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2025年12月 7日 (日)

SANSUI TU-α707 修理調整記録3

 ・2025年11月、α707(無印)の故障機を提供していただきました
 ・どんな不具合があるか楽しみ、、

Tu707a04

■製品情報--------------------------------------------------

 ・Hifi engine SANSUI TU-X701 Digital Synthesizer Tuner (1987-90)

Tu707a02Tu707a16

【国内機】
 ・TU-α707   ¥59,800(1986年頃)
 ・TU-α707i   ¥59,800(1987年頃)
 ・TU-α707EXTRA ¥54,700(1989年頃)
 ・TU-α707R   ¥53,800(1991年頃)
 ※上記4台は外観のロゴマークやサイド飾りの有無が異なるが中身は全く同じ
 ※初代(無印)から型番を変えながら定価を下げているのがちょっとかわいい
【輸出機】
 ・TU-X701:TU-α707/707i
 ・TU-X711:TU-α707EXTRA/TU-α707R

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外装は経年の汚れ、擦り傷、打痕、塗装ハゲ等あって美品とは言い難い
 ・FMアンテナ A/B 2系統、まずはFMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数など表示部点灯、文字痩せや輝度劣化なし
 ・オート受信で名古屋地区のFM放送局を受信OK
 ・上り方向、下り方向とも周波数ズレなし
 ・シグナルメーターフル点灯だがSTEREOインジケータ点灯しない
 ・IF BAND切換OK、RF切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK
 ・気になるのは音が小さいこと、出力レベルがかなり低い気がする
 ・AMは付属ループアンテナで名古屋地区のAM放送受信OK
 ・問題はSTEREO受信できないこと、音が小さいこと

Tu707a07Tu707a08

■内部確認--------------------------------------------------

 ・大型電源トランス、強力な電源回路、透明感あるガラスエポキシ基板
 ・ただフロントエンドが小型パッケージ品でちょっと残念
 ・LA1235:FM IF System Applications
 ・LA3450:PLL FM MPX Stereo Demodulator
 ・LA1245:AM Electronic Tuner

Tu707a20

 ・調整手順に従って仮調整したところ、PLL検波調整で難ありでした
 ・TC1の反応が過敏で最適値に合わせられないことが判明
 ・しかも少し触っただけで音声レベルが変化することも判明

■修理記録:PLL検波回路TC1修理------------------------------

 ・TC1を回して上手く調整できた時は音声レベルが大きくなる
 ・同時にSTEREOインジケーターも点灯する
 ・どうやらTC1が劣化しているようなので新品に交換しました
  ・TC1 → トリマコンデンサ(10pF)新品交換
 ・交換後の再調整で音声レベルが大幅に上がった(音が大きく)
 ・さらにMPX回路の再調整でSTEREOインジケーターも点灯

Tu707a30Tu707a31

■調整記録--------------------------------------------------

Tu707extra_20251207085301

【基準周波数調整】
 ・IC1(LC7217)-1ピン~GND → 周波数カウンタ接続
 ・TC1調整 → 7.200000MHz±100Hz
【FM同調点調整】QD検波
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → T4調整 → 0V±10mV
【FM VT電圧調整】
 ・JW3~GND → 電圧計セット
 ・90MHz → 22.0V ※確認のみ
 ・76MHz → 3.1V ※確認のみ
  ※フロントエンド内部は調整が難しいのでノータッチ
【FM RF調整】
 ・IC3(LA1235)-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz受信 フロントエンド内RFコイル調整 → 電圧最大
  ※フロントエンド内部は調整が難しいのでノータッチ
【WIDE/NARROW GAIN調整】
 ・IC3(LA1235)-13ピン → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・VR2,VR3 → 時計回り一杯に回す
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,30dB受信 → T2調整 → 電圧最大(電圧を記録)
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,30dB受信 → T1調整 → NARROW時と同じ電圧に
【PLL検波調整】
 ・D9カソード側 → オシロスコープ接続
 ・83MHz無変調 → T5調整 → オシロ波形最大
 ・TP3~TP4 → 電圧計セット
 ・83MHz,30dB受信 → T6調整 → 電圧0V
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,70dB受信 → TC1調整 → 高調波歪最小
 ・83MHz,70dB受信 → VR6調整 → 高調波歪最小
【Sメーター調整】
 ・83MHz,15dB受信 → VR5調整 → インジケーター最下段点灯位置
【REC LEVEL調整】
 ・83MHz,60dB受信 → VR9調整 → 信号レベル-6dBに設定
【PILOT CANCEL調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,ST受信 → T8,VR10調整 → 19kHz成分最小
【WIDE セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,Lch受信 → VR7L調整 → Rch漏れ信号最小
 ・83MHz,60dB,Rch受信 → VR7R調整 → Lch漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
 ・音声出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz,60dB,L/R受信 → VR8調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AUTO STOPレベル調整】
 ・83MHz,30dB,ST受信 → VR1調整 → オート選局で停止する位置
【MUTING レベル調整】
 ・83MHz,20dB,ST受信 → VR4調整 → 音声が出る位置
【AM VT電圧調整】
 ・R1~GND → 電圧計セット
 ・ 531kHz → T1調整 → 1.5V±10mV
 ・1629kHz → TC1調整 → 20V±10mV
【AM RF調整】
 ・ 603kHz受信 → T3 調整 → Sメーター最大
 ・1404kHz受信 → TC2調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・VR1
【AM AUTO STOP調整】
 ・VR2

Tu707a40

■試聴------------------------------------------------------

 ・シンセ機のうちPLL検波+LA3450搭載チューナーはハズレがないです
 ・SONYの333シリーズやVictor FX-711などが該当します
 ・このα707シリーズもその一員なので良い性能が期待できますが
 ・ただし40年前の製品なので故障や調整ズレは避けられません
 ・FM放送が続く限り修理や再調整で復活させたいと思って活動しています

Tu707a03

note:BLUESS Laboratory

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