SANSUI TU-888 修理調整記録
・2025年10月、先の TU-777 に続いて TU-888 の故障機が届きました
・実機を見るのは初めてなのでワクワクでしたが、
・でも思いがけない展開に、、
・最終的にニコイチ合体で復活した記録です
■製品情報--------------------------------------------------
・オーディオの足跡 SANSUI TU-888 48,900円(1971年頃)
・Hifi Engine SANSUI TU-888 Sansui AM/FM Stereo Tuner (1972)
【備忘録】
1968年:TU-777 39,800円(丸型)、TU-555 29,800円(丸型)
1970年:TU-999 59,900円(横型)、TU-666 33,800円(丸型)
1971年:TU-888 48,900円(横型)
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■動作確認--------------------------------------------------
・木製ボディにフロントパネルはブラック仕上げ、精悍な感じでGood!
・ボディに目立つキズは無く、外観の保存状態は良い個体です
・底板に紙袋が貼り付けてあって、本来は回路図が入っていたようです
・FMアンテナ端子がSP端子のような形状なので接続方法に困ります
・とりあえず75Ω~300Ω変換器経由で300Ω端子に接続
・アンテナ端子横にRF切換(DIST/LOCAL)スイッチ → DIST設定
・電源オン、周波数窓、メーター、指針、それぞれ照明点灯しました
・FM/AMインジケーター、STEREOインジケーターも点灯
・電球切れは無さそうです
・周波数ズレありますが名古屋地区のFM局をすべて受信できました
・Tメーター中点とSメーター最大点が一致しないが、それぞれ動きはOK
・MUTING動作OK、背面にMUTINGレベル調整VRあり
・背面のRF切換スイッチでLOCALに設定すると受信感度が大幅に下がる
・Sメーターがほとんど触れず、受信音もかなり歪んだ音になる
・AM局は背面バーアンテナで受信できました
・致命的な故障個所は無さそうですが、調整ズレが予想されます
■内部確認--------------------------------------------------
・外観の良さに反してシャーシにはサビ多数、基板や部品は汚れが目立つ
・でもヤニ汚れ、油汚れが無いのはラッキーでした
・さすがサンスイ機、大型電源トランスが目に付きます
・ALPS製フロントエンド【F1291 / FM3連、AM2連】、、あれれ?
・製品仕様や回路図を見ると【F1309 / FM4連、AM2連】のはずでは??
・よ~く見ると、何とフロントエンドユニットが交換されていました
・オリジナルではない別のフロントエンドユニットが装着されています
・おまけにサイズが小さくなっネジ穴が合わず、結束バンドで固定!
・これはビックリしました、、
・このタイプのフロントエンドは内部雑音が発生する故障がよくあります
・たぶん修理の先人はフロントエンドの修理を諦めて交換したのでしょう
・でも小型ユニットにダウングレードするとは、思い切った改造です
・あと指針電球が交換済みでした
・他はオリジナルのようですが、MPX基板の配線面は随所に修理痕跡あり
・このハンダ痕はあまりキレイとは言えない状態でした
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■調整記録--------------------------------------------------
【Tメーター中点調整】
・無信号 → VR201調整 → Tメーター中点
【フロントエンドOSC調整】
・76MHz 受信 → LO調整 → Sメーター最大
・90MHz 受信 → TCO調整 → Sメーター最大
【フロントエンドRF調整】
・76MHz 受信 → LA,LR調整 → Sメーター最大
・90MHz 受信 → TCA,TCR調整 → Sメーター最大
・83MHz 受信 → IF調整 → Sメーター最大
【レシオ検波調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz 受信 → T201上段コア調整 → Tメーター中点
・83MHz 受信 → T201下段コア調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
・D204アノード側 → 電圧計セット
・83MHz 受信 → T202調整 → 最大電圧
・83MHz80dB 受信 → VR202調整 → Sメーター目盛5
【19kHz調整】
・音声出力端子 → WaveSpectra接続
・83MHz SUB受信 → L401調整 → Lch信号レベル最大
・83MHz MAIN受信 → VR402調整 → STインジケーター点灯位置
【セパレーション調整】
・音声出力 → WaveSpectraに接続
・83MHz ST受信 → VR601調整 → 漏れ信号最小
・実測で左右とも約40dB/1kHzでした。
【AM調整】
・ 600kHz受信 → T302,バーアンテナ内T303調整 → Sメーター最大
・1400kHz受信 → TC301,TC302調整 → Sメーター最大
【AMメーター調整】
・1053kHz受信 → VR301調整 → Sメーター最大振れ位置
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■特記事項--------------------------------------------------
・動作確認時は「致命的な故障はない」と思いましたが訂正します
・FM/AMとも受信可能ですが、特にFMで受信感度が低下しています
・我が家の電波強度は約80dBあるので気にならなかったのですが、
・電波強度が60dB位に低下するとかなり歪っぽい音になります
・フロントエンドユニットが交換されている影響かもしれません
■試聴------------------------------------------------------
・まさかフロントエンドがダウングレードされているとは、、
・電波が弱い地域だと良好な受信は厳しいかも?
■2号機到着-------------------------------------------------
・ここまでの作業状況を提供者様に報告したところ、
・何と、2台目のTU-888故障機を提供していただきました
・フロントエンドをオリジナルに戻すためのドナー2号機です
・2号機の底板にも紙袋があり、オリジナルの回路図が入っていました
・どうやら販売した全機に回路図がセットされていたようです
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■2号機修理記録:フロントエンド内部洗浄---------------------
・2号機を動作確認するといろいろ不具合がありました
・不定期な雑音「ザザッ、ザザッ」が混入する
・STEREOランプ点灯しない、実際のSTEREO感もない
・電源基板で基準電圧を確認したところ、フロントエンド電圧に異常発見
・電源基板OG端子 → FM 12.3v / AM 12.3v ※基準値
・電源基板OG端子 → FM 5.2v / AM 12.2v ※実測値
・セレクターでFM/AMを切り換えると、FM受信時に電圧が大きく低下
・しかも電圧が安定せず5~7v辺りで常に変動する
・AM受信時の電圧は正常
・こうなるとFMフロントエンド内部に不具合があることが確定です
・フロントエンド回路図を見ながら電圧降下の原因を考えると、
・経験上C114,C115,C121,C104 / 5000pF 円板型コンデンサが怪しい予感
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・フロントエンドユニットの隙間から内部を覗いたところ、
・予想通り真っ黒クロスケの円板型コンデンサが見えました
・たぶん、この暗黒物質が導通して電圧降下の原因になっている?
・そこでエレクトロニッククリーナー液を浸した歯間ブラシで洗浄
・隙間から見える範囲、ブラシが届く範囲だけの洗浄でしたが、
・電源基板OG端子 → FM 12.0v /AM 12.2v ※実測値
・電圧変動が解消し、不定期の「ザザッ、」という雑音が消えました
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■フロントエンド移植(2号機→1号機)------------------------
・2号機フロントエンドが使えることが確認できたので1号機へ移植
・プーリーや糸をマスキングテープで固定してからユニットを取り外す
・この機に、手が届かなかった部分の円板型コンデンサを歯間ブラシで磨く
・1号機のフロントエンドユニットを撤去、新たに2号機のユニットを取付け
・配線を間違えないように注意してハンダ付け
・移植後、上記再調整作業を再度繰り返しました
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■試聴------------------------------------------------------
・久しぶりのニコイチ合体でしたが、結果は大成功!!
・受信感度が大幅に改善、ステレオセパレーションは左右とも45dB確保
・その後、2号機からは使えそうなパーツ(電球等)を取り外して保管
・作業完了まで時間がかかりましたが、楽しい時間を過ごせました
・それにしてもフロントエンドがダウングレードされていたとは、、
・「中古動作品」として店で売られていたら疑わずに買っちゃうかも?
・まさに「オーディオ中古市場の闇」ですね
■参考情報:同タイプのフロントエンド修理事例----------------
【修理事例1】Victor JT-V7
【修理事例2】OTTO FMT-650
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