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2025年9月14日 (日)

TRIO KT-8000 修理調整記録11

 ・2025年8月、ワンオーナー機の修理調整を承りました
 ・最近は不具合症状がいろいろあって実用にならなくなってきたそうです
 ・当時別売だったキャリングハンドル、実物を初めて見ました
 ・以下、作業記録です

Kt800073_20250914085701

■製品情報--------------------------------------------------

 ・TRIO KT-8000 製品カタログ 1979年2月版抜粋
 ・TRIO KT-8000 取扱説明書 日本語版PDF形式
【参考情報】
 ・1976年 KT-9700 \150,000円 初のパルスカウント検波搭載機
 ・1977年 KT-9900 \200,000円 パルスカウント検波機の最高峰
 ・1977年 KT-8000 \ 69,800円 中級機で初のパルスカウント検波
 ・1978年 KT-8300 \ 63,000円 KT-8000の後継機

Kt800071_20250914085601 Kt800011

■動作確認--------------------------------------------------

 ・フロントパネルはほぼ無傷、でもボディ上面に多少の擦り傷あり
 ・本体両側にセットされたキャリングハンドルは錆が湧いている
 ・フロントパネルとハンドルは材質が違うようで劣化具合に微妙な差がある
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓の照明と二つのメーター照明点灯、電球切れなし
 ・選局ツマミを回すと放送局周波数付近でTメーターとSメーターが反応
 ・ただSメーターの振れ方が過敏で最大点が判別できない
 ・Tメーターは中央から右側だけで振れるので中点が判定できない
 ・76~82MHz区間で指針移動すると激しいバリバリ音が発生
 ・バリバリ音に合わせてSメーターが激しく振れる
 ・STEREOランプは放送局がない位置でも頻繁に明滅する
 ・受信しているようだが固定/可変出力とも酷い雑音しか出ない
 ・wide/narrowとも同じ雑音が聞こえる
 ・3個あるLEDインジケーターが点灯することを確認
 ・まずはバリコン回転軸の清掃から始めます

Kt800074_20250914085901 Kt800076 Kt800077_20250914085901 Kt800079 Kt800078_20250914085901

■内部確認--------------------------------------------------

 ・キャリングハンドルを外してみると、ダイキャスト製でズッシリ重い
 ・標準より長いネジ2本で本体側面に固定されていました
 ・同時期のアンプやチューナーにも適合すると思われます
 ・FM専用7連バリコン → HA1137W → MC1496 → PC検波 → HA11223
 ・マルチパスH端子から正常音声が聴こえる。
 ・TP1.96MHz周波数カウンタ接続 → L16調整可能 → 正常
 ・HA11223-2ピン(検波信号入力)→ 正常
 ・HA11223-5ピン(Rch)、6ピン(Lch)→ ノイズ混りの酷い音×
 ・不調原因はHA11223の真っ黒に変色した足か?
 ・あと、バリコン軸の受け部に緑青色に変色した古いグリス

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■修理記録:バリバリノイズ対策------------------------------

 ・76MHz~82MHz間で指針を移動すると激しいバリバリノイズ発生する
 ・ノイズに合わせてSメーターが大きく振れる
 ・この症状は経験的にバリコン回転軸の接触不良が怪しいです
 ・爪楊枝の先端で注意深く回転軸を清掃、仕上げに導通グリスを軽く塗布
 ・この措置でノイズは解消しました。
 ・ときには指針を76~90MHz間を往復させてやると良いです。

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■修理記録:黒化したICやTRの足を洗浄-------------------------

 ・真っ黒に変色した HA11223 の足を歯間ブラシで磨いてみました
 ・これだけで酷い雑音は解消してキレイなFM音声が流れてきました
 ・さらに足の裏側を歯間ブラシで磨いておきました
  ・IC3:LA1222
  ・IC4:HA1137W
  ・IC9:HA11223
  ・IC10:4558DB

■調整記録--------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・90MHz → TC7調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → L7間隔調整 → Sメーター最大
 ※L7調整は難しいので83MHzの一点調整実施
【RF調整】
 ・90MHz → TC1~6調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → L1~6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
【FM同調点(HA1137W)調整】
 ・83MHz → L14調整 → Tメーター中点
【IF調整】
 ・IF BAND=Wide
 ・83MHz → L12調整 → Sメーター最大
 ・IF BAND=Narrow
 ・83MHz → L13調整 → Sメーター最大
【2nd IF調整】
 ・L16調整 → TPにて1.96MHz確認
【Wide Gain調整】
 ・IF BAND=Narrow
 ・VR2中央位置に設定 → Sメーター記録
 ・IF BAND=Wide
 ・VR1調整 → 記録したNarrow Sメーターと同値に
【Sメーター調整】
 ・83MHz受信 → VR3調整 → Sメーター振れ調整
【MPX部調整】
 ・VR7:パイロットキャンセル調整
 ・VR6:VCO調整 TP(R133前足)にて76kHz確認
 ・VR4、VR5:セパレーション調整

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■試聴------------------------------------------------------

 ・LED化は不要との事だったので最小限の作業に留めました
 ・Wavespectraで見える波形のベースラインが綺麗に落ち着いています
 ・電球色に映える周波数窓とアルミパネルのコントラストがいい感じ

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note:BLUESS Laboratory

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コメント

いつか8000番のような多連バリコンチューナの音を                                         聞いてみたいと思いますが、なかなか縁がないですね。                                   4連とかに比べると、どんなサウンドなのか気になってしまいますね。
                                  

WaveSpectraの画面でわかるほどの低ノイズレベルに低歪みですね。パルス検波恐るべし。KT-80の修理記録も拝見しましたが同様です。昔KT-8000や8300はとても欲しかったのですよね。しかしこれまでパルス検波機は手に(耳に)したことがありませんでした。

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