Victor JT-V9 修理調整記録
・2025年10月、いつか見てみたいと思っていた機種を寄付していただきました
・昭和時代の香り漂うオールドチューナーは大好物です
・以下、復活までの作業記録です

■製品情報--------------------------------------------------
・オーディオの足跡 VICTOR JT-V9 83,000円(1973年頃)
・オーディオ懐古録 VICTOR JT-V9 AM/FM STEREO TUNER 83,000円
![]() | ![]() |
・同級生は SONY ST-5130 69,800円(1972年)辺りでしょうか
■動作確認--------------------------------------------------
・フロントパネルの機種名の横に「DISCRETE 4 CHANNEL READY」の青い印字
・背面端子を見ると固定/可変端子以外に DET OUT端子あり
・つまり「外部アダプタを介せば4ch放送に対応しているよ」という意味ですね
・ただ、FM 75Ω端子が一回り小さいサイズで通常端子が固定できない、、
・仕方ないので75Ω~300Ω変換器を挟んで300Ω端子にアンテナを接続
・電源オン、周波数窓と二つのメーターが美しく緑色照明に浮かび上がる
・長さの異なる指針が2本、短いFM用は赤色、長いAM用はオレンジ色に点灯
・なるほど、上段のFM目盛りと下段のAM目盛りに合わせた指針照明でした

・フロントに見慣れない INE(Impulse Noise Ereaser)スイッチ
・たぶんSONY ST-5130のINS(Impulse Noise Suppressor)機能と同等と思います
・当時走っていた自動車はノイズを待ち散らしていたのでその対策回路です
・ノイズが気になる時はON、それ以外はOFFという使い方ですが、
・でも50年経った現代のクルマは優秀なので常時OFFでOK
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
・名古屋地区のFM局を受信しようとするとTメーターがほとんど動かない
・Sメーターはそれなりに振れるが最大点と離れた位置でFM放送を受信
・指針が示す周波数と実周波数のズレは約-0.4MHz
・STEREOランプは点灯したり消灯したり安定しない
・一方のAM放送は背面バーアンテナで良好に受信OK
・FM回路の調整箇所が大幅にズレている予感です
■内部確認--------------------------------------------------
・まずは、通気口周辺に大量に堆積した積年のホコリを除去して徹底清掃
・ヤニ汚れが無かったのでかなりキレイな状態に戻りました

・FMフロントエンドは高級なシールドケース入り5連バリコン
・FM専用機でよく見かけるタイプです
・さらに後方にAM3連フロントエンドを備えたのFM/AM独立型
・FMはIFバンド切換なし、CF×4 → レシオ検波
・MPX回路はICを使わないディスクリート構成
・AM回路もディスクリート構成
・電源基板とINE(Impulse Noise Ereaser)基板は脱着可能な縦置き配置
・照明電球 8v/0.3A
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
■調整記録--------------------------------------------------
・回路図などの資料がないので試行錯誤で調整手順を組み立てました

【OSC調整】
・90MHz受信 → TCo調整 → Sメーター最大
・76MHz受信 → Lo 調整 → Sメーター最大
【RF調整】
・90MHz受信 → TCA,TCR1,TCR2,TCR3 調整 → Sメーター最大
・76MHz受信 → LA,LR1,LR2,LR3 調整 → Sメーター最大
・83MHz受信 → IF調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
・音声出力 → WaveSpectra
・83MHz受信 → T101 上段コア調整 → Tメータ中点
・83MHz受信 → T101 下段コア調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
・83MHz受信 → T202調整 → Sメーター振れ最大
・83MHz受信 → VR201調整 → 振れ具合調整
【ミューティング検波調整】
・D214 カソード側 → 電圧計セット
・83MHz受信 → T203調整 → 電圧最大
・83MHz40dB受信 → VR202調整 → MUTING1
・83MHz20dB受信 → VR203調整 → MUTING2
【MPX調整】
・音声出力 → WaveSpectra
・83MHz,SUB信号受信 → T501,T502,T503調整 → Lchレベル最大
・83MHz,Lch信号受信 → VR501調整 → 反対chへの漏れ信号最小
・83MHz,Rch信号受信 → VR502調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【AM調整】
・ 600kHz受信 → T301,T302,バーアンテナ 調整 → Sメーター最大
・1400kHz受信 → TC3,TC2,TC1調整 → Sメーター最大
・VR301調整 → AM Sメーター振れ具合調整
■試聴------------------------------------------------------
・最初に確認した不具合症状は再調整で復旧できました
・深刻な故障個所が無くて良かったです
・落ち着いた緑色照明に浮かぶ二つのメーターと周波数を刻んだ目盛り
・その前で鮮やかに浮き上がる赤色とオレンジ色の指針
・STEREO インジケーターが赤く点灯すると絶妙の配色バランスが生まれます
・この独特の雰囲気がアナログチューナーの魅力です
・別売のウッドケース(WD-1 3,400円)があれば高級感がアップしそう
・半世紀以上前の製品と思うと、ちょっと感慨深いものがあります
« PIONEER F-500 修理調整記録4 | トップページ | PIONEER F-120 修理調整記録5 »
「ピュアオーディオ」カテゴリの記事
- 2026 謹賀新年(2026.01.04)
- SANSUI TU-S707X 修理調整記録7(2025.12.28)
- SONY ST-5150 修理調整記録6(2025.12.21)
- SONY ST-AV900 修理調整記録(2025.12.14)
- SANSUI TU-α707 修理調整記録3(2025.12.07)












所有のチューナーの中でJT-V7が昭和な雰囲気でありながらすっきりしたデザインで一番気に入っています。ビクターでもV7の情報はほぼこちらしかなく、簡単な調整しかできないのですが大変参考になりました、ありがとうございました。
JT-V9は同系統のデザインですが、定価で倍近くでもあり中身は数段格が違いますね。デザイン面でも機能面でも魅力的です。
投稿: vitzmaru | 2025年11月17日 (月) 22時35分
コメントいただきありがとうございます。
V7とV9はほぼ同時期の製品ですが、V7はMPX回路にPLL-ICのHA1156を使っている点が特徴です。部品点数が減ってコストダウンに貢献していると思います。
投稿: BLUESS | 2025年11月18日 (火) 20時39分