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2025年11月23日 (日)

PIONEER F-120 修理調整記録5

 ・2025年10月、近くの中古店で格安ジャンク機を入手しました
 ・プライスカードには「メモリボタン操作不能」と書かれています
 ・メモリボタンを触ってみると「フニャフニャ」で操作感がまったくない
 ・これは定番の故障だね、と思いつつ懐かしい機種なので確保してきました
 ・以下、復活までの作業記録です

F12003_20251123085401

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 PIONEER F-120 45,000円(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 PIONEER F-120 45,000円
 ・Hifi Engine PIONEER F-90 Digital Synthesizer Tuner (1983-85)

F12002_20251123085501F12017

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外観は経年の汚れや軽い擦り傷、でも状態はそんなに悪くない
 ・背面にAMループアンテナ付属
 ・まずはFMアンテナを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・名古屋地区のFM局を-0.1MHzの周波数ズレで受信
 ・ズレた周波数でSTEREOランプ点灯、実際のステレオ感もあり
 ・REC CALトーンOK、IF BAND切換インジケーター点灯
 ・背面ループアンテナで名古屋地区のAM局を受信できました
 ・問題はFMの周波数ズレとメモリボタンです

F12004_20251123085801

■内部確認--------------------------------------------------

 ・F-120 と F-120D はパルスカウント検波を搭載したシンセ機です
 ・基板を見渡したところ、目視で分かるような劣化個所は見当たらない
 ・手が加えられていないオリジナル状態だと思います

F12000

■修理記録:メモリボタン------------------------------------

 ・調整時は 76.0MHz、83.0MHz、90.0MHzをメモリ登録して随時切り換えます
 ・メモリボタンが使えないと作業が捗らないので、まずはココの修理から
 ・フロントパネルを外してメモリボタン(タクトスイッチ)を確認す
 ・予想通りオリジナルのクッションスポンジがボロボロ劣化でした
 ・この機種定番のウイークポイントです
 ・タクトスイッチ12mm×12mm、スイッチ直径7mm、ボタン上面までの高さ4mm
 ・高さ6mmのタクトスイッチに交換する方法もありますが、
 ・今回も100均で入手できるクッションラバーを張り付けて対応
 ・修理後はメモリーボタンを押したときのクリック感が超気持ちイイ!

F12030_20251123085501F12032_20251123085501

■修理記録:トリマコンデンサ交換----------------------------

 ・調整手順に従って仮調整したところ
 ・フロントエンドのトリマコンデンサが過敏に反応して定まらない
 ・トリマが劣化しているようなので新品10pFに交換しました
  ・TC1,TC2,TC3 → 10pF新品
 ・本機は底板に点検口がないので、基板を外して裏返す必要あります
 ・裏返したついでにハンダクラックの点検
 ・音声RCA端子やアンテナ端子のハンダも盛り直しておきました

F12041F12042

■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP19 → 電圧計セット
 ・90MHz → L5調整 → 24.5V
 ・76MHz → 8.0V ※確認のみ
【FM同調点(クアドラチュア検波)調整】
 ・TP17~TP18 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T103調整 → 電圧ゼロ
【RF調整】
 ・TP16 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・76MHz受信 → L1,L2,L3調整 → 電圧最大
 ・90MHz受信 → TC1,TC2,TC3調整 → 電圧最大
 ・83MHz受信 → T2調整 → 電圧最大
【IF WIDE GAIN調整】
 ・TP16 → 電圧計セット
 ・VR101 → 中央位置にセット
 ・83MHz WIDE受信 → T101調整 → 電圧最大
 ・83MHz NARR受信 → VR101調整 → WIDE/NARROW同一電圧
【MUTING調整】
 ・83MHz30dB受信 → VR102調整 → MUTING作動
【パルスカウント検波調整】
 ・R308(TP1.26MHz) → オシロスコープセット
 ・83MHz受信 → T104,T105調整 → 波形最大(実測1.27MHz)
【DCバランス調整】
 ・TP10~TP11 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → VR301調整 → 電圧ゼロ
【VCO調整】
 ・TP14 → 周波数カウンタ、オシロスコープ接続
 ・83MHz無変調 → VR304調整 → 38kHz
 ・83MHz無変調 → L308調整 → 波形最大
【PILOTキャンセル調整】】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → L306,VR305調整 → 19kHz信号最小
【STEREO歪調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → T2,T101調整 → 歪率最小
【セパレーション調整:WIDE】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → VR302,VR303調整 → 反対ch漏れ信号最小
【セパレーション調整:NARROW】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST受信 → VR305調整 → 反対ch漏れ信号最小
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル記録
 ・REC LEVEL オン → VR501調整 → -6dB ※325Hz
【AM VT電圧調整】
 ・TP19 → 電圧計セット
 ・ 522kHz → L202調整 → 2.0V
 ・1611kHz → TC202調整 → 24.5V
【AM RF調整】
 ・TP15 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・ 729kHz受信 → L201調整 → 電圧最大
 ・1332kHz受信 → TC201調整 → 電圧最大

F12050_20251123085401

■試聴------------------------------------------------------

 ・トリマ交換と再調整によって受信感度が大幅アップしました
 ・セパレーションも60dB以上確保できるなど高性能機です
 ・ただシグナルメーターが無いなど地味な外観で損してる名機です

F120102

note:BLUESS Laboratory

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