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2025年9月21日 (日)

PIONEER F-007 修理調整記録4

 ・2025年8月、周波数目盛が消えかけたF-007を譲り受けました
 ・ハードオフのジャンクコーナーにあったそうです
 ・歴史的な名機に何てことするんだ!!、と思った作業記録です

F00770

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-007 ¥95,000(1978)
 ・オーディオの足跡 Pioneer F-007 ¥95,000(1979年頃)
 ・Hifi Engine PIONEER F-28 ※輸出機サービスマニュアルあり

F00702_20250921090801F00713

■クォーツロックシンセサイザー方式--------------------------

 ・F-007の特徴は何といっても独特のクォーツロック方式です
 ・サービスマニュアルの回路説明(英文)を読んで適当に意訳しました

  ・周波数を刻んだ目盛板の奥にコードパターンが配置されている
  ・指針ユニット内に9個のフォトトランジスタと2個のランプを内蔵
  ・ランプがコードパターンを照らしフォトトランジスタが読み取る
  ・読み取った情報でローカル発振周波数を指定する
  ・クォーツ基準周波数とローカル発振周波数を比較し発振周波数をロック
  ・目盛りズレのない高精度のチューニングで周波数ズレも発生しない
  ・ローカル発振回路はバリキャップを2個搭載したツインバリキャップ
  ・2個のバリキャップは76.1~83.2MHzと83.3MHz~89.9MHz周波数範囲を分担
  ・分担する範囲を狭くすることでSN比を改善している

■検波方式:Parallel Balanced Linear Detector / PBLD -------

 ・パイオニアでは「超広帯域直線検波」とカタログに表記しています
 ・F-26以降では「Parallel Balanced Linear Detector:PBLD」とされます

 【超広帯域直線検波】
  ・1974年 Pioneer TX-9900    140,000円
  ・1974年 Pioneer TX-8900     65,000円
  ・1975年 EXCLUSIVE F-3     250,000円
  ・1976年 Pioneer TX-8900Ⅱ    65,800円
 【Parallel Balanced Linear Detector / PBLD
  ・1977年 Pioneer F-26      135,000円
  ・1978年 Pioneer F-007     95,000円

■動作確認--------------------------------------------------

 ・周波数目盛が一部消えている、というか、剥がれて無残な状態です
 ・でもボディやフロントは目立つ外傷は見当たりません
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓の照明点灯、Sメーター照明も点灯、電球切れなし
 ・赤色LEDのインジケータ類点灯、指針に内蔵されたLOCKランプ点灯
 ・MUTINGオフの状態で名古屋地区のFM放送を受信しました
 ・正常な周波数でSメーター最大になるが、
 ・ただしMUTINGオンにすると受信できない
 ・受信時もSTEREOランプ点灯しない
 ・さらに受信音に「ザザッ、ザザッ」と雑音が混入する
 ・IF BAND切換でWide/Narrowとも同じ雑音が混入する
 ・マルチパスH端子からも同じ雑音が聞こえる
 ・雑音発生時にメーター動作やインジケーターLEDに変化なし

F00741

■内部確認--------------------------------------------------

 ・フロントエンド=5連バリコン+バリキャップOSC
 ・IF回路 WIDE / NARROW 切替
 ・M5109PR PBLD検波
 ・PA3001A クアドラチュア検波(同調点検出、Sメーター駆動)
 ・PA1001A PLL MPX
 ・PA1002A AF、MUTING動作
 ・修理の痕跡は無いのでオリジナル状態だと思います

F00700_20250921090501

■修理記録:周波数目盛を刻んだガラス板交換------------------

 ・素材はアクリルではなくしっかり重さのあるガラスです
 ・このガラス板を磨こうとした先人がいたようです
 ・でも誤って目盛り印字を痛めてしまいHOへ処分した、と想像します
 ・フロントパネルを分解清掃するとき曇ったガラス板も磨きたくなりますが、
 ・でも作業は慎重かつ慎重に、、
 ・素材がアクリル板ではなくガラス板の場合は特に慎重に!!!
 ・こうなっては正常なガラス板と交換するしかありません
 ・実は、持っていたんですね、このガラス板
 ・外観が酷いヤニ汚れだったので部品取り用に保管していたF-007です
 ・ここからガラス板だけ取り外して清掃後に移植しました

F00744F00746F00747F00748F00749

【慣用句】ゴミでも捨てずに持っていると、忘れた頃にイイことあり

■修理記録:予防措置----------------------------------------

 ・過去に不具合事例があったフロントエンド内Q5,Q6:2SK61
 ・確認するとやはりそれぞれの足が真っ黒に変色しています
 ・マイグレーションの影響がありそうなので洗浄しました
 ・基板全体を見渡して黒くなっているICやTRの足も磨いておきました
 ・特にIFアンプのHA1201とLA1222、PA3001Aの足が真っ黒でした

■調整記録--------------------------------------------------

【シンセサイザー基板】
 ・シンセサイザー基板から同軸ケーブルを抜く
 ・TP3 周波数カウンタ接続 → TC調整 → 10.2343MHz
 ・TP6 オシロスコープ接続 → 2ND,6TH調整 → 61.4MHz波形最大
 ・シンセサイザー基板に同軸ケーブル接続
 ・指針を76.1MHzにセット
 ・TP4 オシロスコープ接続 → LPF調整 → 399.8kHz方形波
【OSC VT電圧調整】
 ・TP9 電圧計セット
 ・指針を76.1MHzにセット → L6調整 → 1.07V
 ・指針を83.2MHzにセット → TC6調整 → 7.89V
【RF調整】
 ・SSG76.1MHz 30dB無変調 → L1~L5調整 → Sメーター最大
 ・SSG89.9MHz 30dB無変調 → TC1~TC5調整 → Sメーター最大
【IF調整】
 ・SSG83.0MHz 30dB無変調 → T1調整 → Sメーター最大
【同調点調整】
 ・TP28~TP29間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → T8調整 → 電圧ゼロ
【IF歪調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → T1調整 → 高調波歪最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHz受信 → T2調整 → 高調波歪最小
【IF中心周波数調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHz受信 → シンセサイザー基板TC調整 → 高調波歪最小
【PBLD検波調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整 → ※
 ※VR1を左右に大きく回し、音声が出現する範囲の中間位置にセット
【コンパレータ調整 DC Null】
 ・TP23~TP24間 DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 電圧ゼロ
【MUTING調整】
 ・83MHz20dB受信 → VR2調整 → ミューティング作動
【Sメーター調整】
 ・83MHz100dB受信 → VR3調整 → Sメーター100dBf
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz 1kHz 100%変調 → オーディオ出力レベル記録
 ・REC LEVEL CHECKオン → VR4調整 → -6dBセット
【VCO調整】
 ・TP3 周波数カウンタ接続
 ・83MHz変調オフ → VR1調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・83MHzステレオ変調 → VR2,T1調整 → 19kHz成分最小
 ・左右バランス注意
【セパレーション調整】
 ・IF BAND=WIDE
 ・83MHzステレオ変調 → VR3調整 → 反対ch漏れ信号最小
 ・IF BAND=NARROW
 ・83MHzステレオ変調 → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小

F00750_20250921090501

■試聴------------------------------------------------------

 ・調整後はMUTING動作が正常化しました
 ・周波数ズレなし、気持ちよく同調します
 ・特にセパレーションは70dB前後ととても良好な値を示します

F00775

note:BLUESS Laboratory

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