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2025年6月の記事

2025年6月29日 (日)

ONKYO Integra R-255 修理調整記録

 ・2025年5月、ONKYO製レシーバーの故障機が届きました
 ・これは初めて見る機種です
 ・以下、作業記録です

R25503

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra R-255 69,000円(1972年頃)
 ・Hifiengine ONKYO TX-440 Solid State Stereo Receiver
 ※ツマミの数と配置は違いますが、内部構成はほぼ同じでした

R25502R25517

■動作確認--------------------------------------------------

【提供者さまからの事前情報】
 ・電源オンから5~10分経たないとチューナーの音が出ない
 ・周波数窓の電球切れ、STEREOランプ点灯しない
 ・Sメーター、Tメーターのズレ
 ・外部入力にCDを繋ぐと良い音が聞こえる
【当方での確認事項】
 ・同時期の単体チューナー T-455 によく似ています
 ・フロントパネルには経年の汚れが付着しますが
 ・木製ボディに目立つキズは無く保存状態はとても良いです
 ・FMアンテナと実験用スピーカーを繋いで電源オン
 ・パワーMUTING機構が無いのか「ボスッ」と大きな音、音量注意
 ・二つのメーター照明点灯、選局指針が赤色照明に浮かび上がる
 ・ただ周波数窓の照明が左半分点灯しない
 ・音が出るまで5~10分との事でしたが、音はすぐに出ました
 ・名古屋地区のFM局を受信できました
 ・ただSメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・STEREOランプが点灯しないが実際のステレオ感はある
 ・AMアンテナは接続しないのに名古屋地区のAM放送も受信できました
 ・内部にバーアンテナを内蔵しているかも?
 ・外部入力にCDプレーヤーを接続して再生音を確認
 ・PHONO入力にレコードプレーヤーを接続して再生音を確認
 ・電球切れ以外は大きな故障は無さそうです

R25540

■内部確認----------------------------------------

 ・木製ボディを開けてみると通気口付近に大量のホコリが堆積
 ・エアダスターと清掃用刷毛で丁寧にホコリ除去
 ・電源部は古いタイプの大型電源トランスと電解コンデンサ
 ・ALPS社製フロントエンド:FM4連AM2連バリコン搭載
 ・予想通りAMバーアンテナ内蔵でした
 ・セラミックフィルター×3個 → TA7061PA → レシオ検波
 ・MPX回路はIC化される以前の古いタイプ
 ・フロントパネルを外して確認、電球4個中3個が切れていました
 ・外観が似た機種を海外サイトHifiengineで捜索しました
 ・ツマミの数と配置は違いますがTX-440 という機種が似ています
 ・内部構造もほぼ同じでした

R25500

■修理記録:電球交換----------------------------------------

 ・切れていた電球は同等品に交換しました
 ・周波数窓の照明電球3個交換(6.3v/250mA)
 ・STEREOインジケーター電球交換(6.3v/50mA)
 ・実は、電球交換後に気が付いたのですが、
 ・照明電球が不規則に明るくなったり少し暗くなったりします
 ・その間隔は不定期で不意に変化します
 ・これは電源回路の故障か?

R25541R25552

■修理記録:電源トランス------------------------------------

 ・最初は電源回路の故障かと思いましたが、
 ・周波数窓の照明電球はトランスからのAC電圧で点灯しています
 ・その明るさが変化するという事はトランス電圧が変動している
 ・どうやら電源トランスが経年劣化しているようです
 ・測定してみると出力電圧が不安定に変動していました
 ・音を聞いている分にはその変化は分からないと思いますが、
 ・照明の明暗はちょっと気になります
 ・ただ、このトランスの代替品を見つけるのは難しいと思います
 ・50年以上前の製品ですからこのままとします

R25531

■修理記録:音が途切れる対策--------------------------------

 ・FM受信テスト中に音が出なくなる現象が何度も発生しました
 ・MPX回路の配線にクラックがあって接触不良になっていました
 ・ハンダを盛り直して復旧しました
 ・電源投入時にチューナーだけ音が出なかった原因かもしれません

■調整記録--------------------------------------------------

【レシオ検波調整】
 ・何も受信しない状態
 ・L105上段コア調整 → Tメーター中点
【FM OSC調整】
 ・TP(S meter) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz → TCo調整 → 電圧最大
 ・76MHz → Lo調整 → 電圧最大
【FM受信調整】
 ・TP(S meter) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LA,LR1,LR2調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → IF調整 → 電圧最大
【MUTING調整】
 ・R713調整 → ミューティング作動レベル調整
【検波歪み調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → L105下段コア調整 → 高調波歪み最少
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz(SUB)受信 → L201,L202調整 → Lch出力最大へ
 ・83MHz(L/R)受信 → R223調整 → セパレーション調整
【AM調整】
 ・ 600kHz受信 → L107調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → AM-OSC,AM-Ant調整 → Sメーター最大

R25550

■試聴------------------------------------------------------

 ・この時代のステレオレシーバーは見ているだけで心が癒されます
 ・特にメーターが二つ並んだ上位タイプが大好物です
 ・周波数窓の下にツマミやボタンが整然と並ぶ姿に機能美を感じます
 ・現代のタッチパネルとは違う、メカニカルな雰囲気がステキです

R25507

note:BLUESS Laboratory

2025年6月22日 (日)

SONY ST-5950 修理調整記録3

 ・2025年4月、ジャンクコーナーで縦置きの ST-5950 に遭遇しました
 ・外観はヤニ汚れで黄黒色に変色、電源コードは定番のネバネバ状態
 ・手で触れるのも躊躇うほどの汚機なので通常はスルーするところですが
 ・よく見ると周波数窓の奥に見えるガラス板の保存状態がとても良好みたい
 ・周波数の数字や目盛りに歪みや変形がまったくない!これは貴重品!
 ・このガラス板を確保するためだけに購入しました(税込980円)

St595003

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-5950 84,800円(1976年頃)
 ・オーディオ懐古録 SONY ST-5950 AM/FM STEREO TUNER 84,800円
 ・Hifi Engine SONY ST-5950SD AM/FM Stereo Tuner (1976-78)
 ・ST-5950 取扱説明書 (日本語版、PDF形式)

St595002St595016

■徹底洗浄+内部確認----------------------------------------

 ・ちょうどGW連休、余裕がある時期だったのでまずは徹底洗浄から
 ・回せるネジはすべて外してバラバラに分解
 ・フロントパネル、ツマミ、天板、底板などパーツごとに洗浄
 ・フロントパネルやツマミなどはオキシ漬けするとヤニがキレイに落ちます
 ・ベタベタ電源コードも同様の処置でキレイになります
 ・周波数や目盛りを刻んだガラス板に損傷なし!
 ・ガラス板を傷つけないように注意しながら慎重に洗浄作業
 ・洗浄乾燥後に組み立てるとまずまずの美品に見えました
 ・フロントパネルと天板に目立つキズが無かったのはラッキーでした

 ・ヤニ汚れのせいか内部も何となく黄色っぽく見えます
 ・基板全体にエレクトロニッククリーナーを噴射してヤニ落とし
 ・周波数窓とメーターの照明電球が抜き取られていました
 ・STEREOインジケーターはブラケットに収まった赤色LEDに交換済み
 ・LEDの配線接合部にはビニールテープが巻かれていました
 ・その他の部品の交換歴は無さそうですが、
 ・フロントエンドFM-OSC用バリコン羽が意図的に曲げられている!

■動作確認--------------------------------------------------

 ・さて洗浄を終えました
 ・電源とFMアンテナを接続して恐る恐るスイッチオン、、
 ・周波数窓照明は点灯しないが赤色LEDの指針は鮮やかに点灯
 ・そのまま名古屋地区のFM局を受信テスト開始
 ・Tメーター中点とSメーター最大が一致しないが受信OKでした
 ・ただSTEREOランプの点灯が点灯しない、実際のステレオ感も無し
 ・0.2MHzほどの周波数ズレ
 ・AM放送は背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK
 ・不具合はあるものの何とかなりそうな予感

■修理記録:周波数や目盛りが印刷されたガラス板--------------

 ・今回の個体のガラス板は奇跡的に変形の無いキレイな状態でした
 ・ST-5950/ST-4950のガラス板は何故か酷い状態のものが多い印象です
 ・周波数の数字が踊っていたり、目盛りが褶曲していたり、
 ・ガラス板を磨くとき、少し力を加えただけで印字塗料が剥がれそう、、
 ・ガラス板表面のスス汚れを慎重に、慎重に拭き取りました

St59500606

■修理記録:電球交換----------------------------------------

 ・抜き取られていた窓照明電球を取り付けてみました
 ・電球仕様:12v/5w
 ・これならホームセンターで自動車用電球が手に入ります
 ・周波数窓の緑色照明が浮かび上がりました
 ・STEREOインジケーター用電球も手持ちのフィラメント電球に再交換
 ・後述の再調整によって良い雰囲気で点灯しました

■修理記録:バリコン羽の修正--------------------------------

 ・フロントエンドFM-OSC調整用バリコン羽が意図的に曲げられていました
 ・STEREOインジケーターもLEDに換装さされていました
 ・つまり修理の先人がいたという事
 ・曲げられていたバリコン羽を元通りに修正、その後受信調整しました
 ・トリマコンデンサと背面パネルとの距離が近いので調整は難しいです
 ・以前、同タイプのフロントエンドを分解した記録が残っています
 ・もう少し調整しやすいようにユニットを配置してくれると良かったのに

St59502004

■調整記録--------------------------------------------------

St595000

 【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → IFT201左コア調整 → Tメーター中点
 【FM OSC調整】
 ・ダイヤル指針を周波数目盛り83位置にセット
 ・83MHz受信 → CT105調整 → Sメーター最大
 ※特殊なOSC回路を備えていますが調整できないので簡易法で対応
 【FMトラッキング調整】
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103,L104調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103,CT104調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → L106調整 → Sメーター最大
 【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → IFT201右コア調整 → 高調波歪最小
 【ミューティング調整】
 ・83MHz受信 → RT201調整 → ミューティング作動レベル調整
 ・83MHz受信 → RT203調整 → ミューティングバランス調整※
 ※バランス調整
  ミューティングが作動するポイントをTメーター左右対称になるように調整
 【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → RT202調整 → Sメーター最大振れ調整
 【VCO調整】
 ・TP 19kHz(HA1156-10ピン)に周波数カウンタ接続
 ・アンテナ入力なし → RT301調整 → 19kHz
 【セパレーション調整】
 ・83MHz受信 → RT501調整 → 漏れ信号最小
 ・83MHz受信 → RT502調整 → 漏れ信号最小
 【オーディオレベル調整】
 ・RT503、RT504 左右信号レベルを揃える。
【AM調整】
 ・ダイヤル指針を600kHz位置にセット
 ・600kHz受信 → L402調整 → Sメーター最大
 ・600kHz受信 → バーアンテナ内L401調整 → Sメーター最大
 ・ダイヤル指針を1400kHz位置にセット
 ・1400kHz受信 → CT402調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT401調整 → Sメーター最大

St595026

■試聴------------------------------------------------------

 ・ガラス板だけ、のつもりが完全動作品に生まれ変わりました
 ・今は作業部屋のBGMリスニング用に使っています
 ・SONY機の緑色照明は不思議に気分が落ち着きます

St595005

note:BLUESS Laboratory

2025年6月15日 (日)

PIONEER TX-8800II 修理調整記録3

 ・TX-8800IIの記事が続きます
 ・2025年5月、同時に届いたもう一台のTX-8800IIの修理記録です

8800b03

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER TX-8800II 1976年 46,800円
 ・Hifi engine PIONEER TX-8500mkII AM/FM Stereo Tuner (1977-79)

8800b028800b11

■動作確認--------------------------------------------------

【依頼者様からの不具合情報】
 ・STEREOインジケーターが点灯しない
 ・受信感度が低下している
【当方での確認事項】
 ・事前に教えていただいた不具合情報を再現確認しました
 ・周波数窓の照明、メーター照明点灯
 ・WIDE/NARROWインジケーター点灯
 ・名古屋地区のFM放送は僅かな周波数ズレですべて受信できました
 ・TメーターとSメーターの振れ具合も問題なさそう
 ・ご指摘のようにSTEREOインジケーターが点灯しない
 ・ただ実際のステレオ感はありました

■修理記録:インジケータ電球のLED化--------------------------

 ・STEREO電球とWIDE電球は既に交換された痕跡がありました
 ・今回切れていたのは STEREO 電球だけでしたが、
 ・明るさや色合いを揃えるため WIDE/NARROW/STEREO 3個まとめてLED化
 ・3個とも元々DC電圧で駆動されていたので作業は簡単でした
  ・オリジナルのフィラメント電球を後ろから引き抜く
  ・これを直径3mm白色LEDに置き換えて制限抵抗を変更
  ・抵抗値は実際の明るさを確かめながら試行錯誤で選定
 【WIDE】
  ・PL2(6v/30mA) 49端子~47端子(GND)
  ・R98(240Ω)→ 2.2kΩ
 【NARROW】
  ・PL3(6v/30mA) 51端子~48端子(GND)
  ・R99(240Ω)→ 2.2kΩ
 【STEREO】
  ・PL4(6v/30mA) 29端子~26端子(PA1001 6pin)
  ・R49(200Ω)→ 2.2kΩ
 ・今回の作業で気付いたのは、STEREOインジケーターの色
 ・前回は赤色だったのに今回は緑色です
 ・製品カタログを見ると緑色、今になって気が付きました
 ・赤色だった前回機は変えられていたのか?

8800b077

■修理記録:周波数窓電球のホルダー交換----------------------

 ・窓照明の電球 T10ウェッジ球(8v/0.3A) のホルダーが割れていました
 ・前回修理者が無理に外そうとしてホルダーのツメを破損したようです
 ・ジャンク部品箱にあった同型ホルダーに交換しておきました
 ・いつかLEDに交換するときに役立つと思います

8800b358800b36

■調整記録--------------------------------------------------

A00_20250615084501

 ・MUTING → OFF
 ・IF BAND → NARROW
 ・FUNCTION → FM MONO
【FM OSC調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCO調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LO調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LA、LR1、LR2調整 → 電圧最大
【FM IF調整】
 ・VR 1 → 時計回り一杯に回す
 ・VR10 → 反時計回り一杯に回す
 ・IF BAND → NARROW
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz,40dB受信 → フロントエンドITF,T2調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → T3下段コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz受信 → T3上段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,100dB,100%受信 → VR2調整 → Sメーター4.8
【NARROWレベル調整】
 ・IF BAND → WIDE → 信号レベル記録
 ・IF BAND → NARROW → VR1調整 → 同レベルに
【MUTING調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・MUTING → ON
 ・83MHz,20dB受信 → V9調整 → MUTING作動位置へ
【VCO調整】
 ・34番端子 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR4調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR3調整 → パイロット信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST信号受信 → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,ST信号受信 → VR6調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC LEVEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST受信 → 信号レベル記録
 ・REC CAL オン → VR7調整 → 記録値より-6dB
【AM調整】
 ・600kHz 受信 → T4,バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → AM2,AM1調整 → Sメーター最大

8800b40

■試聴------------------------------------------------------

 ・腕時計の文字盤のような立体的な周波数目盛がキラキラしています
 ・STEREOインジケーターは赤色でも緑色でも違和感ないですね

8800b06

2025年6月 8日 (日)

PIONEER TX-8800II 修理調整記録2

 ・2025年5月、以前修理した機種が再び不調との連絡をいただきました
 ・本機は 2019年10月に 修理調整した記録 が残っています
 ・ジャンク機×3台を合体して復活させた懐かしい記憶が蘇ってきました
 ・これは何とか直したい、、

A04

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER TX-8800II 1976年 46,800円
 ・Hifi engine PIONEER TX-8500mkII AM/FM Stereo Tuner (1977-79)

A02A09

■動作確認--------------------------------------------------

【依頼者様からの不具合情報】
 ・STEREOインジケーターが点灯しない、STEREO感も無い
 ・電球切れか?調整ズレか?故障か?
 ・NARROWインジケーターが点灯しない
【当方での確認事項】
 ・事前に教えていただいた不具合情報を再現確認しました
 ・周波数窓の照明、メーター照明点灯
 ・WIDEインジケーター点灯、NARROWインジケーターが点灯しない
 ・名古屋地区のFM放送は僅かな周波数ズレですべて受信できました
 ・TメーターとSメーターの振れ具合も問題なさそう
 ・ただご指摘のようにSTEREOインジケーターが点灯しない
 ・実際のステレオ感も無い

■修理記録:FUNCTION切換スイッチ接点不良---------------------

 ・FUNCTION [ AM / FM AUTO / FM NOISE FILTER / FM MONO ]
 ・FUNCTIONスイッチを回してみるとSTEREOインジケーター点灯しました
 ・どうやら内部接点の接触不良があったようです
 ・エレクトロニッククリーナーで接点を洗浄しました
 ・通常は FM AUTO を選択したままになっていると思いますが
 ・使わないスイッチもたまには動かしてやると良いです

■修理記録:インジケータ電球のLED化--------------------------

 ・切れていたのは NARROW 電球だけでしたが、
 ・明るさや色合いを揃えるため WIDE/NARROW/STEREO 3個まとめてLED化
 ・3個とも元々DC電圧で駆動されていたので作業は簡単でした
  ・オリジナルのフィラメント電球を後ろから引き抜く
  ・これを直径3mm白色LEDに置き換えて制限抵抗を変更
  ・抵抗値は実際の明るさを確かめながら試行錯誤で選定
 【WIDE】
  ・PL2(6v/30mA) 49端子~47端子(GND)
  ・R98(240Ω)→ 2.2kΩ
 【NARROW】
  ・PL3(6v/30mA) 51端子~48端子(GND)
  ・R99(240Ω)→ 2.2kΩ
 【STEREO】
  ・PL4(6v/30mA) 29端子~26端子(PA1001 6pin)
  ・R49(200Ω)→ 2.2kΩ

A20A21A22A23A25

■調整記録--------------------------------------------------

A00

 ・MUTING → OFF
 ・IF BAND → NARROW
 ・FUNCTION → FM MONO
【FM OSC調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCO調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LO調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
 ・76MHz受信 → LA、LR1、LR2調整 → 電圧最大
【FM IF調整】
 ・VR 1 → 時計回り一杯に回す
 ・VR10 → 反時計回り一杯に回す
 ・IF BAND → NARROW
 ・37番端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz,40dB受信 → フロントエンドITF,T2調整 → 電圧最大
【FM同調点調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz受信 → T3下段コア調整 → Tメーター中点
 ・83MHz受信 → T3上段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,100dB,100%受信 → VR2調整 → Sメーター4.8
【NARROWレベル調整】
 ・IF BAND → WIDE → 信号レベル記録
 ・IF BAND → NARROW → VR1調整 → 同レベルに
【MUTING調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・MUTING → ON
 ・83MHz,20dB受信 → V9調整 → MUTING作動位置へ
【VCO調整】
 ・34番端子 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR4調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,ST信号受信 → VR3調整 → パイロット信号最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST信号受信 → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,ST信号受信 → VR6調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC LEVEL調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,ST受信 → 信号レベル記録
 ・REC CAL オン → VR7調整 → 記録値より-6dB
【AM調整】
 ・600kHz 受信 → T4,バーアンテナ内コイル調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → AM2,AM1調整 → Sメーター最大

A30

■試聴------------------------------------------------------

A31

 ・周波数の目盛りが腕時計の文字盤のような立体的な造形です
 ・これが光の具合でキラキラ輝いて豪華な雰囲気を醸し出しています
 ・LED化したインジケーターの点灯具合もイイ感じ

A06

note:BLUESS Laboratory

2025年6月 1日 (日)

ONKYO Integra T-419 内部観察記録

 ・2025年3月、定価15万円の高級チューナー(故障機)がやってきました
 ・ONKYO製チューナーの最高価格機だと思います
 ・今回は残念ながら修理できなかったのですが、
 ・貴重な機会なのでボディを開けた記録だけ残しておきます

T41903

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 ONKYO Integra T-419 150,000円(1979年発売)
 ・オーディオ懐古録 ONKYO Integra T-419 150,000円
 ・ONKYO アンプ チューナー総合カタログ 1981年9月版(T-419情報あり)

T41902 T41916

■動作確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネル、ボディともほとんど傷が無く保存状態はとても良い
 ・背面端子も光沢があって美しい
 ・弟機T-417(定価65,000円)と同じデザイン、ボディサイズも同じ
 ・ただ本体重量9kg、持ち上げるとズッシリ重い
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓の照明点灯、指針照明点灯、三つのメーター照明点灯
 ・名古屋地区のFM局を受信してみると、
 ・僅かな周波数ズレがあるものの全局STEREO受信できました
 ・TUNEDインジケーター点灯、LOCKEDインジケーター点灯
 ・STEREOインジケーター点灯、IF BANDインジケーター点灯
 ・アンテナ切換(A/B)OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK
 ・照明電球とインジケーターはすべて点灯することを確認
 ・聴こえてくる受信音に特にも特に違和感ありませんが、
 ・ただ、以下の不具合を確認しました
【故障1】
 ・本機の特徴である周波数のデジタル表示が点灯しない
 ・表示管の輝度が劣化しているのではなく、全く点灯しない
【故障2】
 ・DEVIATION/MULTIPATHメーターが正常に動作しない
 ・電源オンと同時にメーター針が左端に振り切れる
 ・それ以降は針がメーター左端に張り付いたまま全く動かない
 ・DEVIATION/MULTIPATH切換ボタンを押しても反応なし

T41906 T41904 T41907 T41908 T41909

■内部確認--------------------------------------------------

 ・内部を見た第一印象は、
 ・「T-417と同じボディによくぞここまでパーツを詰め込んだものだ!」
 ・アンプ並みの大型電源トランス、大容量電解コンデンサが並ぶ電源部
 ・基板は2階建て構造で、1階はIF回路と検波回路
 ・2階はMPX回路とデジタル表示回路
 ・FM専用7連バリコン、IF回路(WIDE/NARROW)自動切換え機能
 ・カタログに記載のある「新開発セラソイド検波」って何?
 ・2階基板一面を占めるMPX回路は本格的なディスクリート構成
 ・PLL-MPX-IC 1個だけで復調できるのに相当凝った回路構成です
 ・1階と2階を繋ぐ多数の配線が邪魔になって基板を外すことが困難
 ・2階基板を取り外すためには配線を外すしかありません
 ・配線を外さないで2階基板を少し持ち上げて隙間から見える範囲で写真撮影
 ・薄型ボディに大量部品を詰め込んだ結果メンテナンス性が犠牲になってます
 ・照明電球はすべてフィラメント電球でした
 ・LED風に見えるインジケーターも電球で取付構造は T-417 と同じでした
 ・電球が切れた場合の交換はかなり面倒な作業になりそう
 ・2階基板に開けられた丸穴を通して1階基板のVRやコイルは調整可能
 ・試行錯誤で確かめたVRやコイルの機能を写真に記入して残します

T41920 T41941 T41921 T41944 T41923
T41931 T41934 T41937 T41948 T41949

■検波回路:セラソイド検波------------------------------------

 ・本機には「新開発のセラソイド検波」が採用されているそうです
 ・当時のカタログを読むと「セラソイド検波」の原理説明がありました
  ・IF出力の10.7MHz FM波をミキサーで1.68MHzに下げる
  ・リミッターで高精度方形波に成形する
  ・この方形波に制御されるノコギリ波の粗密を検波する
  ・周波数と完全に反比例の電圧を持つオーディオ信号を得る
  ・微分利得特性のフラットな帯域幅は±1MHz以上に及ぶ
 ・これを読むとTRIOの「パルスカウント検波」と同義のような気がします
 ・初めてパルスカウント検波を採用した TRIO KT-9700 は1976年発売でした
 ・TRIO製パルスカウント検波では 1.96MHzにダウンコンバート
 ・1979年発売のT-419はTRIOより下げて 1.68MHzにダウンコンバート

<参考>パルスカウント検波ダウンコンバート周波数
 ・TRIO KT-9700(1976)
   [ 10.7MHz ] → [ LC発振8.74MHz ] → 1.96MHz
 ・ONKYO T-419(1979)
   [ 10.7MHz ] → [ ●●●??MHz ] → 1.68MHz
 ・PIONEER F-120/120D(1982/1984)
   [ 10.7MHz×2 ] → [ 水晶発振20.14MHz ] → 1.26MHz
 ・Technics ST-G7 (1983)
   [ 10.7MHz×3 ] → [ 水晶発振31.3MHz ] → 0.8MHz
 ・ALPINE/Luxman T-117(1987)
   [ 10.7MHz×3 ] → [ 水晶発振32.975MHz ] → 0.8075MHz

T41900

■MPX回路---------------------------------------------------

 ・1979年なら既に PLL-MPX-IC:HA11223W が存在していたはずですが、
 ・このIC一個で復調できるのにディスクリートに近い豪華な回路構成です
 ・19kHzパイロット信号と比較するために水晶発振器まで備えています
 ・パイロット信号キャンセル調整が左右独立で可能
 ・これに匹敵するディスクリート構成のMPX回路を持つ機種は、
  ・SANSUI TU-S707X (1984)SLDD
  ・SONY ST-S555ESX(1986)
 ・この後は LA3450(CXA1064)という高性能MPX-ICが登場します

■修理を諦めた理由------------------------------------------

 ・部品を載せた基板、それを繋ぐ配線が無理やり詰め込まれている感じ
 ・空中配線が絡んでいるので通電した状態で2階基板を外せない
 ・2階基板のハンダ面が確認できない、1階基板の全容も見渡せない
 ・デジタル表示基板のハンダ面が確認できない
 ・サービスマニュアルや回路図、取説などの資料が見つからない
 ・こうなると私の技量では故障原因を探すのは難しいです
 ・バラバラに分解するだけなら簡単なんですけどね、、
 ・受信不能のジャンク機なら思い切って分解してしまいますが、
 ・FM受信自体は正常に動作しているのでこのまま動態保全する方が得策
 ・デジタル表示とDEVIATION/MULTIPATHメーターは無くても支障ない
 ・という判断で分解は思い止まりました

T41939

■試聴------------------------------------------------------

 ・今回は「修理調整記録」ではなく単なる「内部観察記録」です
 ・検波方式やMPX回路についてさらに勉強してみます
 ・修理できなくても新しい発見があると嬉しくなります

T41911

note:BLUESS Laboratory

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