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カテゴリー「ピュアオーディオ」の記事

2024年4月 7日 (日)

TRIO KT-8300 修理調整記録8

 ・2024年2月、KT-8300の故障機が届きました
 ・照明電球が点灯するだけで全く受信できないそうです
 ・さて、直せるか?

Kt830004_20240407083301

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-8300 ¥63,000(1978年発売)
 ・Hifi engine Kenwood KT-815 AM/FM Stereo Tuner (1979-80)

Kt830002_20240407083401Kt830011

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からの事前情報>
 ・FMは受信できていたが、時々ザザザとノイズが入るようになった
 ・IFバンドスイッチを弄ったところ受信反応がなくなった
<当方での確認事項>
 ・フロントパネルやボディに目立つ傷なし
 ・外観はすでに清掃済みのようで背面端子はどれもピカピカです
 ・さて、FMアンテナを接続して電源オン
 ・周波数窓のオレンジ色照明点灯、電球切れは無さそう
 ・名古屋地区のFM局で受信テスト開始、、しかし
 ・事前情報通り76MHz~90MHz全区間で何も受信しない
 ・Tメーター、Sメーターともまったく振れない
 ・固定/可変端子とも無音、局間ノイズも聞こえない
 ・各機能切換スイッチを操作してもまったく反応なし
 ・ただIF BAND切換スイッチのロック機構にちょっと違和感あり
 ・スイッチを押してロックする時と解除する時に引っ掛かりがある
 ・この引っ掛かるタイミングで照明電球がわずかに明滅する
 ・他のスイッチ操作時はこの明滅現象は発生しない
 ・スイッチのロック機構の故障はよくある事例ですが、
 ・さらに電源回路に不具合がありそうです

■内部確認--------------------------------------------------

 ・バリコンが回転する軸受け部に緑青色のサビが浮き出ている
 ・LA1222、HA1137W、HA11223WやいくつかのTRの足は既に磨かれている
 ・機能切換スイッチの長い足もピカピカでした
 ・ハンダ面を見るとIF BANDスイッチだけ再ハンダの痕跡あり
 ・ハンダ割れなど目視で分かるような劣化部品は見当たりません

Kt830000_20240407083301

■修理記録:電源回路のツェナーダイオード故障-----------------

 ・受信しない原因を探して電源回路の点検スタート
 ・輸出機KT-815の回路図を見ながら電圧値を確認したところ、
  ・+14v → +14.2v ◎OK
  ・-13.5v → 0v ★NG
 ・-13.5vが出ていないことを発見
 ・この原因は D19(KT-815回路図ではD27)ツェナーダイオード故障でした
 ・D19(YZ-140)が0.2Ωの抵抗と化していました
 ・14v品が無いので手持ちの新品15v品に交換 → 電圧確認 ー14.1v ◎OK
 ・-14vが復活したことによってFM受信動作が回復しました
 ・SメーターとTメーターが大きく振れてFM放送受信OK
 ・STEREOランプ点灯、LOCKランプ点灯
 ・わずかに周波数ズレありますがこれはOSC調整で修正可能
 ・これで直った! と思って調整作業に取り掛ったのですが、、

Kt830030_20240407083501Kt830032_20240407083501

■再び故障発生!--------------------------------------------

 ・ところが、各部の受信調整作業をしていた時に再び同じ故障発生!
 ・IF BAND切換スイッチを押し込んで引っ掛かりを感じたとき
 ・照明が一瞬明滅したと思ったら受信動作が失われました
 ・何と最初の状態に戻ってしまいました、、あれれ??
 ・原因はいま交換したばかりのD19ツェナーダイオードでした
 ・もう一度新品の15v品に交換して受信動作を回復させました
 ・再々調整して正常動作に戻ったのですが、、
 ・実はこの後もう一度同じ経緯を繰り返してD19を再々交換しました
 ・これは一体どういうことだ??

■故障原因の考察--------------------------------------------

 ・IF BAND切換スイッチを押し込んだ時
  →引っ掛かりナシ → WIDE/NARROWが正常に切り換わる
  →引っ掛かりアリ → D19がショートする
 ・輸出機KT-815の回路図を見ながら考えました

 ・IF BAND切換スイッチは4回路構成のスライドスイッチです
 ・スイッチ内で±14vが入れ替わることでWIDE/NARROW切換を実現している
 ・もしかしてスイッチ内部の接点で±14vが交錯するのでは?
 ・±14vが交錯したとき安全回路のD19がショートモードになるのかも?
 ・同様のスイッチを分解清掃した過去事例は多々ありますが、
 ・接点を跨ぐ小さな導通素子が真っ黒に変色している姿が想像できます
 ・操作時に引っ掛かりがあるといういう事はロック機構の不具合か?
 ・今はIF BAND=WIDEの状態で正常動作しています
 ・IF BANDスイッチを操作しなければこのまま正常だと思います

■修理するなら----------------------------------------------

 ・KT-8300又はKT-8100のジャンク機を調達してスイッチだけ移植する
 ・あるいはスイッチを取り外して分解し内部洗浄する
 ・ただロックスイッチを分解すると元に戻せなくなる可能性が高い、、
 ・さて、どうしましょう、、

Kt830050_20240407083701Kt830054_20240407083701

■修理記録:IF BAND切換スイッチ交換-------------------------

 ・ジャンク箱を捜索したところ KT-8100 の基板が出てきました
 ・過去に解体処分して部品取り用に保管していた残骸です
 ・これにIF BAND切換と同じ4回路スイッチが載っていました
 ・KT-8100ではFM/AM切換スイッチですが、取付方法、サイズなど同じです
 ・早速切換スイッチを移植しました
 ・交換後は切換時の引っ掛かりはなくD19が切れることもありません
 ・修理としてはこれで完了ですが、引っ掛かりの原因が気になる、、

Kt830056Kt830058Kt830061Kt830062Kt830063

 ・そこで取り外したスイッチを分解して内部を調べてみました
 ・分解方法は意外に簡単、前面のバネを少しズラして上蓋を開けるだけ
 ・4回路の一つが±14vを切り換える機能を担っていますが、
 ・何と、ここの導通部品だけ一部溶けて破損していました!
 ・周囲のプラスチック部品もここだけ黒く煤けた感じになっています
 ・やはりここで±14vが交錯したようです
 ・破損した導通部品がスイッチ操作時の引っ掛かり原因になっていた
 ・スイッチのロック機構自体は正常でした
 ・それにしてもそもそもの原因は何だったのでしょう?

Kt830064

■修理記録:バリコン軸の洗浄--------------------------------

 ・バリコンが回転する軸受け部に緑青色のサビが浮き出ている
 ・軸部にエレクトロニッククリーナーを少量噴射して回転させる
 ・SSサイズの歯間ブラシで軸受け部を磨く
 ・エアダスターを吹きかけて乾燥させる
 ・軸受け部にCRC-556を極少量噴射して回転させる

■調整記録--------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCo調整 → 電圧最大
【FM RF調整】
 ・マルチパスV端子 → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz 受信 → TCA1,TCA2,TCR1,TCR2調整 → 電圧最大
【Tメーター調整1】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO → T2調整 → Tメーター中点
【Tメーター調整2】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz M0NO サーボロックON → VR10調整 → Tメーター中点
【Sメーター調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → VR4調整 → Sメーター「目盛り4.8」
【WIDE GAIN調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO NARROW受信 → Sメーター目盛り位置を確認
 ・83MHz MONO WIDE受信 → VR1調整 → SメーターNARROWと同じ位置
【DISTORTION調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 1kHz 60dB
 ・83MHz MONO → L8(フロントエンド内)調整 → 歪最小
【パルスカウント検波調整】
 ・R91右足 → 周波数カウンタセット
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → T6調整 → 1.96MHz
【MUTING調整】
 ・SSG 83MHz 1kHz 30dB
 ・83MHz MONO → VR2調整 → MUTING開始位置確認
【VCO調整】
 ・R97後足 → 周波数カウンタ接続
 ・SSG 83MHz 無変調 60dB
 ・83MHz受信 → VR5調整 → 76kHz
【パイロットキャンセル調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・SSG 83MHz 60dB Pilot信号
 ・83MHz ST受信 → VR6調整 → 19kHz信号最小
【WIDE セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz WIDE Rch → VR7調整 → 反対chへの漏れ信号最小
 ・83MHz WIDE Lch → VR8調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【NARROW セパレーション調整】
 ・固定出力端子 → WaveSpectra接続
 ・83MHz NARROW L/R → VR9調整 → 反対chへの漏れ信号最小

Kt830080_20240407083301

■動作確認(再)--------------------------------------------

 ・上記調整作業は正常に完了できましたが、ちょっと気になることが、、
 ・WaveSpectraで波形観察しているとノイズフロアが微妙に上下します
 ・振れが大きいときには「チリッ、ザザッ」という雑音として聞こえます
 ・左右chとも同じ雑音が聞こえます
 ・過去の経験から検波回路のフィルターが怪しい感じです

■修理記録:検波回路フィルター------------------------------

 ・パルスカウント検波回路のフィルターではトラブルが頻発しています
 ・原因はフィルター内蔵コンデンサーが真っ黒に変色する現象です
 ・この現象が「チリッ、ザザッ」雑音の原因になる事例は多くありました
 ・そこで順番に基板から取り外して裏面チェック実施

Kt830071Kt830072Kt830075Kt830076Kt830077

  ・FL3 (L79-0080-05) 2連 → 42pF,86pF,86pF
  ・FL6(L79-0094-05)青色 → 113pF,174pF
  ・FL1(L79-0095-05)黄色 → 188pF
  ・FL7(L79-0096-05)緑色 → 63pF,410pF
  ・FL2(L79-0097-05)白色 → 1145pF,425pF

Kt830079

 ・FL3の裏面を見るとコンデンサは意外にキレイな状態でした
 ・次にFL6,FL1,FL7,FL2を外して裏面確認、ここは黒化が酷い状態でした
 ・各内蔵コンデンサの実測値を写真に書き込んでおきました
 ・対策としてエレクトロニッククリーナーに浸した刷毛でそっと清掃
 ・目に見える部分だけですがそれでも暗黒物質がキレイに取れました
 ・清掃後に容量チェックしましたが清掃前と有意な差は無かったです
 ・すべての処置を終えてフィルターを基板に再セットし動作確認
 ・結果、WaveSpectraで見える波形のノイズフロアが落ち着きました
 ・ヘッドホンで聞いても「チリッ、ザザッ」という雑音は感じません
 ・雑音問題は解決できたと思います

■試聴------------------------------------------------------

 ・作業を終えてもう一度最初から調整し直しました
 ・それにしてもスイッチが故障した原因は何だったのでしょうか?
 ・IF BANDスイッチは常時WIDEで使用することをお勧めします

Kt830007_20240407083301

 → note BLUESS Laboratory

2024年3月31日 (日)

Nakamichi TA-20 修理調整記録

 ・2024年2月、ナカミチ製レシーバーTA-20の故障機が届きました
 ・TA-30 の修理調整記録をご覧になった方からご提供いただきました
 ・外観は上位機のTA-30とよく似ていますが両機の違いに興味津々、、
 ・以下、復活までの記録をまとめました

Ta2007

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Nakamichi TA-20 ¥85,000(1989年頃)
 ・Hifiengine Nakamichi TA-20 High Definition Tuner Amplifier

Ta2002Ta2014

 ※機種名の違いは輸出先の違い
 ・TA-2A:U.S.A & Canada
 ・TA-2E:Europe
 ・TA-2 :Other & Australia
 ・TA-20:Japan

【TA-30との見た目の相違点】
 ・映像入力(S端子)がない
 ・入力系統(Phono、CD、Tape、Video)が少ない
 ・スピーカー端子がワンタッチ式の簡易型
 ・Subsonic filter ボタンがない
 ・ボリュームつまみ内側に仕込まれた緑色LEDがない

■動作確認-------------------------------------------------

<提供者様からの不具合情報>
 ・どの入力でも左chの音が小さいが音量を上げると左右同レベルになる
 ・チューナーだけ音が出ない、そもそもチューナー部が機能していない

<当方での確認事項>
 ・正面から見ると、本体サイズや外観はTA-30とそっくりですね
 ・ただ背面パネルの端子群を見ると機能差がよく分かります
 ・フロントパネルの状態は良好、目立つキズはありません
 ・実験用SP、FM/AMアンテナ、CDプレーヤーを接続して動作確認開始

 ・電源投入直後にリレー動作音が聞こえて Power Mute動作OK
 ・フロントパネルのチューナー部に周波数が緑色表示される
 ・オート選局ボタンで周波数がUp/Downする
 ・しかし、FM/AMとも放送は全く受信不能、局間ノイズも出ない
 ・FM/AMの文字点灯しない、シグナルインジケーター全く点灯しない
 ・MODE切換(AUTO/Manual)インジケーターも点灯しない
 ・8の字セグメントの一部が表示薄く(輝度劣化)なっている
 ・チューナー部は機能せず完全に死んでいる感じです

 ・続いて外部CDプレーヤーを各入力端子に接続して音出し実験
 ・入力端子:CD、Tape、Video → それぞれ音出しOK
 ・レコードプレーヤーTechnics SL-5にてPhono端子チェック
 ・入力端子:Phono → 音出しOK
 ・左chの音が小さいとのご指摘でしたが、今のところ正常です

■内部確認--------------------------------------------------

 ・TA-30との相違点を探しながら内部確認開始
 ・基板は2階建て構造、底板を開けると1階基板のハンダ面が見える
 ・メイン電源トランスのサイズが一回り小さい
 ・チューナー回路用電源トランスはたぶん同じ
 ・ヒートシンクに張り付いたトランジスタの型番が異なる
 ・映像信号を処理する基板が無いので1階基板まで見通しがよい
 ・チューナー回路はTA-30と全く同じ

Ta2000

 ・TA-30と同じ場所、1階のトランジスタ周辺が高熱で焦げています
 ・それでも今回は基板の亀裂、プリント配線の断裂は無かったです
 ・TA-20のサービスマニュアルにもTR修理に関する追加情報ありました
  ・Q525:2SA733 → 2SA953
 ・ただTA-30とは違ってロジック基板のTRに対する交換指示
 ・実際の基板で確認すると交換済みでした

■修理記録:チューナー部が動作しない-----------------------

 ・チューナー部だけ全く機能していないので電源系統から確認開始
 ・まずメイン基板でチューナー回路に電源供給する【CN-21】を確認
 ・【CN-21】規定値+30v、+12v、+13vに対して実測値2~3v
 ・これは電源基板に原因がありそうと考えて調査を進めていくと、
 ・原因は、チューナー用トランス直下のヒューズ劣化でした
 ・ヒューズ切れではなく、ヒューズが約1MΩの抵抗と化していました
 ・F401:500mA/250v
 ・これを新品に交換したところチューナー部が動き出しました
 ・FM/AMともオート受信OK、STEREOランプ点灯します
 ・-0.1MHzの周波数ズレがありますがこれは後述の受信調整で修正可能
 ・周波数部の8の字セグメントの一部に輝度劣化があるのが残念
 ・それでもまず第一関門はクリアしました
 ・念のためアンプ回路用ヒューズF403:4A/250vも確認したところ
 ・F403両端抵抗が約300Ωもあったのでここも新品交換
 ・交換による効果は実感できませんが多分何からの効果はあったはず?

Ta2050Ta2051Ta2053Ta2054Ta2055

■修理記録:電源回路のハンダクラック------------------------

 ・TA-30と同様に1階の電源回路のTR周辺が黒く焼け焦げています
 ・裏面も茶色に変色していますが、基板の亀裂や断線はありません
 ・ただ該当TRの足元でハンダクラックが多数発生していました
 ・高温による茶色の変色域すべてのハンダをやり直しました

Ta2029Ta2040Ta2042

■修理記録:リレー接点--------------------------------------

 ・片方だけ音が小さかったり雑音が入る原因はリレーの可能性が大きいか?
 ・そこで電源基板とメイン基板のリレー接点を磨いてみました
 ・基板に装着した状態のままリレーの上蓋を開ける
 ・細長く切った厚紙にエレクトロニッククリーナー液を浸透させる
 ・厚紙を接点に差し込んた状態で強制的に接点に挟んで引き抜く
 ・この動作を数回繰り返す
 ・作業後の厚紙が黒く変色したので洗浄効果はあったと思います


Ta2056Ta2057Ta2058Ta2059Ta2060

■修理記録:可変抵抗の接点----------------------------------

 ・左右chの音量差の原因としては可変抵抗もありそうです
 ・可変抵抗(音量VR、バランスVR、ラウドネスVR)
 ・ここはエレクトロニッククリーナーを隙間から注入して洗浄しました
 ・ラウドネスVRは正面パネルを外すとアクセスできます
 ・何度も往復させて馴染ませました

Ta2063Ta2064Ta2065

■調整記録-------------------------------------------------

【アイドル調整】
 ・入力切換=CD、スピーカー切換=OFF、音量ボリューム=最小
 ・TP7-TP8 ハンダ面で電圧計セット → VR301調整 → 25mV Lch
 ・TP9-TP10 ハンダ面で電圧計セット → VR302調整 → 25mV Rch
【FM VT電圧】
 ・TP11~GND 電圧計セット
 ・76.0MHz → 3.3v ※確認のみ
 ・90.0MHz → 18.0v ※確認のみ
【FM同調点調整】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・Tape Rec出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHz受信 → T104調整 → 0v
 ・83.0MHz受信 → T105調整 → 高調波歪最小
 ・83.0MHz受信 → フロントエンドIFT調整 → 高調波歪最小
【ミューティング調整】
 ・83.0MHz,30dB受信 → VR102調整 → MUTING作動位置
【Sメーター調整】
 ・83.0MHz,60dB受信 → VR105調整 → シグナルインジケーター全点灯
【セパレーション調整】
 ・Tape Rec出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHz受信 → VR103調整 → 漏れ信号最小
【AM VT電圧】
 ・TP5~TP6 電圧計セット
 ・522kHz → T103調整 → 1.0v
 ・1629kHz → 7.2v ※確認のみ
【AM受信調整】
 ・729kHz(NHK)受信 → T101,T102,L102調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz(東海)受信 → TC101調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz(CBC)受信 → VR101調整 → Sメーター点灯具合調整

Ta2071

■試聴------------------------------------------------------

 ・TA-30同様にフロントパネルのデザインがカッコよくて好みです
 ・映像回路を省略した回路構成もシンプルで好感が持てます
 ・ただ、スピーカー端子だけはケチらないで欲しかった、、残念

Ta2003

 → note BLUESS Laboratory

2024年3月24日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録13

 ・2024年1月、KT-1100(ブラックモデル)の故障品が届きました
 ・FM放送を受信できなくなったそうです
 ・以下、作業記録です

Kt1100b03

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt1100b02Kt1100b10

■動作確認-------------------------------------------------

<提供者様からの情報>
 ・電源を入れるとしばらくは受信できて音は出ますが
 ・10分もすると音がだんだん怪しくなってきて最後は消えます
 ・一度TRIOサービスで修理しています
 ・40年も前のことですが、秋葉原で薦められて購入した機種です

<当方での確認事項>
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯
 ・82.5MHz(NHK-FM名古屋)受信OK、指針と目盛りのズレは無いが、
 ・TメーターとSメーターが激しく振れて同調点が判別しづらい
 ・同調点付近では放送音に「ガサゴソ」ノイズが重複する
 ・MUTINGオフにすると指針の移動に伴って上記ガサゴソが発生している
 ・この雑音に反応するように二つのメーターが激しく反応する
 ・これはバリコン軸に発生した緑青サビが悪さをしている予感です
 ・もう一つ、RFセレクターNORMAL/DIRECTの緑色LEDが明滅している

■内部確認-------------------------------------------------

 ・修理歴があるとの事なのでその痕跡を探したところ、
 ・フロントエンドのOSCトリマコンデンサが交換されていました
 ・という事は、バリコンユニットを取り外したのか?
 ・ハンダ面を確認するとバリコンを着脱した痕跡は見当たらない
 ・あれ??何か黒いテープが貼ってある?
 ・テープは剥がしてみると、ありました、作業痕が、
 ・基板に作業用の穴をあけてOSCトリマを交換した痕跡です
 ・前回の故障原因はOSCトリマの不具合だったようです
 ・基板に穴をあける修理痕に遭遇したのは今回で2例目です
 ・ハンダ面を見る限りOSCトリマ以外の部品が交換された痕跡はない
 ・さて、バリコン軸を見ると予想通り緑青サビが涌いている
 ・まずはココの洗浄から始めます

Kt1100b19Kt1100b20Kt1100b21Kt1100b22Kt1100b24

■修理記録:バリコン軸洗浄---------------------------------

 ・目に見える範囲の緑青サビを爪楊枝の先端で削ぎ落す
 ・次にエレクトロニッククリーナーを噴射して何度か回転させる
 ・100均で買った歯間ブラシ(SSサイズ)で軸受け部を清掃
 ・これを何度か繰り返して清掃完了
 ・最後にエアダスターを噴射して乾燥させてからCRC556を少量塗布
 ・76~90MHz区間を何度も往復して馴染ませて作業完了

Kt1100b30Kt1100b31

■修理記録:タクトスイッチ洗浄-----------------------------

 ・RFセレクター NORMAL(緑)/DIRECT(赤)インジケーター
 ・NORMAL時の緑色LEDが明滅して点灯状態にならない
 ・DIRECT時の赤色LEDは正常に点灯する
 ・これもよくある不具合でタクトスイッチの接触不良が原因です
 ・フロントパネルを分解してスイッチ基板を露出させる
 ・スイッチの隙間からエレクトロニッククリーナーを少量噴射
 ・スイッチのON/OFFを数十回繰り返す
 ・これでスイッチの接触不良が解消、緑色LEDが明滅が解消しました
 ・他のスイッチも同様の措置を施しました
 ・フロントパネルを分解したついでにパネル裏面まで磨きました

Kt1100b35

■調整記録-------------------------------------------------

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整
   → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※420Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → Sメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt1100b40

■試聴------------------------------------------------------

 ・バリコン軸を清掃して以降は快調に受信しています
 ・1週間のランニングテストでもご指摘の不具合は再現しませんでした
 ・たぶん大丈夫だと思います。

Kt1100b04

2024年3月17日 (日)

SONY ST-4950 修理調整記録2

 ・2024年1月、ST-4950のメンテナンスをお引き受けしました
 ・この機種に触れるのは随分久しぶりです
 ・調整手順などを見直しながら作業を進めました
 ・以下、作業記録です

St495004

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 SONY ST-4950 ¥69,800(1976年頃)
 ・Hifi Engine SONY ST-4950 AM/FM Stereo Tuner (1975-77)

St495002St495007

■動作確認-------------------------------------------------

 ・電源コードの印字 → 1974
 ・経年の汚れはあるものの、ボディに目立つキズはない
 ・電源を接続してスイッチオン、緑色の周波数窓が浮かび上がる
 ・周波数目盛りや数字にダメージなし
 ・ただ経年の汚れで透明なガラス板が曇っている
 ・TメーターとSメーターの照明電球が点灯しない
 ・75Ω端子にFMアンテナを接続して名古屋地区のFM局を受信テスト
 ・わずかな周波数ズレあるがFM放送受信OK
 ・Tメーター中点とSメーター最大が一致しない
 ・Tメーター中点からかなりズレた位置でSTEREOランプ点灯
 ・実際のステレオ感あり、MUTING動作OK
 ・AM放送は背面バーアンテナで名古屋地区のAM局を受信OK
 ・電球切れ以外は深刻な故障個所は無さそうです

■内部確認-------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン → レシオ検波 → HA1156
 ・IFバンド Narrow/Wide切り替えなし
 ・RT201:Muting調整
 ・RT202:Sメーター振れ調整
 ・RT203:Mutingバランス調整
 ・RT301:VCO調整
 ・RT302:出力レベル調整Lch
 ・RT303:出力レベル調整Rch
 ・RT501:セパレーション調整

St495000

 ・周波数窓の照明方法は先代の ST-5130,ST-5140,ST-5150 と同じ
 ・ガラス板の両端を固定する方法が進化している
 ・MPX部はIC化(HA1156)してグレードアップしている
 ・さらにダイヤル指針は赤色LEDで同調点が分かりやすい

St495021St495022St495023St495024St495025

■修理記録:照明電球交換----------------------------------

 ・SメーターとTメーターをライトアップする電球が切れています
 ・電球を外して刻印を見ると STANLEY 12v/5w、端子電圧 AC10.7v
 ・これならホームセンターの自動車用品売り場で入手容易です
 ・早速買ってきて電球交換
 ・ついでに周波数窓を照らす同型電球×2個も交換しておきました

St495040St495043St495044St495045St495046

■失敗記録:ガラス板の印字は取扱い注意----------------------

 ・続いて周波数や目盛りを刻んだガラス板を磨きました
 ・ところがここで大失敗、、
 ・ウエットティッシュでガラス板の左半分を軽く一拭きしたところ
 ・目盛り線が崩れる、AM周波数の数字がかすれる、、しまった!!
 ・ST-5950でも失敗経験があるので注意していたのに、、
 ・遠目で見れば分かりませんが、悔しい失敗でした
 ・ST-5950/4950のガラス板印字は脆いので清掃時は要注意です

St495051

■調整記録-------------------------------------------------

 【レシオ検波調整】
 ・アンテナ入力なし → IFT201左コア調整 → Tメーター中点
 【FM OSC調整】
 ・ダイヤル指針を周波数目盛り83位置にセット
 ・83MHz受信 → CT104調整 → Sメーター最大
 【FMトラッキング調整】
 ・76MHz受信 → L101,L102,L103調整 → Sメーター最大
 ・90MHz受信 → CT101,CT102,CT103調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → Sメーター最大
 【検波歪調整】
 ・音声出力をWaveSpectraで観測
 ・83MHz受信 → IFT201右コア調整 → 高調波歪最小
 【ミューティング調整】
 ・83MHz受信 → RT201調整 → ミューティング作動レベル調整
 ・83MHz受信 → RT203調整 → ミューティングバランス調整 ※
 ※バランス調整
  作動すポイントをTメーター左右対称になるように調整
 【Sメーター振れ調整】
 ・83MHz受信 → RT202調整 → Sメーター最大振れ調整
 【VCO調整】
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・アンテナ入力なし → RT301調整 → 19kHz
 【セパレーション調整】
 ・83MHz受信 → RT501調整 → 左右chの漏れ信号最小
 【オーディオレベル調整】
 ・RT302、RT303 左右信号レベルを揃える。
【AM調整】
 ・ダイヤル指針を600kHz位置にセット
 ・600kHz受信 → L402調整 → Sメーター最大
 ・600kHz受信 → バーアンテナ内L801調整 → Sメーター最大
 ・ダイヤル指針を1400kHz位置にセット
 ・1400kHz受信 → CT402調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → CT401調整 → Sメーター最大

St495060

■試聴-----------------------------------------------------

 ・緑色に浮かび上がる周波数窓とふたつのメーターがイイ感じです
 ・赤く光るダイヤル指針がワンポイントアクセントで好印象

St495005

note BLUESS Laboratory

2024年3月10日 (日)

TRiO KT-1100 修理調整記録12

 ・2024年1月、2年ほど前に修理したKT-1100が再び不調になったそうです
 ・FM放送を受信できなくなってしまったとか、
 ・以下、再修理記録です

Kt110003_20240310084301

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-1100 ¥73,800(1982年発売)
 ・オーディオ懐古録 TRIO KT-1100 AM-FM STEREO TUNER ¥73,800
 ・Hifi Engine Kenwood KT-1100 AM/FM Stereo Tuner (1983)

Kt110002_20240310084101Kt100013_20240310084101

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からの情報>
 ・起動から1時間くらい経つと受信しなくなってきた
 ・この症状が続き、受信しなくなる頻度が多くなってきた
 ・初期の症状では受信周波数帯が時間とともにずれている
 ・やがて、すべて受信しなくなってしまい今にいたる
 ・AMは問題なく受信出来る

<当方での確認事項>
 ・FMアンテナを接続して電源オン
 ・二つのメーター照明点灯、赤い指針点灯
 ・82.5MHz(NHK-FM名古屋)受信OK、指針と目盛りのズレは無い
 ・手を離すとSERVO LOCKランプ点灯、続いてSTEREOランプ点灯
 ・RF切換OK、FM BAND切換OK、MUTING動作OK、REC CALトーンOK
 ・名古屋地区のAM放送も受信OK
 ・FM/AMとも正常動作している、、と思ったら

 ・起動から約5分後、受信中のFM音声が突然途絶えた!
 ・Tメーターを見ると針が中点から右側にズレている
 ・同調点から外れてミューティングが作動したようです
 ・しかも針が右方向にゆっくり動いている
 ・選局ツマミを回して同調点を追いかける、でも追いつかない
 ・やがて90MHzの右端に達してもはや追尾不能となる
 ・こうなった状態では76~90MHz全区間で受信不能でした
 ・1時間後に再起動するも76~90MHz全区間で受信不能
 ・このときAM受信は正常です
 ・翌日再起動すると正常動作から上記不具合症状が繰り返されました

■修理記録--------------------------------------------------

Kt110021_20240310084101Kt110032_20240310084101

 ・不調時の挙動から考えてTC8:OSCトリマの故障が怪しそう
 ・前回はOSCトリマを調整しただけで交換していません
 ・今回は交換が必要かな、、
 ・でもその前に、とりあえずTC8:OSCトリマを適当に回してみたら
 ・何と受信動作が復活しました!
 ・周波数ズレも無く電圧最大値がピタリと決まります!
 ・どうやら不調原因はTC8内部の接触不良のようです
 ・古くなったトリマコンデンサでありがちな不具合です
 ・交換前の実験としてエレクトロニッククリーナーを噴射してグリグリ
 ・左右に100回ほど回して乾燥、その後通電したところ、
 ・回転フィーリングが軽くなり電圧最大値もピタリ決まりました
 ・電圧値がふらつくこともありません
 ・この状態での1週間のランニングテストでも不具合は再発しない
 ・トリマの容量抜けが無いならこの方法もアリみたい

■調整記録--------------------------------------------------

Kt110000_20240310084301

【FM OSC調整】
 ・83MHz受信 → フロントエンドTC8調整 → Sメーター最大
 ※OSCコイルL5の調整が難しいため83MHzのみで調整
【FM RF部調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → TC1,TC2,TC4,TC6調整 → Sメーター最大
 ・83MHz受信 → T1調整 → Sメーター最大
 ※L1~L4の調整が難しいため83MHzのみで調整
【IF調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz → L2,L3調整 → Sメーター最大
【Tメーター調整】
 ・IF BAND NARROW
 ・83MHz受信 → Sメーター最大かつ高調波歪最小位置にて受信
 ・L4調整 → Tメーター中点
【Wide Gain調整】
 ・83MHz受信 → VR1調整
   → Wide/Narrow Sメーター振れ具合を同じ位置に
【2nd OSC調整】
 ・IC4(TR4011)-1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz受信 → L6調整 → 1.965MHz
【VCO調整】
 ・IC7(TR7040)付近の二つのTPを直結
 ・TP(19kHz) → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz±10Hz
【Pilot Cancel調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR3,L19調整 → 19kHz漏れ信号最小
【セパレーション調整/wide】
 ・IF BAND WIDE
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR5調整 → Lch漏れ信号最小
 ・83MHz ST → VR9調整 → Rch漏れ信号最小
【セパレーション調整/narrow】
 ・IF BAND NARROW
 ・音声出力 → WaveSpectra接続
 ・83MHz ST → VR6調整 → 漏れ信号最小
【REC CAL調整】
 ・83MHz受信 → 出力レベル測定
 ・VR2調整 → 上記レベル-6dBに設定 ※422Hz
【タッチセンサー調整】
 ・Q13エミッタ(=R197) → 周波数カウンタ接続
 ・L18調整 → 400kHz
【AM OSC調整】
 ・ 600kHz受信 → L17調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC7調整 → Sメーター最大
【AM RF調整】
 ・ 600kHz受信 → L14,L15調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz受信 → TC3,TC5調整 → Sメーター最大
【AMメーター調整】
 ・VR12 Sメーター振れ具合調整
 ・VR11 Tメーター中点調整

Kt110031_20240310084301

■試聴------------------------------------------------------

 ・もし不具合が再発するようなら次はトリマコンデンサを交換します
 ・でも接点不良が解消したので当分は大丈夫かなと思います

Kt110004_20240310084301

 → note BLUESS Laboratory

2024年3月 3日 (日)

KENWOOD KT-3030 修理調整記録6

 ・2024年1月、KT-3030の故障機が届きました
 ・起動時にノイズ発生、さらに左右の音に音量差があるそうです
 ・以下、作業記録です

Kt303004_20240303083001

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-3030 ¥120,000(1984年頃)
 ・オーディオ懐古録 KENWOOD KT-3030 ¥120,000
 ・Hifi Engine KENWOOD KT-1100SD FM Stereo Tuner (1984)

Kt303002_20240303083201Kt303007_20240303083201

■動作確認--------------------------------------------------

<提供者様からお聞きした情報>
 ・最初電源を入れてしばらくは左chの音が大きい
 ・しばらくすると右chにガリ音というか、音が歪む瞬間がある
 ・その後は左右正常音量に戻る
 ・電源投入時に正常に聞こえていてもそのうち左右の音量差が出る
 ・起動時以外も長く聞いていたりすると症状が出やすい
<当方での確認事項>
 ・事前情報があったので電源オン直後の様子を注意深く観察しました
 ・背面の可変出力端子で確認したところご指摘の症状を確認しました
 ・電源オン直後はRchの音が約-4dB小さい、聴感ではっきり分かります
 ・しばらくすると(10秒くらい)すぐに左右の音量差は解消しました
 ・正常に戻る瞬間に右chから「ガリガリ」音が聞こえました
 ・オート選局や各種機能切換などの基本動作は正常です
 ・本体正面の固定出力端子も同様に試しましたが同じ症状でした
 ・別件ですが本体の周波数表示部に文字欠けがありました
 ・「88.8」の一部セグメントが振動で点いたり消えたりします

■内部確認--------------------------------------------------

 ・KENWOODサービスによる修理記録シールはどこにもありません
 ・内部と基板面を見た感じでも修理痕・部品交換痕は見当たりません
 ・つまりオリジナル状態だと思います
 ・起動後しばらく経って安定稼働した状態で一通り調整してみました
 ・左右同音量になったと思った状態でも実際は約1dBの差がありました
 ・やはりRchの方が少し音量が小さいです
 ・調整したところ特に異常個所はなく調整手順が正常に完了しました

Kt3030

■修理記録:接点洗浄----------------------------------------

 ・本機はフロントに固定出力端子、背面に可変出力端子を備えています
 ・左右の音量差やガリが気になる場合はまず可変抵抗の不調を疑います
 ・そこで可変出力端子のVRをエレクトロニッククリーナーで洗浄
 ・続いてフロントパネルにあるIF BAND切換のスライドVRも同様に洗浄
 ・接点不良を疑いましたがここは問題なかったです

■修理記録:ローパスフィルター L29(L79-0107-05-521)---------

 ・調整手順が正常完了しても左右の音量差、片chだけの雑音、、
 ・調査の結果、最終オーディオ回路のLPF:L29前後で様子が異なるが判明
 ・そこでL29(L79-0107-05-521)を取り外して前後回路を直結したところ
 ・起動時の音量差も雑音も解消しました

Kt303020_20240303083301Kt303021_20240303083301Kt303023_20240303083301Kt303025_20240303083301Kt303026_20240303083301

 ・L29の裏面を見ると内蔵コンデンサーが黒く変色しています
 ・まずRch側の内蔵コンデンサーを洗浄してみました
 ・L29裏面からエレクトロニッククリーナーを軽く噴射
 ・見える部分だけを柔らかい刷毛で清掃
 ・この状態で基板に再度取り付けて動作確認したところ、、
 ・電源オン時の左右の音量差は解消しました
 ・通常稼働時の左右の僅かな音量差も解消しました
 ・不具合の原因はこのL29で間違いないようです
 ・再度L29を基板から取り外し、Lch側のフィルターも洗浄しました
 ・作業後1週間のランニングテストでも不具合は再発しません
 ・不具合が再発する場合、次はコンデンサの除去と外付け追加ですが
 ・今回は洗浄だけに留めておきます

■修理記録:7セグメント表示の一部欠損-----------------------

 ・たとえば「80.7」MHzの「8」や「0」の一部が欠損します
 ・本体を軽く叩くと点いたり消えたりするのでハンダクラックが原因か?
 ・そこで表示管に繋がる基板のハンダ付けをやり直しました
 ・2階基板の裏面のハンダは底面から慎重にアクセスして修正しました
 ・もう大丈夫です

Kt303030_20240303083401Kt303031_20240303083401Kt303032_20240303083401Kt303035_20240303083401

■調整記録--------------------------------------------------

 ・輸出機KT-1100SDのサービスマニュアルをベースにして一部アレンジ
 ・IF BAND スイッチ記号
  (左端)N2 ← N1 ← (中央) → W2 → W1(右端)
【本体設定】
 ・RF SELECTOR:DISTANCE
 ・IF BAND:W1(右端位置)
【VT電圧】
 ・TP1~TP2 → 電圧計セット
 ・アンテナ入力なし
 ・76.0MHz → L6調整 → 3.0V ※実測 3.1V
 ・90.0MHz → TC6調整 →24.0V ※実測24.3V
【検波調整】
 ・TP7~TP8 → 電圧計セット
 ・83.0MHz受信 → L21調整 → 0.0V ※実測220mV
【RF調整】
 ・Multipath V端子 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・76.0MHz → L1~L5調整 → 電圧最大
 ・90.0MHz → TC1~TC5調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・Multipath V端子 → 電圧計セット
 ・83.0MHz → L11,L12調整 → 電圧最大
 ・83.0MHz →L14,L18調整 → 電圧最大
【MPX VCO調整】
 ・TP9 → 周波数カウンタ接続
 ・83.0MHz → VR12調整 → 76.0kHz
【PILOT CANCEL調整1】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHzST信号 → VR11調整 → 19kHz信号最小
 ・83.0MHzST信号 → L26 調整 → 19kHz信号最小
  ※左右chのバランス確認
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83.0MHzSUB信号 → L28調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DET】
 ・83.0MHz(MONO信号,400Hz)→ VR1調整 → 歪率最小
【歪調整2 MONO】
 ・83.0MHz(MONO信号,1kHz)→ VR2調整 → 歪率最小
【歪調整3 MONO】
 ・83.0MHz(MONO信号,1kHz)→ VR4調整 → 歪率最小
【歪調整4 STEREO/L】
 ・83.0MHz(L信号)→ VR3調整 → 歪率最小
【歪調整5 STEREO/SUB】
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR5調整 → 歪率最小
【歪調整6 STEREO/MAIN】
 ・83.0MHz(MAIN信号)→ VR6調整 → 歪率最小
【歪調整7 STEREO/L】
 ・83.0MHz(L信号)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整8 W2】
 ・IF BAND=W2
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR8調整 → 歪率最小
【歪調整9 N1】
 ・IF BAND=N1
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR9調整 → 歪率最小
【歪調整10 N2】
 ・IF BAND=N2
 ・83.0MHz(SUB信号)→ VR10調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整1 W1】Super Wide
 ・IF BAND=W1
 ・83.0MHz(R信号)→ VR13調整 → Lchもれ最小
 ・83.0MHz(L信号)→ VR14調整 → Rchもれ最小
【SEPARATION調整2 W2】Wide
 ・IF BAND=W2
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR15調整 → もれ最小
【SEPARATION調整3 N1】Narrow
 ・IF BAND=N1
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR16調整 → もれ最小
【SEPARATION調整4 N2】Super Narrow
 ・IF BAND=N2
 ・83.0MHz(R/L信号)→ VR17調整 → もれ最小
【SIGNAL METER調整】
 ・83.0MHz → VR18調整 → 最上段ドット点灯
【TUNING METER調整】
 ・83.0MHz → 2階基板VR2調整 → 中央の白セグメント点灯位置
【MODULATION METER調整】
 ・83.0MHz → 2階基板VR1調整 → 100%位置で点灯

Kt303040_20240303083001

■試聴------------------------------------------------------

 ・1週間のランニングテストでは不具合の再発は無かったです
 ・やはりKT-3030、2020、1100D辺りは安心して聴けますね

Kt303003_20240303083101

 ・note:BLUESS Laboratory

2024年2月25日 (日)

Accuphase T-101 修理調整記録5

 ・2024年1月、以前メンテした個体の再修理をお引き受けしました
 ・今回は本体内部から「ビー」という異音が聞こえるそうです
 ・以下、作業記録です

T10101

■製品情報-------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年5月発売)
 ・オーディオ懐古録 Accuphase T-101 ¥110,000 (1974年)
 ・Hifi Engine Accuphase T-101 FM Stereo Tuner
 ・取扱説明書(日本語版)

T10103_20240225085101T10104_20240225085101

■動作確認-------------------------------------------------

<提供者様からお聞きした症状>
 ・左側の音が小さくなり左側のみガサゴソノイズが出るようになった
 ・その症状はしばらくして治まったが、
 ・次は電源を入れると本体内部からビーという音が響く様になった
 ・スピーカーからは発振音のようなノイズしか聞こえない
 ・この状態でも二つのメーターは正常に振れステレオランプも点灯する
<当方での確認状況>
 ・電源オン、周波数窓と二つのメーターが青色照明に浮かび上がる
 ・名古屋地区のFM局を受信するとSメーター、Tメーターが大きく振れる
 ・固定/可変出力とも音声OK、FM DET OUT端子も音声OK
 ・MUTING動作OK、STEREOランプ点灯
 ・あれ?正常に受信動作していますが?? と思ったら、
 ・通電から1時間ほど経った頃、突然ご指摘の症状が発生しました
 ・左右chとも「ビー」という連続した発振音しか聞こえません
 ・ボディの中からも「ビー」という大きな音が連続して聞こえます
 ・このときSメーターとTメーターの動作は正常
 ・STEREOインジケーターも点灯しています
 ・固定端子、可変端子ともに「ビー音」しか聞こえません
 ・しかしマルチパスH端子とFM DET OUT端子からは正常音声でした
 ・放送局を離れるとMUTINGが作動してビー音は聞こえなくなる
 ・次にMUTINGオフの状態で確認してみると
 ・離調時も「ビー音」はずっと発生していました
 ・そもそもボディ内部から「ビー音」が聞こえるってどういうこと?

■内部確認-------------------------------------------------

 ・「ビー音」が聞こえる状態でボディを開けて内部点検開始
 ・異音の発生源と辿るとMPX基板のリレー/RELAY1 でした
 ・リレーの接点が高速でON/OFFを繰り返しているようです
 ・リレーの動作音が「ビー」という連続音になる
 ・音声がON/OFFを繰り返すので音声端子からも発振音のように聞こえる
 ・なるほど、不具合の原因が分かりました、そこで、
 ・急いで電圧計を用意して各部の電圧を測定しようとしていたら、
 ・これまた急に「ビー音」が消えて正常動作に戻りました
 ・「ビー音」が聞こえていたのは10分間位だったでしょうか
 ・不具合発生のきっかけは何だったのか?? 不思議に思いつつ、
 ・正常動作している間に下記受信調整を進めました
 ・その後連続8時間に渡って正常動作が続きました
 ・こういった気まぐれ不具合は原因究明が厄介です

T10120T10130T10131T10122T10132

■修理記録:基板を繋ぐコネクタ洗浄-------------------------

 ・内部確認から1週間後、再び電源を入れてみました
 ・すると今回は通電直後から「ビー音」が発生!
 ・本機のIF基板とMPX基板はコネクタ配線で繋がっています
 ・過去事例ではこのコネクタ部で接触不良が頻発していました
 ・そこで電源オフ、基板を引き抜いて接点を念入りに洗浄
 ・これで解決するか、、と期待して電源オン、、
 ・残念、、「ビー音」が再び発生、、
 ・ここは問題なしでした

T10121T10123T10124T10125T10126

■修理記録:MPX基板の部品チェック--------------------------

 ・オシロスコープで波形を見ながら「ビー音」発生を待ちました
 ・待っているときはなかなか発生しないものですね、、
 ・そしていよいよ「ビー音」発生
  ・D2:カソード側16.4v、アノード側5.1v → ★異常時14.0v
 ・異常時はアノード側にパルス状の鋭い波形が被ってます
 ・これはMUTING系統のTRか電解コンデンサに故障がありそうか?
 ・基板から部品を取り外して1個ずつ確認
  ・Q13,Q14,Q15/2SC1416 → 正常
  ・D1,D2,D3,D4 → 正常
  ・Q16,Q17,Q18/2SC1416 → 正常
 ・電解コンデンサの容量も測定して全て異常なし

T10100

■修理記録:電源回路の電解コンデンサ交換-------------------

 ・次に怪しいのは電源基板、と思って電解コンデンサを全数交換
  ・C3 2200uF/35v → 2200uF/35v ※チューブラ型
  ・C4 100uF/35v → 100uF/35v
  ・C5 22uF/16v → 22uF/50v
  ・C8 100uF/16v → 100uF/25v
  ・C9 100uF/16v → 100uF/25v
  ・C4 1000uF/10v → 1000uF/50v ※ラグ板上のチューブラ型
 ・交換後は「ビー音」は発生することなく動作は正常になりました
 ・確認のため取り外した部品を詳細にチェックしたところ、
 ・C5:22uF/16v だけ内部抵抗成分ESRが15Ωと異常に高い事が判明!
 ・そこで C5だけ電源基板に戻してみると、、何と!「ビー音」発生!
 ・故障部品はC5:22uF/16v でした
 ・容量は正常値でもESRが異常値を示すことがあるんですね
 ・その後、10日間に渡って正常動作が続いています。
 ・また一つ勉強になりました

T10143T10144T10146T10142T10148

■調整記録-------------------------------------------------

【検波調整1】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・信号なし → IF基板 T3上段コア調整 → Tメーター中点
【OSC調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT1調整
 ・76MHz → フロントエンド L11調整
 ・上記調整を数回繰り返す
【トラッキング調整】
 ・90MHz → フロントエンド CT2,CT3,CT4調整 → Sメーター最大
 ・76MHz → フロントエンド L11,L12,L13調整 → Sメーター最大
 ・上記調整を数回繰り返す
【Sメーター調整】
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR4調整 → Sメーター目盛り5
【検波調整2】
 ・MONO、MUTINGオフ、NORMAL
 ・固定出力 WaveSpectra接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 T3下段コア調整 → 高調波歪最小
【MUTING WIDTH調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 86dB,30%dev → IF基板 VR2調整 →
 ・Tメーターを見ながら離調時にMUTING作動ポイントが左右対称に
【MUTING LEVEL調整】
 ・MUTING オン
 ・83MHz 22dB,30%dev → IF基板 VR3調整 → 出力が出現する位置へ
【VCO調整】
 ・MPX基板 IC1 1pin → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz 無変調 → MPX基板 VR1調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・固定出力端子にWaveSpectra接続
 ・83MHz 100%dev → MPX基板 VR2調整 → 反対chへの漏れ信号最小
【音声出力レベル】
 ・固定出力 AC電圧計接続
 ・83MHz 66dB,100%dev → IF基板 VR1調整 → 2.0v

T10150

■試聴-----------------------------------------------------

 ・「ビー」というブザーのような音が耳奥に残ってしまいました
 ・T-101の良い音を聴きながら聴感のリハビリをしています
 ・やはり正常な音声が聞こえるチューナーはイイですね

T10102_20240225085201

■note、始めました---------------------------------------

 ・noteで「マガジン」を設定してみました
 ・マガジンとは、個々のnoteをテーマ毎にまとめたフォルダみたいなものです
 ・とりあえず「バリコンチューナー」と「シンセチューナー」の2種類です
 ・目次代わりに使えそうです

 ・note BLUESS Laboratory

2024年2月18日 (日)

KENWOOD KT-1100D 修理調整記録20

 ・2024年1月、4年ほど前に修理調整した個体の再修理を承りました
 ・今回は表示部に何も表示されなくなったそうです
 ・以下、作業記録です

Kt1100d04_20240218090601

■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 KENWOOD KT-1100D ¥74,800(1987年頃)
 ・KENWOOD チューナーカタログ 1986年11月版

Kt1100d02_20240218090701Kt1100d07_20240218090701

■動作確認--------------------------------------------------

 ・電源オン、ご指摘の通り表示部には何も表示されない
 ・ただ眼を凝らすと周波数の一桁部分がかろうじて薄っすら見える
 ・その他の表示内容は読み取れない
 ・PROGRAMボタンを押すと赤色LEDが点灯する
 ・AUTO選局ボタンを押すと赤色LEDが点灯する
 ・音声端子からは受信音や局間ノイズは全く聞こえない、完全に無音
 ・REC CALトーンも聞こえない
 ・まずは電源系統の確認から始めます

■修理記録:電源回路の電解コンデンサ交換--------------------

 ・本体が全く機能していないので電源最上流部から確認開始
 ・電源トランスから出ているAC電圧 → OK
 ・D29,D30,D31,D32 → OK
 ・Q46エミッタ電圧(+28v)← 実測+2v ★ここがおかしい
 ・次にQ46前後の電解コンデンサを確認したところ故障部品発見!
 ・C134(100uF/10v)→ これが1Ωの抵抗と化していました
 ・C134(100uF/10v)→(100uF/50v)新品交換
  ※手持ちが50v品しかなかったので直径が大きめです
 ・交換によって電源電圧がすべて正常化、表示管が点灯し受信動作が復旧
 ・後述の受信調整を経て完全復活しました

Kt1100d20_20240218090801Kt1100d22_20240218090801Kt1100d23_20240218090801Kt1100d24_20240218090801Kt1100d25_20240218090801

■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧】
 ・TP6~TP7 → DC電圧計セット
 ・76MHz → L14調整 → 3.0V±0.1V ※実測 3.0V
 ・90MHz → TC1調整 →25.0V±0.1V ※実測24.8V
【検波調整】
 ・TP10~TP11 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L9調整 → 0.0V±10mV ※実測16mV
 ・TP12~TP13 → DC電圧計セット
 ・83MHz受信 → L12調整 → 0.0V±10mV ※実測22mV
【RF調整】
 ・R67左側 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz → L1,L4,L7,L18調整 → 電圧最大
【IFT調整】
 ・R64左側 → 電圧計セット ※Sメーター電圧
 ・83MHz → L10調整 → 電圧最大
【AUTO STOP=MUTING調整】
 ・83MHz 30dB → VR1調整
【TUNING METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR2調整 → ※
  ※中央の縦白セグメント点灯、両側の赤縦セグメントの中点へ
【SIGNAL METER調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR3調整 → ※
  ※バーグラフの点灯レベル調整
【MPX VCO調整】
 ・TP14 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz → VR4調整 → 19kHz
【SUB CARRIER調整(38kHz)】
 ・音声出力 → Wavespectra接続
 ・83MHz SUB信号 → L25調整 → Lchレベル最大
【歪調整1 DLLD】
 ・83MHz(MONO)→ VR3:DET調整 → 歪最小
【歪調整2 MONO】
 ・83MHz(MONO)→ VR4:MONO2調整 → 二次歪最小
【歪調整3 MONO】
 ・83MHz(MONO)→ VR6:MONO3調整 → 三次歪最小
【歪調整4 STEREO】
 ・83MHz(L/R)→ VR5調整 → 歪最小
【歪調整5 STEREO】
 ・83MHz(SUB)→ VR7調整 → 歪率最小
【歪調整6 NARROW】
 ・83MHz(MAIN)→ VR2調整 → 歪率最小
【SEPARATION調整 WIDE】
 ・IF BAND:WIDE
 ・83MHz → VR2調整 → L信号もれ最小
 ・83MHz → VR3調整 → R信号もれ最小
【SEPARATION調整 NARROW】
 ・IF BAND:NARROW
 ・83MHz → VR1調整 → 信号もれ最小
【DEVIATION調整】
 ・83MHz → 本体左側小基板VR4調整 → 100%位置

【AM簡易調整】
 ・TP6~TP7 → 電圧計セット
 ・522kHz → L20調整 → 実測 1.5V 確認のみ
 ・1629kHz→ TC2調整 → 実測 8.0V 確認のみ
 ・ 729kHz NHK第一放送受信 → L21調整 → Sメーター最大
 ・1332kHz 東海ラジオ受信 → TC3調整 → Sメーター最大
 ・1053kHz CBCラジオ受信  → L22調整 → Sメーター最大

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■試聴------------------------------------------------------

 ・小さな電解コンデンサが1個故障するだけで致命傷になるのですね
 ・でも4年前の再調整から調整ズレはほとんどなかったです
 ・これでまたしばらくは安心して使えます

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■ note 始めました------------------------------------------

 ・2024年1月から note にも同じ記事を投稿しています
 ・noteの使い勝手は思ったよりイイ感じです
 ・ココログの容量が一杯になったらnoteに移行しようと思います

 →note BLUESS Laboratory

2024年2月11日 (日)

TRIO KT-7500 修理調整記録5

 ・2023年12月、KT-7500の故障品が届きました
 ・以下、作業記録です

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■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオの足跡 TRIO KT-7500 ¥48,000(1975年発売)
 ・hi-fi engine KENWOOD KT-7300 輸出機サービスマニュアル
 ※型番注意
  ・国内機 KT-7500 → 輸出機 KT-7300

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■動作確認--------------------------------------------------

 ・外装は目立つキズも無くキレイな状態
 ・ただ周波数窓のガラス外縁部が虹状に光って見える
 ・これは磨いてもどうにもなりません
 ・電源オンOK、Sメーター周辺部がちょっと暗い → 電球切れか
 ・FMポジションランプ(赤色LED)点灯
 ・FMアンテナを接続して名古屋地区のFM局の受信テスト開始
 ・0.1MHz程度の周波数ズレでFM放送を受信OK
 ・STEREOインジケーター(赤色LED)点灯するがちょっと暗い
 ・Sメーター最大点とTメーター中点が一致しない
 ・MUTING動作OK
 ・続いて背面バーアンテナでAM放送の受信テスト
 ・AMポジションランプは点灯しない
 ・低い周波数のAM局は受信OK
 ・ところが高い周波数(1000kHz以上)の局は受信できない
 ・背面バーアンテナを見ると内蔵コアが外部にまで飛び出している
 ・だれか適当に弄った痕跡か?

■内部確認-------------------------------------------------

 ・FM4連、AM2連バリコン
 ・IC1:HA1137 FM IF SYSTEM (クアドラチュア検波)
 ・IC2:HA1156 FM MPX
 ・IC3:HA1151 AM SYSTEM

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■修理記録:照明電球交換-----------------------------------

 ・二つのメーターと照明窓は4個の電球でライトアップされている
 ・このうち左端の電球1個が切れていました
 ・8V/300mA、手持ちの中古パーツと交換しました
 ・ところが作業中にもう1個の電球が切れてしまいました
 ・ここも同じ中古パーツに交換
 ・交換後しばらく様子を見ていますが大丈夫そうです
 ・配線は単純なので次回はLED化を検討した方が良いですね

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■修理記録:AMインジケーターLED交換-------------------------

 ・AMインジケーターLEDが点灯しません
 ・FMインジケーターLEDは鮮やかな赤色で点灯しますが
 ・STEREOインジケーターはLEDがちょっと暗い
 ・FM と STEREO が並んで点灯すると明るさがアンバランスです
 ・そこでSTEREO用LEDを切れていたAM用LEDとして移植
 ・STEREO用LEDは過去に部品取りした同型LEDに交換しました
 ・FM受信時は FM と STEREO インジケーターが明るく点灯
 ・AM受信時は AM インジケーターがやや暗めで点灯
 ・ちょうどバランスが取れた感じです

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■調整記録--------------------------------------------------

【Tメーター オフセット調整】
 ・セレクタ AM → VR2調整 → Tメーター中点
 ※AM受信時にTメーターは使いませんが中点調整に使います
【FM OSC調整】
 ・76MHz → L4調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → CT4調整 → Sメーター最大
【FM RF調整】
 ・76MHz → CT1,CT2,CT3調整 → Sメーター最大
 ・90MHz → L1,L2,L3調整 → Sメーター最大
 ・83MHz → IFT調整 → Sメーター最大
【FM検波調整】
 ・83MHz → T1(下部コア)調整 → Tメーター中点
 ・83MHz → T1(上部コア)調整 → 高調波歪最小
【FM Sメーター調整】
 ・83MHz → VR1調整 → 振れ具合調整
【VCO調整】
 ・TP1 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz,無変調 → VR3調整 → 19kHz
【セパレーション調整】
 ・83MHz → VR4調整 → 反対ch漏れ信号最小
【AM調整】
 ・ 600kHz → バーアンテナ内T2調整 → Sメーター最大
 ・1400kHz → CT6,CT5調整 → Sメーター最大
【AM Sメーター調整】
 ・Sメーター調整 → VR5
 ★飛び出していたAMバーアンテナ内コイルを適正位置に戻しました
 ★調整によってAM受信感度が大幅に向上しました

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■試聴------------------------------------------------------

 ・フロントパネルを分解して周波数窓の裏側を磨いておきました
 ・指針先端に付着していた綿のようなゴミを除去しました
 ・見ていて飽きない外観と力強い音が魅力です

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■ note 始めました----------------------------------------------------

 ・ココログは2006年から利用していますが、いよいよ保存容量が厳しくなってきました
 ・引っ越し先をどうしようかと思案中ですが、、
 ・知人が最近 note を始めたと聞いて私も試しに開設してみました
 ・しばらくはココログとnoteを併用して使い勝手を試してみようと思います

 →note BLUESS Laboratory

2024年2月 4日 (日)

SONY ST-S555ES 修理調整記録2

 ・2023年12月、555ESの故障機が届きました
 ・専用の音声信号ケーブルも同梱されていました
 ・以下、作業記録です

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■製品情報--------------------------------------------------

 ・オーディオ懐古録 SONY ST-S555ES FM STEREO TUNER ¥65,000
 ・オーディオの足跡 SONY ST-S555ES ¥65,000(1982年頃)
 ・Hifi Engine Sony ST-S555ES FM Stereo Tuner (1982-87)

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 ・555ESと555ESX、型番は似ていますが中身は別物です
 ・555ES → ST-J75やST-JX8とほぼ同じ構造
 ・555ESX → その後の333シリーズに繋がる基本形

■動作確認--------------------------------------------------

 ・外装に目立つキズは無いが全体に経年の汚れ
 ・放熱口から内部を覗くと大量のホコリが見える
 ・さて、テスト環境に設置してFM局の受信を試行
 ・付属の専用ケーブルを介してアンプに接続
 ・電源オンで周波数など表示部点灯、文字欠けや文字痩せはない
 ・各切換ボタンの操作に応じて表示内容は切り換るが、、
 ・オート選局ではすべてのFM局を素通りして受信不可
 ・マニュアル選局でも同様に受信不可
 ・MUTINGオフでも受信不可
 ・アンテナ切換 A/B どちらも受信不可
 ・IF BAND Wide/Narrow ともに受信不可
 ・唯一REC CALトーンだけは聞こえました

■内部確認--------------------------------------------------

 ・基板上の大量のホコリが堆積している
 ・まずは掃除機で吸い取り、さらにエアと刷毛で丹念に清掃
 ・部品交換歴は無さそうなので多分オリジナル状態です
 ・アンテナ2系統:B系は-20dBのアッテネーターをON/OFF可能
 ・フロントエンドは5連バリキャップのパッケージ品
  ・IF段:WIDE/NARROW切換式、Sメーター専用回路あり
  ・FM同調点検出:LA1235(クアドラチュア検波)
  ・検波部:レシオ検波
  ・復調部:uPC1223C
 ・テストポイント(TP3)でVT電圧確認 → 0v
 ・76MHz~90MHz区間全域でVT電圧=0v 変化なし
 ・これでは受信できるはずないですね

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■修理記録:VR601交換---------------------------------------

 ・まず最初に電源系統の電圧チェック
 ・すべてのヒューズ抵抗確認 → 異常なし
 ・続いてTP3(PLL) でVT電圧確認
 ・本来なら76MHz → 1.8v
 ・ところが 0.2vを示したまま76MHz~90MHz全区間で変化しない
 ・原因究明のためまずはPLL回路の点検からスタート
 ・IC601(CX778A) → Q601(2SK30A) → Q602(2SC1362)
 ・調査の結果 RT601(102)の抵抗値が無限大、断線状態でした
 ・これを同値の半固定抵抗に交換したところ
 ・VT電圧が出現し規定値に設定できました
 ・外形サイズが違うので足を細工して取付けました
 ・後述の調整作業でFM受信できるようになりました
 ・RT601は見た目も回転フィーリングも問題ないのに故障でした

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 ・実は、、今回と全く同じ故障事例が過去にありました
 ・SONY ST-JX8 修理調整記録3 2023年4月30日記事
 ・同じPLL回路の同じ半固定抵抗の故障、これは偶然か??
 ・ST-JX8(1981)、ST-S555ES(1982)
 ・両機の製造時期はほぼ同じなので
 ・同じ製造ロットの部品が使われていたかも?

■修理記録:黒ずんだICの足を磨く----------------------------

 ・上記修理によってFM放送を受信できるようになりました
 ・後述の調整手順もすべてクリアできました
 ・しかし受信中に「ザザッ、、ザザッ、」と雑音不定期に混入します
 ・WaveSpectraの波形でベースラインが上下する動きに連動するよう
 ・この手の雑音は発生源を探すのが厄介です
 ・まず最初にアースバーのハンダクラック対策
   →目視で分かるクラックは無いが念のため全個所再ハンダ
   →効果なし
 ・すべてのハンダ箇所をルーペで観察
   →目視で分かるクラック無し
 ・真っ黒に変色したICやTRの足を磨く(マイグレーション対策)
   →IC103(TL071CP),IC203,IC204(TL072CP)→ 効果なし
   →IC605(TMS1024NLL)→ ★当たり!
   →雑音が解消しWaveSpectraの波形もキレイに安定しました
   →暗黒物質が電源ラインかGNDラインに影響していたか?
 ・その他の黒ずんだパーツの足も磨いておきました
   →IC103(TL071CP),IC203(TL072CP),IC204(NE5532P),IC602(761A)
 ・足の磨き方
  →足の表面はエレクトロニッククリーナーを噴射して歯ブラシで磨く
  →裏側は100円ショップで買えるSSサイズの「歯間ブラシ」で磨く

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■調整記録--------------------------------------------------

【VT電圧調整】
 ・TP3 → 電圧計セット
 ・76MHz → RT601調整 → 1.8v
【FM同調点調整】LA1235クアドラチュア検波
 ・R127両端 → 電圧計セット
 ・83MHz受信 → IFT101調整 → 電圧0v
【フロントエンド調整】
 ・LA1235 13ピン → 電圧計セット(Sメーター電圧)
 ・83MHz受信 → トリマコンデンサ(2個)調整 → 電圧最大
【レシオ検波調整】
 ・TP1 → 電圧計セット
 ・音声出力 → WaveSpectra観測
 ・83MHz受信 → IFT102(黒)調整 → 電圧0v
 ・83MHz受信 → IFT102(赤)調整 → 高調波歪最小
【シグナルインジケーター点灯調整】
 ・RT301,RT302,RT303 → 反時計回りに回しきる
 ・83MHz,55dB受信 → RT301調整 → 点灯レベル 5
 ・83MHz,55dB受信 → RT302調整 → 点灯レベル 6
 ・83MHz,80dB受信 → RT303調整 → 点灯レベル10
【MUTING調整】
 ・IF BAND → WIDE
 ・83MHz,20dB → RT202調整 → MUTING作動位置
 ・IF BAND → NARROW
 ・83MHz,20dB → RT101調整 → MUTING作動位置
【VCO調整】
 ・TP2 → 周波数カウンタ接続
 ・83MHz(無変調)受信 → RT203調整 → 76kHz
 ※TP2に代えてR228左足で測定
【パイロットキャンセル調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra観測
 ・83MHz受信 →L201,RT202調整 → 19kHz成分最小
【セパレーション調整】
 ・音声出力 → WaveSpectra観測
 ・83MHz受信 → RT201調整 → Lch信号最小
 ・83MHz受信 → RT251調整 → Rch信号最小
【オーディオ出力調整】
 ・R215左足 → AC電圧計セット
 ・83MHz受信 → RT204調整 → Lch 0.775v
 ・R265右足 → AC電圧計セット
 ・83MHz受信 → RT254調整 → Rch 0.775v
【CAL TONE調整】
 ・83MHz調整 → RT401調整 → -6dB / 398Hz

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■試聴------------------------------------------------------

 ・セパレーション値は左右とも60dB超、とても優秀です。
 ・ただ専用のACTケーブルの効果は、よく分かりません?

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