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2025年9月の記事

2025年9月28日 (日)

KENWOOD D-3300T 修理調整記録11

 ・2025年9月、D-3300Tのメンテナンスをお引き受けしました
 ・以下、作業記録です

D3300t04_20250928083901

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 KENWOOD D-3300T 140,000円(1986年)
 ・オーディオの足跡 KENWOOD D-3300T 140,000円(1986年発売)
 ・KENWOOD D-3300T 取扱説明書 日本語版PDF

D3300t02_20250928084001D3300t08_20250928084001

■動作確認--------------------------------------------------

【提供者様からの事前情報】
 ・FM放送は受信できるが、オートチューニングは上下方向とも不可
 ・Tメーターが中央より右側だけで点灯する
 ・MODULATIONインジケーターが点灯しない
【当方での確認事項】
 ・天板には経年の汚れで覆われているが目立つキズは無さそう
 ・フロントパネルも汚れているが幸いほぼ無傷
 ・背面端子には錆が目立つが磨けばキレイになりそう
 ・さてFMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数などの表示部が明るく点灯、文字痩せは見受けられない
 ・オート選局では上り下りとも放送局を素通りして受信不可
 ・手動選局では-0.1MHzズレた周波数で受信できました
 ・この時Tメーターは中央より右端の赤いバーが点灯するのみ
 ・STEREOインジケーター点灯しない
 ・RF切換(DIRECT/DISTAMCE)、IF BAND切換(WIDE/NARROW)OK
 ・固定/可変出力端子ともに音声を確認
 ・FM同調点が大幅にズレています
 ・これが原因でSTEREOとMODULATIONインジケーターが点灯しないと推察

D3300t05_20250928083901

■内部確認:------------------------------------------------

 ・KENWOODサービスの修理歴シールなし
 ・部品交換歴は無さそうです
 ・過去にハンダ割れがあった電源回路や音声端子など確認 → 異常なし
 ・メモリ登録後1週間経っても内容を保持していました

D3300t00

■調整記録--------------------------------------------------

【本体設定】
 ・IF BAND:WIDE
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・QUIETING CONTROL:NORMAL
【VT電圧】
 ・TP6~TP7 DC電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76MHz → L5調整 → 3.0V±0.1V ※実測 2.9V
 ・90MHz → TC5調整 →25.0V±0.1V ※実測25.0V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測-3.5V
 ・TP16~TP17 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測+585mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L1~L4調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1~TC4調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 DC電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 → L10,L11,L22調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → L11調整 → 電圧最大
【AUTO STOP調整】
 ・83MHz,20dB受信 → VR1調整 → STEREOインジケータ点灯
【SIGNAL METER調整】
 ・電源スイッチ後方の小さな基板
 ・83MHz,50dB → VR3調整 → 7番目のドット(最上段)点灯
【TUNING METER調整】
 ・SELECTOR:MONO
 ・83MHz,80dB → VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【MPX VCO調整】
 ・TP15に周波数カウンタ接続
 ・83MHz,80dB → VR5調整 → 76.00kHz±50Hz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz,ST信号 → VR1調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【PILOT CANCEL調整2】
 ・83MHz,ST信号 → L20調整 → 19kHz信号最小
 ・左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力をWavespectraで観察
 ・83MHz,SUB信号 → L19調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz,MONO → VR3調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz,MONO → VR4調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz,MONO → VR6調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz,L信号 → VR5調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz,SUB信号 → VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6】
 ・83MHz,MAIN信号 → VR8調整 → 歪率最小
【歪調整7】
 ・83MHz,L信号 → VR9調整 → 歪率最小
【歪調整8 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz,MAIN信号 → VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 L】
 ・83MHz,R信号 → VR4調整 → Lchもれ最小
【SEPARATION調整2 R】
 ・83MHz,L信号 → VR3調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整3 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz.L/R信号 → VR2調整 → もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・REC CAL オン
 ・VR4調整 → 左から4番目のドットが点灯する位置

D3300t40_20250928083901

■試聴------------------------------------------------------

 ・故障個所なし、再調整によってよい性能を取り戻しました
 ・今回のように再調整だけで復活する個体もあります
 ・多分、チューナーにとって快適な環境で使われていたのかな?と想像します

D3300t03_20250928083901

note:BLUESS Laboratory

2025年9月21日 (日)

PIONEER F-007 修理調整記録4

 ・2025年8月、周波数目盛が消えかけたF-007を譲り受けました
 ・ハードオフのジャンクコーナーにあったそうです
 ・歴史的な名機に何てことするんだ!!、と思った作業記録です

F00770

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-007 ¥95,000(1978)
 ・オーディオの足跡 Pioneer F-007 ¥95,000(1979年頃)
 ・Hifi Engine PIONEER F-28 ※輸出機サービスマニュアルあり

F00702_20250921090801F00713

■クォーツロックシンセサイザー方式--------------------------

 ・F-007の特徴は何といっても独特のクォーツロック方式です
 ・サービスマニュアルの回路説明(英文)を読んで適当に意訳しました

  ・周波数を刻んだ目盛板の奥にコードパターンが配置されている
  ・指針ユニット内に9個のフォトトランジスタと2個のランプを内蔵
  ・ランプがコードパターンを照らしフォトトランジスタが読み取る
  ・読み取った情報でローカル発振周波数を指定する
  ・クォーツ基準周波数とローカル発振周波数を比較し発振周波数をロック
  ・目盛りズレのない高精度のチューニングで周波数ズレも発生しない
  ・ローカル発振回路はバリキャップを2個搭載したツインバリキャップ
  ・2個のバリキャップは76.1~83.2MHzと83.3MHz~89.9MHz周波数範囲を分担
  ・分担する範囲を狭くすることでSN比を改善している

■検波方式:Parallel Balanced Linear Detector / PBLD -------

 ・パイオニアでは「超広帯域直線検波」とカタログに表記しています
 ・F-26以降では「Parallel Balanced Linear Detector:PBLD」とされます

 【超広帯域直線検波】
  ・1974年 Pioneer TX-9900    140,000円
  ・1974年 Pioneer TX-8900     65,000円
  ・1975年 EXCLUSIVE F-3     250,000円
  ・1976年 Pioneer TX-8900Ⅱ    65,800円
 【Parallel Balanced Linear Detector / PBLD
  ・1977年 Pioneer F-26      135,000円
  ・1978年 Pioneer F-007     95,000円

■動作確認--------------------------------------------------

 ・周波数目盛が一部消えている、というか、剥がれて無残な状態です
 ・でもボディやフロントは目立つ外傷は見当たりません
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓の照明点灯、Sメーター照明も点灯、電球切れなし
 ・赤色LEDのインジケータ類点灯、指針に内蔵されたLOCKランプ点灯
 ・MUTINGオフの状態で名古屋地区のFM放送を受信しました
 ・正常な周波数でSメーター最大になるが、
 ・ただしMUTINGオンにすると受信できない
 ・受信時もSTEREOランプ点灯しない
 ・さらに受信音に「ザザッ、ザザッ」と雑音が混入する
 ・IF BAND切換でWide/Narrowとも同じ雑音が混入する
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる
 ・雑音発生時にメーター動作やインジケーターLEDに変化なし

F00741

■内部確認--------------------------------------------------

 ・フロントエンド=5連バリコン+バリキャップOSC
 ・IF回路 WIDE / NARROW 切替
 ・M5109PR PBLD検波
 ・PA3001A クアドラチュア検波(同調点検出、Sメーター駆動)
 ・PA1001A PLL MPX
 ・PA1002A AF、MUTING動作
 ・修理の痕跡は無いのでオリジナル状態だと思います

F00700_20250921090501

■修理記録:周波数目盛を刻んだガラス板交換------------------

 ・素材はアクリルではなくしっかり重さのあるガラスです
 ・このガラス板を磨こうとした先人がいたようです
 ・でも誤って目盛り印字を痛めてしまいHOへ処分した、と想像します
 ・フロントパネルを分解清掃するとき曇ったガラス板も磨きたくなりますが、
 ・でも作業は慎重かつ慎重に、、
 ・素材がアクリル板ではなくガラス板の場合は特に慎重に!!!
 ・こうなっては正常なガラス板と交換するしかありません
 ・実は、持っていたんですね、このガラス板
 ・外観が酷いヤニ汚れだったので部品取り用に保管していたF-007です
 ・ここからガラス板だけ取り外して清掃後に移植しました

F00744F00746F00747F00748F00749

【慣用句】ゴミでも捨てずに持っていると、忘れた頃にイイことあり

■修理記録:予防措置----------------------------------------

 ・過去に不具合事例があったフロントエンド内Q5,Q6:2SK61
 ・確認するとやはりそれぞれの足が真っ黒に変色しています
 ・マイグレーションの影響がありそうなので洗浄しました
 ・基板全体を見渡して黒くなっているICやTRの足も磨いておきました
 ・特にIFアンプのHA1201とLA1222、PA3001Aの足が真っ黒でした

■調整記録--------------------------------------------------

【シンセサイザー基板】
 ・シンセサイザー基板から同軸ケーブルを抜く
 ・TP3 周波数カウンタ接続 → TC調整 → 10.2343MHz
 ・TP6 オシロスコープ接続 → 2ND,6TH調整 → 61.4MHz波形最大
 ・シンセサイザー基板に同軸ケーブル接続
 ・指針を76.1MHzにセット
 ・TP4 オシロスコープ接続 → LPF調整 → 399.8kHz方形波
【OSC VT電圧調整】
 ・TP9 電圧計セット
 ・指針を76.1MHzにセット → L6調整 → 1.07V
 ・指針を83.2MHzにセット → TC6調整 → 7.89V
【RF調整】
 ・SSG76.1MHz 30dB無変調 → L1~L5調整 → Sメーター最大
 ・SSG89.9MHz 30dB無変調 → TC1~TC5調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・SSG83.0MHz 30dB無変調 → T1調整 → Sメーター最大
【同調点調整】
 ・TP28~TP29間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T8調整 → 電圧ゼロ
【IF歪調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → T1調整 → 高調波歪最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz受信 → T2調整 → 高調波歪最小
【IF中心周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → シンセサイザー基板TC調整 → 高調波歪最小
【PBLD検波調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → ※
 ※VR1を左右に大きく回し、音声が出現する範囲の中間位置にセット
【コンパレータ調整 DC Null】
 ・TP23~TP24間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 電圧ゼロ
【MUTING調整】
 ・83MHz20dB受信 → VR2調整 → ミューティング作動
【Sメーター調整】
 ・83MHz100dB受信 → VR3調整 → Sメーター100dBf
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 → オーディオ出力レベル記録
 ・REC LEVEL CHECKオン → VR4調整 → -6dBセット
【VCO調整】
 ・TP3 周波数カウンタ接続
 ・83MHz変調オフ → VR1調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHzステレオ変調 → VR2,T1調整 → 19kHz成分最小
 ・左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHzステレオ変調 → VR3調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHzステレオ変調 → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小

F00750_20250921090501

■試聴------------------------------------------------------

 ・調整後はMUTING動作が正常化しました
 ・周波数ズレなし、気持ちよく同調します
 ・特にセパレーションは70dB前後ととても良好な値を示します

F00775

note:BLUESS Laboratory

2025年9月14日 (日)

TRIO KT-8000 修理調整記録11

 ・2025年8月、ワンオーナー機の修理調整を承りました
 ・最近は不具合症状がいろいろあって実用にならなくなってきたそうです
 ・当時別売だったキャリングハンドル、実物を初めて見ました
 ・以下、作業記録です

Kt800073_20250914085701

■製品情報--------------------------------------------------

 ・TRIO KT-8000 製品カタログ 1979年2月版抜粋
 ・TRIO KT-8000 取扱説明書 日本語版PDF形式
【参考情報】
 ・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
 ・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
 ・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
 ・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機

Kt800071_20250914085601 Kt800011

■動作確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネルはほぼ無傷、でもボディ上面に多少の擦り傷あり
 ・本体両側にセットされたキャリングハンドルは錆が湧いている
 ・フロントパネルとハンドルは材質が違うようで劣化具合に微妙な差がある
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓の照明と二つのメーター照明点灯、電球切れなし
 ・選局ツマミを回すと放送局周波数付近でTメーターとSメーターが反応
 ・ただSメーターの振れ方が過敏で最大点が判別できない
 ・Tメーターは中央から右側だけで振れるので中点が判定できない
 ・76~82MHz区間で指針移動すると激しいバリバリ音が発生
 ・バリバリ音に合わせてSメーターが激しく振れる
 ・STEREOランプは放送局がない位置でも頻繁に明滅する
 ・受信しているようだが固定/可変出力とも酷い雑音しか出ない
 ・wide/narrowとも同じ雑音が聞こえる
 ・3個あるLEDインジケーターが点灯することを確認
 ・まずはバリコン回転軸の清掃から始めます

Kt800074_20250914085901 Kt800076 Kt800077_20250914085901 Kt800079 Kt800078_20250914085901

■内部確認--------------------------------------------------

 ・キャリングハンドルを外してみると、ダイキャスト製でズッシリ重い
 ・標準より長いネジ2本で本体側面に固定されていました
 ・同時期のアンプやチューナーにも適合すると思われます
 ・FM専用7連バリコン → HA1137W → MC1496 → PC検波 → HA11223
 ・マルチパスH端子から正常音声が聴こえる。
 ・TP1.96MHz周波数カウンタ接続 → L16調整可能 → 正常
 ・HA11223-2ピン(検波信号入力)→ 正常
 ・HA11223-5ピン(Rch)、6ピン(Lch)→ ノイズ混りの酷い音×
 ・不調原因はHA11223の真っ黒に変色した足か?
 ・あと、バリコン軸の受け部に緑青色に変色した古いグリス

Kt800000_20250914085701

■修理記録:バリバリノイズ対策------------------------------

 ・76MHz~82MHz間で指針を移動すると激しいバリバリノイズ発生する
 ・ノイズに合わせてSメーターが大きく振れる
 ・この症状は経験的にバリコン回転軸の接触不良が怪しいです
 ・爪楊枝の先端で注意深く回転軸を清掃、仕上げに導通グリスを軽く塗布
 ・この措置でノイズは解消しました。
 ・ときには指針を76~90MHz間を往復させてやると良いです。

Kt800021_20250914085701

■修理記録:黒化したICやTRの足を洗浄-------------------------

 ・真っ黒に変色した HA11223 の足を歯間ブラシで磨いてみました
 ・これだけで酷い雑音は解消してキレイなFM音声が流れてきました
 ・さらに足の裏側を歯間ブラシで磨いておきました
  ・IC3:LA1222
  ・IC4:HA1137W
  ・IC9:HA11223
  ・IC10:4558DB

■調整記録--------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
 ※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
 ・90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
 ・83MHz → L14調整 → Tメーター中点
【IF調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz → L12調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
 ・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Wide Gain調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・VR2中央位置に設定 → Sメーター記録
 ・IF BAND=Wide
 ・VR1調整 → 記録したNarrow Sメーターと同値に
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR3調整 → Sメーター振れ調整
【MPX部調整】
 ・VR7:パイロットキャンセル調整
 ・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
 ・VR4、VR5:セパレーション調整

Kt800030_20250914085701

■試聴------------------------------------------------------

 ・LED化は不要との事だったので最小限の作業に留めました
 ・Wavespectraで見える波形のベースラインが綺麗に落ち着いています
 ・電球色に映える周波数窓とアルミパネルのコントラストがいい感じ

Kt800075_20250914085701

note:BLUESS Laboratory

2025年9月 7日 (日)

ROTEL RX-1000 修理調整記録

 ・2025年8月初め、ヤフオクで珍しいROTEL製レシーバーを入手しました
 ・もちろん動作保証なしのジャンク機、事前調査でも正体不明、、
 ・実は私は1980年前後のROTEL機、特にチューナーが大好きです
 ・特に、他社機とは一線を画す独特のフロントパネルデザインが好みです
 ・入手したジャンク機を使える状態まで復旧した記録です
 ・おかげ様で今年の酷暑夏季休暇は楽しく過ごせました

Rx100003

■製品情報--------------------------------------------------

 ・Hifi engine ROTEL RX-1000 AM/FM Stereo Receiver
 ・ROTEL RX-1000 OWNER'S MANUAL
 ※ROTEL社サイトから取扱説明書(日本語含む8言語版)を入手可能
 ※国内サイトでは製品情報が見当たらない
 ※AIの Deep Research機能を使っても発売年や価格は判明せず
 ※サービスマニュアルの追補版は「1980年4月」の日付でした
 ※状況証拠からたぶん1979年頃の製品だと推測します
 ※ダウンロードした取扱説明書からスペックを抜粋します

Rx100002Rx100021
Rx1000_spec

■動作確認--------------------------------------------------

 ・アナログチューナー+プリメインアンプのステレオレシーバーです
 ・ブラックボディ、TメーターとSメーターはLED表示タイプ
 ・経年の汚れがあるが外装に目立つキズは無く状態はかなり良さそう
 ・さらに周波数窓の右上に「PLL MPX」の文字、これは期待できる!
 ・入力切換:FM/AM/PHONO/AUX、スピーカー切換:A/B
 ・FMアンテナと実験用スピーカーを繋いで電源オン
 ・周波数窓の照明が電球色に点灯、指針照明は無いタイプ
 ・名古屋地区のFM放送局を受信できました
 ・ただ83.0MHz信号を82.1MHz付近で受信、全域で-1MHz位の周波数ズレ
 ・周波数ズレが大きいのでOSCトリマコンデンサが死んでいるかも?
 ・ズレた位置でシグナルインジケーターフル点灯、Tメーター点灯
 ・STEREOインジケーター点灯
 ・TAPE OUT端子からWavespectraに接続して音声波形確認
 ・最終LPFが無いのか、38kHz信号までよく見える
 ・次に背面バーアンテナでAM放送の受信確認
 ・続いて外部入力にCDプレーヤーを接続して再生音を確認
 ・最後にPHONO入力にレコードプレーヤーを接続して再生音を確認
 ・音量調整VRとバランス調整VRに軽微なガリ
 ・トーンコントロールで音質変化確認、ラウドネス効果確認
 ・音質云々はともかく、ほとんどの機能は生きているようです

Rx100005Rx100006Rx100010Rx100015Rx100018

■内部確認--------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン搭載フロントエンド → CF×2個
 ・IF BAND切換機能なし
 ・IC101:HA1137W クアドラチュア検波
 ・IC102:AN363N PLL-MPX
 ・AM回路:ディスクリート構成
 ・IC601:SI 1135HD パワーモジュール
 ・巨大な電源トランスのせいで本体左側が極端に重い
 ・基板を見た印象、何だか雑然とした感じです
 ・強引に後付けした宙に浮いた部品も散見されます
 ・高級機という感じではないです

Rx100031Rx100032Rx100035Rx100036Rx100038
Rx100000

■調整記録--------------------------------------------------

【FM同調点調整】
 ・TP8[CENTER METER]~TP21 → 電圧計セット
 ・FM放送を何も受信しない状態 → L113下段コア調整 → 電圧ゼロ
【FM OSC調整】
 ・TP FM METER → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L103調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → CT103調整 → 電圧最大
 ※CT103の反応が過敏で最適値に設定し難い
 ※後述のようにCT103(10pF)交換後に調整続行
【FM RF調整】
 ・TP FM METER → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76MHz受信 → L101,L102調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → CT101,CT102, → 電圧最大
 ・83MHz受信 → L104調整 → 電圧最大
【FM検波調整】
 ・TP9~TP21 → 電圧計セット
 ・TAPE OUT端子 → Wavespectra接続
 ・83MHz受信 → L113下段調整 → 電圧ゼロ確認
 ・83MHz受信 → L113上段調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター点灯調整】
 ・83MHz60dB受信 → VR101調整 → インジケーター全点灯
【TメーターLED調整】
 ・82.95MHz受信 → VR301調整 → 左側インジケーター(赤)点灯
 ・83.05MHz受信 → VR302調整 → 右側インジケーター(赤)点灯
【MPX VCO調整】
 ・83MHz ST受信 → VR102調整 → 左右に大きく回す
 ・STEREOインジケーターが点灯する範囲を特定する
 ・その範囲の中央にVR102を設定する
【セパレーション調整】
 ・TAPE OUT端子 → Wavespectra接続
 ・83MHz L/R受信 → VR103調整 → 左右の漏れ信号最小
【AM調整】
 ・600 kHz受信 → L201,L001(バーアンテナ内)調整 →最適受信
 ・1400kHz受信 → CT202,CT201調整 → 最適受信
【AM Sメーター点灯調整】
 ・1000kHz受信 → VR201調整 → 点灯量調整

Rx100070

■修理記録:OSCトリマコンデンサ交換-------------------------

 ・OSCトリマコンデンサ(CT103)の反応が過敏で最適値に設定できない
 ・少し触れるだけで発振周波数が大きく変化する
 ・回路図には容量の記載はありませんが、たぶん10pFだろうと推測
 ・交換後の再調整で最適値に設定できました

Rx100050Rx100053

■改造記録:指針塗装----------------------------------------

 ・フロントパネルを外して裏側まで磨きました
 ・照明電球は正面左側に1個だけでした 6.3v/250mA
 ・指針は照明なしの白色だったので蛍光オレンジ色で塗装しました
 ・視認性は大幅アップしました
 ・周波数を刻んだアクリル板も磨いて輝きを取り戻しました

Rx100060Rx100064

■試聴------------------------------------------------------

 ・周波数窓の下にツマミやボタンが整然と並ぶレシーバーが大好物です
 ・本当はSメーターとTメーターが二つ並んだ機種が好みですが
 ・本機のようにLEDによるインジケーターに進化したタイプもイイですね
 ・この後はシンセ式チューナーを内蔵したタイプにさらに進化します

Rx100009

■照明電球LED化実験-----------------------------------------

 ・周波数窓の照明 → ヒューズ型電球6.3v/250mA×1個のみ
 ・電源トランスからのAC5.5vで点灯しています
 ・実験用電源を使って白色LEDを使った点灯実験
 ・白色LEDによる周波数照明がイイ感じです
 ・緑色のアクリル製フィルターを入れてグリーンフェイスもイイかも?
 ・いずれ時間が出来たら電源回路を弄ってLED化を実践したい

Rx1000121Rx1000122

■参考:ROTEL機の記録---------------------------------------

 ・ROTEL RT-622(1973年頃)※他社機とは一味違うデザインに惹かれる
 ・ROTEL RT-1220(1973年頃)※RT-622の上位機
 ・ROTEL RT-1024(1977年頃)※FMドルビー放送対応機
 ・ROTEL RT-2000(1978年頃)※HA11223W PLL-MPX搭載機

note:BLUESS Laboratory

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