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2025年8月の記事

2025年8月31日 (日)

DENON TU-750 修理調整記録

 ・2025年7月、初めて見る機種 TU-750 を寄付していただきました
 ・調べてみると「デノン初の本格的シンセサイザーチューナー」との事
 ・不要になった機器や故障機の寄付は歓迎します
 ・以下、作業記録です

Tu75003

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 DENON TU-750 42,800円 (1981年頃)
 ・オーディオ懐古録 DENON TU-750 AM/FM STEREO TUNER 42,800円

Tu75002Tu75017

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れが目立つが凹みや擦り傷などの外傷はない
 ・フロントパネルは操作ボタンが整然と並んだオールディーズの感じ
 ・背面を見るとコンパクトなAMループアンテナ付属
 ・FMアンテナ端子にF端子が無いのはちょっと残念
 ・底面に点検口なし、足は薄い黒ゴム4個のみ、、これはかなり残念
 ・さて、気を取り直してアンテナと電源を接続して電源オン
 ・FL管に周波数点灯、輝度は充分で文字痩せや文字欠けはない
 ・このFL管は当時のチューナーでよく見かけるタイプ
 ・FM受信範囲 76.1MHz~89.9MHz
 ・DIMMERスイッチによって周波数表示の明暗に切り換えられるのが珍しい
 ・FM7局、AM7局それぞれ独立してメモリー登録可能、合計14局
 ・オート選局では名古屋地区のFM局をすべて素通りして受信不可
 ・マニュアル選局に切換えるとFM局を受信できました
 ・ただシグナルインジケーターは最下位のセグメントが点灯するのみ
 ・STEREOインジケーター点灯しない
 ・REC CALトーンは聞こえました
 ・続いて名古屋地区のAM放送の受信テスト開始
 ・AM受信範囲 522kHz~1611kHz
 ・背面ループアンテナで名古屋地区のAM局を受信できました
 ・問題はFMの受信感度が低下していること

Tu75004Tu75007
Tu75018

■内部記録--------------------------------------------------

 ・FMフロントエンドは小さなパッケージ型 → CF×2個
 ・IC2:HA11225 FM IF SYSTEM クアドラチュア検波
 ・IC3:HA1156 FM STEREO DEMODULATOR
 ・IC4:LA1245 AM TUNER
 ・VR1:セパレーション調整
 ・VR2:VCO調整
 ・VR3;REC CAL調整(縦置き基板)
 ・VR4:FMシグナルメーター調整
 ・VR5:AMシグナルメーター調整
 ・メモリ保持用のコイン電池が縦置配置、まだ生きています

Tu75020Tu75022Tu75023Tu75024Tu75030
Tu75000

■調整記録--------------------------------------------------

 ・サービスマニュアルや回路図は発見できません
 ・当時の別機を参考にしながら調整手順を組み立てました
【FM VT電圧調整】
 ・フロントエンド TP端子 → 電圧計セット
 ・89.9MHz → L04調整 → 8.0v
 ・76.1MHz → L04調整 → 1.5v
 ※試行錯誤の結果、1.5v~8.0vの範囲が良さそうでした
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → T2調整 → 電圧ゼロ
【FM RF調整】
 ・R185後足 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・89.9MHz,40dB受信 → TC01,TC02,調整 → 電圧最大
 ・76.1MHz,40dB受信 → L01,L02,L03調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz,40dB受信 → T01調整 → 電圧最大
【FM検波調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → T2調整 → 電圧ゼロ ※確認のみ
 ・83.0MHz受信 → T3調整 → 高調波歪最小
【FMシグナルインジケーター点灯調整】
 ・83.0MHz60dB受信 → T4調整 → インジケーター全点灯
【VCO調整】
 ・TP3 → 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz無変調 → VR2調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHz ST受信 → VR1調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL】
 ・83.0MHz ST受信 → シグナルレベル記録
 ・REC CAL オン
 ・VR3(縦置き基板)調整 → 記録値-6dB ※基準音383Hz
【AM 受信調整】
 ・R185後足 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・729kHz 受信 → T4,T5調整 → 電圧最大
 ・1332kHz受信 → TC1,TC2調整 → 電圧最大
 ・1053kHz受信 → T6調整 → 電圧最大
【AM Sメーター】
 ・VR5調整 → シグナルインジケーター

Tu75040

■試聴------------------------------------------------------

 ・フロントエンド、検波回路、MPX回路、すべて大幅に調整ズレでした
 ・再調整によって受信感度は大幅に上昇しオート選局でも受信可能に
 ・歪補正回路など無くシンプルな構成ですが、
 ・ステレオセパレーションが左右とも60dB程度確保できました
 ・1980年頃、DENON製のチューナーには全く興味なかったですが、
 ・シンセ黎明期の製品としては優秀機だったと思います

Tu75010

note:BLUESS Laboratory

2025年8月24日 (日)

YAMAHA T-8 修理調整記録2

 ・2025年7月、不要になった機器を寄付していただきました
 ・この機種の前回修理記事は2010年8月、、時が経つのは早いものです
 ・内容もお粗末だったので調整方法などを2025年版に更新しました

T809

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ回顧録 YAMAHA T-8 59,800円
 ・オーディオの足跡 YAMAHA T-8 59,800円 1981年頃
 ・Hifi Engine YAMAHA T-70 AM/FM STEREO TUNER (1981-83)

T802T815

■動作確認--------------------------------------------------

 ・ボディ上面は傷だらけ、幸いなことにフロントパネルはほ無傷
 ・正面に並んだプッシュボタンは奇跡的に光沢を放っている
 ・この時期のYAMAHA機はFMアンテナにPAL端子を使っています
 ・このままでは使い難いので PAL-F 変換端子を介して同軸ケーブル接続
 ・電源オン、周波数表示OK、各インジケーター点灯
 ・ライトグリーンで表示される細身の周波数が上品な印象
 ・さて、名古屋地区のFM局で受信テスト開始
 ・オート選局を試すと、すべての放送局を素通りして受信不可
 ・手動選局に切換えると周波数ズレなく受信できました
 ・STEREOインジケーター点灯、LOCAL/DX切換OK、メモリ登録OK
 ・付属のAMループアンテナを使ってAM受信テスト開始
 ・名古屋地区のAM局を周波数ズレなく受信できました
 ・AMはOK、FMも再調整で復活しそうな予感

T804

【イニシャルステーション(電源オン時の受信局)設定方法】
 ・電源オン時に受信する放送局を受信する
 ・[MEMORY]ボタンを長押し → ランプが点滅開始
 ・[MEMORY]ボタンから手離す → 登録完了

■内部確認--------------------------------------------------

 ・YAMAHA T-8 と T-70 は同一機のようです
 ・フロントエンドは小型のワンパッケージユニット 4連バリキャップ構成
 ・IF BAND切換 LOCAL/DX(WIDE/NARROW)
 ・広帯域レシオ検波 ※カタログではウルトラリニアダイレクト検波
 ・MPX回路 ディスクリート構成でIC106:LA3380 は信号抽出のみ
 ・AM回路 IC107:LA1245

T800

■調整記録--------------------------------------------------

【FM VT電圧調整】
 ・フロントエンド B2端子 → 電圧計セット
 ・90MHz → TC04調整 → 21v
 ・76MHz → L04 調整 → 3v
【FM RF調整】
 ・TR31コレクタ → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・90MHz,40dB受信 → TC01,TC02,TC03調整 → 電圧最大
 ・76MHz,40dB受信 → L01,L02,L03調整 → 電圧最大
【FM検波調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・NVCC~TM → 電圧計セット ※Tメーター電圧
 ・83MHz Mono受信 → T102調整 → 電圧ゼロ
 ・83MHz Mono受信 → VR103,VC101調整 → 高調波歪最小
【VCO調整】
 ・TP-19kHz → 周波数カウンタ接続
 ・TP-19KM~TP B+ → 2.2MΩ抵抗を介して直結
 ・83MHz ST受信 → VR104調整 → 19kHz
【ST SUB調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz SUB受信 → T103調整 → Lchレベル最大
【STEREO歪調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz ST受信 → VR101,VR102,T101調整 → 高調波歪最小
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz ST受信 → T104,VR107調整 → 19kHz最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz ST受信 → VR105調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz ST受信 → VR106調整 → Lch漏れ信号最小
【FM CSL調整】
 ※CSL=Computer Servo Locked
 ・83MHz ST信号受信
 ・ダイオードを介してTP1~TP2直結 
 ※TP1(アノード)、TP2(カソード)
 ・周波数表示部「30.0」に変化する → VR401調整
 ・「29.9」「30.0」「30.1」→ 「30.0」で安定する位置
【REC CAL】
 ・325Hz、-5.6dB信号 ※確認のみ
【AM VT電圧調整】
 ・1615kHz受信 → T107調整 → 21v
 ・518 kHz受信 → 2.7v ※確認のみ
【AM 受信調整】
 ・VR108 → 電圧計セット
 ・630kHz 受信 → T105調整 → 電圧最大
 ・1440kHz受信 → VC102調整 → 電圧最大
【AM Sメーター】
 ・VR108調整 → シグナルインジケーター

T840

■試聴------------------------------------------------------

 ・そういえば昔、ヤマハ製チューナー一覧表を作りました
 ・あの頃はヒマだったんだな~
 ・今はもっとヒマですが、でも体力と気力がもう、ちょっと無理かも

T803

note:BLUESS Laboratory

2025年8月17日 (日)

Technics ST-8077 修理調整記録2

 ・2025年5月連休、久しぶりのハードオフ巡回で懐かしい77Tに遭遇しました
 ・前回修理記事 を書いたのは2008年2月、、恐ろしいほど時が過ぎている、、
 ・おまけに、いま読み返してみると恥ずかしい内容でお粗末、、
 ・調整方法など見直して2025年版に更新しました

77t03

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Technics ST-8077(77T) 45,800円 (1979年頃)
 ・Hifi engine Technics ST-8077 AM/FM Stereo Tuner (1979-80)
 ・ST-8077K ブラックモデル
 ・ST-8077  シルバーモデル

77t0277t17

■動作確認--------------------------------------------------

 ・製品幅は標準オーディオサイズに対して、高さは僅か53mmと超薄型
 ・フロントパネルや天板に目立つキズはありません
 ・背面パネルの銘鈑やシリアルナンバーが判読不能なほど消えている
 ・ヤニ汚れを落とすため強力洗剤で磨いたのかも?
 ・FMアンテナ端子はバラ線を接続するとっても不便なタイプです
 ・さて、電源を入れて名古屋地区のFM局の受信テスト開始
 ・僅かな周波数ズレありますがすべての局を受信できました
 ・シグナルインジケーターが無いので同調点はTメーターが頼りですが、
 ・本機のTメーターは赤色指針の両側に付いている三角形のLED表示です
 ・左右の同調ズレを三角LEDが示し、同調すると赤色指針のみ点灯
 ・この三角LED表示のTメーター動作がちょっとおかしい感じ
 ・それでもSTEREOインジケーター点灯、SERVO LOCKも点灯
 ・一方のAM放送は背面バーアンテナで受信OKでした

77t1977t07

■内部確認--------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン搭載の薄型フロントエンド
 ・トリマ+コイルで調整できるタイプ
 ・IC101:AN217P FM IF AMP & AM CONV.
 ・IC102:AN377 FM IF AMP & DET クアドラチュア検波
 ・IC401:AN363N FM PLL-MPX
 ・ミューティング(fine / standard)の2段設定
 ・FMアンテナ端子をF型に改造したい、でも金具が基板に直結している
 ・おまけに底板が外せないの、、残念ながら断念

77t00

■調整記録--------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP101(R108左足)~TP102(奥足)→ 電圧計セット ※Tメーター電圧
 ・FM放送局の周波数を外した位置で受信 → T101調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
 ・IC102:AN377-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L6調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → CT4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・IC102:AN377-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1,L3,L4調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → CT1,CT2,CT3調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → 電圧最大
【FM検波調整】
 ・TP101(R108左足)~TP102(奥足)→ 電圧計セット
 ・音声出力端子 → Wavespectra接続
 ・83MHz受信 → T101調整 → 電圧ゼロ確認
 ・83MHz受信 → T102調整 → 高調波歪最小
【FM MUTING調整】
 ・音声出力端子 → Wavespectra接続
 ・MUTING → standard
 ・83MHz 20dB 受信 → VR301調整 → MUTING作動位置へ
 ・MUTING → fine
 ・83MHz 40dB 受信 → VR302調整 → MUTING作動位置へ
【MPX VCO調整】
 ・TP401(R427左足)→ 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調受信 → VR403調整 → 19kHz
【PILOTキャンセル調整】
 ・音声出力端子 → Wavespectra接続
 ・83MHz ST受信 → VR401,L401調整 → 19kHz信号最小
 ※左右レベル注意
【SUBキャリアキャンセル調整】
 ・音声出力端子 → Wavespectra接続
 ・83MHz ST受信 → CT501調整 → 38kHz信号最小
 ※左右レベル注意
【セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → Wavespectra接続
 ・83MHz L/R受信 → VR501調整 → 左右の漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・音声出力端子 → Wavespectra接続
 ・83MHz ST受信 → 音声レベル記録
 ・REC CAL オン → VR402調整 → -6dB
 ※440Hz信号音を確認
【AM調整】
 ・600 kHz受信 → L202,L201(バーアンテナ内)調整 →最適受信
 ・1400kHz受信 → CT202,CT201調整 → 最適受信
【AM MUTING】
 ・1000kHz受信 → VR303調整 → MUTING作動位置へ

77t30

■試聴------------------------------------------------------

 ・超薄型ボディとガンメタフェイス、浮かび上がるLEDインジケーター
 ・シンプルでカッコいいのですが、やはりちょっと物足りない感じ
 ・せめて5連くらいのシグナルインジケーターが欲しかった

77t0477t08

note:BLUESS Laboratory

2025年8月10日 (日)

TRIO KT-7500 修理調整記録8

 ・音量VRを 別のKT-7500(修理調整記録7)に移植した部品取り機です
 ・不具合多数のため放置してありましたが、
 ・VRを移植したのを機に、とりあえず使える状態にまで復旧しました
 ・以下、作業記録です。

Kt750003_20250810090101

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7500 48,000円(1975年発売)
 ・hi-fi engine KENWOOD KT-7300 輸出機サービスマニュアル
 ※型番注意 国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300

Kt750002_20250810085601Kt750012_20250810085601

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外観は目立つキズも無く見た目はそんなに悪くないのですが、
 ・なぜ「部品取り機」という可哀そうな扱いだったかというと、
【理由1】
 ・選局ダイヤル(中央の大きなツマミ)の回転軸が偏心している
 ・ダイヤルを回すと少し楕円を描くように回転します
 ・力技で軸の修正を試みましたが残念ながら完治には至らず
【理由2】
 ・FMアンテナ端子、同軸ケーブルの芯線を留める金具が欠損している
 ・現状では300Ω端子に接続するしかない

 ・指針と目盛りのズレ、Sメーター最大点とTメーター中点のズレ
 ・特にTメーターは中央から左側でしか動かない
 ・STEREOインジケーター点灯、照明電球切れなし、赤色LEDも点灯OK
 ・指針移動時の雑音、受信中の不定期な雑音
 ・AMは背面バーアンテナで良好に受信できました

■修理記録:音量調整VRを迂回する----------------------------

 ・本機の音声出力は可変端子のみ、固定出力端子はありません
 ・音量調整VRを取り外したので音声信号は出力端子に直結しました
 ・こうなると音量調整ツマミは不要ですが、ツマミがないと見た目が悪い、
 ・そこで故障機から取り外したVR(配線は切断したまま)を取り付け
 ・フロントパネル側から調整ツマミをはめ込んで見た目は完成
 ・音量調整ツマミを回しても音量は変化しませんが、見た目重視です
 ・今後、同型VRが入手出来たら配線をやり直せば復旧可能です
【参考情報:VR仕様】
 ・17番端子(L)、18番端子(GND)、19番端子(R)
 ・10kΩ(B)
 ・2連タイプ、本体直径16mm、シャフト径6mm、シャフト長30mm

Kt750020_20250810085801Kt750021_20250810085801Kt750022_20250810085801Kt750023_20250810085801 

■修理記録:FMアンテナ端子をF端子に改造---------------------

 ・オリジナルはF型端子ではなくバラ線をネジ止めするタイプです
 ・芯線を固定するためのネジが入手時から欠損していました
 ・何故こうなるのか?不思議です、、
 ・このままでは使い難いのでF型端子に交換するため加工しました
 ・芯線を固定する金具を撤去、元の取付穴をリーマーで拡幅
 ・サイズはピッタリ、違和感なく仕上がりました

Kt750030_20250810085901Kt750031_20250810085901Kt750033Kt750034Kt750035

■修理記録:バリコン軸とIC足の洗浄---------------------------

 ・バリコン回転軸の緑青サビは指針移動時のバリバリ雑音原因です
 ・エレクトロニッククリーナー、歯ブラシ、歯間ブラシで丹念に洗浄
 ・次に真っ黒に変色したICの足はを同様に磨いておきました
 ・足の裏側清掃にはSSサイズの歯間ブラシが役に立ちます

■調整記録--------------------------------------------------

【Tメーター オフセット調整】
 ・セレクタ AM → VR2調整 → Tメーター中点
 ※AM受信時にTメーターは使いませんが中点調整に使います
【FM OSC調整】
 ・76MHz → L4調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → IFT調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz → T1(下部コア)調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → T1(上部コア)調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz → VR1調整 → 振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP1 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,無変調 → VR3調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・83MHz → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz → バーアンテナ内T2調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT6,CT5調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・Sメーター調整 → VR5

Kt750040_20250810090101

■試聴------------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解したついでに周波数窓の裏側も清掃
 ・見た目は上等、とりあえず使える状態にまで復旧できました
 ・と言っても、使う予定はないのにね、、

Kt750004_20250810090101

 ・こんな状態でよろしければ必要な方に無料(送料別)で差し上げます
 ・実験用や部品取り用途に如何でしょう?
 ・先着1名、コメント欄でお知らせください

 ・譲渡の件は早々に終了しました

note:BLUESS Laboratory


 

2025年8月 3日 (日)

TRiO KT-990 修理調整記録14

 ・2025年5月、KT-990の故障機が届きました
 ・この機種定番の不具合症状満載でした
 ・以下、復活までの作業記録です

Kt99004_20250803090101

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-990 53,800円(1982年発売)

Kt99002_20250803090201Kt99019

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れがあるものの目立つキズは無い
 ・フロントパネルに並んだ銀色プッシュボタンには光沢がある
 ・電源オン、フロントパネル照明点灯、指針照明が点灯
 ・選局ツマミを回すと回転フィーリングがかなり重い
 ・原因はフロントパネルが前傾して選局ツマミと接触していること
 ・これはKT-990/KT-900で頻繁に遭遇する不具合事例です
 ・フロントパネルを指で支えながら名古屋地区のFM局を受信テスト再開
 ・82.5MHzのNHK-FM(名古屋)を82.4MHz付近で受信
 ・ズレた位置でSメーター点灯、Tメーターインジケーター点灯
 ・指針が82MHz辺りで引っ掛かる、それより低い周波数へ移動できない
 ・これはフロントパネル内部の金属フレームが歪んでいることが原因
 ・83MHz~90MHz区間は正常に移動する
 ・MUTINGオフで指針を移動すると局間ノイズに激しい雑音が混入する
 ・バリコン軸の軸受部が錆びついている感じです
 ・付属AMループアンテナを接続して名古屋のAM局を受信テスト
 ・Sメーターがフル点灯しAM放送を受信OK

■内部確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネルが前傾する原因は重量級アンプ等を上に載せたこと
 ・重量に耐え切れずフロントパネルとボディを繋ぐプラ部品が破損
 ・これはKT-900/KT-990定番の破損個所なので修復可能
 ・指針が82MHz辺りで引っ掛かる原因は金属フレームが変形していること
 ・これも重量級アンプなどを上部に載せていたことが原因です
 ・次にフロントエンド内のトリマコンデンサを仮調整で回したところ、
 ・回転に伴って発振周波数が変化しました、つまりトリマは生きている
 ・それからバリコン回転軸の軸受部が緑青色サビが大量に湧いている

Kt990000_20250803090101

■修理記録:フロントパネル補修(プラスチック溶接)----------

 ・経験を重ねてプラスチック溶接の腕前がだいぶ上がってきました
  ・破損部分を瞬間接着剤で仮止め
  ・破断位置を跨ぐようにホッチキス針を置く
  ・ハンダ鏝を針に押し当てプラスチックの内部に溶かし込む
  ・溶けたプラスチックを出来るだけ平らにならす
  ・最後に研磨して仕上げる
 ・20Wクラスのハンダ鏝ならこて先が細いので使い勝手が良いです
 ・プラスチックの厚みが2mmほどしかないので作業は慎重に!
 ・熱を加えすぎると裏面(上部から見える面)に変形が及ぶので注意

Kt99060_20250803090301Kt99061_20250803090301

■修理記録:フロントパネルフレーム修正----------------------

 ・指針が移動しないのはフロントの金属フレームに指針が当たるから
 ・ちょうど同じ位置(赤矢印)でフレームが湾曲していました
 ・これは力技で湾曲を修正しました
 ・これによって指針がスムーズに移動するようになりました

Kt99064

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-------------------------

 ・今回の個体ではトリマコンデンサは生きていましたが、念のため交換
 ・基板裏側ハンダ面を見るとトリマコンデンサ付近に穴が開いています
 ・トリマ位置とは少しズレますが半田ごてをそっと挿入すれば届きます
 ・古いトリマを取り外し、新トリマ(10pF)に交換しました
 ・後述の受信調整で周波数ズレは解消しました


Kt99050_20250803090301Kt99052_20250803090301

■修理記録:バリコン軸洗浄----------------------------------

 ・MUTINGオフで指針を移動すると激しいバリバリ音が発生する原因です
 ・目に見える範囲の緑青サビを爪楊枝の先端で削ぎ落す
 ・次にエレクトロニッククリーナーを噴射して何度か回転させる
 ・100均で買った歯間ブラシ(SSサイズ)で軸受け部を清掃
 ・これを何度か繰り返して清掃完了
 ・最後にエアダスターを噴射して乾燥させてからCRC556を少量塗布
 ・76~90MHz区間を何度も往復して馴染ませて作業完了

Kt99040_20250803090301Kt99041_20250803090301

■受信調整--------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC4調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・TR7020-2Pin(R18右足) → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz 受信 → T1調整 → 電圧最大
【クアドラチュア検波調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット(Tメーター)
 ・83MHz 受信 → L4調整 → 電圧ゼロ(Tメーター中点)
【WIDE GAIN調整】
 ・TR7020-2Pin → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz Narrow受信 → Sメーター電圧記録
 ・83MHz Wide受信 → VR1調整 → 上記電圧と同じ
【高調波歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → T1(フロントエンド内)調整 → 高調波歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・TR4011-1Pin → 周波数カウンタセット
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・TP VCO → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 → VR7調整 → 76kHz
【PILOTキャンセル】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide受信 → VR6調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション Narrow調整】※Narrow調整を先に行なうこと
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Narrow → VR3調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【セパレーション Wide調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz Wide → VR4調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz Wide → VR5調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・83MHz受信 → VR2調整 → -6dB設定 ※422Hz
【AM受信調整】
 ・700kHz → L11,L12調整 → Sメーター最大点灯
 ・1400kHz → TC1,TC2調整 → Sメーター最大点灯


Kt99070_20250803090101

■試聴------------------------------------------------------

 ・今回はLED化はしていないので見た目はオリジナル状態のままです
 ・やはり照明に浮かび上がる強化ガラス製フロントパネルが超美しい
 ・薄暗い部屋でボーっと眺めていると幸せに浸れます
 ・上面に重い機材を載せないようにくれぐれもご注意ください

Kt99011_20250803090101

note:BLUESS Laboratory

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