波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(フロントエンド内)調整 → 高調波歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・TP VCO → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR7調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide受信 → VR6調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション Narrow調整】※Narrow調整を先に行なうこと
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Narrow → VR3調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【セパレーション Wide調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide → VR4調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz Wide → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・83MHz受信 → VR2調整 → -6dB設定 ※422Hz
【AM受信調整】
 ・700kHz → L11,L12調整 → Sメーター最大点灯
 ・1400kHz → TC1,TC2調整 → Sメーター最大点灯

Kt99050_20250427085601

■試聴------------------------------------------------------

 ・特に照明に浮かび上がる強化ガラス製フロントパネルが美しい
 ・薄暗い部屋でボーっと眺めていると幸せに浸れます
 ・上面に重い機材を載せないようにご注意ください

Kt99011_20250427085601

note:BLUESS Laboratory

2025年4月20日 (日)

PIONEER F-500 修理調整記録3

 ・2025年3月、PIONEER F-500の故障機を寄付していただきました
 ・FMは激しい雑音ばかりで受信できないそうです
 ・以下、作業記録です

F50003_20250420082601

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Pioneer F-500 ¥49,800(1979年発売)
 ・Hifi Engine PIONEER F-500 (1981)

F50002_20250420082801F50017

■動作確認--------------------------------------------------

 ・ボディにはひっかき傷、サビ、汚れがあって美品とはちと言い難い
 ・フロントパネルは綺麗、でもよく見るとボタン印字のかすれあり
 ・パネル清掃を試みた先人がちょっと磨き過ぎたようです
 ・さて肝心の受信性能は? FMアンテナを接続して電源オン、、
 ・周波数窓の照明は点灯するがSメーターの照明が点灯しない
 ・選局ツマミを回すと激しいバリバリノイズが発生
 ・ノイズに連動してTメーターが激しく振れる一方で、
 ・なぜかSメーターは全く振れない?
 ・選局ツマミを慎重に操作するうちに名古屋のFM局が受信できました
 ・IFバンド切換など基本操作に問題さなそう
 ・AM受信は背面パネルのAMバーアンテナで受信OKでした
 ・しかしAM受信時もSメーターは不動です

F50021_20250420082601

■内部確認--------------------------------------------------

 ・ボディ後方開口部付近に大量に堆積したホコリを清掃
 ・フロントパネルを分解して徹底清掃
 ・パネル内側に「55.2.8」と印字あり、「1980年2月8日」か?

F50000_20250420082801F50043

■修理記録:Sメーター不動-----------------------------------

 ・FM/AMともSメーターが全く動かないのでメーター自体の故障か?
 ・でもSメーターの振れ具合を調整するVR3までは電圧が出ていました
 ・VR3とSメーターの間にある部品はダイオード1個のみ
 ・部品番号不明:スイッチングダイオード → 1N4148 新品交換
 ・交換後はSメーターが元気よく振れるようになりました
 ・取り外したダイオードは内部断線していました

F50030_20250420082901F50032_20250420082901

■修理記録:照明電球交換------------------------------------

 ・電球が切れているのはSメーターだけですが、
 ・色合いや明るさを合わせるためTメーターの電球も同時交換しました
 ・移植したのは以前 F-700のLED化 作業時に取り外した電球セットです
 ・交換後は上品な色合いが蘇りました
 ・実はF-700と同じ方法でホワイト色のLED化を試したのですが
 ・F-500のメーター本体を透すと電球色に見えてしまう事が発覚
 ・F-500のメーター本体色は濃い黄色でした
 ・周波数窓との色合いが統一できなかったのでLED化は保留にしました

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■修理記録:バリコン軸洗浄----------------------------------

 ・指針を移動すると「バリバリ」と凄い雑音が発生
 ・それでも指針を移動しないときは静かです
 ・この症状は、経験的にバリコン軸のサビ付きが原因です
 ・バリコンの回転軸には緑青色に変色した劣化グリスが固まっている
 ・爪楊枝の先端や歯間ブラシで丹念に清掃
 ・最後にコンタクトグリスを塗布して完了
 ・これでバリバリ雑音は解消しました

F50022_20250420082601

■調整記録--------------------------------------------------

 ・サービスマニュアル、回路図など未入手です。
 ・部品番号が分からないので仮番号を付しました。

【FM OSC調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・基板上の12番端子にDC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 70dB 受信 → L5調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 70dB 受信 → TC5調整 → Sメーター最大
【RF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・基板上の12番端子にDC電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・目盛り位置76MHzに指針セット
 ・76MHz 無変調 40dB 受信 → L1,L2,L3,L4調整 → Sメーター最大
 ・目盛り位置90MHzに指針セット
 ・90MHz 無変調 40dB 受信 → TC1,TC2,TC3,TC4調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・目盛り位置83MHz付近でSメーター最大位置に指針セット
 ・83MHz 100%変調 40dB 受信 → T1,T2,T3調整 → Sメーター最大
 ・Sメーターの目盛りを記録
 ・IF BAND=WIDE
 ・VR1調整 → Sメーターの目盛りをNARROW時と同じ位置に。
【FM同調点調整】※クアドラチュア検波
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T4調整 → Tメーター中点
【パルスカウント検波調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T5調整 → TP電圧最大
 ・TP1 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → T6調整 → 1.26MHz
 ・TP4~TP5 電圧計接続
 ・83MHz 100%変調 70dB 受信 → VR2調整 → 電圧ゼロ
【Sメーター振れ調整】
 ・VR3調整
【ミューティング調整】
 ・VR4調整
【REC CALトーン調整】
 ・VR5 -6dB設定 ※実測334Hz
【VCO整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・TP3 周波数カウンタ接続
 ・無信号 → VR6調整 → 76Hz
【パイロット信号キャンセル調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・オーディオ出力をWavespectraで観測
 ・83MHz ステレオ信号 60dB 受信 → T7,VR7調整 → 19kHz最小
 ・左右バランスに注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR9調整 → Lch漏れ最小
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR10調整 → Rch漏れ最小
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz ST 1KHz 80dB 受信 → VR8調整 → L/Rch漏れ最小
【AM OSC調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → TA1調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TCA2調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・729kHz(NHKラジオ)受信 → バーアンテナ横スライド調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海ラジオ)受信 → TCA1調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBCラジオ)受信 → TA2調整 → Sメーター最大
【AM IF調整】
 ・VR11調整 → WIDE/NARROW Sメーター振れを同じ位置に調整

F50040

■試聴------------------------------------------------------

 ・再調整によって良い性能を取り戻したと思います。
 ・周波数窓とメーター照明、インジケーターLEDがイイ雰囲気を醸し出しています

F50006_20250420082601

note::BLUESS Laboratory

2025年4月13日 (日)

YAMAHA TX-480 修理調整記録

 ・2025年4月、初めて見る機種が届きました
 ・いろいろ不具合症状があるそうです
 ・以下、復活までの作業記録です

Tx48005

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 YAMAHA TX-480 ¥19,800(1995年頃)
 ・Hifiengine Yamaha TX-480 AM/FM Stereo Tuner (1992-97)
 ・YAMAHAサイトから取扱説明書をダウンロードできます

Tx48002Tx48011

■動作確認--------------------------------------------------

【依頼者様からの事前情報】
 ・1年ほど前から電源投入時にシグナルメーターが表示されない
 ・この状態でステレオにならずモノラル音声が出力される
 ・15分ほど経つとシグナルメーターが100%表示するが
 ・ステレオになったりモノラルになったりする
 ・対策としてコンデンサを全数交換するが改善しない
 ・AMは問題なくシグナル表示する
【当方での確認事項】
 ・このボディ色(チタン色?)はこの時期のYAMAHA機の特徴ですね
 ・天板に薄い擦りキズありますがフロントパネルは綺麗な状態
 ・背面F端子にアンテナケーブルを接続して電源オン
 ・オレンジ色の周波数表示窓が明るく点灯
 ・上り方向オート選局で名古屋地区のFM局を受信できました
 ・ただ、本来ならシグナルメーターはフル点灯するはずなのに
 ・事前情報通りシグナルメーターが全く点灯せずモノラル音声
 ・STEREOインジケーター点灯しません
 ・受信感度が低下しているのかと思いましたが、
 ・隣県の微弱電波のFM局もオート選局で受信できるのでビックリ
 ・周波数ズレはありません
 ・次に下り方向オート選局を試すと、
 ・今度はすべての局を素通りしてまったく受信不可
 ・AMは手持ちのループアンテナで受信確認
 ・AM受信時はシグナルインジケーターはフル点灯します
 ・問題はFM受信ですね

■内部確認-------------------------------------------------

 ・本体サイズに比べてとても小さな基板に部品が載っています
 ・フロントエンドはパック品なので詳細不明
 ・LA1266:FM/AM Tuner of Electronic Tuning
 ・LA3401:VCO Non-Adjusting PLL FM MPX
 ・電解コンデンサはすべて交換済みのようです

Tx48020Tx48000

■調整記録--------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → L11 CENTER調整 → 0v
【VT電圧調整】
 ・C1手前側 → 電圧計セット
 ・90MHz → 8.2v ※確認のみ
 ・76MHz → 1.6v ※確認のみ
【フロントエンド調整】
 ※内部に小さな空芯コイルが見えますが調整困難のためパス
【FM同調点再調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → L11 CENTER調整 → 0v
 ・83MHz受信 → L11 MONO DIST調整 → 高調波歪最小
【ステレオ歪調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号受信 → VR1,VR2調整 → 高調波歪最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST信号受信 → VR4調整 → 左右ch漏れ信号最小
【AM VT調整】
 ・C1手前側 → 電圧計セット
 ・ 531kHz → L2調整 → 1.1v
 ・1611kHz → VC1調整 → 7.2v
【AM 受信調整】
 ・TP3 → 電圧計セット
 ・999kHz受信 → L7,L12調整 → 電圧最大

Tx48026

■試聴------------------------------------------------------

 ・不具合の原因はFM同調点の大幅なズレでした
 ・再調整によってシグナルメーターは元気よく点灯するようになりました
 ・オレンジ色の表示窓はどことなくTX-2000に似た雰囲気ですね

Tx48006Tx48003

note:BLUESS Laboratory

2025年4月 6日 (日)

YAMAHA T-2 修理調整記録6

 ・2025年3月、T-2の調整依頼機が届きました
 ・基本動作に問題ないものの音がイマイチだそうです
 ・以下、作業記録です

T203_20250406085401

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 YAMAHA T-2 \130,000
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-2 \130,000(1978年頃)
 ・Hifi Engine YAMAHA T-2 / Analogue FM Stereo Tuner (1978-83)

T202_20250406085501T213_20250406085501

■動作確認--------------------------------------------------

 ・真っ先に気になるのは二つのメーター指針の赤色塗料がボロボロ状態
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓と二つのメーターの照明が電球色に浮かび上がる
 ・電球切れは無さそうなので名古屋地区のFM局で受信テスト開始
 ・Tメーター中点とデジタル表示の周波数が一致、STEREOランプ点灯
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が僅かにズレるが受信OK
 ・フロントパネルに並んだ各種切り換えスイッチの動作テストOK
 ・MUTING動作OK、REC CALトーンOK
 ・続いて標準信号発生器から基準信号を送って動作確認
 ・STEREO受信OKだが、セパレーションは20dB程度とラジカセ並
 ・音がイマイチというのは多分このことだと思います
 ・セパレーション値が悪化するとステレオ感、臨場感が無くなります
 ・基本動作はOKなので経年変化による調整ズレが原因だと思います

■内部確認--------------------------------------------------

 ・底板を開けると部品実装面が見える「逆さまぶら下げ構造」です
 ・配線面を見るには指定箇所のネジを外す必要がありますが
 ・このネジにはロック剤が残っていました
 ・「ピキッ」と小さな音を立ててネジが外れました
 ・本格的に分解されたことのない個体のようです
 ・裏返してハンダ面を確認してハンダクラックを探しましたが
 ・目視で判別できるようなハンダ割れは無かったです

T223T200_20250406085401

■修理記録:メーター指針再塗装------------------------------

 ・二つのメーター指針の塗装がボロボロ状態
 ・これはT-1やT-2で定番の劣化現象です
 ・このままでは見た目が悪いので分解して指針を再塗装しました
 ・赤い塗料片はカッターナイフの先端で軽く触れるだけで剥がれます
 ・作業は慎重に! 誤って針を曲げたら、、一巻の終わりです

T230_20250406085501T231

■調整記録--------------------------------------------------

【機能設定】
 ・フロントパネルスイッチ設定
 ・RF MODE=HI SENSITIVITY
 ・IF MODE=LOCAL
 ・AUTO BLEND=OFF
【同調点調整】
 ・SSGより10.7MHz注入 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・指針を83MHzにセット
 ・83MHz 変調オフ 70dB → フロントエンド OSCトリマ調整
【トラッキング調整】
 ・76MHz mono 1kHz 50dB → RFコイル調整 → Sメーター最大
 ・90MHz mono 1kHz 50dB → RFトリマ調整 → Sメーター最大
【検波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → T201下段コア調整 → 歪み最小
 ・83MHz mono 1kHz 60dB → VR203調整 → 歪み最小
【VCO調整】
 ・TP 19kHz に周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 60dB → VR204調整 → 19kHz±20Hz
【PLL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz ST 1kHz L-R 60dB → T202調整 → Lch音声レベル最大
【ステレオ歪調整1】
 ・IF MODE=LOCAL
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz ST 1kHz 60dB → VR201,CF201調整 → 歪み最小
 ・83MHz ST 1kHz 60dB → VR202,CF204調整 → 歪み最小
【ステレオ歪調整2】
 ・IF MODE=DX
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz ST 1kHz 60dB → CF202,CF203調整 → Sメーター最大、歪み最小
【パイロットキャンセル歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz ST 1kHz 60dB → VR205,T203調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra
 ・83MHz ST 1kHz 60dB → 別基板VR401調整 → 左右同レベル
 ・83MHz ST 1kHz 60dB → 別基板VR402調整 → セパレーション調整
【Sメーター調整】
 ・83MHz 無変調 80dB → VR206調整 → Sメーター振れ調整
【REC CAL調整】
 ・REC CALスイッチオン → Tメーターが中点を示すことを確認

T240_20250406085401

■試聴------------------------------------------------------

 ・再調整の結果、受信感度が大幅に向上しました
 ・ラジカセ並みだったセパレーション値が左右とも60dB程度まで改善
 ・「音がイマイチ」という違和感は解消したと思います
 ・最後の仕上げとしてメーター指針の再塗装は必須ですね

T205_20250406085401

note:BLUESS Laboratory

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